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第1章
第4話【PK】
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俺はワームフライヤーを狩りまくった。
「銭投げ」は必中スキルだ。
どんなにモンスターが素早くても関係がない。
この辺りはスキルの詳細にも書いてないが、勝手に狙ったモンスターに飛んでいって外したことがないから間違いないだろう。
俺は狩りをしながら、街にドロップアイテムを店売りする際に、露店を覗いては逆にドロップアイテムを高値で買い占めた。
どんどん価格は上がり、今や6400ジルまでになった。
1匹につき3420ジルの儲けになる。
しかしこの異常な価格高騰は他のプレイヤーにも当然気付かれることになった。
これだけ価格が上がれば労力を差し引いてもメリットが出る。
しかも俺のおかげで露店に出した相場より高いやつは軒並みすぐに売れていく。
気付くとワームフライヤーは適したレベルを超えたプレイヤーまで集まる狩場になっていた。
時間当たりに狩れるモンスターが減って、旨みが減ってしまう。
「あー。やっぱり。金を稼ぐのはバレないように、もしくはバレる前にどれだけ多く稼ぐかだなぁ。しょうがない。次に行くか」
俺は自分で作った金策用狩場を捨て、次の狩場へ向かった。
その後しばらくして知ったが、俺が買取をやめた途端、相場が値崩れを起こし、たちまち100ジルまで落ちてしまったようだ。
俺はと言うと、所持金を200万近くまで貯め、レベルも13まで上がった。
その間に更にスキルも手に入れた。
【札束で殴る】
ジルを使い敵を殴る。使用するジル/(敵のレベル×10000)の確率で敵を気絶状態にする。使ったジルは消える。
【消費好き】
消費したジルが100万ジルを超える。
効果:ジルを消費するスキルの効果が10%アップ。重複可。「商人」専用スキル。
【節約上手】
所持金が200万ジルを超える。
効果:ジルを消費するスキルを使う際に10%節約する。「商人」専用スキル。
初めのスキルはレベルが13になった時に覚えた。
使えるんだか使えないんだかよく分からないスキルだな。
そして、残りの二つは非常にありがたい!
虫属性以外にもダメージが増えるし、使うジルが減るから結果的にどちらもジルの消費の節約になる。
次の狩場で俺は手当たり次第に敵に「銭投げ」を使い、モンスター毎のHPを正確に調べていく。
前回もそうだったが、案の定モンスターによってHPは様々だ。
他のステータスやスキルなどでバランスを取っているのだろう。
俺は今回もなるべくHPが一番少なく、ドロップアイテムの取引も少ないモンスターを探した。
HPは狩場のレベルが上がれば必然的に上がっていく。
しかしかなりの幅があるようで、そこら辺は他のステータスとのバランスなんだろう。
HPが多いやつは不死系や見た目がでかいのが多い。
逆に小さいモンスターはHPが少ない傾向が強い。
今回の狩場は森林の中で、見通しが悪く障害物も多い。
すばしっこい猿のようなのや、獰猛そうな虎に似たやつなどは、ドロップや経験値が良いのかパーティで狩ってるプレイヤーも多い。
そんな中俺が今回の対象に決めたのは、アシッドフロッグだ。
まだら模様の毒々しい色をしたカエル型のモンスターで酸を吐いて攻撃してくる。
こいつもHPが低いが人気がないらしく狩っているプレイヤーは少ない。
ここまで来ると街までの往復もそれなりに時間がかかる。
俺は先に狩ってから、街に戻って露店で相場を釣り上げることに決めた。
相場操作のためにある程度所持金を残しておかないといけないから、狩り過ぎ無いように気をつけなくては。
ひとまず手当たり次第にアシッドフロッグだけを狙い狩り続けた。
他のモンスターは邪魔だったら倒したが、基本的には無視だ。
幸い俺はロックハートペンダントのおかげでこの辺りでもほとんどダメージを食らうことは無い。
アシッドフロッグの酸や他のモンスターの攻撃などを避け切れずに何度も受けたが、ほとんどが0ダメージだった。
調子よく狩っている俺の後ろでペア狩りをしていたプレイヤーの声が聞こえてきた。
「おい。見ろよ。あいつさっきからアシッドフロッグばっか狩ってるぜ」
「ん? ほんとか? あいつの攻撃食らうと防具の耐久度だだ下がりだから不人気なはずだろ? 知らずにやってる初心者か?」
「あのモンスターHPは低いし防御もないから狩りやすいっちゃあ狩りやすいんだけどな。ドロップもそんなに重要な素材じゃねぇし、売値なんてゴミみたいなもんだろ?」
「ああ。確かHPは100くらいだったかな。経験値もそんなに高くねぇし。まぁ旨みはないな」
そうか。こいつの攻撃は防具の耐久度を大きく下げるのか。道理で人気ないわけだ。
まぁ。未だにステータスも装備もほぼ初期の俺には関係ないけどな。壊れないし。
二人に気にせず狩りを続けていたら、あいつらとんでもないことを言い始めた。
「おい。見ろよ。あれ。そろばんじゃね? ぷっ。おいマジかよ。ってことはあいつ『商人』か?」
「あん? ほんとだ。よくあんなネタ職でここまでやってるな」
「なぁ。ちょっとさぁ。俺、PKっての、いつか経験したいと思ってたんだよね」
「プレイヤーを殺すやつ? いやいや。ないっしょ。俺らそんなに強くないもん。返り討ちにされるのが落ちだって」
「だからさ。目の前にちょうどいいのがいるじゃん。いいカモがさ」
「あ。なるほどね。それなら怖くないな。俺ら完全に戦闘職だし。まず負けないっしょ」
まさか俺の事を襲う気か!?
俺はそば耳を立てながら二人の動きを気にしつつ狩りを続けた。
「喰らえ! ブレイブアタック!!」
叫び声が聞こえ俺は慌ててさっきの二人の方を振り向く。
かなり離れていたはずなのに、でっかい剣を振り上げた一人がまるで地面を滑るように、一瞬で距離をつめてきた。
俺めがけて大剣は振り下ろされる。
それと同時に相手のプレイヤーの頭の上にバーが浮かび上がる。名前はピョン吉という名前だ。
元々モンスターと戦闘中だったからなのか、スキルの影響かバーは少しだけ減っていた。
驚いて動きを止めている俺に次の攻撃が襲う。
「でりゃあああ! バーニングランスー!!」
先端に真っ赤に燃え上がった炎をまとった槍が、俺にぶつかってきた。
切っ先が触れた瞬間全身が炎に包まれた。
おそらく突きのダメージに加えて炎の追加ダメージがあるのだろう。
ニヤけた顔で攻撃を繰り出してきた二人を、炎が収まって再び見たら、口をあんぐり開けて間抜けな顔をしていた。
きっと今のはこいつらの今使える最強の攻撃スキルだったのだろう。
少なくとも初期スキルでは無いはずだ。
それのダメージが0と1にしか与えられないとは思ってもみなかったのだろう。
今度は二人が驚いて動きを止めている。
「お前らまじかよ。声は聞こえてたからな。ここには獣人のモンスターなんて出てこないし。完全にわざとだよな?」
「う……うるせぇ! お前『商人』だろうが! よく見たら装備も全部初期装備のままじゃねぇか。なのになんだよ、ダメ0って! さてはてめぇチーターだな!?」
おいおい……そっちから攻撃を仕掛けてきて逆ギレかよ……。
さすがにこのまま「あ、気をつけてね」なんて済ますほど俺は人間できてねぇぞ。
「チートなんて知らねぇよ。これはこのロックハートペンダントの効果だよ」
「あん? あ、あのネタ装備か! いくら防御が上がってもクールタイム10倍とかろくに仮も出来ねぇだろ」
「俺らの声が聞こえてたって言ってたから慌てて装備を取り替えたか? でもそれをつけたままじゃあろくに攻撃も出来ねぇだろ。外した瞬間ボコってやるからな」
「うるせぇな。こちとらずっとこの装備のままだよ!」
「嘘つくな! そんな装備でどうやって狩るって言うんだよ!」
はぁ……面倒くさくなってきたな……ひとまず……殺るか。
このまま無視してもおそらくこいつらの攻撃を食らうことはないと思うが。
やられたまま無視するってのも相手に失礼だろ?
何よりそれじゃあ俺のむしゃくしゃが収まらん!
俺はひとまずピョン吉に「銭投げ」を使った。
使用する金額は1000ジル。予想では100のダメージを与えるはずだ。
しかし表示されたダメージは11。プレイヤーへの攻撃は10分の1に減少されるみたいだ。
ピョン吉のバーは攻撃を当てる前後でほとんど動かなかった。
「はっ! そういえば『商人』には『銭投げ』ってのがあるんだったな。だからこんなモンスター狩ってたのか」
「どういうことだ?」
攻撃を食らってもピョン吉は未だに余裕の顔つきだ。
もう一人のPontaがそのピョン吉に疑問を問いかける。
「『銭投げ』はダメージに応じた金が必要だからな。HPの低いこいつを狩ってなるべく金を使わないようにしてたんだろ」
「なるほどな! こいつは『商人』の癖に金に汚いみたいだな。じゃあ、こいつに俺らを倒すの無理だろ。俺らのHPは1000超えてるからな」
1000のダメージを与えるためにはおよそ10万ジルが必要だ。
そのくらいの簡単な計算はこいつらも出来るようだ。
「俺らですら所持金10万も持ってねぇし。こんな貧乏『商人』には逆立ちしても無理な額だろ」
「それに俺ら二人を相手だと20万だしな。あー。でもこいつこっちの攻撃も通らないし。ほっといて狩りに戻ろうぜ」
Pontaの言葉に頷いて二人は笑いながら後ろを向いた。
いやいや。そのまま行かせるわけないだろ?
食らえ!
俺は続けざまにそれぞれ15万ジルずつ使って二人の背中に向かい「銭投げ」を使った。
「銭投げ」は必中スキルだ。
どんなにモンスターが素早くても関係がない。
この辺りはスキルの詳細にも書いてないが、勝手に狙ったモンスターに飛んでいって外したことがないから間違いないだろう。
俺は狩りをしながら、街にドロップアイテムを店売りする際に、露店を覗いては逆にドロップアイテムを高値で買い占めた。
どんどん価格は上がり、今や6400ジルまでになった。
1匹につき3420ジルの儲けになる。
しかしこの異常な価格高騰は他のプレイヤーにも当然気付かれることになった。
これだけ価格が上がれば労力を差し引いてもメリットが出る。
しかも俺のおかげで露店に出した相場より高いやつは軒並みすぐに売れていく。
気付くとワームフライヤーは適したレベルを超えたプレイヤーまで集まる狩場になっていた。
時間当たりに狩れるモンスターが減って、旨みが減ってしまう。
「あー。やっぱり。金を稼ぐのはバレないように、もしくはバレる前にどれだけ多く稼ぐかだなぁ。しょうがない。次に行くか」
俺は自分で作った金策用狩場を捨て、次の狩場へ向かった。
その後しばらくして知ったが、俺が買取をやめた途端、相場が値崩れを起こし、たちまち100ジルまで落ちてしまったようだ。
俺はと言うと、所持金を200万近くまで貯め、レベルも13まで上がった。
その間に更にスキルも手に入れた。
【札束で殴る】
ジルを使い敵を殴る。使用するジル/(敵のレベル×10000)の確率で敵を気絶状態にする。使ったジルは消える。
【消費好き】
消費したジルが100万ジルを超える。
効果:ジルを消費するスキルの効果が10%アップ。重複可。「商人」専用スキル。
【節約上手】
所持金が200万ジルを超える。
効果:ジルを消費するスキルを使う際に10%節約する。「商人」専用スキル。
初めのスキルはレベルが13になった時に覚えた。
使えるんだか使えないんだかよく分からないスキルだな。
そして、残りの二つは非常にありがたい!
虫属性以外にもダメージが増えるし、使うジルが減るから結果的にどちらもジルの消費の節約になる。
次の狩場で俺は手当たり次第に敵に「銭投げ」を使い、モンスター毎のHPを正確に調べていく。
前回もそうだったが、案の定モンスターによってHPは様々だ。
他のステータスやスキルなどでバランスを取っているのだろう。
俺は今回もなるべくHPが一番少なく、ドロップアイテムの取引も少ないモンスターを探した。
HPは狩場のレベルが上がれば必然的に上がっていく。
しかしかなりの幅があるようで、そこら辺は他のステータスとのバランスなんだろう。
HPが多いやつは不死系や見た目がでかいのが多い。
逆に小さいモンスターはHPが少ない傾向が強い。
今回の狩場は森林の中で、見通しが悪く障害物も多い。
すばしっこい猿のようなのや、獰猛そうな虎に似たやつなどは、ドロップや経験値が良いのかパーティで狩ってるプレイヤーも多い。
そんな中俺が今回の対象に決めたのは、アシッドフロッグだ。
まだら模様の毒々しい色をしたカエル型のモンスターで酸を吐いて攻撃してくる。
こいつもHPが低いが人気がないらしく狩っているプレイヤーは少ない。
ここまで来ると街までの往復もそれなりに時間がかかる。
俺は先に狩ってから、街に戻って露店で相場を釣り上げることに決めた。
相場操作のためにある程度所持金を残しておかないといけないから、狩り過ぎ無いように気をつけなくては。
ひとまず手当たり次第にアシッドフロッグだけを狙い狩り続けた。
他のモンスターは邪魔だったら倒したが、基本的には無視だ。
幸い俺はロックハートペンダントのおかげでこの辺りでもほとんどダメージを食らうことは無い。
アシッドフロッグの酸や他のモンスターの攻撃などを避け切れずに何度も受けたが、ほとんどが0ダメージだった。
調子よく狩っている俺の後ろでペア狩りをしていたプレイヤーの声が聞こえてきた。
「おい。見ろよ。あいつさっきからアシッドフロッグばっか狩ってるぜ」
「ん? ほんとか? あいつの攻撃食らうと防具の耐久度だだ下がりだから不人気なはずだろ? 知らずにやってる初心者か?」
「あのモンスターHPは低いし防御もないから狩りやすいっちゃあ狩りやすいんだけどな。ドロップもそんなに重要な素材じゃねぇし、売値なんてゴミみたいなもんだろ?」
「ああ。確かHPは100くらいだったかな。経験値もそんなに高くねぇし。まぁ旨みはないな」
そうか。こいつの攻撃は防具の耐久度を大きく下げるのか。道理で人気ないわけだ。
まぁ。未だにステータスも装備もほぼ初期の俺には関係ないけどな。壊れないし。
二人に気にせず狩りを続けていたら、あいつらとんでもないことを言い始めた。
「おい。見ろよ。あれ。そろばんじゃね? ぷっ。おいマジかよ。ってことはあいつ『商人』か?」
「あん? ほんとだ。よくあんなネタ職でここまでやってるな」
「なぁ。ちょっとさぁ。俺、PKっての、いつか経験したいと思ってたんだよね」
「プレイヤーを殺すやつ? いやいや。ないっしょ。俺らそんなに強くないもん。返り討ちにされるのが落ちだって」
「だからさ。目の前にちょうどいいのがいるじゃん。いいカモがさ」
「あ。なるほどね。それなら怖くないな。俺ら完全に戦闘職だし。まず負けないっしょ」
まさか俺の事を襲う気か!?
俺はそば耳を立てながら二人の動きを気にしつつ狩りを続けた。
「喰らえ! ブレイブアタック!!」
叫び声が聞こえ俺は慌ててさっきの二人の方を振り向く。
かなり離れていたはずなのに、でっかい剣を振り上げた一人がまるで地面を滑るように、一瞬で距離をつめてきた。
俺めがけて大剣は振り下ろされる。
それと同時に相手のプレイヤーの頭の上にバーが浮かび上がる。名前はピョン吉という名前だ。
元々モンスターと戦闘中だったからなのか、スキルの影響かバーは少しだけ減っていた。
驚いて動きを止めている俺に次の攻撃が襲う。
「でりゃあああ! バーニングランスー!!」
先端に真っ赤に燃え上がった炎をまとった槍が、俺にぶつかってきた。
切っ先が触れた瞬間全身が炎に包まれた。
おそらく突きのダメージに加えて炎の追加ダメージがあるのだろう。
ニヤけた顔で攻撃を繰り出してきた二人を、炎が収まって再び見たら、口をあんぐり開けて間抜けな顔をしていた。
きっと今のはこいつらの今使える最強の攻撃スキルだったのだろう。
少なくとも初期スキルでは無いはずだ。
それのダメージが0と1にしか与えられないとは思ってもみなかったのだろう。
今度は二人が驚いて動きを止めている。
「お前らまじかよ。声は聞こえてたからな。ここには獣人のモンスターなんて出てこないし。完全にわざとだよな?」
「う……うるせぇ! お前『商人』だろうが! よく見たら装備も全部初期装備のままじゃねぇか。なのになんだよ、ダメ0って! さてはてめぇチーターだな!?」
おいおい……そっちから攻撃を仕掛けてきて逆ギレかよ……。
さすがにこのまま「あ、気をつけてね」なんて済ますほど俺は人間できてねぇぞ。
「チートなんて知らねぇよ。これはこのロックハートペンダントの効果だよ」
「あん? あ、あのネタ装備か! いくら防御が上がってもクールタイム10倍とかろくに仮も出来ねぇだろ」
「俺らの声が聞こえてたって言ってたから慌てて装備を取り替えたか? でもそれをつけたままじゃあろくに攻撃も出来ねぇだろ。外した瞬間ボコってやるからな」
「うるせぇな。こちとらずっとこの装備のままだよ!」
「嘘つくな! そんな装備でどうやって狩るって言うんだよ!」
はぁ……面倒くさくなってきたな……ひとまず……殺るか。
このまま無視してもおそらくこいつらの攻撃を食らうことはないと思うが。
やられたまま無視するってのも相手に失礼だろ?
何よりそれじゃあ俺のむしゃくしゃが収まらん!
俺はひとまずピョン吉に「銭投げ」を使った。
使用する金額は1000ジル。予想では100のダメージを与えるはずだ。
しかし表示されたダメージは11。プレイヤーへの攻撃は10分の1に減少されるみたいだ。
ピョン吉のバーは攻撃を当てる前後でほとんど動かなかった。
「はっ! そういえば『商人』には『銭投げ』ってのがあるんだったな。だからこんなモンスター狩ってたのか」
「どういうことだ?」
攻撃を食らってもピョン吉は未だに余裕の顔つきだ。
もう一人のPontaがそのピョン吉に疑問を問いかける。
「『銭投げ』はダメージに応じた金が必要だからな。HPの低いこいつを狩ってなるべく金を使わないようにしてたんだろ」
「なるほどな! こいつは『商人』の癖に金に汚いみたいだな。じゃあ、こいつに俺らを倒すの無理だろ。俺らのHPは1000超えてるからな」
1000のダメージを与えるためにはおよそ10万ジルが必要だ。
そのくらいの簡単な計算はこいつらも出来るようだ。
「俺らですら所持金10万も持ってねぇし。こんな貧乏『商人』には逆立ちしても無理な額だろ」
「それに俺ら二人を相手だと20万だしな。あー。でもこいつこっちの攻撃も通らないし。ほっといて狩りに戻ろうぜ」
Pontaの言葉に頷いて二人は笑いながら後ろを向いた。
いやいや。そのまま行かせるわけないだろ?
食らえ!
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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