ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第141話 剣が戦士を操作する新感覚RPG

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 一閃。
 一閃。
 刀身がぶつかり合うごとに、緑と紫色の光が飛び散った。
 レベル80の戦士、フランが放つ連撃は彼の実力を越えたものだった。
 恐怖を失った狂戦士は、まるで剣に引っ張られるような動きだ。
 まるで意思を持つ剣が一人でに動き、フランは剣の柄に張り付いた付属品の様だった。
 緑の閃光の中を潜り抜け、付属品の懐に入る。
 条件反射の様に、偽エメラルドソードが振り下ろされる。
 それを竜神の剣で跳ね上げる。
 その反動でフランはのけぞり、3、4歩後退。
 私はすぐさま前進。
 竜神の剣を斜めに振り下ろす。
 偽エメラルドソードを持ったままの右手が宙を舞った。

「うわわっ!」

 右ひじから先を失った狂戦士は一瞬、我に返った。
 が、すぐに彼の目の色が変わる。
 地面に落ちようとする彼の右手に握られた偽エメラルドソード。
 それに魅入られたのか。
 何と、左手で右手に握られたそれを奪い取る。
 左手のみで攻撃を仕掛けて来た。

「おお! 何という執念!」

 攻撃が更に激しい。
 剣から怒りを感じる。
 敵ながら驚いた。
 恐らくこの剣こそが、この段のボスモンスターなのだろう。
 フランはもはや偽エメラルドソードをに引きずられるだけの木偶の棒だった。
 偽エメラルドソードは緑色の火の玉を、その刀身から発射する。
 無詠唱で魔法のようなことを実現して来る。
 攻略本で読んだエメラルドソードにはない攻撃。

「おっと」

 左手に装着した盾で受け止める。
 緑の連弾に盾がすぐに使い物にならなくなる。
 人間なら仕草や詠唱で次の攻撃が読めるが、剣だかそいうったことが無い。
 だから、いつ次が飛び出すか分からない。
 避けるタイミングを掴めない。

「犠牲になってもらおう」

 私はフランの丁度真後ろにいる妖術師の女に目を付けた。
 黒髪おかっぱの優しそうな少女。
 突進して来る狂戦士。
 私はスキルを発動する

物理交換フィジカルエクスチェンジ

 SPが消費される。
 妖術師の少女と私の位置が入れ替わる。

「ぎゃあ!」

 緑の剣で刺し貫かれた少女は、黒いローブを血で濡らし絶命した。
 私はその様子を、狂戦士の背中越しに確認した。
 彼が少女から剣を抜き取ろうと身を強張らせた瞬間、私は竜神の剣で彼を刺し貫いた。
 狂戦士はHPが減って行く。
 偽エメラルドソードを手から落とす。

「お、俺は一体?」
「乗っ取られていたのだ」
「え?」

 困惑の表情のまま、彼は絶命した。
 偽エメラルドソードは地面に放置されたままだった。
 人間に握られなければ、力を発揮しないのだろう。

「さて、一旦、戻るか」

 このまま進む必要も無い。
 もともとお茶を濁すためだけの探索なのだから。

「おい」

 私は唯一の生き残り、付与術死の少年に声を掛けた。
 彼は死んだ妖術師の少女に寄り添い、震えていた。

「ジブが……ジブが……」

 泣いていた。
 なるほど、少女と少年はそういう関係だったのか。
 すまないとは思いながらも、自分が生き残るためには仕方ないことと割り切った。

(レベル95の戦士、マリアンよ)

 私を呼ぶ声がする。
 どこだ?

つづく
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