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16秘密がばれるかもしれない
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「実は、ひいおばあさんは『未来を予知』するかのような言葉を口にすることがあった」
向井さんの言葉を途中でジャスミンが引き継いだ。ジャスミンは向井さんにはああ言っていたが、おそらく、私と向井さんのひいおばあちゃんの本当の関係に気付いてしまった。そして、そのことを知っているからこそ、今の発言に至ったのだろう。このまま、ジャスミンに話をさせたままでいいのだろうか。もしかしたら、ジャスミンは彼女たちに私のことを。
そんなことはしないと信じたい。ジャスミンがそんな裏切りみたいなことを言うはずがない。もう少し、ジャスミンの話を黙って聞いてみることにした。
「たまにそういう人がいるの。私の知り合いにもそういう不思議ちゃん系の人間がいてね。彼女は夢に見たことが現実になったり、自分の発言が現実のものになったりする、チート能力を持っているんだけど」
「ちょっ、ちょっと待ってください。それは誰のこ」
あまりにも私に特徴が似ている人物の話が出てきたので、思わず口をはさんでしまう。やはり、私の秘密をばらすつもりなのか。しかし、私の言葉は途中で遮られてしまう。
「蒼紗は黙ってくれる?そんな子だけど、私は彼女をただの不思議ちゃんには思えなかった。彼女はいつも、大真面目に自分のことを考えている。たぶんだけど、ひいおばあちゃんも人とは違う何かをもっているんだと思う。だから、幼馴染が近くにいるっていうのも、あながち嘘ではないかもしれない」
ジャスミンが例に出した不思議ちゃんとは当然、私のことである。とはいえ、どうやら私の秘密をばらすために私のことを口にしたわけではなさそうで安心した。向井さんは、ジャスミンの言葉に感銘を受けたらしく、いきなり彼女の手を取った。
「先輩!私、先輩のような考えの人に初めて出会いました。そうですよね。ひいおばあちゃんは確かに昔から不思議な人でした。ですが、決して嘘を言っている感じでもなかった。お名前をお伺いしてもいいですか?私、先輩をひいおばあちゃんに紹介したいです。大学でこんなに素晴らしい人に出会えたって自慢します!」
そういえば、向井さんにジャスミンたちの紹介をしていないことを今更ながらに思い出す。私と向井さんはすでに知り合いだが、ジャスミンと綾崎さん、向井さんの三人が実際に顔を突き合わせて話したのは今日が初めてだ。
「蒼紗さんに気を取られていて、私たちの自己紹介を忘れていましたね。まずは私から」
ジャスミンの発言に感銘を受けて、家に招きたい発言をした向井さん。彼女が聞きたいのは当然、ジャスミンの名前だ。それなのに、なぜか綾崎さんから自己紹介が始まった。どこか、闘志を燃やしたかのようなぎらぎらした瞳に、思わずイスを後ろに下げてしまう。
「私は蒼紗さんと同じ二年生の綾崎麗菜(あやさきれいな)と言います。蒼紗さんとは大学一年生の時に運命的に出会いました。学部は文学部。妖怪調査サークルに所属しています。ただいま、部員大募集中です!向井さん、だっけ?あなたみたいに、周りに不思議がある人はぜひ、わがサークルに入ることをお薦めします!」
鼻息荒く、ちゃっかりとサークルの勧誘まで自己紹介に盛り込んだ綾崎さんに、苦笑いを浮かべつつも、今度は自分の番だと言わんばかりに、席を立って自己紹介を始めたのはジャスミンだ。
「まったく、私に張り合って何が楽しいのかしら?」
「別に張り合っていませんけど。私だって先輩の意地がありますから」
「先輩の意地、ねえ。私の名前は佐藤蛇須美(さとうじゃすみ)。名前で呼ばれるのは嫌だから、佐藤さんと呼んでくれればいいわ。私も蒼紗と綾崎さんと同じ文学部二年生。私も蒼紗とは運命的な出会いをして今に至るわ」
ジャスミンと綾崎さんが私との運命的な出会いを主張した謎の自己紹介を終える。二人の自己紹介に向井さんは目を丸くして驚いている。しかし、彼女の方も彼女たちと同じくらい、ぶっとんだ発言をし始めた。
「朔夜先輩って、モテモテなんですね。私、高校は女子校でしたが、周りに女子同士でお付き合いしている人が結構いましたよ。もちろん、異性とつき合っている人もいましたが、その中で、私は……」
「向井さん、結局、私に用事とは何だったんですか?」
なんだか、向井さんもジャスミンたちと同じ匂いのする人間な気がした。このままでは話がどんどん変な方向に脱線してしまうだろう。大学の貴重な昼休みを無駄にしたくはない。ひいおばあさんの話は無駄ではなかったが、彼女の用件が気になる。
「ええと、その、実は、ひいおばあさんが言う幼馴染というのが……」
「やっぱり、その話は本当なんですか?蒼紗さんが向井さんのひいおばあさんの幼馴染だと言うのは」
「まあ、さすがに今回ばかりは、ひいおばあさんの言うことは信じられませんけど」
こちらが幼馴染だと気づいたように、どういった理由かは不明だが、相手も私が自分の幼馴染だと気づいたことは本当らしい。そういえば、翼君たちが向井さんについて何か重要なことを言っていた気がする。綾崎さんが驚いた顔をしていたが、私はどう反応したらいいのかわからず、逆に無表情になってしまった。
「突然、こんなことを言ってすいません。そんなことはないと証明するためにも、朔夜先輩、時間が空いた時に、私の家に来て、ひいおばあさんに会ってもらえませんか?」
私の表情が迷惑そうに映ったのだろうか。向井さんに謝罪されてしまった。しかし、私はその後に続く言葉に驚いて固まってしまう。
荒川結女(あらかわゆめ)に会う。
「それって、当然、私も招待してもらえるのよね?」
ジャスミンが私を気遣って一緒に向井さんの家に招待してもらえるのか尋ねている。
「もちろん、お二人もぜひ、私の家に来てください!」
こうして、私たちは向井さんのひいおばあさんと会うことになった。私はこの時、大事なことを忘れていた。向井さんは組合から人探しの依頼が入っているということを。そんな相手の家に行くことが危険なことだと思い至ることができなかった。
向井さんの言葉を途中でジャスミンが引き継いだ。ジャスミンは向井さんにはああ言っていたが、おそらく、私と向井さんのひいおばあちゃんの本当の関係に気付いてしまった。そして、そのことを知っているからこそ、今の発言に至ったのだろう。このまま、ジャスミンに話をさせたままでいいのだろうか。もしかしたら、ジャスミンは彼女たちに私のことを。
そんなことはしないと信じたい。ジャスミンがそんな裏切りみたいなことを言うはずがない。もう少し、ジャスミンの話を黙って聞いてみることにした。
「たまにそういう人がいるの。私の知り合いにもそういう不思議ちゃん系の人間がいてね。彼女は夢に見たことが現実になったり、自分の発言が現実のものになったりする、チート能力を持っているんだけど」
「ちょっ、ちょっと待ってください。それは誰のこ」
あまりにも私に特徴が似ている人物の話が出てきたので、思わず口をはさんでしまう。やはり、私の秘密をばらすつもりなのか。しかし、私の言葉は途中で遮られてしまう。
「蒼紗は黙ってくれる?そんな子だけど、私は彼女をただの不思議ちゃんには思えなかった。彼女はいつも、大真面目に自分のことを考えている。たぶんだけど、ひいおばあちゃんも人とは違う何かをもっているんだと思う。だから、幼馴染が近くにいるっていうのも、あながち嘘ではないかもしれない」
ジャスミンが例に出した不思議ちゃんとは当然、私のことである。とはいえ、どうやら私の秘密をばらすために私のことを口にしたわけではなさそうで安心した。向井さんは、ジャスミンの言葉に感銘を受けたらしく、いきなり彼女の手を取った。
「先輩!私、先輩のような考えの人に初めて出会いました。そうですよね。ひいおばあちゃんは確かに昔から不思議な人でした。ですが、決して嘘を言っている感じでもなかった。お名前をお伺いしてもいいですか?私、先輩をひいおばあちゃんに紹介したいです。大学でこんなに素晴らしい人に出会えたって自慢します!」
そういえば、向井さんにジャスミンたちの紹介をしていないことを今更ながらに思い出す。私と向井さんはすでに知り合いだが、ジャスミンと綾崎さん、向井さんの三人が実際に顔を突き合わせて話したのは今日が初めてだ。
「蒼紗さんに気を取られていて、私たちの自己紹介を忘れていましたね。まずは私から」
ジャスミンの発言に感銘を受けて、家に招きたい発言をした向井さん。彼女が聞きたいのは当然、ジャスミンの名前だ。それなのに、なぜか綾崎さんから自己紹介が始まった。どこか、闘志を燃やしたかのようなぎらぎらした瞳に、思わずイスを後ろに下げてしまう。
「私は蒼紗さんと同じ二年生の綾崎麗菜(あやさきれいな)と言います。蒼紗さんとは大学一年生の時に運命的に出会いました。学部は文学部。妖怪調査サークルに所属しています。ただいま、部員大募集中です!向井さん、だっけ?あなたみたいに、周りに不思議がある人はぜひ、わがサークルに入ることをお薦めします!」
鼻息荒く、ちゃっかりとサークルの勧誘まで自己紹介に盛り込んだ綾崎さんに、苦笑いを浮かべつつも、今度は自分の番だと言わんばかりに、席を立って自己紹介を始めたのはジャスミンだ。
「まったく、私に張り合って何が楽しいのかしら?」
「別に張り合っていませんけど。私だって先輩の意地がありますから」
「先輩の意地、ねえ。私の名前は佐藤蛇須美(さとうじゃすみ)。名前で呼ばれるのは嫌だから、佐藤さんと呼んでくれればいいわ。私も蒼紗と綾崎さんと同じ文学部二年生。私も蒼紗とは運命的な出会いをして今に至るわ」
ジャスミンと綾崎さんが私との運命的な出会いを主張した謎の自己紹介を終える。二人の自己紹介に向井さんは目を丸くして驚いている。しかし、彼女の方も彼女たちと同じくらい、ぶっとんだ発言をし始めた。
「朔夜先輩って、モテモテなんですね。私、高校は女子校でしたが、周りに女子同士でお付き合いしている人が結構いましたよ。もちろん、異性とつき合っている人もいましたが、その中で、私は……」
「向井さん、結局、私に用事とは何だったんですか?」
なんだか、向井さんもジャスミンたちと同じ匂いのする人間な気がした。このままでは話がどんどん変な方向に脱線してしまうだろう。大学の貴重な昼休みを無駄にしたくはない。ひいおばあさんの話は無駄ではなかったが、彼女の用件が気になる。
「ええと、その、実は、ひいおばあさんが言う幼馴染というのが……」
「やっぱり、その話は本当なんですか?蒼紗さんが向井さんのひいおばあさんの幼馴染だと言うのは」
「まあ、さすがに今回ばかりは、ひいおばあさんの言うことは信じられませんけど」
こちらが幼馴染だと気づいたように、どういった理由かは不明だが、相手も私が自分の幼馴染だと気づいたことは本当らしい。そういえば、翼君たちが向井さんについて何か重要なことを言っていた気がする。綾崎さんが驚いた顔をしていたが、私はどう反応したらいいのかわからず、逆に無表情になってしまった。
「突然、こんなことを言ってすいません。そんなことはないと証明するためにも、朔夜先輩、時間が空いた時に、私の家に来て、ひいおばあさんに会ってもらえませんか?」
私の表情が迷惑そうに映ったのだろうか。向井さんに謝罪されてしまった。しかし、私はその後に続く言葉に驚いて固まってしまう。
荒川結女(あらかわゆめ)に会う。
「それって、当然、私も招待してもらえるのよね?」
ジャスミンが私を気遣って一緒に向井さんの家に招待してもらえるのか尋ねている。
「もちろん、お二人もぜひ、私の家に来てください!」
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