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14話 恋人(仮)
「…もう無いよね、完成でいい?」
「あー待って待って待って!飯作らなかった方が皿洗いって書いて!」
「えっそれ必要?それは同棲ルールじゃん」
「でも書いといて一応!」
「なんなの、結局お前の方がノってきてるじゃん」
あーだこーだ言い合いながら、恋人(仮)ルールが決まる事にはもうすっかり日も登っていた。
簡単に朝食をとりながら2人で考えたルールは、いつのまにかズラッと長くなっている。
「一回読み上げよう、えっと…
・お互い態度を変えない
・他人にバレないようにする
・エッチな事はしない
・手を繋ぐのはアリ
・同じ布団で寝るまでならアリ
・布団の上でお菓子を食べない
………これいる?お菓子のやつ」
「要るよ、お前やるじゃん時々。あれやだ」
「あっそう……えーと、
・女の子と遊ばない
・男ともエッチな事はしない
・女の子と隠れて連絡取らない
・良い感じの子が見つかったらすぐ報告
・誰と遊ぶのかは報告し合う」
「…ここ重くない?マジでやるの?」
「これ大切でしょ、仮なら尚更。茉理こそこそやりそうで嫌だし」
「やらないよそんな事…俺のことなんだと思ってんの」
「意外とモテるじゃんお前は。……あとそれと、
・喧嘩しても挨拶はする
・一日一回は会話か連絡する
・好きとかは別に言わなくていい
・2人でいる時は別々のことしない
……やっぱ長く無い?これ逆に揉めるだろ」
「………そうだね、削ろ」
白熱して無駄に長くなったルールメモを、また2人で削っていく。ここは別に任意でいいよ、ここはマナーだから書いてなくても守ろう、と2人でまた言い合いながら、かなり絞り込む事に成功する頃にはお昼になっていた。
2人でせーので、一つずつルールを読み上げる。
・お互い態度を変えない
・他人にバレないようにする
・エッチな事はしない
・浮気をしない
・終わらせる時は、ちゃんと2人で話し合う
「いいんじゃない?これで」
「そうだね…わかりやすいし、これなら揉めないだろ」
ヨシ!と2人で声を出して、ひかるがメモのスクリーンショットを俺に送ってきた。
本当に、付き合うっていうより契約だなと思ったら少しおかしくなってしまう。
「これもう印刷してハンコでも押しとく?」
「それどこに保管するんだよ。見つかったら面倒な事になるよ」
「それもそっか」
なんとなく2人、目が合ったので握手をしてみた。久々に握ったひかるの手はやっぱり筋が多くて硬い。多分俺とは真逆のことを考えているであろうひかるが、むにむにと俺の手を何度か握り直した。……どうやったら手って鍛えられるんだろう。
「えーと、まあ、よろしく」
「……こちらこそ」
そんな風にぎこちない挨拶をして、恋人(仮)生活はスタートした。
記念すべき初日の今日は、お互いほぼ徹夜をしていたせいで昼食用に作ったカップラーメンを待っている間に2人仲良く寝落ちしてしまい、日が沈んだ頃に目が覚めてデロデロになって溢れたカップ麺に絶望するところから始まった。
2人とも捨てるのは勿体無くて、冷め切ってグデグデになった美味しいとはとても言えない麺を啜っていたら、ひかるがフライパンで焼くアレンジレシピを見つけてきて、どうにか食べられるレベルまで持っていくことができた。
これくらい気取らない始まりの方が、らしくて良いかと1人思う。始まりって言ってもまあ、何も変わらないのが一番いいんだけれども。
「貴重なバイトのない連休を無駄にした気分」
「あはは、確かに。明日デートでもする?」
「…デートって言うのはアリなんだ。じゃあ俺あそこ行きたい、新宿で昔やってたゲームの展示ちょうどやってるじゃん。あの辺うろうろしよ」
「あーいいね。僕最近そっち方面に出るのにいい出口見つけたし、エスコートしてあげるよ」
「あっそれ違反じゃね?エスコートとかは態度変えすぎだもん!破った罰も決めとこうよ、飯奢るとか」
「今のはまだ実行してないからセーフだし!奢らないからな!」
「うわずる!次以降それも無しだから!」
ひとしきり騒いでから、お互いくだらない事でムキになっているのがおかしくて少し笑った。
それから2人で最近買ったばかりのゲームをして、ひかるが俺の部屋の漫画を勝手に読み始めた頃にはすっかり夜になっていて、帰るのがめんどくさいと言ってそのままひかるはうちに泊まった。
狭い六畳半の間取りの部屋に来客用の布団なんか準備してるわけもないので、今まで通りひかるが俺のベッドに潜り込んできて眠った。
お互い背を向けて眠る。丸まって寝る癖のあるひかると、ほんの少しだけ背中通しが触れ合っていた。
窮屈だし、寝辛いって言ったらそうなんだけど、不思議と嫌な気はしない。むしろ少し落ち着くまである。それは多分、小さい頃からこんなふうに2人で寝かされていたからだと思う。
いつもより暖かいベッドの中で、ふわふわ瞼が落ちる。ほんの少しだけ、ひかるの方に寄ってから俺は眠りに落ちた。
「あー待って待って待って!飯作らなかった方が皿洗いって書いて!」
「えっそれ必要?それは同棲ルールじゃん」
「でも書いといて一応!」
「なんなの、結局お前の方がノってきてるじゃん」
あーだこーだ言い合いながら、恋人(仮)ルールが決まる事にはもうすっかり日も登っていた。
簡単に朝食をとりながら2人で考えたルールは、いつのまにかズラッと長くなっている。
「一回読み上げよう、えっと…
・お互い態度を変えない
・他人にバレないようにする
・エッチな事はしない
・手を繋ぐのはアリ
・同じ布団で寝るまでならアリ
・布団の上でお菓子を食べない
………これいる?お菓子のやつ」
「要るよ、お前やるじゃん時々。あれやだ」
「あっそう……えーと、
・女の子と遊ばない
・男ともエッチな事はしない
・女の子と隠れて連絡取らない
・良い感じの子が見つかったらすぐ報告
・誰と遊ぶのかは報告し合う」
「…ここ重くない?マジでやるの?」
「これ大切でしょ、仮なら尚更。茉理こそこそやりそうで嫌だし」
「やらないよそんな事…俺のことなんだと思ってんの」
「意外とモテるじゃんお前は。……あとそれと、
・喧嘩しても挨拶はする
・一日一回は会話か連絡する
・好きとかは別に言わなくていい
・2人でいる時は別々のことしない
……やっぱ長く無い?これ逆に揉めるだろ」
「………そうだね、削ろ」
白熱して無駄に長くなったルールメモを、また2人で削っていく。ここは別に任意でいいよ、ここはマナーだから書いてなくても守ろう、と2人でまた言い合いながら、かなり絞り込む事に成功する頃にはお昼になっていた。
2人でせーので、一つずつルールを読み上げる。
・お互い態度を変えない
・他人にバレないようにする
・エッチな事はしない
・浮気をしない
・終わらせる時は、ちゃんと2人で話し合う
「いいんじゃない?これで」
「そうだね…わかりやすいし、これなら揉めないだろ」
ヨシ!と2人で声を出して、ひかるがメモのスクリーンショットを俺に送ってきた。
本当に、付き合うっていうより契約だなと思ったら少しおかしくなってしまう。
「これもう印刷してハンコでも押しとく?」
「それどこに保管するんだよ。見つかったら面倒な事になるよ」
「それもそっか」
なんとなく2人、目が合ったので握手をしてみた。久々に握ったひかるの手はやっぱり筋が多くて硬い。多分俺とは真逆のことを考えているであろうひかるが、むにむにと俺の手を何度か握り直した。……どうやったら手って鍛えられるんだろう。
「えーと、まあ、よろしく」
「……こちらこそ」
そんな風にぎこちない挨拶をして、恋人(仮)生活はスタートした。
記念すべき初日の今日は、お互いほぼ徹夜をしていたせいで昼食用に作ったカップラーメンを待っている間に2人仲良く寝落ちしてしまい、日が沈んだ頃に目が覚めてデロデロになって溢れたカップ麺に絶望するところから始まった。
2人とも捨てるのは勿体無くて、冷め切ってグデグデになった美味しいとはとても言えない麺を啜っていたら、ひかるがフライパンで焼くアレンジレシピを見つけてきて、どうにか食べられるレベルまで持っていくことができた。
これくらい気取らない始まりの方が、らしくて良いかと1人思う。始まりって言ってもまあ、何も変わらないのが一番いいんだけれども。
「貴重なバイトのない連休を無駄にした気分」
「あはは、確かに。明日デートでもする?」
「…デートって言うのはアリなんだ。じゃあ俺あそこ行きたい、新宿で昔やってたゲームの展示ちょうどやってるじゃん。あの辺うろうろしよ」
「あーいいね。僕最近そっち方面に出るのにいい出口見つけたし、エスコートしてあげるよ」
「あっそれ違反じゃね?エスコートとかは態度変えすぎだもん!破った罰も決めとこうよ、飯奢るとか」
「今のはまだ実行してないからセーフだし!奢らないからな!」
「うわずる!次以降それも無しだから!」
ひとしきり騒いでから、お互いくだらない事でムキになっているのがおかしくて少し笑った。
それから2人で最近買ったばかりのゲームをして、ひかるが俺の部屋の漫画を勝手に読み始めた頃にはすっかり夜になっていて、帰るのがめんどくさいと言ってそのままひかるはうちに泊まった。
狭い六畳半の間取りの部屋に来客用の布団なんか準備してるわけもないので、今まで通りひかるが俺のベッドに潜り込んできて眠った。
お互い背を向けて眠る。丸まって寝る癖のあるひかると、ほんの少しだけ背中通しが触れ合っていた。
窮屈だし、寝辛いって言ったらそうなんだけど、不思議と嫌な気はしない。むしろ少し落ち着くまである。それは多分、小さい頃からこんなふうに2人で寝かされていたからだと思う。
いつもより暖かいベッドの中で、ふわふわ瞼が落ちる。ほんの少しだけ、ひかるの方に寄ってから俺は眠りに落ちた。
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