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3小山内詩衣(おさないしい)~高橋澪(たかはしみお)②~
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今日は、三度目の転校先での初登校日だ。父親から転校が決まったと言われて泣きわめいたのは、二度目まで。三度目になると、あきらめの気持ちが出てきて、泣きわめきはしなかった。それでも、一抹の寂しさは感じて、ほろりと涙があふれたものだ。
「小山内詩衣(おさないしい)です。これからよろしくお願いします」
教室の前で挨拶するのは、もう三度目となる。普段、あまり目立つことをしない私だが、教室の前でクラスメイトに自己紹介をするのは、もう三度目となる。とはいえ、今回も緊張と不安でいっぱいだ。
「小山内さん、部活はどうするの?」
「私、卓球に入っているんだけど、小山内さんも卓球部にしなよ。学年の途中からでも、みんな大歓迎だよ」
「詩衣って変わった名前だね。でも、かわいい、前の学校では彼氏とかいたの?」
自己紹介を終えて、新しい学校での生活が幕を開けた。休み時間には、クラスメイトが私に興味津々で矢継ぎ早に質問をしてきた。これも、今回で三度目となるが、なかなか慣れることはできない。
「そうだね。私は、何部に入ろうかな。前の学校では美術部に入っていたから、そうしようかな。彼氏はいたことないよ」
とはいっても、せっかく私に興味を持ってくれて質問してくれているのに、無言のままでは申し訳ないので、笑顔を作って、質問に答えていく。
「小山内は、何の部活に入るつもりなんだ?」
質問してきたクラスメイトは、女子がほとんどだったが、そんな中、私に話しかけてくれる男子がいた。その時は、ただ、私が不安そうな顔をして可哀想だと同情してくれたのだと思っていた。だから、純粋にその問いかけはうれしかった。
「オレの名前は、高橋澪(たかはしみお)。小山内より少し前に、オレもこの学校に転校してきたんだ。だから、小山内と一緒で、まだ親しい奴がいないんだ。お互い、中学生活頑張ろうぜ」
にいと笑いかける顔に私も安心して、同じように笑い返す。そういえば、担任が私より少し前にお前みたいな転校生がいた、と話していた。教室に入る前に教えてくれたことを思い出す。
それから、私たちが仲良くなるのに時間はかからなかった。彼は前の学校でもやっていた陸上部に入部した。彼の勧めにより、私も陸上部に入部することになった。ただし、私は走るのが苦手だったので、陸上部のマネージャーとして、陸上部を支えることにした。
もともと、私は運動が苦手で運動部以外に入ろうと思っていた。前の学校で美術部に入っていたのは、文科系の部活が美術部か、吹奏楽部しかなかったからだ。美術が得意というわけでもないので、美術部に入らないことに未練はなかった。
「小山内詩衣(おさないしい)です。これからよろしくお願いします」
教室の前で挨拶するのは、もう三度目となる。普段、あまり目立つことをしない私だが、教室の前でクラスメイトに自己紹介をするのは、もう三度目となる。とはいえ、今回も緊張と不安でいっぱいだ。
「小山内さん、部活はどうするの?」
「私、卓球に入っているんだけど、小山内さんも卓球部にしなよ。学年の途中からでも、みんな大歓迎だよ」
「詩衣って変わった名前だね。でも、かわいい、前の学校では彼氏とかいたの?」
自己紹介を終えて、新しい学校での生活が幕を開けた。休み時間には、クラスメイトが私に興味津々で矢継ぎ早に質問をしてきた。これも、今回で三度目となるが、なかなか慣れることはできない。
「そうだね。私は、何部に入ろうかな。前の学校では美術部に入っていたから、そうしようかな。彼氏はいたことないよ」
とはいっても、せっかく私に興味を持ってくれて質問してくれているのに、無言のままでは申し訳ないので、笑顔を作って、質問に答えていく。
「小山内は、何の部活に入るつもりなんだ?」
質問してきたクラスメイトは、女子がほとんどだったが、そんな中、私に話しかけてくれる男子がいた。その時は、ただ、私が不安そうな顔をして可哀想だと同情してくれたのだと思っていた。だから、純粋にその問いかけはうれしかった。
「オレの名前は、高橋澪(たかはしみお)。小山内より少し前に、オレもこの学校に転校してきたんだ。だから、小山内と一緒で、まだ親しい奴がいないんだ。お互い、中学生活頑張ろうぜ」
にいと笑いかける顔に私も安心して、同じように笑い返す。そういえば、担任が私より少し前にお前みたいな転校生がいた、と話していた。教室に入る前に教えてくれたことを思い出す。
それから、私たちが仲良くなるのに時間はかからなかった。彼は前の学校でもやっていた陸上部に入部した。彼の勧めにより、私も陸上部に入部することになった。ただし、私は走るのが苦手だったので、陸上部のマネージャーとして、陸上部を支えることにした。
もともと、私は運動が苦手で運動部以外に入ろうと思っていた。前の学校で美術部に入っていたのは、文科系の部活が美術部か、吹奏楽部しかなかったからだ。美術が得意というわけでもないので、美術部に入らないことに未練はなかった。
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