パーティから追放された雑用係、ガチャで『商才』に目覚め、金の力で『カンストメンバー』を雇って元パーティに復讐します!

yonechanish

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勇者の国編

第74話 アフター復讐

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 二階建ての建物の屋根から見上げる夜空には、沢山の星が輝いていた。
 まるで、宝石を散りばめたかの様だ。

「綺麗ね」
「はい」

 僕の真横に座るジェニ姫が、穏やかな声でそう言う。
 月明りに照らされた彼女の白銀の髪は、ため息が出るほど美しく白く輝いていた。
 群青色の闇の中で白い面《おもて》がクッキリと映えている。
 こんなに綺麗な人が僕と一緒に旅をしてくれてるなんて、本当にありがたいことだ。

「いつまでも敬語使うのやめなさいよ」
「ですが……」
「私はもう姫じゃない。だから君と私にはもう上下関係なんてないの。そうね……一緒に戦って来た仲間……でも今、一緒に住んでるから、その……」

 ふくれっ面が可愛いなと思ってたら急にうつむき、口数が少なくなってみたり。
 マリナと違って喜怒哀楽が激しい。
 そういうところが同世代の女の子って感じだなあ。

「僕はグランとマリクを倒したら、ディオ王を王に迎え、ジェニ姫もまた、姫として迎えます」

 アフォン・エスターク家を再興させる。
 復讐を終えた僕の最後の仕事がそれだった。

「君はその後、どうするの?」
「僕はマリナと一緒にどこか静かな場所で、死ぬまでそこで暮らします」
「私はどうなるのよ?」
「え?」

 ジェニ姫のサファイアブルーの大きな瞳の中に僕が映り込んでいる。
 その瞳が潤んでいるせいもあってか、サファイアブルーの中で僕は波打っていた。

「私はどうなるのかって訊いてるの? 君の復讐が終わったら、はい、さよなら、なの?」
「いいえ、そんなことはありません。僕もたまには城を訪ねます」
「もうっ! そういうことを言ってるんじゃないよ!」

 白い面《おもて》に朱が差し、怒りを露わにするジェニ姫。
 今日の彼女は、僕の横に座ってみたり、仕事と関係ない話をしてみたり、いつもと様子が違うなあ。

「ジェニ姫」
「何よ」
「僕はそろそろ行動に移そうと思います」

 僕の言葉にジェニ姫は両肩をビクリとさせた。
 この国に来て三ヶ月が経とうとしていた。
 ゲームが売れたおかげで、資金も集まったし、仲間も増えて来た。(あの爺さんが実は街の有力者だったりして、そこから人的ネットワークが広がったのは運が良かった)
 店の地下にはアジトが出来た。(集会を開いたり、武器庫として使用)
 そこで反乱の準備が着々と進んでいた。
 地下のアジトから、反乱軍の幹部の家には直通のトンネルを通し常に連絡が秘密裏に行えるようにしてある。
 そして、アジトからグランの城へ続くトンネルも開通しつつあった。
 グランに不満を持つ一部の親衛隊の買収も進んでいる。

「一週間以内に、復讐を完遂させます」

 僕はジェニ姫の目を真っすぐ見て、そう宣言した。
 グランにとどめを刺した後は、その勢いでブーコック市も制圧しマリクも倒す。
 今までのパターンと違う、二連続復讐。
 これで世界は本当に平和になるはず。

「ダメだよ」

 ジェニ姫が否定する。

「何故です?」
「今はまだ危険すぎる。これじゃ、勝てないわ」

つづく
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