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第1章
第13話【狩場荒らし】
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俺は素材を集めるべく、ボスモンスターが出る狩場へ向かう。
今までクエスト倒してきたダンジョンのボスとは違い、今回倒すのはフィールドボスだ。
このボスは常時フィールドにいる訳ではなく、一旦倒すと一定時間経過後に出現するらしい。
ひとまず俺は出現するポイントでボーッと待つことにした。
なんでも、出現時にその場に待機しているパーティが優先権を持てるのだとか。
一度攻撃を当てたら、そのパーティが離脱するか死ぬまでは他のパーティは手出ししないのがマナーだそうだ。
今回のボスは倒されてから現実時間で30分後に復活するらしい。
前回いつ倒されたのか分からないが、30分待てばいいんだ。
待っていたら、何回かボスを狩ろうとパーティがやって来た。
しかし俺が待っていることを伝えると、諦めて帰ったり、俺がやられると見込んだのか、遠巻きで眺めていた。
「おい! 誰もいないぞ! ラッキーだな!」
「珍しいな。でもこれで狩りたい放題じゃん」
もうすぐ30分経つという所で、もう一つのパーティがやって来た。
そして俺のすぐ近くに陣取る。
「あの。悪いけど、俺が待ってるんで、ちょっと待ってくれるかな? 必要なのは2、3個だから、そんなにかからないからさ」
「あ? 誰だよ。お前。冗談言うなよな。そっち一人しかいないじゃん」
「いや。一人だろうが二人だろうが関係ないだろ。ひとまず先に人が居たらそっちに優先権があるって聞いたぞ」
「うわー! 出たー。自分ルール押し付けてくるやつ。残念だったな。このゲームは一番多くHP削ったパーティが勝ちなんだよ。1対6で勝てると思ってんの?」
なんだこいつ……めちゃくちゃムカつくんですけど。
しかもなんか取り巻きのやつらもニヤニヤしてるし。
しかし、多くHP削ったやつが勝つ、ってことは倒したことになるのか。
いいことを聞いた。
そうこうしている間に目的のボスが出現した。
この草原のフィールドボス、カイザーレオ、ライオンのような立派なたてがみを持ったモンスターだ。
「出たぞー! 頭部だ! 頭部を狙えー!!」
「バフを忘れるなよ! こいつ見かけによらず硬いぞ!」
俺の事を無視して、こいつらはカイザーレオに攻撃を始めた。
頭部破壊を狙っているってことは目的のドロップアイテムは一緒か。
ヒミコに教えてもらったんだが、雑魚モンスターと違ってボスモンスターは部位破壊と言うのができるらしい。
特定の場所を狙って攻撃を繰り返し、一定以上のダメージを与えると部位破壊ができる。
メリットは二つ。一つはそこが強攻撃の元になってたりすると、それを封じることができる。
もう一つは部位破壊をすることによって必ず手に入るドロップアイテムがある事だ。
今回の俺の目的は「カイザーメイン」、ボスのたてがみで頭部破壊でゲットできる。
なので頭部を集中的に攻撃すればいいわけだ。
「さてと、意外とあいつらいいダメージ与えてるなぁ。連携もいいし。このまま放っておくとまじで先に倒されちゃうな」
俺は知識が上がったことにより見えるようになったHPの数値を追う。
まだまだHPはあるが、少なくともこのままではあいつらが倒してしまうだろう。
「えい!」
俺は狙いを頭に定め、「銭投げ」を使った。
もちろん金額は残りHP全てを削りきる額だ。
『カイザーレオの頭部破壊に成功しました!』
メッセージが流れ、目の前のカイザーレオがポリゴンになって霧散する。
目の前で攻撃やら補助魔法をやらを繰り返してたやつらは何が起こったのか分からず、呆けた顔をしている。
うん。なんというか。ざまぁみろ。
俺はアイテム欄を開き、目的の「カイザーメイン」が手に入ってることを確認する。
さて、またここから30分ボーッと待つのか。
「おい!? なんだよ今の。いきなりボスが消えたぞ?」
「今のエフェクトは倒された時のだろ? あんなにHP低かったっけ?」
「いやいや。あんなんで倒せるわけねぇだろ。HP半分以下になったら使ってくるブレスもまだだったし。そもそもドロップアイテム何も来てねぇじゃん」
「嘘だろ? バグか?」
何が起きたか分からないって感じだな。
ああ。そうか。前衛で戦ってたやつらは死角で見えなかったのか。そもそも戦闘中に周り見る余裕もないか。
「いや……俺今見えたんだけどさ……そいつが倒したみたいだよ」
「はぁ!? あの犬が? いやいや。そんなの無理だろ。飛び道具でしかも一撃とか。チートじゃん」
「おい! お前、ほんとにカイザーレオを倒したのかよ!?」
「さあね。もし仮にそうだとして、マナーの悪いお前らに教えるようなことは何も無いな」
「なんだと!? てめぇ。ボスはバグかなにか知らねぇが、どうせ出てくるまで30分あるんだ。お前ムカつくからその間遊んでやるよ」
「は?」
うわ。こいつ沸点低いな。こういうの苦手だわ。
って言ってる側から攻撃仕掛けてきてるし。
前衛で戦っていただけあって、HPはそれなりだ。
しかも対人はダメージが10分の1に減少する。
こいつのために金を使うのも癪だけど、このまま舐められて攻撃受けるのはもっと癪だからな。
俺は相手の攻撃がこっちに到達する前に「銭投げ」で沈黙させる。
知識によるHP確認はプレイヤーにも有効だ。
こいつレベルだけは高いんだよな。
まぁ、レベルと人格が一致するなら、苦労しないわな。
「おい! 嘘だろ!? キリトが一瞬で死んだぞ? こいつやっぱりチートだろ!」
「いや。失礼だろ。お前ら。横殴りするわ、PKしようとしてくるわ、チート呼ばわりするわ。いくら温厚な俺でも怒るぞ?」
「うるせぇ! このチート野郎! これでも喰らえ!」
うわ。まじかこいつら。一人圧勝で沈めたらいなくなると思ったら、まだやんの?
こっちメリットあんまりないんですけど。
しょうがない。痛いかどうかは分からないけど、万が一痛かったらやだしな。
俺はしょうがなく全員に「銭投げ」を使った。
一人でも生きてると、復活薬やスキルで回復されたらめんどいからな。
叫び声を上げながらパーティ全員が地面とキスをした。
予定外の出費だったが、少し気持ちが晴れたから良しとするか。
その後再度出現したカイザーレオを2回倒して、俺は次のボス狩りへと向かった。
☆☆☆
【無限】インフィニティ・オンライン速報 Part198
340 名無しさんファイト
今日カイザーレオ狩りでチート発見したんだが
341 名無しさんファイト
は?
342 名無しさんファイト
>>340
詳しく
343 名無しさんファイト
なんかカイザーレオ現れたら一瞬で溶けたw
やったやつは紳士服着たワンコwww
344 名無しさんファイト
紳士服ってことはバトラースーツか?
ってことは前衛じゃないじゃんw
嘘乙w
345 名無しさんファイト
>>340
カイザーレオのHPと防御いくつだと思ってんだよw
あいつ一撃出来るやつがいたらぶっ壊れ性能だろw
それかほんまもんのチートwwww
346 名無しさんファイト
いや、ほんとだって
見てたの俺だけじゃねぇもん
カイザーレオ狩り待ちパーティメンバー全員見てるからな
知り合いが動画撮ってたわ
今metubeに載せてる
347 名無しさんファイト
https://metube.com/watch?v=Rnedi75C-vY
これか
なにこれwwww
まじで一瞬で溶けたwwww
ワンコの攻撃見えないwwww
348 名無しさんファイト
釣りじゃないのかよ
うわwwww
マジだったwwww
今までクエスト倒してきたダンジョンのボスとは違い、今回倒すのはフィールドボスだ。
このボスは常時フィールドにいる訳ではなく、一旦倒すと一定時間経過後に出現するらしい。
ひとまず俺は出現するポイントでボーッと待つことにした。
なんでも、出現時にその場に待機しているパーティが優先権を持てるのだとか。
一度攻撃を当てたら、そのパーティが離脱するか死ぬまでは他のパーティは手出ししないのがマナーだそうだ。
今回のボスは倒されてから現実時間で30分後に復活するらしい。
前回いつ倒されたのか分からないが、30分待てばいいんだ。
待っていたら、何回かボスを狩ろうとパーティがやって来た。
しかし俺が待っていることを伝えると、諦めて帰ったり、俺がやられると見込んだのか、遠巻きで眺めていた。
「おい! 誰もいないぞ! ラッキーだな!」
「珍しいな。でもこれで狩りたい放題じゃん」
もうすぐ30分経つという所で、もう一つのパーティがやって来た。
そして俺のすぐ近くに陣取る。
「あの。悪いけど、俺が待ってるんで、ちょっと待ってくれるかな? 必要なのは2、3個だから、そんなにかからないからさ」
「あ? 誰だよ。お前。冗談言うなよな。そっち一人しかいないじゃん」
「いや。一人だろうが二人だろうが関係ないだろ。ひとまず先に人が居たらそっちに優先権があるって聞いたぞ」
「うわー! 出たー。自分ルール押し付けてくるやつ。残念だったな。このゲームは一番多くHP削ったパーティが勝ちなんだよ。1対6で勝てると思ってんの?」
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しかもなんか取り巻きのやつらもニヤニヤしてるし。
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いいことを聞いた。
そうこうしている間に目的のボスが出現した。
この草原のフィールドボス、カイザーレオ、ライオンのような立派なたてがみを持ったモンスターだ。
「出たぞー! 頭部だ! 頭部を狙えー!!」
「バフを忘れるなよ! こいつ見かけによらず硬いぞ!」
俺の事を無視して、こいつらはカイザーレオに攻撃を始めた。
頭部破壊を狙っているってことは目的のドロップアイテムは一緒か。
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今日カイザーレオ狩りでチート発見したんだが
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紳士服ってことはバトラースーツか?
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マジだったwwww
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