恋にもがく中学生

折原さゆみ

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1加藤紗那(かとうさな)⑤

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 転校生が来てから、私は物思いにふけるようになった。理由は簡単だ。なお君が転校生と仲良く話しているからだ。それだけならまだしも、どうやら家が私たちと近所のようなので、一緒に帰ることが多くなった。なお君の家と近いということは、私の家も近いということだ。結果的に三人で一緒に帰ることが多くなった。中学生になり、部活が始まったのだから、三人一緒に帰るなんておかしいだろうと思うかもしれない。

 私はバスケ部に入ることにした。なお君もバスケ部である。私もなお君も小学校のクラブ活動でバスケをしていたので、その延長ということで、バスケ部に入部した。だから、私たちは男女違う練習とはいえ、基本的に一緒に帰ることができる。

 転校生は何に入るかと思えば、まさかのバスケ部のマネージャーだった。転校生曰く、自分は運動が得意ではないので、運動している人の役に立ちたいからという理由らしい。さらに、バスケ部を選んだ理由が、外部でなくて、日焼けしなくてすみ、自分の好きな漫画にバスケ部のものがあるということだった。

 そのようなことで、私たちは三人一緒に帰ることができたというわけだ。



「それでね、私の前の学校では、こんなことが流行っていて」

「ふうん。うちではまだ流行っていないな。ここは田舎だから」

「そんなことないよ。私の前居た学校も結構な田舎だったよ」

「あはは」

「うふふふ」

 楽し気に話す二人をしり目に、私の心は反対に沈んでいく。なお君の隣は、今までは私が独占していた。クラスメイトも学年のみんなも、それをわかっていて、誰もなお君の隣に並ぶことはなかった。それなのに。それなのに。彼女はいとも簡単になお君の隣を独占した。

「どうしたんだ。さな。最近、すごい静かだが。いつものうるさいくらいのテンションはどこやった?」

「さなさんがテンション高いなんて信じられないけど。元気がないのは、心配だよ。大丈夫?」

 私の様子がおかしいことに気づいてくれたなお君に少しだけうれしくなったが、同じように心配してくる転校生が隣にいて、気分はまた急降下した。


「別に何でもない。ああ、もう家だね。じゃあ、また明日」

 私は挨拶も適当にすぐに家に向かった。これ以上、一緒にいたら、自分の醜い心を彼らにさらしてしまいそうで怖かった。転校生だけにさらすならまだしも、大好きななお君だけには見せたくはない。なお君には、私のきれいなところだけを見ていて欲しい。


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