結婚したくない腐女子が結婚しました

折原さゆみ

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番外編【年齢について考える】12ウエアと靴をそろえる

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 ジムを出た私は、そのままスーパーの衣料品コーナーに向かう。このジムはスーパーの中に併設されているので、ジム終わりに買い物ができるのが便利なところだ。

 ちょうど冬服がセールをしていた。さて、どのような服を買ったらいいだろうか。土曜日なので、スーパーはたくさんの人で賑わっていた。家族連れや友達同士、恋人同士、もちろんひとりで買い物をしている人もいる。一人だったところで気にすることもないので、お目当ての服を探していく。

「やっぱり、ジムだから、スポーティーなのがいいかなあ」

 今後、ジムに通うとなったら、仕事帰りに行くのがメインとなる。ジムには更衣室もあるが、わざわざ30分の運動のために着替えるのも面倒だ。とはいえ、会社の行き帰りの服がスポーティーでいかにも運動するという格好も微妙なところだ。

「面倒でも着替えたほうがいいか」

 30分でもある程度の汗はかきそうだ。そうなると、ジム終わりに汗で濡れた服で家に帰るのも、買い物するのも気持ちが悪い。着替えるとしたら、スポーティーでも全然かまわない。

 考えた結果、スポーツウエア系で上下をそろえることにした。上はちょうど星マークのスポーツブランドの速乾の長袖Tシャツが30%オフになっていたので、ベージュとピンクの色違いで2枚購入。下も同じスポーツブランドで、こちらは20%オフだったが、試着して履きやすかったジャージの購入を決定。やはり黒と紺色の色違いで2枚選んだ。

 ウエアを選んだら、次は靴を選ぶ。スーパーの中には靴屋も入っていた。そちらも見てみたが、しっくりくるものがなかった。やはり、気分が上がるお気に入りの靴を見つけたい。スーパーの衣料品コーナーの靴も見てみる。靴も大特価セールをしていた。

「これ、派手だけど、かっこいいかも」

 そこにひときわ目を引く靴があった。真っ赤な靴で展示品限りの商品だった。手に取って靴のサイズを確認すると、なんと、私の足のサイズと同じだった。その靴は私に買えと言っている。そう思えてならない。ひとまずその赤い靴を試着してみると、軽くて履きやすい。

 靴についているタグを確認すると、なんと定価6,000円が50%オフの3,000円となっていた。これはかなりのお買い得商品だ。色が派手だが、運動するのに明るい色は見ていてテンションが上がる。これを履いて運動する私を想像する。見た目だけかなりやる気のある人に見えるが気にしない。他人を気にするよりも自分が気に入ったものを身に着けたい。

 靴のブランドは私が通勤で履いているスニーカーと同じスポーツブランドなので歩きやすさは保証されている。ウエアとは別のスポーツブランドで、ネコ科の動物がモチーフとして使われているブランドだ。

 ウエア上下と靴で、合計1万円を超える出費となった。とはいえ、定価で買ったらさらに金額が上がっていたので、セールをしていて助かった。そして、運のよいことに私はそのスーパーのクレジットカードをもっていて、今日はお客様感謝デーだったので、そこからさらに5%引かれた値段で購入できた。運のよい日にジムの無料体験ができて、さらに買い物もできてラッキーだった。


「さて、帰るとしますか」

「あれ、紗々先輩!こんなところで会うなんて運命ですね!」

 服を買ってウキウキの気分でいたら、突然、声をかけられる。

聞き覚えのある声に思わず逃げ出したくなるのをこらえながら、声のした方向を振り返る。そこには満面の笑顔を浮かべた会社の後輩、河合さんが立っていた。

「いつもはネットで服を買うんですけど、たまに安売りしているときはここで服を買うこともあるんですよ!今は冬服のセール中ですから、何か良い掘り出し物があったら買おうかなと思って。紗々先輩も同じですか?」

「はあ、まあ、そんな感じです」

 服はひとりでじっくり見て買うのが好きだ。店で飼う場合は試着もしっかりと行うので、私は服を買うのに時間がかかる。今回もジムの体験が終わってからすでに30分以上が経過していた。河合さんが声をかけてきたのが買い物終わりで助かった。

「それで、今日はおおたかっちと一緒じゃないんですね?」

「いつも一緒に買物するわけではないですから」

「ふうん。それで、何を買ったんですか?結構、買っているみたいですけど」

 ちらりと私の持っているエコバックをみた河合さんが興味津々で質問してきた。早く家に帰りたいが、河合さんは私をなかなか放してくれない。どう話したら、この場を平和的に去ってくれるだろうか。

「河合さんに関係ありますか?今は勤務中ではないので、話す必要ないですよね?個人情報なので黙秘します。それから、買ったものを家で着たいので、これで失礼します」

 つい、きつい口調になってしまった。買った服や靴を大鷹さんに早く見せたかったのに、河合さんに足止めされてイライラしてしまった。しかし、これは言い過ぎかもしれない。さすがに傷ついたかもしれないと河合さんの表情を見ると、驚いた表情をしていて、私の予想と違っていた。

「せ、先輩が私にそんなことを言うなんて……。先輩と私の仲でしょう?親しいと思っていたのは私だけだった、ということ、ですか?」

 河合さんが驚いたのは最初だけで、すぐに両手を覆ってしくしくと鳴き真似を始めた。これは面倒なことになった。私が河合さんの質問にきちんと答えないと、私はスーパーから帰れない。

 ブー、ブー

「で、電話ですね」

 タイミングよく、私のカバンの中のスマホが振動する。慌ててカバンからスマホを取り出す。

 この場を離れる口実としてはうってつけだ。河合さんは黙って私をじいと見つめてくる。これは電話に出てもいいということだろうか。わからないが、とりあえずその場で電話に出ることにした。

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