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15ひいおばあさんの話し
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「さ、朔夜先輩!こんにちは。今日も素敵な格好をしていますね」
大学で授業を終えて、昼休みに食堂でジャスミンたちと昼食を取っていると、声をかけられた。声の聞こえた方向を確認すると、見知った顔が見えた。
今日の恰好は、最近の梅雨でじめじめした気分を少しでも明るくしようとして『虹』をイメージしている。七色の配色のボーダーの半そでのTシャツに、同じような配色の膝丈の短パン。派手な色合いを好むジャスミンには好評であり、綾崎さんからも特に非難の声はなかった。
「この格好は」
「蒼紗、いつの間に後輩なんて作っていたの?あなた、蒼紗とはどこで知り合ったの?」
「蒼紗さんも先輩、ですか。確かに私たちも二年生ですから、後輩がいるのは当たり前ですよね。蒼紗先輩って響き、いいですねえ。私も呼んでみたいです。それで、蒼紗さんを先輩呼びするあなたはどちら様?」
私が返事をしようと口を開いたのに、途中で遮られる。おしゃべりな二人が彼女に興味を示して、口々に彼女に話しかける。
「ええと、蒼紗先輩のお友達、ですか?」
「お友達!間違ってはいないけど、私と蒼紗の仲はそんな生易しいものじゃないわ。もっと深く、魂の底でつながっている……」
「私と蒼紗さんは、運命の糸でつながっています!」
このまま二人の暴走を放置していたら、せっかく私に用事があって話しかけてきた向井さんに迷惑をかけてしまう。すでに二人のテンションについていけず、どうしたらいいのか、私に視線で助けを求めていた。
「ジャスミンに、綾崎さん。その辺にしてください。後輩をいじめてはいけませんよ。彼女は私たちの後輩になります。今年、私たちの大学に入学した新入生の向井さんです」
「向井姫奈(むかいひな)です。朔夜先輩の働いている塾でアルバイトをすることになって、そこでお話しするようになりました」
私が会話に割って入り、彼女の簡単な紹介をすると、彼女はようやく自らの名前と私と知り合った経緯を説明する。塾で一緒に働くことになったのは本当のことなので、そのまま聞いていたが、その後に続く言葉に疑問を覚える。
「塾で一緒にアルバイトすることになって、私、先輩の魅力に気付いてしまいました!」
『あらあら、それは!』
なぜか、向井さんは私のことをちらちら見つつ、頬を赤らめている。どこかで見たことのあるような表情である。いったい、塾でバイトした時のどこに私の魅力を感じるところがあっただろうか。しかも、その言葉をさも理解できると頷いている、ジャスミンと綾崎さんの心の声がぴったりとハモりを見せる。
「ええと、それはありがとう。ところで、私に用事があったのではないですか?」
これ以上、この話を続けてはいけないと本能が告げている。慌てて、私に用事があったという彼女に用件を聞く。すると、彼女も用事を思い出したらしく、すぐに話してくれた。
「あの、私には認知症のひいおばあちゃんがいるのですが」
話が長くなりそうだと悟った私は、向井さんを自分たちの席に座るように勧め、彼女は私の隣に座った。そして、ひいおばあさんについて語り始めた。そこから始まったひいおばあちゃんの話は、私以外の人間には到底信じられないような話だった。
「私にはひいおばあちゃんがいるのですが、いつも、自分の幼馴染のことを話しています。幼稚園のころからの幼馴染で、すごく仲が良かったと聞いています」
「それくらいなら、誰にでもある昔話でしょ。そこから蒼紗とどうつながるの?」
「ジャスミン。話は最後まで聞きましょう。途中で口をはさむと、向井さんが話しにくいでしょう?」
いちいちジャスミンが口をはさんでいたら、話が進まない。彼女に注意して話を促す。なんとなくその後の話の流れがわかっていたが、私もあえて口を挟まず、最後まで話を聞くことにした。
「その幼馴染なんですけど、ちょっと不思議な人だったらしいです。なんでも、大学を卒業して何年かすると、急に行方がわからなくなったみたいで」
やはり、向井さんは私の幼馴染と血縁関係にあった。だから、私が幼馴染の荒川結女(あらかわゆめ)と彼女が似ていると思ったのだ、向井さんは私の幼馴染のひまごだったというわけだ。私の幼馴染は私と違って、大学を卒業して、社会人になって結婚して、子供を産んで、その後は孫ができて、さらにその後、ひ孫まで生まれていた。
私と違って、きちんと年齢を重ねている。今まで自分の周りの人間が寿命で亡くなるのをこの目できちんと見たことはない。両親の葬式にさえ顔を出すことができなかった。自分のこの体質を知ってからは、自分と同年代の人間の動向を確認することがなくなった。自分と同年代の人間が年を取って亡くなることを知るのは、私の心が耐えられなかったからだ。
最近では思い出しもしなかった自分の特異体質。まさか幼馴染のひ孫からの話で思い出すなんて皮肉なものだ。かたや、順調に自分の遺伝子を将来に残しているのに、自分はただ永遠の命をただ消費している。
私が自分のことを考えている間も、向井さんの話は続いていく。
「その行方不明の幼馴染なんですが、ひいおばあちゃんが最近になって、近くに現れたというんです。可笑しな話だと思いませんか?ひいおばあちゃんと幼馴染ということは、その方はすでに80を超えたおばあさんです。そんな人が突然、この辺に現れたなんて」
「さっきも聞いたけど、いったいこの話のどこに蒼紗とつながる要素があるの?あんたの話を聞いているほど、私たちは暇じゃないんだけど」
「佐藤さん、そんなこと言わない!とはいえ、私も気になります。まさかとは思いますけど、その幼馴染が蒼紗さん、だなんて言いませんよね?」
ぎくり。
考え事をしていたせいで、彼女たちの会話に乗り遅れてしまう。ずばり図星を着くかのように綾崎さんが発言する。綾崎さんたちのような、能力者の存在を知らない普通の人間には滑稽な話かもしれない。しかし、私たち能力者たちにとっては、それが当たり前の事実として認識される。決して滑稽な話ではなく、現実にあり得る話なのだ。
「私だって、ひいおばあちゃんに言われて、まさか、って鼻で笑いましたよ。でも、昔からひいおばあちゃんは不思議なことを言う人だったんです。実は」
私の心の内を知らない向井さんが綾崎さんの言葉に返事をしていく。このままでは私の特異体質がばれてしまうかもしれない。
大学で授業を終えて、昼休みに食堂でジャスミンたちと昼食を取っていると、声をかけられた。声の聞こえた方向を確認すると、見知った顔が見えた。
今日の恰好は、最近の梅雨でじめじめした気分を少しでも明るくしようとして『虹』をイメージしている。七色の配色のボーダーの半そでのTシャツに、同じような配色の膝丈の短パン。派手な色合いを好むジャスミンには好評であり、綾崎さんからも特に非難の声はなかった。
「この格好は」
「蒼紗、いつの間に後輩なんて作っていたの?あなた、蒼紗とはどこで知り合ったの?」
「蒼紗さんも先輩、ですか。確かに私たちも二年生ですから、後輩がいるのは当たり前ですよね。蒼紗先輩って響き、いいですねえ。私も呼んでみたいです。それで、蒼紗さんを先輩呼びするあなたはどちら様?」
私が返事をしようと口を開いたのに、途中で遮られる。おしゃべりな二人が彼女に興味を示して、口々に彼女に話しかける。
「ええと、蒼紗先輩のお友達、ですか?」
「お友達!間違ってはいないけど、私と蒼紗の仲はそんな生易しいものじゃないわ。もっと深く、魂の底でつながっている……」
「私と蒼紗さんは、運命の糸でつながっています!」
このまま二人の暴走を放置していたら、せっかく私に用事があって話しかけてきた向井さんに迷惑をかけてしまう。すでに二人のテンションについていけず、どうしたらいいのか、私に視線で助けを求めていた。
「ジャスミンに、綾崎さん。その辺にしてください。後輩をいじめてはいけませんよ。彼女は私たちの後輩になります。今年、私たちの大学に入学した新入生の向井さんです」
「向井姫奈(むかいひな)です。朔夜先輩の働いている塾でアルバイトをすることになって、そこでお話しするようになりました」
私が会話に割って入り、彼女の簡単な紹介をすると、彼女はようやく自らの名前と私と知り合った経緯を説明する。塾で一緒に働くことになったのは本当のことなので、そのまま聞いていたが、その後に続く言葉に疑問を覚える。
「塾で一緒にアルバイトすることになって、私、先輩の魅力に気付いてしまいました!」
『あらあら、それは!』
なぜか、向井さんは私のことをちらちら見つつ、頬を赤らめている。どこかで見たことのあるような表情である。いったい、塾でバイトした時のどこに私の魅力を感じるところがあっただろうか。しかも、その言葉をさも理解できると頷いている、ジャスミンと綾崎さんの心の声がぴったりとハモりを見せる。
「ええと、それはありがとう。ところで、私に用事があったのではないですか?」
これ以上、この話を続けてはいけないと本能が告げている。慌てて、私に用事があったという彼女に用件を聞く。すると、彼女も用事を思い出したらしく、すぐに話してくれた。
「あの、私には認知症のひいおばあちゃんがいるのですが」
話が長くなりそうだと悟った私は、向井さんを自分たちの席に座るように勧め、彼女は私の隣に座った。そして、ひいおばあさんについて語り始めた。そこから始まったひいおばあちゃんの話は、私以外の人間には到底信じられないような話だった。
「私にはひいおばあちゃんがいるのですが、いつも、自分の幼馴染のことを話しています。幼稚園のころからの幼馴染で、すごく仲が良かったと聞いています」
「それくらいなら、誰にでもある昔話でしょ。そこから蒼紗とどうつながるの?」
「ジャスミン。話は最後まで聞きましょう。途中で口をはさむと、向井さんが話しにくいでしょう?」
いちいちジャスミンが口をはさんでいたら、話が進まない。彼女に注意して話を促す。なんとなくその後の話の流れがわかっていたが、私もあえて口を挟まず、最後まで話を聞くことにした。
「その幼馴染なんですけど、ちょっと不思議な人だったらしいです。なんでも、大学を卒業して何年かすると、急に行方がわからなくなったみたいで」
やはり、向井さんは私の幼馴染と血縁関係にあった。だから、私が幼馴染の荒川結女(あらかわゆめ)と彼女が似ていると思ったのだ、向井さんは私の幼馴染のひまごだったというわけだ。私の幼馴染は私と違って、大学を卒業して、社会人になって結婚して、子供を産んで、その後は孫ができて、さらにその後、ひ孫まで生まれていた。
私と違って、きちんと年齢を重ねている。今まで自分の周りの人間が寿命で亡くなるのをこの目できちんと見たことはない。両親の葬式にさえ顔を出すことができなかった。自分のこの体質を知ってからは、自分と同年代の人間の動向を確認することがなくなった。自分と同年代の人間が年を取って亡くなることを知るのは、私の心が耐えられなかったからだ。
最近では思い出しもしなかった自分の特異体質。まさか幼馴染のひ孫からの話で思い出すなんて皮肉なものだ。かたや、順調に自分の遺伝子を将来に残しているのに、自分はただ永遠の命をただ消費している。
私が自分のことを考えている間も、向井さんの話は続いていく。
「その行方不明の幼馴染なんですが、ひいおばあちゃんが最近になって、近くに現れたというんです。可笑しな話だと思いませんか?ひいおばあちゃんと幼馴染ということは、その方はすでに80を超えたおばあさんです。そんな人が突然、この辺に現れたなんて」
「さっきも聞いたけど、いったいこの話のどこに蒼紗とつながる要素があるの?あんたの話を聞いているほど、私たちは暇じゃないんだけど」
「佐藤さん、そんなこと言わない!とはいえ、私も気になります。まさかとは思いますけど、その幼馴染が蒼紗さん、だなんて言いませんよね?」
ぎくり。
考え事をしていたせいで、彼女たちの会話に乗り遅れてしまう。ずばり図星を着くかのように綾崎さんが発言する。綾崎さんたちのような、能力者の存在を知らない普通の人間には滑稽な話かもしれない。しかし、私たち能力者たちにとっては、それが当たり前の事実として認識される。決して滑稽な話ではなく、現実にあり得る話なのだ。
「私だって、ひいおばあちゃんに言われて、まさか、って鼻で笑いましたよ。でも、昔からひいおばあちゃんは不思議なことを言う人だったんです。実は」
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