ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第142話 戻らなくなった探索パーティ

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 辺りを見渡した。
 やはり、私と付与術師の少年しかここにはいない。

(マリアンよ、私を手に取り最強の戦士になれ)

 再び、脳内に響く声。
 それは低くゆっくりとしたものだった。

「誰だ!?」

 誰かが外部から通信を送っているかと思い、フレンドリストを確認する。
 だが、リストに載っているどの名前にも通信マークは付いていない。
 この空間が緑色の光に包まれた。
 それは一瞬のことで、土色のフロアに戻った。

(マリアンよ、さぁ早く。私を手に取り最強の戦士になれ)

 再び、声。
 私、とは一体誰なのか?
 また空間が緑色に光る。
 剣だ。
 偽エメラルドソードが光っている。
 まるで、私を見ろ、とばかりに。

(さぁ、早く。これでお前には怖いものがなくなる)

 剣から発せられる妖しい光。
 呼び掛けられる声に、内側から欲望が湧き上がる。

 この剣が欲しい。



「探索パーティが全滅したみたいです」

 ガイアが呟くように言う。

「え?」

 僕はフレンドリストを確認した。
 探索メンバーの名前の横には髑髏マークが付いていた。

 今回の探索パーティは、ロゼのギルドのメンバーで編成されていた。
 レベル80の戦士を筆頭に、武闘家、妖術師、付与術師、治癒魔法使い。
 それぞれ職業に忠実に働き、真面目な人達という印象だった。
 僕は旅立つ前の彼らをフレンドリストに登録し、彼らも僕をフレンドリストに登録してくれた。

「行ってきます!」

 彼らは元気に旅立った。
 探索パーティは一時間に一回、状況を通信してくれた。
 だが、ここ数時間は通信が来なくなっていた。
 嫌な予感はしていた。
 そしてその予感は的中した。
 つい数時間前まで生きていた知り合いが死んだことに僕は喪失感を受けた。
 
「悲しいです」
「ユウタさん、仕方のないことです」
「はい」

 僕は地球アースのギルドホールで、探索パーティの安全を祈っていた。
 ガイアがポツリと言う。

「しかし、不思議ですね」
「どうしてです?」
「こう言っては失礼ですが、ロゼのギルドは魔王討伐に消極的です。そのギルドのメンバーが自らの命を犠牲にするほどラストダンジョンの探索に励むでしょうか?」

 確かにそうだ。
 彼らは真面目そうだったが、それはあくまで自分達のためだ。
 だから、僕は彼らが適当に引き上げてくるだろうと、だから無事で帰ってくるだろうと、期待していた。

「強力なモンスターに突然襲われたのでしょうか?」

 ガイアが分からないといった態で、首を左右に振る。
 そして、口を開く。

「ただ、探索パーティの支援者として参加しているマリアンだけは生き残っています」

つづく
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