【完結】まつりくんはオメガの自覚が無い

りちょ

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11話※ 元に戻りたい

半個室の静かな居酒屋に、会ったばかりの女の子と入っていた。
この前行ったところとメニューの雰囲気自体は大きく変わらないけど、ぼんやりした照明と静かな店内は、なんというかあからさまで、だからこそ選んだ。

重めの前髪に、目をしっかり描き込んだメイクの女の子。正直に言えばタイプじゃない方なんだけど、可愛いしスタイル良いし全然大丈夫。アプリで知り合った、初めからそのつもりで気軽に会ってくれた子だった。

勃ちが悪くなるほど酔わない程度に、だけど思考をぼやかせるように、慎重に酒を飲んだ。多分素面じゃ我に返ってしまうからだった。
俺は意外と硬派で貞操観念も高いから、こういうのは好きじゃない。…だけど俺が今まで通りに暮らして、なおかつひかるに変なことを求めないためにも、必要な気がして腹を括ったのだった。

中身のないその場しのぎの話をつらつら繰り返して、良い時間になったら店を出た。
駅まで歩く途中、遠回りをするように曲がるとホテル街になる。歩いてる途中にふいに手が触れて、そのまま手を握って無言で歩いた。


------

「よかったー……………………………」


1人でシャワーを浴びながら、つい安心してしまって小さく声が出た。

できた。できました。ちゃんと今まで通りセックスできました。

ちゃんと最後まで勃ったし、ひかるとシた時みたいな変なのも無かった。
やっぱりヒート期間中だからおかしかったんだと納得した。めちゃくちゃ安心してる。マジでよかった。

すっかり自信を取り戻してシャワー室から出ると、一緒に寝ていた女の子が下着だけつけてベッドの上に転がっていた。
服を着ている時はぽっちゃりしていると思っていたけど、胸が大きかっただけでウエストは細い。出るところ出てるタイプ。
こんなスタイルの子抱けるってなって勃たなかったら、もう男として立ち直れなかったと思う。

ベッドの空いているスペースに座って、ペットボトルの水を飲む。
スマホを眺めたままで、その子が俺に話しかけてきた。さっきまでと違ってあんまり取り繕ってない、さっぱりした低い声だった。


「私さ、時々デリヘルもやっててさ」

「……………え?うん……」

「そのストレス発散でアプリしてるんだけど、だから色んな人の裸を見てるのね」

「へえ………………すごいね」

「まつきくん、おまんこあるよね?ちょっと触っても良い?」


『まつき』は俺の登録名だった。茉理って名前だとちょっと珍しすぎるから、微妙に変えて登録していた。

いや、そんなことはどうでも良い。急に目をキラキラ輝かせてこっちを見てきた目の前の子をどうするかが先だ。


「あれ?………………俺、言ったっけ………?」

「ううん、私が気がついちゃったの。時々そういう人見かけるからさぁ、ちょっと気になっちゃって」

「えっと………………その、俺のは、ちゃんとした機能無いから」

「ねぇお願い、大丈夫、ちゃんと気持ちよくしてあげるから」


何言ってんだこの子。
変な汗がどっと出る。もうしばらく使いたくないと思っていた矢先になんてこと言われたんだろう。
めちゃくちゃ楽しそうにニコニコ笑いながら、ローションボトルを持って近づいてくる彼女から、距離を取ろうとじりじり後ろに下がった。

一瞬で間を詰められ強く肩を押されて、思わずバランスを崩してよろける。

そのまま上に乗っかられて俺がベッドに倒れると、すぐに下着を引きずり下ろされ、太ももを片方掴まれて脚を広げさせられた。

割と最初の方遠慮がちだったよなこの子。一回寝たからもう猫被るのやめたってこと?彼女はとにかく、恐ろしいほど手際が良かった。


「アイカちゃんやだ、ねえ本当やだ!これ恥ずかしいんだって!!」

「どうせもうあたしとは会わないんだから大丈夫!」

「そうだとしても結構この格好メンタルにくる………うぎゃっっ!?」


いつの間にかローションでぬるぬるになっていた彼女の指がぬぷぬぷ侵入していた。
女の子の細い指だった。異物感も痛みも少ない。

ぐにぐにと内側を撫でられている感覚に皮膚が粟立った。気持ちいいのか悪いのかわからないまま、ただゾクゾク背筋を震わせた。


「抜い………抜いて………っ、こっち苦手なんだって………………」

「まつきくん、やっぱり可愛いね。おまんこ子供みたい」


俺の片足を抱えていた彼女が、ぎゅっと密着してきた。太ももに胸があたる。むにってした柔らかい感触に一瞬気を取られたが、急に気持ちいいところだけを擦られてそれどころでは無くなってしまった。


「あ………っ!?、ぇ、なに、ん………ッ!!」

「ここざらざらしてるのわかるー?気持ちいいよね」


散々、自分でいじくり回した気持ち良いところを他人に好き勝手擦られた。
腹がじんじんと熱くなってきて、腰が震え出した。ダメだこれ、また戻っちゃう。くちゅくちゅ粘っこい音が響いてきて、耳を塞ぎたくなった。

ていうかこの子は平気なんだろうか。嫌だろ、男が喘いでるところ見るのなんて。
必死に歯を食いしばって声が漏れるのを抑える。ちら、と彼女を見ると心底楽しそうな嬉しそうな顔をしていて、あー変態なんだと変に納得してしまった。


「……だめ、ホントだめ……っ!んぅ、んん……」

「あは、かわいー、もしかしてイけそう?」


勝手に身体が追い詰められる感覚。
女性器を弄ばれている時の独特の感覚で、自分が自分じゃなくなるようであまり得意では無かった。

空いている方の手で腹を軽く押される。腹全体にに圧迫感を感じてドッと身体が熱くなった。
ダメなのに、やめたいのに、またひかるのことを思い出してしまって、そしたらもうダメだった。

腹の、もっともっと奥の方が疼き始める。ぶっとくてデカくて硬い、凶悪な形してたあれでまたガツガツ抉って欲しい。ぷっくり腫れた亀頭で子宮の入り口を何回もノックして欲しい。気持ちいいところ全部抉って、何も考えられなくして欲しい。

いつのまにか細い指が2本入っていて、バラバラに気持ちいいところを撫でていた。
ひかるとは全然違うのに、俺は結局自慰の時みたいにひかるに抱かれているのを想像して、腰を震わせてイった。

情けない。情けないホント。
勝手に涙が溜まって、ぼろぼろと落ちる。
アイカちゃんはほんのちょっと、びっくりしたような顔をした。


「えっ泣いちゃった……….まつきくんごめん、もしかして痛かった?」

「違う…………おれ、最近まで、こうじゃなかったから………………」

「…………なんか、あった感じ?」



結局その後は俺が泣きながらひかるのことを話すことになった。
今までヒートも軽くて無いようなもんだったこと。急に暴走して20年来くらいの付き合いの幼馴染に抱かれたこと。それが忘れられなくって、それで今日こんなことをしたってこと。

今日会ったばかりで、明日には他人に戻る相手だからこそ、素直に全部吐き出せた。
アイカちゃんはあんまり深刻な顔をしないで、ふうんと話を聞いていた。


「んーそれ、ひかるくんと付き合えばいいんじゃ無いの?」


一通り話し終えてから、彼女はそう言った。


「…………こんな、性欲に駆られて関係を壊すようなことは、したくない」

「難しく考えるね」

「友達の中でも特別なんだよ。ずっとあたりまえに、これからも近くにいてほしくて」

「でも寝ちゃったんだ」

「……痛いとこつくね。そ~なんだよなぁ…………ダメだろマジで………………」

「まー、案外ひかるくんは何とも思ってないかもよ。アルファってモテそうだし、まつきくんより引きずってないんじゃ無い?」

「それはなんかヤダ、ムカつく」

「めんどくさ…………」


俺が泣きなむくらいまでつらつら話をして、そのまま疲れていつの間にか眠っていた。

次に俺が目を覚ましたのは早朝の早い時間で、何となくホテルの空気から逃げたくなって早めに家に帰った。
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