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第6話 魔王討伐後の王様(先代)の状況について
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「王様! どうしてこんなところに!?」
ほんと、驚いたよ。
先代の王様、ディオ・アフォン・エスタークが目の前にいるなんてね。
長いからディオ王って呼ぶね。
ディオ王は先代の王様なんだ。
今のグラン王が即位する前に国を治めていた。
そう、勇者グランに魔王討伐を依頼した張本人がこのディオ王なのだ。
「何だ、ジジイ邪魔だ」
どうやら他の皆はこの人がディオ王だということを知らないようだ。
無理もない。
王様一族の顔を拝めるのは一部の人間だけだ。
僕はグランのパーティに入っていたから王様に会うことが出来た。
だから、僕は彼の顔を知っている。
「皆、この人はただのジジイじゃない。この人はな……」
「よいのじゃ。ケンタ」
ディオ王は僕の肩を優しくポンと叩いた。
そして袋から沢山の『スライムの欠片』を取り出し、皆に配った。
「ジジイ。見直したぜ!」
「ありがとよ!」
ディオ王は皆の礼を無表情で受けている。
そして、昼休み。
約一時間の自由時間だ。
皆、配給されたパンと水を口にする。
ここで、人間は二種類に分かれる。
ノルマをこなすために休み返上でスライムを狩る者。
ダンジョン内の休憩室でむさぼるように昼寝をする者。
僕は、今日、そのどちらでもない。
ディオ王は僕を呼んだ。
僕も訊きたいことが沢山ある。
二人してダンジョンの外に出た。
ダンジョンの周りは森になっている。
鬱蒼とした暗い森の中を、二人して歩きながら話した。
「スライムなぞ、わしの魔法を使えばチョロいもんよ」
そうだった。
ディオ王は魔法使いだった。
『毒餌《ポイズンバイト》』という魔法で、毒の餌(飴玉くらいの大きさ)を作り出しそれを仕掛けていたらしい。
スライムはそれを食べて死ぬ。
さすが!
ディオ王。
今はボロ布をまとっていても、王は王なのだ!
「だが魔法も注意して使わんとな。MPが中々回復しなくて困っておる。やはりここの食事が粗末だからかのう……」
「そうですね。ところで、ディオ王。なぜ、あなたはこの様な場所にいるのですか?」
「ふむ。わしもお前さんと同じく無実の罪でここに送られて来たのじゃ」
「無実の罪とは……?」
「グラン王を侮辱した罪らしい」
ディオ王は勇者グランに王位を譲った後、相談役になった。
王になったグランは独裁の限りを尽くし国民を恐怖で治めた。
それを見かねたディオ王は、グラン王のやり方に異を唱えた。
それがグラン王の怒りを買った。
彼は権力を使い、ディオ王をこの『スライム島』に島流しにした。
「ひどい話ですね」
僕はグラン王に怒りを感じた。
そして、マリナの顔を思い出して胸が締め付けられそうになった。
「ケンタよ。そろそろお前がここに送り込まれて来る頃だと思っておったよ」
「え? 何故分かるのです?」
僕が驚いて理由を訊こうとすると、一羽の鳥がディオ王の肩にとまった。
「こいつに色々調べさせておるからな」
「ピピピピ……」
この鳥は王様のペット『ササミ』。
人間の言葉を理解するスキルを持つそうだ。
ディオ王とだけ意思疎通が出来るらしい。
なるほど。
ササミはどこへでも飛んで行ける。
だから僕の状況も分かったのか。
「ま、そういうことでな。余生をここで過ごすことになったのじゃ」
そんなこと言わないでよ、王様。
あなたが王の頃は魔王がいたけど、ある意味、今よりマシだったなあ。
僕はグランが許せない。
元パーティの皆も許せない。
牧師様の首を狩った親衛隊も許せない。
彼らを倒したら、世界は平和になるのかなあ。
「ディオ王」
「何じゃ?」
「僕は愛する人を奪われました。グランに復讐がしたいのです」
「しー」
ディオ王は口の前に人差し指を当て、周囲を見渡した。
僕は口をつぐんだ。
「親衛隊がどこで見張っているか分からん。そういう話はな……。ここではない別の場所で話そう。それに、お前に見せたいものがある」
つづく
ほんと、驚いたよ。
先代の王様、ディオ・アフォン・エスタークが目の前にいるなんてね。
長いからディオ王って呼ぶね。
ディオ王は先代の王様なんだ。
今のグラン王が即位する前に国を治めていた。
そう、勇者グランに魔王討伐を依頼した張本人がこのディオ王なのだ。
「何だ、ジジイ邪魔だ」
どうやら他の皆はこの人がディオ王だということを知らないようだ。
無理もない。
王様一族の顔を拝めるのは一部の人間だけだ。
僕はグランのパーティに入っていたから王様に会うことが出来た。
だから、僕は彼の顔を知っている。
「皆、この人はただのジジイじゃない。この人はな……」
「よいのじゃ。ケンタ」
ディオ王は僕の肩を優しくポンと叩いた。
そして袋から沢山の『スライムの欠片』を取り出し、皆に配った。
「ジジイ。見直したぜ!」
「ありがとよ!」
ディオ王は皆の礼を無表情で受けている。
そして、昼休み。
約一時間の自由時間だ。
皆、配給されたパンと水を口にする。
ここで、人間は二種類に分かれる。
ノルマをこなすために休み返上でスライムを狩る者。
ダンジョン内の休憩室でむさぼるように昼寝をする者。
僕は、今日、そのどちらでもない。
ディオ王は僕を呼んだ。
僕も訊きたいことが沢山ある。
二人してダンジョンの外に出た。
ダンジョンの周りは森になっている。
鬱蒼とした暗い森の中を、二人して歩きながら話した。
「スライムなぞ、わしの魔法を使えばチョロいもんよ」
そうだった。
ディオ王は魔法使いだった。
『毒餌《ポイズンバイト》』という魔法で、毒の餌(飴玉くらいの大きさ)を作り出しそれを仕掛けていたらしい。
スライムはそれを食べて死ぬ。
さすが!
ディオ王。
今はボロ布をまとっていても、王は王なのだ!
「だが魔法も注意して使わんとな。MPが中々回復しなくて困っておる。やはりここの食事が粗末だからかのう……」
「そうですね。ところで、ディオ王。なぜ、あなたはこの様な場所にいるのですか?」
「ふむ。わしもお前さんと同じく無実の罪でここに送られて来たのじゃ」
「無実の罪とは……?」
「グラン王を侮辱した罪らしい」
ディオ王は勇者グランに王位を譲った後、相談役になった。
王になったグランは独裁の限りを尽くし国民を恐怖で治めた。
それを見かねたディオ王は、グラン王のやり方に異を唱えた。
それがグラン王の怒りを買った。
彼は権力を使い、ディオ王をこの『スライム島』に島流しにした。
「ひどい話ですね」
僕はグラン王に怒りを感じた。
そして、マリナの顔を思い出して胸が締め付けられそうになった。
「ケンタよ。そろそろお前がここに送り込まれて来る頃だと思っておったよ」
「え? 何故分かるのです?」
僕が驚いて理由を訊こうとすると、一羽の鳥がディオ王の肩にとまった。
「こいつに色々調べさせておるからな」
「ピピピピ……」
この鳥は王様のペット『ササミ』。
人間の言葉を理解するスキルを持つそうだ。
ディオ王とだけ意思疎通が出来るらしい。
なるほど。
ササミはどこへでも飛んで行ける。
だから僕の状況も分かったのか。
「ま、そういうことでな。余生をここで過ごすことになったのじゃ」
そんなこと言わないでよ、王様。
あなたが王の頃は魔王がいたけど、ある意味、今よりマシだったなあ。
僕はグランが許せない。
元パーティの皆も許せない。
牧師様の首を狩った親衛隊も許せない。
彼らを倒したら、世界は平和になるのかなあ。
「ディオ王」
「何じゃ?」
「僕は愛する人を奪われました。グランに復讐がしたいのです」
「しー」
ディオ王は口の前に人差し指を当て、周囲を見渡した。
僕は口をつぐんだ。
「親衛隊がどこで見張っているか分からん。そういう話はな……。ここではない別の場所で話そう。それに、お前に見せたいものがある」
つづく
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