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(応援されると、やっぱり力が出るな)
綱引きは思いのほか、団に貢献できた。直は光詩に言った通り、大声で光詩を応援した。直だけでなく、隣にいた夕映と洋翔も応援してくれていた。自分のことを応援してくれているのに手を抜くわけにはいかない。そのため、全力で綱を引くことになった。結果は光詩の団が負けてしまったが、それでも達成感を味わうことができた。
光詩は自分の種目が終わると、直たちに一言お礼を告げ、すぐに校舎近くの日陰に駆け込んだ。ちょうど誰もいなかったため、ようやくほっとできる。午前中の自分の任務を終えた光詩は一気に体の力が抜けて、その場に座りこむ。
こうして、午前中の競技が終わるまで光詩はじっとしていた。
「いやあ、やっぱり体育際って楽しいねえ」
「直はやっぱり、脳筋だからだね」
「そういう洋翔もでしょ、僕と光詩は違うけど」
『あ゛はははは』
昼休憩はどうやって過ごそうかと考えていたら、直たちに一緒にお昼を食べないかと誘われた。一人で食べてもよかったが、せっかくなので光詩は、彼等と一緒にお弁当を食べることにした。いつも一緒にお昼を食べているので、それで光詩を誘ってくれたのかもしれない。
体育祭ということで、いつもと違う空気で気分が高ぶっているようだ。光詩以外の三人は楽しそうに会話している。その中に入ることができない光詩はただ、あいまいに笑うだけだった。
「ねえ、光詩。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「いや、それを今聞くのは……」
「俺も気にはなるけどさ。体育祭が終わってからゆっくり聞けばよくないか?」
お弁当を食べ終わり、そろそろ午後の競技も始まる時間が迫るころ、直が光詩に何か言いかけた。気にはなったが、夕映たちが直の言葉を止めたため、光詩には何を言いたいのかわからずしまいだった。
そのまま、疑問が残ったまま、光詩は午後の競技に向かうのだった。
雲一つない快晴の天気は午後も続いていた。そんな中でも体育祭はプログラム通りに進行していく。
(次はいよいよ、アリスが出るリレーだ)
アリスが出る部活動対抗リレーがいよいよスタートする。部活動対抗リレーは、文字通り各部活動が自分たちの実力を披露するリレーであり、毎年、体育祭で盛り上がる競技の一つだ。
今度は100m走の時より、大きな声で応援して、できればアリスに応援したことを気づいてもらいたい。そして、自分の応援でアリスの力をさらに発揮できたなら、こんなにうれしいことはない。光詩は頑張ろうと気合を入れるため、軽く頬を叩く。今回も、夜奏楽は光詩のもとにやってきた。そして、隣で一緒に親友を応援するようだ。
「お兄ちゃん、顔がこわばってるよ。100m走の時もそうだったけど、走る本人より緊張してどうすんの?」
観客席はリレーを見る生徒、応援する生徒で混みあっていた。しかし、光詩の隣にいる夜奏楽はそんなことは気にせず、軽い口調で光詩に話しかける。いつもと変わらず、気軽に肩をたたいてきた。
(本当に夜奏楽は何もかもお見通しだ)
何度そう思ったのかわからない。それでも、そんな妹の気遣いのおかげで、光詩は少しだけ気持ちが落ち着いた。一つ、大きな深呼吸をする。
「それでは部活動対抗リレーを始めます。選手は位置についてください」
アナウンスが校庭に響き渡る。部活動対抗リレーが始まろうとしていた。
綱引きは思いのほか、団に貢献できた。直は光詩に言った通り、大声で光詩を応援した。直だけでなく、隣にいた夕映と洋翔も応援してくれていた。自分のことを応援してくれているのに手を抜くわけにはいかない。そのため、全力で綱を引くことになった。結果は光詩の団が負けてしまったが、それでも達成感を味わうことができた。
光詩は自分の種目が終わると、直たちに一言お礼を告げ、すぐに校舎近くの日陰に駆け込んだ。ちょうど誰もいなかったため、ようやくほっとできる。午前中の自分の任務を終えた光詩は一気に体の力が抜けて、その場に座りこむ。
こうして、午前中の競技が終わるまで光詩はじっとしていた。
「いやあ、やっぱり体育際って楽しいねえ」
「直はやっぱり、脳筋だからだね」
「そういう洋翔もでしょ、僕と光詩は違うけど」
『あ゛はははは』
昼休憩はどうやって過ごそうかと考えていたら、直たちに一緒にお昼を食べないかと誘われた。一人で食べてもよかったが、せっかくなので光詩は、彼等と一緒にお弁当を食べることにした。いつも一緒にお昼を食べているので、それで光詩を誘ってくれたのかもしれない。
体育祭ということで、いつもと違う空気で気分が高ぶっているようだ。光詩以外の三人は楽しそうに会話している。その中に入ることができない光詩はただ、あいまいに笑うだけだった。
「ねえ、光詩。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「いや、それを今聞くのは……」
「俺も気にはなるけどさ。体育祭が終わってからゆっくり聞けばよくないか?」
お弁当を食べ終わり、そろそろ午後の競技も始まる時間が迫るころ、直が光詩に何か言いかけた。気にはなったが、夕映たちが直の言葉を止めたため、光詩には何を言いたいのかわからずしまいだった。
そのまま、疑問が残ったまま、光詩は午後の競技に向かうのだった。
雲一つない快晴の天気は午後も続いていた。そんな中でも体育祭はプログラム通りに進行していく。
(次はいよいよ、アリスが出るリレーだ)
アリスが出る部活動対抗リレーがいよいよスタートする。部活動対抗リレーは、文字通り各部活動が自分たちの実力を披露するリレーであり、毎年、体育祭で盛り上がる競技の一つだ。
今度は100m走の時より、大きな声で応援して、できればアリスに応援したことを気づいてもらいたい。そして、自分の応援でアリスの力をさらに発揮できたなら、こんなにうれしいことはない。光詩は頑張ろうと気合を入れるため、軽く頬を叩く。今回も、夜奏楽は光詩のもとにやってきた。そして、隣で一緒に親友を応援するようだ。
「お兄ちゃん、顔がこわばってるよ。100m走の時もそうだったけど、走る本人より緊張してどうすんの?」
観客席はリレーを見る生徒、応援する生徒で混みあっていた。しかし、光詩の隣にいる夜奏楽はそんなことは気にせず、軽い口調で光詩に話しかける。いつもと変わらず、気軽に肩をたたいてきた。
(本当に夜奏楽は何もかもお見通しだ)
何度そう思ったのかわからない。それでも、そんな妹の気遣いのおかげで、光詩は少しだけ気持ちが落ち着いた。一つ、大きな深呼吸をする。
「それでは部活動対抗リレーを始めます。選手は位置についてください」
アナウンスが校庭に響き渡る。部活動対抗リレーが始まろうとしていた。
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