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姫のラブソング編
第88話 光の先へ
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ソウニンの鉄の爪が私を襲う。
素早さが9999でカンストしている彼女が繰り出す突きや蹴りを、私は全て見切る。
「くっ……」
武闘家は肉弾戦を得意とする。
鍛え上げられた四肢から放たれる拳や蹴りは時に強力な硬度を誇る盾をも砕く。
だが、それは相手に当てればこその成果だ。
攻撃をかわされなすすべも無いソウニンは、私が一歩進み出るたびに後じさる様になった。
「グランの弱点を言いなさい」
私は無表情で詰め寄る。
「それは……」
ソウニンは命が惜しいのか口を開こうとする。
その時、私の背中に痛みが走る。
矢だ。
ダメージはそれほど無い。
だが、矢を抜き取った瞬間、傷口を中心に嫌な違和感が身体中に広がる。
「はっ……」
ここはグランの城の中庭。
騒ぎを聞きつけた親衛隊が私を取り囲んでいる。
その数、500はいる。
「やれ!」
中心にいる私に向かって一斉に矢が放たれる。
視界がビッシリ矢の先端で埋め尽くされる。
私は大気中の水分子を手の平に集約させる。
矢が身体を蜂の巣にする寸前で、私は自分の周りに氷の結界を作ることが出来た。
氷に弾かれた矢は、無残にその役割を果てすことが出来ず、折れて地面に落ちる。
「無駄よ……」
無表情で、私はここにいる人々を見渡す。
「ひいい……」
敵わないと思ったのか、助けを呼ぶつもりなのか何人かの親衛隊が逃げていく。
私はそれを見ながら、自分の背中に微かな違和感を感じた。
残りの親衛隊が弓を剣に持ち替えて、攻撃体制にはいる。
私も残りMPを、次に発動する魔法のために注ぎ込む準備をする。
!
魔法が封じられている。
背中に刺さった矢に、きっと魔法を封じる何かが仕込まれていた……?
私に一斉に切り掛かってくる親衛隊。
素手で戦えるのか?
……鍛えられた親衛隊相手に。
一瞬怯み、下を向く。
地面にひとふりの剣が。
ケンタがの物だ。
私はそれを手に取り立ち向かう。
なんてことない、ケンタのレベルでも使えるような名も無い細身の剣。
だけど、剣の柄から彼の意志が私の手の平を通して全身に伝わる。
刀身はボロボロに砕け、ほぼ使い物にならなくなった。
私も、激しい戦いに立っているのがやっとの状態だ。
辺りを見渡すと黒い山が出来ている。
私が倒した親衛隊の死体が折り重なって出来た物だ。
「さあ、グランの弱点を言いなさい」
私は戦意喪失し、地面にへたりこむソウニンの喉元に剣の先端を押し当てる。
「それは……」
彼女が口を開こうとする時、空から光の球が降りて来た。
これを、待っていた。
私は光の球に飲み込まれる彼女を無視し、残り少ないHPを振り絞り、城の壁を蹴り跳躍する。
光の球が発生した、その先に、きっと……
つづく
素早さが9999でカンストしている彼女が繰り出す突きや蹴りを、私は全て見切る。
「くっ……」
武闘家は肉弾戦を得意とする。
鍛え上げられた四肢から放たれる拳や蹴りは時に強力な硬度を誇る盾をも砕く。
だが、それは相手に当てればこその成果だ。
攻撃をかわされなすすべも無いソウニンは、私が一歩進み出るたびに後じさる様になった。
「グランの弱点を言いなさい」
私は無表情で詰め寄る。
「それは……」
ソウニンは命が惜しいのか口を開こうとする。
その時、私の背中に痛みが走る。
矢だ。
ダメージはそれほど無い。
だが、矢を抜き取った瞬間、傷口を中心に嫌な違和感が身体中に広がる。
「はっ……」
ここはグランの城の中庭。
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その数、500はいる。
「やれ!」
中心にいる私に向かって一斉に矢が放たれる。
視界がビッシリ矢の先端で埋め尽くされる。
私は大気中の水分子を手の平に集約させる。
矢が身体を蜂の巣にする寸前で、私は自分の周りに氷の結界を作ることが出来た。
氷に弾かれた矢は、無残にその役割を果てすことが出来ず、折れて地面に落ちる。
「無駄よ……」
無表情で、私はここにいる人々を見渡す。
「ひいい……」
敵わないと思ったのか、助けを呼ぶつもりなのか何人かの親衛隊が逃げていく。
私はそれを見ながら、自分の背中に微かな違和感を感じた。
残りの親衛隊が弓を剣に持ち替えて、攻撃体制にはいる。
私も残りMPを、次に発動する魔法のために注ぎ込む準備をする。
!
魔法が封じられている。
背中に刺さった矢に、きっと魔法を封じる何かが仕込まれていた……?
私に一斉に切り掛かってくる親衛隊。
素手で戦えるのか?
……鍛えられた親衛隊相手に。
一瞬怯み、下を向く。
地面にひとふりの剣が。
ケンタがの物だ。
私はそれを手に取り立ち向かう。
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だけど、剣の柄から彼の意志が私の手の平を通して全身に伝わる。
刀身はボロボロに砕け、ほぼ使い物にならなくなった。
私も、激しい戦いに立っているのがやっとの状態だ。
辺りを見渡すと黒い山が出来ている。
私が倒した親衛隊の死体が折り重なって出来た物だ。
「さあ、グランの弱点を言いなさい」
私は戦意喪失し、地面にへたりこむソウニンの喉元に剣の先端を押し当てる。
「それは……」
彼女が口を開こうとする時、空から光の球が降りて来た。
これを、待っていた。
私は光の球に飲み込まれる彼女を無視し、残り少ないHPを振り絞り、城の壁を蹴り跳躍する。
光の球が発生した、その先に、きっと……
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