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第33話【レアボス討伐】
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私たちは今、これまでのどの攻城戦よりも緊張していた。
逃げ出すか、応戦するかの二択を迫られていた。
目の前には見上げるほど大きな体躯を持った、漆黒の魔神が居た。
人を大きくして背中からコウモリのような羽を、頭には巨大な恐ろしい角を、口には鋭い牙を生やしたデーモンとも言うべき見た目のモンスター。
新エリアのレアボス、魔神ディアボロス。
以前敗退を喫した強敵だった。
「無理しないで! ダメだったらすぐに逃げようね!!」
私が叫ぶ。
素材集めに来ていた新エリアで、再び出会すこととなったのだ。
このレアボスの出現場所は決まっておらず、新エリアのどこでも突然現れる可能性があった。
そして、今回は私たちが狩りをしていた場所に出現したというわけだ。
「この前みたいなヘマはもうしないよ! ギルバート! 行くよ!!」
「ああ!!」
アンナとギルバートが接近して攻撃を繰り出す。
しかしディアボロスはその二人ではなく、ヘイトを取得しているローザに向けて攻撃をしていた。
前回は居なかったタンクという、戦闘の一つの要。
そのおかげでアンナたちは安心して攻撃に専念することが出来ていた。
「くっ! さすがに一人では長くは耐えられない! セシル!! 一旦頼む!!」
「分かった!」
ローザの合図を受けてセシルがディアボロスの攻撃相手を引き受ける。
ローザのように本来のタンクでは無いため、避けられるものは避け、受けられるものは受けながらの対応だ。
その間、レクターは必死に防御の要が落ちないように、補助や回復などをかけ続ける。
だけどあまり頻発すると、今度はレクターのヘイトが溜まるため、私も回復薬を投げどちらかに偏らないようにしている。
隣ではハドラーとソフィが断続的に遠距離攻撃を繰り返している。
ただ、あまり大技を使うとこちらもディアボロスの攻撃の的にされてしまうため、小技を織り交ぜての攻撃だ。
周りではカインとウィルが、他のモンスターがメンバーに向かって攻撃をしないよう、得意の素早さを活かして狩り続けている。
ウィルが仕掛けた罠に、カインが狩りをしながらモンスターを集め、誘導するという作戦だ。
「範囲攻撃のメンバーが欲しいところだね」
「そうですね。罠で足止めをして一斉に、というのが有効な場面です」
カインとウィルはそんなことを言いながらも、メンバーに危険が及ばないよう、きちんと自分たちの役目を果たしていた。
「アンナ! 大技撃ちすぎだ! ヘイト管理が間に合わない!!」
「あいよ! ちょっと回転数を上げすぎたね!」
そんなこと言いながら、今回は前回と違い崩れることなく着実にディアボロスのHPを削れている。
アーサーが言った通り、二つのパーティで狩れば何とかやれそうだ。
「まずい! この前の大技くるぞ!! 耐久力無いやつは離れろ!!」
セシルが叫ぶ。
ディアボロスの口に光が集まり、やがてそこから放射状に眩い光線が放たれる。
「みんな集まって! 【ハイパーヒーリング】!!」
レクターが高等広範囲回復魔法を唱え、受けたダメージが回復していく。
新エリアの素材から事前に作ることが出来た相手に弱体化を与える薬【虚弱の魔毒】の効果で、死ぬメンバーもいなかったようだ。
「これは……いけるかもしれませんね」
「ハドラーがそう言うのは珍しいね!」
そう言いながら私もそう思っていた。
ギルバートたちが入ってくれてから、かなりやりやすくなっているのを実感している。
前に誰かが言った、個の力よりも集団でどう動けるかで何倍も強くなるというのはその通りだ。
だけどそれも一人一人が強ければ、更に凄いことになる。
「これで、終わりだっ!!」
そう叫びながらセシルが【竜騎士】の代名詞とも言える大技スキル【青龍破】を打ち出す。
突き出した槍の穂先から、青い龍の形をした衝撃波が発され、ディアボロスを撃ち抜く。
貫通属性を持つそのスキルはディアボロスの後ろにいたモンスターをも蹴散らし虚空へと消えた。
そしてその一撃で、ディアボロスの漆黒だった外皮は灰色に色褪せ、全身にヒビが入りボロボロと崩れ去っていった。
「やったぁ!! 倒せた!!」
「やったね、サラちゃん!! どんなもんだい!!」
思い思いに感動の言葉を叫び、近くにいる仲間と喜びを分かちあった。
これで私たちも、フィールドに出てくるモンスターを全部攻略できたことになる。
「それで、ドロップはどうだったんだ?」
ギルバートがセシルに聞く。
共闘したとは言え、ギルバートたちのパーティと私たちのパーティは別。
最後はセシルの一撃で倒したから、ドロップアイテムは私たちのパーティにしか取得できない。
「えーっと、おお! ギルバート! 喜べ! 爪が落ちたぞ!!」
「なんだって!? 本当か? レアリティは!? 付与は何がついてる!?」
なんと、セシルはギルバートが装備できる武器を取得していたようだ。
他のメンバーも集まってワイワイと盛り上がっている。
「ねぇねぇ。盛り上がってるところ悪いんだけど、【魔血】っていうアイテム手に入れた人いる?」
私はそっちが気になって仕方がなく、セシルたちの輪の外から声をかける。
私の声にみんな一瞬振り向き、私と同じパーティのメンバーは自分のアイテム欄を確認する。
だけど全員が首を横に振った。
私自身にも来ていないから、残念だけど今回は手に入れることが出来なかったらしい。
これでまだ【魔血】を使った薬の検討はお預けだ。
さすがの私も一回で成功させる自信はないから。
一度負けたレアボスを見事討伐できた喜びと、希望の素材が得られなかった残念な気持ちを抱え、私は引き続き新エリアの素材集めに精を出した。
逃げ出すか、応戦するかの二択を迫られていた。
目の前には見上げるほど大きな体躯を持った、漆黒の魔神が居た。
人を大きくして背中からコウモリのような羽を、頭には巨大な恐ろしい角を、口には鋭い牙を生やしたデーモンとも言うべき見た目のモンスター。
新エリアのレアボス、魔神ディアボロス。
以前敗退を喫した強敵だった。
「無理しないで! ダメだったらすぐに逃げようね!!」
私が叫ぶ。
素材集めに来ていた新エリアで、再び出会すこととなったのだ。
このレアボスの出現場所は決まっておらず、新エリアのどこでも突然現れる可能性があった。
そして、今回は私たちが狩りをしていた場所に出現したというわけだ。
「この前みたいなヘマはもうしないよ! ギルバート! 行くよ!!」
「ああ!!」
アンナとギルバートが接近して攻撃を繰り出す。
しかしディアボロスはその二人ではなく、ヘイトを取得しているローザに向けて攻撃をしていた。
前回は居なかったタンクという、戦闘の一つの要。
そのおかげでアンナたちは安心して攻撃に専念することが出来ていた。
「くっ! さすがに一人では長くは耐えられない! セシル!! 一旦頼む!!」
「分かった!」
ローザの合図を受けてセシルがディアボロスの攻撃相手を引き受ける。
ローザのように本来のタンクでは無いため、避けられるものは避け、受けられるものは受けながらの対応だ。
その間、レクターは必死に防御の要が落ちないように、補助や回復などをかけ続ける。
だけどあまり頻発すると、今度はレクターのヘイトが溜まるため、私も回復薬を投げどちらかに偏らないようにしている。
隣ではハドラーとソフィが断続的に遠距離攻撃を繰り返している。
ただ、あまり大技を使うとこちらもディアボロスの攻撃の的にされてしまうため、小技を織り交ぜての攻撃だ。
周りではカインとウィルが、他のモンスターがメンバーに向かって攻撃をしないよう、得意の素早さを活かして狩り続けている。
ウィルが仕掛けた罠に、カインが狩りをしながらモンスターを集め、誘導するという作戦だ。
「範囲攻撃のメンバーが欲しいところだね」
「そうですね。罠で足止めをして一斉に、というのが有効な場面です」
カインとウィルはそんなことを言いながらも、メンバーに危険が及ばないよう、きちんと自分たちの役目を果たしていた。
「アンナ! 大技撃ちすぎだ! ヘイト管理が間に合わない!!」
「あいよ! ちょっと回転数を上げすぎたね!」
そんなこと言いながら、今回は前回と違い崩れることなく着実にディアボロスのHPを削れている。
アーサーが言った通り、二つのパーティで狩れば何とかやれそうだ。
「まずい! この前の大技くるぞ!! 耐久力無いやつは離れろ!!」
セシルが叫ぶ。
ディアボロスの口に光が集まり、やがてそこから放射状に眩い光線が放たれる。
「みんな集まって! 【ハイパーヒーリング】!!」
レクターが高等広範囲回復魔法を唱え、受けたダメージが回復していく。
新エリアの素材から事前に作ることが出来た相手に弱体化を与える薬【虚弱の魔毒】の効果で、死ぬメンバーもいなかったようだ。
「これは……いけるかもしれませんね」
「ハドラーがそう言うのは珍しいね!」
そう言いながら私もそう思っていた。
ギルバートたちが入ってくれてから、かなりやりやすくなっているのを実感している。
前に誰かが言った、個の力よりも集団でどう動けるかで何倍も強くなるというのはその通りだ。
だけどそれも一人一人が強ければ、更に凄いことになる。
「これで、終わりだっ!!」
そう叫びながらセシルが【竜騎士】の代名詞とも言える大技スキル【青龍破】を打ち出す。
突き出した槍の穂先から、青い龍の形をした衝撃波が発され、ディアボロスを撃ち抜く。
貫通属性を持つそのスキルはディアボロスの後ろにいたモンスターをも蹴散らし虚空へと消えた。
そしてその一撃で、ディアボロスの漆黒だった外皮は灰色に色褪せ、全身にヒビが入りボロボロと崩れ去っていった。
「やったぁ!! 倒せた!!」
「やったね、サラちゃん!! どんなもんだい!!」
思い思いに感動の言葉を叫び、近くにいる仲間と喜びを分かちあった。
これで私たちも、フィールドに出てくるモンスターを全部攻略できたことになる。
「それで、ドロップはどうだったんだ?」
ギルバートがセシルに聞く。
共闘したとは言え、ギルバートたちのパーティと私たちのパーティは別。
最後はセシルの一撃で倒したから、ドロップアイテムは私たちのパーティにしか取得できない。
「えーっと、おお! ギルバート! 喜べ! 爪が落ちたぞ!!」
「なんだって!? 本当か? レアリティは!? 付与は何がついてる!?」
なんと、セシルはギルバートが装備できる武器を取得していたようだ。
他のメンバーも集まってワイワイと盛り上がっている。
「ねぇねぇ。盛り上がってるところ悪いんだけど、【魔血】っていうアイテム手に入れた人いる?」
私はそっちが気になって仕方がなく、セシルたちの輪の外から声をかける。
私の声にみんな一瞬振り向き、私と同じパーティのメンバーは自分のアイテム欄を確認する。
だけど全員が首を横に振った。
私自身にも来ていないから、残念だけど今回は手に入れることが出来なかったらしい。
これでまだ【魔血】を使った薬の検討はお預けだ。
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