パーティから追放された雑用係、ガチャで『商才』に目覚め、金の力で『カンストメンバー』を雇って元パーティに復讐します!

yonechanish

文字の大きさ
66 / 112
勇者の国編

第66話 グラン王の結婚式

しおりを挟む
 おお!
 マジ、この人、僕の気持ちを読んだ。

「あっ、お前、俺のスキルのこと知ってやがるな。よく来るんだよそういう奴が! まっ、確かに俺のスキルは使いようによっては便利だ。何せ、敵がこれから何しようか読めるんだからな」

 恐らく扉の向こうでダニーは、僕らのことを鬱陶しく思っているんだろう。
 僕らみたいにそのスキルを利用したい者は沢山いるだろう。
 それくらい便利なスキルだ。

「俺はそんな奴らが嫌になったんだ! お前もそんな奴だろ!」

 きっと彼は、そのスキルで嫌な目に合ったのあろう。
 それが原因で、彼は引きこもり生活を始めたのだろうか。

「ケンタ……」

 ソウニンが心配そうに僕に声を掛ける。
 僕は頑張って心を無にして、ソウニンを手で制した。
 そして、少し扉から離れてみた。

 今日はステーキが食べたい。

「ダニーさん」
「何だ?」
「僕は今日何を食べたいと思ってますか?」
「知るか。んなもん!」

 なるほど。
 1メートルくらい離れると心が読めなくなるらしい。
 彼のスキルは空間の制約がある。
 僕は意外に使いにくいスキルだという印象を受けた。
 だが、僕らはこのスキルが必要だ。

「出直そう」

 僕らは一旦、表通りに戻ることにした。
 宿を探し、長旅の疲れを癒すことにした。

「いらっしゃい」

 宿屋のおばさんは、板張りの床をギシギシ言わせながら小走りで受付まで来てくれた。

「この時期、移民と観光客が多くて忙しくてねえ」
「へぇ」

 おばさんは、額から汗をかきながら気さくに色々話してくれた。
 確かに宿屋は忙しそうだ。
 僕らの後ろには他の客が並んでいるし、おばさんの肩越しから調理場が見えるんだけど、コックさんが大量の料理を作っている。

「観光とか流行ってるんですか?」
「この国は観光地が多いからね。それにグラン王様が観光を重要な産業と位置付けてるから、旅行者をどんどん受け入れてるんだよ」
「へぇ」
「それに、明日、グラン王様の結婚式があるんだよ。遂に、お妃様が見つかったらしくて。そのお妃様を一目見るために、旅行者が沢山押し寄せて来てねえ」
「おお!」

 僕は驚いた。
 グランが遂に結婚。

「あいつ、この私を捨てて別の女に行ったのね!」

 隣でジェニ姫が地団駄を踏んでいる。
 プライドが高い彼女は、自分を捨てた男に腹が立つんだろう。
 そして、その男が自分以外の女を選んだことにも腹が立つんだろう。

 僕はマリナを信じている。
 だから、自然にお妃が別の人だと確信していた。
 グラン、君はマリナに断られ続けて、諦めて別の人を見つけたのか。
 嫁さんが見つかった矢先に、悪いけど復讐はさせてもらうよ。

「どんな人ですか?」
「さあ、私ら平民は見たことないよ。それに、昨日、いきなり結婚が決まったらしいから。さぁ、明日は街中お祭りだよ」

 おばさんは腕まくりをした。

 僕は一人部屋、ジェニ姫、ソウニンの相部屋になった。
 一応、男女分けなきゃね。

 ボロボロの部屋で一息つくと、ダニーのことを思い出した。

 彼のことを何とかしたい。
 グランの弱点を知るためには彼が必要なんだ。
 だけど、心を閉ざした彼をどうやってこちらに引き込もうか。
 そのことについて、ジェニ姫、ソウニンと話し合おうと思った。
 だけど、皆、長旅で疲れているようだ。
 隣の部屋から、女子達のいびきが聞こえて来た。

つづく
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

処理中です...