後方支援なら任せてください〜幼馴染にS級クランを追放された【薬師】の私は、拾ってくれたクラマスを影から支えて成り上がらせることにしました〜

黄舞

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第41話【方針】

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 アーサーと別れた後、私はカインと今後について話し合っていた。
 アーサーにも言われたけれど、やはりS級に上がった以上、このまま10人で勝ち進むのは難しいというのはカインも同じ考えのようだ。

「とりあえずさ。もう少し積極的に募集してもいいと思うよ。後は、どういう人が欲しいとか明確に書かないとね。まぁ、今は人が少なすぎて正直頑張れる人なら誰でもいいけど」
「うーん。この話は、私たちだけで話してもしょうがないよね。マスターはセシルなんだし」

「まぁね。ひとまずクランに戻ろうか。今後どうするつもりか、せっかくだからはっきりさせた方がいいんじゃない? ていうか、アーサーには絶対ギャフンと言わせてやりたいからガチでやるよ!」
「あはは。そうだね。なんか、知り合いと戦うって変な気分だけど」

 そんな私の言葉を聞いて、カインが首を振った。

「ゲームなんだからさ。むしろ、知り合いと戦う方が燃えるでしょ。勝っても負けても最後はラブアンドピース。これ、アーサーの受け売りだけどね」
「何それ?」

「だからさ。別に戦って倒したって、本当に殺すわけじゃないでしょう? ゲームなんだからさ。だから、全力で、自分の全力を出し切って戦うのさ。勝ったら喜ぶ。負けたら悔しむ。でも相手を恨むんじゃなくて、結局楽しんだもの勝ちってこと」
「なるほどね……」

 そう言われると、なんだかアーサーと戦うのが楽しいことのような気がしてきた。
 今のままではきっとまだ全力じゃない。

 私たちの全力を、アーサーにぶつける。
 それで勝ったら嬉しいし、負けてもまた挑めばいいんだ。

 吹っ切れた私を見て、カインが笑った。



「そうだね。俺もちょうど今、ハドラーとメンバー募集について話してたところさ」
「ええ。前回の戦闘でやはり数は力、相手の戦法に応じて柔軟に対応できるようになるためにも、やはりメンバーの補充は必要だと思います」

 私とカインがクランの専用スペースに着くと、そこにセシルとハドラーが二人で話し合っていた。
 聞いたところ、都合の良いことに二人も同じ話題だったようだ。

「うん。何かいい方法出た?」
「うーん。色々と考えたんだけどね」

 セシルの話によると、例えば育成も含めた募集をするというのが一つ上がったらしい。
 出来れば即戦力が欲しいところだけれど、さすがにレベルが高いプレイヤーは大抵すでにどこかのクランに所属している。

 それを引き抜くというのは気がひけるから、それならばまだクランに所属していない初心者をクランに誘い、私たちが成長をサポートするということで戦力を手に入れるということらしい。
 しかしこの方法には少し難点があった。

「問題は、このゲームはパワーレベリングができないってことなんだよなぁ」
「そうですね。ただ、私やセシルさんがサラさんにやってもらったように、強化薬の力を借りて、ということならできますが……」

 そこでハドラーは言葉を濁す。
 つまり、私の負担を気にしているのだろう。

 二人がまだレベルの低い時は、確かに私はパーティを組まずに、後方から強化薬を投げて二人のレベル上げに付き合っていた。
 そのおかげで、二人は適正レベルよりも数段階上のモンスターを相手にできたため、普通の人よりもレベル上げが速かったはずだ。

 理論的には同じことをすれば新しく入ってきた人も、普通よりも速くレベル上げができるだろう。
 ただし、そのために私は薬を用意してレベル上げにも出来れば参加しなければいけない。

 ただ飲むよりも私がスキルで薬を投げた方が効果が高いからだ。

「サラさんにそこまでしてもらうつもりはないから安心して。それじゃあサラさんの負担がデカすぎる」
「うん。ごめんね? さすがにクランのためとはいえ、みんなにそれをする気にはなれないかな。薬を用意するくらいなら問題ないけど」

「次に考えたのはギルバートの時みたいに、どこかのクランと合併すること。ただ、これはすぐにいいところが見つかると思えないし」
「そもそもさ。このクランはまだまだ名が知られてないでしょ? ギルバートの時はたまたまサラのことを知ってたから来ただけで。知名度が圧倒的に足りないよね。その方法をするには」

 セシルの説明にカインが口を出す。
 確かに、いくらS級になったとはいえ、まだなったばかりだから私たちのクランと合併したいなんて思うクランを見つけるのも難しいだろう。

「なんかいい案ないかな? 例えば……私たちを知ってもらえればいいのよね? こんなクランなんだって。ほら、カインが言ってた勝っても負けてもってやつ。そういうので交流して仲良くなるとかできたらいいのにね」

 私がそう言うと、三人は私を指差す。
 何事かとびっくりしていると、セシルが最初に口を開いた。

「それだよ! 交流戦! 確か、闘技場で組めるんじゃなかったかな? クラン対クランも出来るし、なんなら相手のクランと混ぜて戦うこともできるはずだ」
「うん。出来るよ。混ざって戦うときにはちょっとコツがいるけど。それよりさ、まずは交流戦をやる相手を探さなきゃだねぇ。出来れば同じくらいのメンバーのところがいい」

「そうですね。交流戦の相手を探す条件の一つに合併先を探している、というのを明記するのはどうでしょうか? そうすれば無駄なく必要な相手を探せる気がします」
「え? え? え??」

 なんだか分からないけれど、どうやら三人の中では答えが見つかったらしい。
 楽しそうに準備を始める三人を、私は交流戦がどんなものか教えてもらえるまで、ただただ見つめていた。
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