くすぐり小説【想像したことを書き綴るだけ】

ホロン

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くすぐりサークル

第9話【遥香さんのバイト】

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「…。」
「こんばんは!灯篭くん!」
「こんばんは。」
「こ、こんばんはぁ…。」
「神楽さん…その声は結構幽霊です。」
「す、すいません…!」
「それより灯篭くん、私の服のセンス、感激したでしょ!?」
「はい。見学中でしたが思わず買ってしまいました。」
「そう言ってもらえると嬉しいよ♪」
「それはそうと…。」
「ど、どうしました…?」
「ほんとにこの時間であってるんですか?」

時刻は午後8時、全員既に夕食を食べ終えているため、そこらへんの心配はないが、バイトにしてはわりと遅い時間だ。

「大丈夫。合ってるよ。遥香ちゃんのバイトは、あまり見たことないし仕方ないけどねー。」
「そうなんですか…。」

遥香さんのバイト内容がイマイチ想像がつかない。

「じゃあ、そろそろ向かおうか。」
「分かりました。」

途中駄弁りながら、遥香さんのバイト先へ向かう。


「ついた。ここだよ。」
「ここは……何の店ですか?」
「あまり見ないよねー、こういう雰囲気の店。ここはいわゆるカジノバーってやつだね。」
「カジノバー…ってことは、ホールスタッフとかのバイトですか?」
「いいや、遥香ちゃんはここのディーラーをやってるんだって。」
「ディーラー…!?」
「びっくりするよねー。正直遥香ちゃんにそんな才能があるとは思わなかったから。」
「…それはそうなんですけど…年齢的に大丈夫なんですか?それって…。」
「ああ、そこは大丈夫だよ。場所によるけど、カジノは18歳でも可能なところがあるし、ここはそういうふうに配慮された店だから。」
「そ、そんなのあるんですね…。」

バイトにもいろいろあるんだなあと感じた。

それにしても、遥香さんのディーラーの姿はあまり想像がつかない。

「とにかく、一度入ってみようか。この時間を選んだのはちょうど遥香さんに相手をしてもらえる可能性が高いかららしいし。」
「そうなんですか、それじゃあ入りましょう。」


店に入ると、すぐに案内された。

雰囲気はカジノらしく賑やかではあるものの、荒れているというわけでは全然なかった。

既に多くの客がカジノを楽しんでおり、俺たちが普段見ないようなゲームばかりやっていた。

そして沙月さんの予想通り、遥香さんがディーラーとなりカジノをすることになった。

「灯篭くん、まずは何しよっか。」
「えっと…その前にどんなゲームがあるんですか?」
「カジノにはいろいろなゲームがありますが、そうですね…。」

遥香さんは慣れた手つきでカードや台の仕掛けを動かしながら説明する。

「当店でよくプレイされるのは、ルーレット、ブラックジャック、ポーカー、バカラといった定番ゲームです。私はポーカーディーラーですので、トランプゲームの担当をさせてもらいます。」
「ポーカーディーラー?普通のディーラーとは違うのですか?」
「ディーラーはポーカーディーラーとカジノディーラーに分かれます。ポーカーディーラーは先ほど言った通りトランプゲームを扱いますが、カジノディーラーはテーブルゲームを扱います。」
「へー、そうなのか。」
「どうする?灯篭くん。どれがいいとかないなら私が選ぶけど。」
「えっと、じゃあお願いできますか?」
「オッケー。じゃあまずは、ブラックジャックをしようか。」
「分かりました。」

沙月さんは早速お金をチップに変える。
俺と神楽さんもあとに続いてチップに変える。

遥香さんはチップを配り終えたあと、素早くシャッフルし、カードを分配した。

沙月さんと神楽さんはお遊びで個人的にやったことがあり、ルールを知っていたようだったが、俺は初めてだったのでルールを聞いた。

ブラックジャックはカジノディーラーとプレイヤーの対戦型ゲームで、プレイヤーはカジノディーラーよりも「カードの合計が21点」に近ければ勝利となり、配当を得ることができる。
ただしプレイヤーの「カードの合計が21点」を超えてしまうと、その時点で負けとなる。
カードの数え方は「2~9までの数字」は数字分、「10、J、Q、K」はすべて10点「A(エース)」は1点もしくは11点で数える。
これに加えて特別な役がいくつかあり、自分の手札に応じてベットしていく。
最初にカードが1枚ずつ配られ、カードを1枚追加する「ヒット」ともういらないと宣言する「スタンド」を使い分ける。

遥香さんは素早くカードをシャッフルし、俺と沙月さんと神楽さん、そして自身に2枚ずつカードを配り、自分のカードを片方だけ全員に見えるように表を向けた。

この状態から、いろいろな選択肢がとれる。

「ヒット、スタンド」
「スタンド」
「ヒット、ヒット、スタンド」

全プレイヤーがカードを引き終わると、今度はディーラーがもう片方のカードを表に向け、点数が17以上になるまで引き続ける。
このルール上、ディーラーは21を超えてしまう(バーストする)ことが多い。

今回の結果は沙月さんが20、神楽さんが17、俺が19で、ディーラーの遥香さんが18だった。

通常勝利の場合は賭け金の倍額が返ってくる。
そして敗北の場合は全没収だ。

すぐに配当し終える。
そしてまた次だ。

「スプリット、ヒット、スタンド、ヒット、ヒット、スタンド」

スプリットとは、点数が同じカードが最初に2枚配られた場合、それらを分けて別々のゲームとして賭け金を追加することだ。
今回の場合、3のスプリットで比較的いい手だと言える

「う…さ、サレンダー…。」

サレンダーは降伏という意味だ。
その場で負けを宣言する代わりに、没収されるのは半額になる。
今回の場合、神楽さんは初手で17を引き、これ以上引けばバーストする危険があり、ディーラーは必ず17以上になるので、勝ち目が低いと判断したのだろう。

「ダブル」

ダブルは賭け額を倍にしてヒットすることだ。賭け額をあとで変更できる代わりにその時点で強制スタンド、つまり必ず3枚で勝負することになる。
今回、点数が10だったので、勝負に出てみた。

結果は沙月さんは20と23、俺が18、遥香さんの19だった。

「くっそお。」
「運勝負だけどなんか悔しいよねー。わかるよ。」
「これがカジノの楽しさなんだろうな。」
「私…勝ちたいです…。」
「そう言えばずっと負けてますね神楽さん。」
「んー他のゲームもやりたいし、次で最後にしようか。」
「そうですね。」

その言葉を聞いて、遥香さんが即座に配る。

(アップカードは…A!?)

アップカードはディーラーが2枚のうちの表にしている方のカードのこと。

アップカードがAの時は、Aと10点の組み合わせであるブラックジャックの可能性があるため、インシュランスできるのだが、その際ベット額の半額を使うことになる。
ブラックジャックの場合であれば損失は別途額の半額に抑えれるが、ブラックジャックでなかった場合は、保険の分は没収される。

確率的には低めではあるので、あまりインシュランスはしない方がいいのだが…。

「「インシュランス」」

2人ともインシュランスを選択した。
おそらく二人ともカードカウンティングを行っていたのだろう。

カードカウンティングとは、次のカードが何かを予想する戦略的手段の一つで、絵札と10とA、7と8と9、それ以外という風にグループ分けし、それぞれ-1、0、+1で頭の中で計算し、最終的に0になるのを逆算して残ってるカードを考える。

この方法ははっきり言ってプレイヤー側にかなり有利な戦法であるため、禁止しているカジノもあるぐらいなのだが、今回ばかりは事情が少し違う。
というのも、現在3人でプレイして、お互いの手札が開示時に見える距離にいるのだが、絵札が1枚しか出ていないのだ。

ヒット数も多く、小さい数字ばかり引いていたので、この盤面では絵札を引く確率が高い、そう判断したのだろう。
無論それは俺もわかっていた。
だからこそ、俺も勝負に出ることにした。

「イーブンマネー」

イーブンマネーは、自身がブラックジャックでかつディーラーのアップカードがAの時に使えるもので、ディーラーがブラックジャックかどうかを確認する前に賭け金の半額を追加で賭ける。
当たれば追加賭けした分の2倍の報酬をもらえるが、負ければ初めに賭けた分も含めてすべて没収だ。

結果は…。

『クローバーのクイーン』

ブラックジャックだ。

沙月さんと神楽さんの予想も的中し、俺はイーブンマネー分の配当を得た。

「おー!ここでブラックジャックは熱いねえ!」
「そうですね。正直めちゃくちゃテンション上がりました。」

全体結果としては、俺は±0、沙月さんが+1500、神楽さんが-1000だ。


「結構熱中できますね。」
「そうでしょう!?そうでしょう!?たまに遥香ちゃんに頼んでプライベートやるぐらいにハマっちゃってて!」
「それ…賭けてなですよね?」
「ええ、もちろん!こう見えて私ケチだし!」
「自分で言わなくても…。」
「私も、ハマってはいませんが楽しいのでたまにやりますね。」
「僕も初めてですけどそんな感じになりそうです。」

本当は他のゲームもやりたかったが、集合が遅かったのもあって現在時刻はもう9時半を回っていた。
こんな時間までバイトとは、遥香さんもなかなかタフなようだ。

「…そういえば、明日は神楽さんのバイトですけど…。」
「ふぇ!?あ、う…うん、そ、そうだね…!」
「…本当に大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だよ。多分…。」
「まあ、何回聞いても同じ返答だし大丈夫なんじゃない?」
「…そうですか。」
「…実は、神楽ちゃんのバイト先、私と遥香も行ったことないんだよね。」
「え?そうなんですか?」
「ええ。一応、大学生になってからすぐ入ったんだけど…その頃はまだ行けそうにないというか…私たちの方からも行きづらかったというか(笑)。」
「は、はあ…。」
「あぁ…!えっと…!き、気にしなくていいからね!灯篭くん!」
「は、はい。」

本当に何のバイトなんだ?
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