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婚約者が真後ろの席で女と密会中、私はそろそろ我慢の限界なのですが。<後>
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「何だ、お前はそんなにあの子に不満があったのか。悪かったな、それなのに紹介して。」
「せ、先輩!?何でここに…いや、今の話は冗談で…!」
「じゃあ、その女性は何だ?まさか何の関係もない相手と、泊りで旅行まで行ったのか?おまけに、今度は海外まで行こうとしてるみたいだが?」
「こいつは、ただの友人で…好きでもないし、何でもないんです!」
「ちょっと、何よそれ!?私の事好きだって言って、あんなに抱いてくれたじゃない!」
「ば、馬鹿、黙ってろ。この人は俺の先輩だぞ!この人から、あいつにバレたら…!」
「もう、バレてるけど?ここ、私の行きつけのカフェなの。さっきからあなたたちの真後ろ席で、話を全部聞いてたから。あなたが私の事、どう思ってるかよく分かったわ。あなたとの婚約は、破棄させてもらいます。それから、私から騙し取ったお金は全額返して頂戴。それだけじゃない、浮気の慰謝料も、きちんと払ってもらいますからね。私、あなたとそこの女を訴えるから!」
「不貞行為にお金の件、お前がした事は許される事じゃない。この件は会社に報告する、追って処分があるだろうから覚悟しておけ。」
「そ、そんな…俺、クビになっちまう…。」
「な、何で私まで道連れなのよ…。」
※※※
あれから彼は、職場を自主退職という形で去って行った。
社会的信用を失い周りから白い目で見られ去って行く背中は、それは惨めなものだった。
そして、私はというと…。
「先輩、いい弁護士さんを紹介して下さって、ありがとうございました。あれから先輩がずっと傍に居てくれたから、私は立ち直ることができました。」
「俺には、あんな奴を紹介してしまった責任がある。…何より、君を1人にしたく無かった。自分が好きで傍に居たんだ、気にすることは無いよ。」
「先輩は、どうしてあそこに?」
「あの店最近見つけて・良くお邪魔してたんだ。あの店にある雑貨、おしゃれで好きなんだよ。男1人で入るには、ちょっと照れくさいけどな。」
そう言って笑う先輩は、何だかとても可愛らしかった。
先輩も可愛いもの好きなんだ、何だか私たち気が合うかも…。
「だから…良かったら今度、一緒に行ってくれないか?」
先輩、顔が赤い…。
これってもしかして、デートのお誘い?
だったら、私の返事は決まってるわ。
「はい、喜んで!」
婚約者が真後ろの席で女と密会中…そんな悲劇に見舞われた私だけど、これからは幸せになろうと思います─。
「せ、先輩!?何でここに…いや、今の話は冗談で…!」
「じゃあ、その女性は何だ?まさか何の関係もない相手と、泊りで旅行まで行ったのか?おまけに、今度は海外まで行こうとしてるみたいだが?」
「こいつは、ただの友人で…好きでもないし、何でもないんです!」
「ちょっと、何よそれ!?私の事好きだって言って、あんなに抱いてくれたじゃない!」
「ば、馬鹿、黙ってろ。この人は俺の先輩だぞ!この人から、あいつにバレたら…!」
「もう、バレてるけど?ここ、私の行きつけのカフェなの。さっきからあなたたちの真後ろ席で、話を全部聞いてたから。あなたが私の事、どう思ってるかよく分かったわ。あなたとの婚約は、破棄させてもらいます。それから、私から騙し取ったお金は全額返して頂戴。それだけじゃない、浮気の慰謝料も、きちんと払ってもらいますからね。私、あなたとそこの女を訴えるから!」
「不貞行為にお金の件、お前がした事は許される事じゃない。この件は会社に報告する、追って処分があるだろうから覚悟しておけ。」
「そ、そんな…俺、クビになっちまう…。」
「な、何で私まで道連れなのよ…。」
※※※
あれから彼は、職場を自主退職という形で去って行った。
社会的信用を失い周りから白い目で見られ去って行く背中は、それは惨めなものだった。
そして、私はというと…。
「先輩、いい弁護士さんを紹介して下さって、ありがとうございました。あれから先輩がずっと傍に居てくれたから、私は立ち直ることができました。」
「俺には、あんな奴を紹介してしまった責任がある。…何より、君を1人にしたく無かった。自分が好きで傍に居たんだ、気にすることは無いよ。」
「先輩は、どうしてあそこに?」
「あの店最近見つけて・良くお邪魔してたんだ。あの店にある雑貨、おしゃれで好きなんだよ。男1人で入るには、ちょっと照れくさいけどな。」
そう言って笑う先輩は、何だかとても可愛らしかった。
先輩も可愛いもの好きなんだ、何だか私たち気が合うかも…。
「だから…良かったら今度、一緒に行ってくれないか?」
先輩、顔が赤い…。
これってもしかして、デートのお誘い?
だったら、私の返事は決まってるわ。
「はい、喜んで!」
婚約者が真後ろの席で女と密会中…そんな悲劇に見舞われた私だけど、これからは幸せになろうと思います─。
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