魔力を高める上で最も原始的で効果的な方法とその副作用

井中かわず

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あのあとキースのことはフッてしまった。
女子生徒たちやヨズキに対する腹いせに利用してしまって申し訳なかったが、好きなわけではないのでこれで付き合うのももっと失礼な気がする。

ヴィオラは少し早めにパーティー会場をあとにして一度部屋に戻る。
いつもの制服に着替えてから魔力安定科の教員室に向かった。
今夜は先生たちも色々と多めに見てくれる。消灯時間を過ぎようと朝帰りしようと誰も何も言わないが、ドレスを着ていたらなんだかやましいことをしていたのが丸分かりで嫌だった。
扉をノックなしで開く。

「先生、あの髪飾り返してくださ…」



誰もいない。まだ戻ってないのだろうか。
ヨズキの部屋の方まで覗いてみると、彼はスーツのジャケットを脱ぎ捨てそのままベッドに寝ていた。
顔が赤く、息も荒い。

「先生…?大丈夫ですか?」

「ヴィオラ…」

こちらに気がついたヨズキは掠れた声でそう言った。
名前を呼ばれるのは、初めてだ。
ヨズキは頭を押さえながらふらりと上半身を起こす。

「お加減が悪いのですか?」

「いや…クソ…っ、あのビッチが…」

「何がどうしたんです」

「大丈夫ですよ、催淫薬を盛られただけです…」

「催淫薬?!」

だとすると、彼は今発情しているということか。
こんなに余裕のないヨズキを見るのは初めてだ。ヴィオラのなかに小悪魔が生まれる。

「…それは、大変ですね先生」

ベッドに腰掛けわざと足を組む。
ヨズキの視線が足に向くのがわかる。背中がゾクゾクとした。
そのままポフンとヨズキの隣に横たわる。

「どういうつもりです?」

グッと眉を寄せて睨まれる。

「どういうつもりでもないですよ」

そう言いながら彼の太ももを撫でると目がとろんとイヤらしい目になるのがわかった。

「…誘ってるんですか」

「いいえ、先生が発情しているだけです」

ヨズキの手を取ってキスをした。彼は無言でヴィオラに覆い被さる。

「ガッついてますよ、先生」

ヴィオラはおかしくて楽しくて堪らない。
呼吸の荒い彼の顔に手を添えた。

「覚えとけよ…」

そう言いながらヨズキはヴィオラの服に手をかける。
初めて主導権を握れてヴィオラはなんとも言えない満足感を覚えた。

「ふふ、我慢できなかったのは先生のほうですね」





ヨズキは一度果てると熱が収まったのか、不機嫌そうにタバコを吸っていた。
対照的にヴィオラは上機嫌だ。
ヨズキがいつも優位に立ちたがる気持が少しわかった。

「私初めて先生を可愛いと思いました」

「うるさい」

苛立っているようだが、本気で怒っているわけではない。悔しがっているのだ。
主導権を握ったままヴィオラが帰ろうと扉に手をかけたところで、腕を捕まれて引き戻される。

「俺がこのまま帰すと思ってるんですか?
貴女だってまだまだ足りないでしょう」

壁に押し付け強引なキスをした。その隙に首輪と鎖が取り付けられる。

「えっ?」

「ほら、おすわりですよ」

ヨズキはヴィオラの頭を撫でながら満面の笑みでそう言った。

いやになる。

あんな乱暴なキスで、
首輪の質感で、
鎖の冷たさで、

この人の笑顔で、

なんで私は…
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