上 下
8 / 10

5回目の寄付は袋いっぱい。

しおりを挟む
 5回目の寄付は、前回の友達から頂いたカップラーメンだった。

 あれから家の中の非常食や、防災リュックの中を調べてくれたらしく、カップラーメンが出てきたから、引き取って欲しいと言われた。
 引き取った物は、全て賞味期限しょうみきげんが2ヶ月とかなり迫ってきていたので、早めに持って行くことにした。

 カップラーメンはお湯を注ぐだけで、簡単に作ることができる。
 独居老人どっきょろうじんの方や、子どもさんすぐに食べることができ、便利な食品だ。

 まだ4月、寒い日もあるので喜ばれるだろう。
 味も2種類ずつあるから、日替わりでラーメンを楽しんでもらえたら嬉しい。

 後はレトルトカレーと、まだおもちが残ってしまっているので、これも一緒に持って行って欲しいと言われた。
 今回家の食品を確認した時に、前回渡したお餅以外にも、まだストックがあったことが判明したらしい。

「フードバンクの存在を知らなかったら、家の中を調べることなんてしなかった。危うくこれだけの食品が無駄むだになるところだった。これからは何を買ったか、メモに書いて食糧庫しょくりょうこや引き出しに貼っておくね。」

 友達は、この先食品が無駄にならない工夫を考えたようだった。
 私も、それはいいアイデアだな、真似したいなと思った。

※※※

 私は友達から預かったお餅に合わせ、きな粉を持って行くことにした。
 
 このきな粉は、前回きな粉をくれた友達が、また持ってきてくれた物だ。
 まだ家に残っていた物があったらしく、私がフードバンクに寄付していると聞いて持ってきてくれた。
 そして、私が持って行こうとしている食品を見て、私の家にもお餅があるから今度また持ってくる、と言ってくれた。
 偶然にもまた、善意ぜんいの輪が広がった。

 ということで、5回目のフードバンクへの寄付は、以下のような食品を持って行くことになった。
①カップラーメン(味噌・しょうゆ)4個
②お餅2袋
③レトルトカレー1袋
④きな粉1袋

 社会福祉協議会しゃかいふくしきょうぎかいの職員さんにお渡しすると、カップラーメンは賞味期限がかなり迫っているので、今週みえる利用者さんに全てお渡しします、と言って下さった。

 自分の持って行った食品が、どんな形でいつ利用されるのかが分かって嬉しかったのと同時に、自分や友達が誰かの役に立つことができたのだと、喜びで胸が熱くなった-。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

新妻よりも幼馴染の居候を優先するって、嘗めてます?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,728pt お気に入り:145

無能と罵られた私だけど、どうやら聖女だったらしい。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,778pt お気に入り:2,320

貴方に側室を決める権利はございません

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:1,704pt お気に入り:88

祝 なろう300000PV感謝! 遍歴の雇われ勇者は日々旅にして旅を住処とす

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:242pt お気に入り:60

処理中です...