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第1章
緊急依頼
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俺とアイリスがパーティーを組んでから一週間が経った。
あの時のオーガの依頼が終わった後アイリスは何処の宿に泊まればいいか俺に訊いてきたので俺が泊まっている“安寧の宿り木亭”を紹介したらそこに即決した。
というわけで俺たちは今同じテーブルで朝食を食べている。
朝食はパンとシチューだ。
朝食を持ってきたミムさんに笑顔で感謝の言葉を言ったらアイリスが不満そうな顔をしていた。
なんでだろう?
朝食を食べ終えた後俺達は冒険者ギルドに向かった。
ギルドに着くと中は人がごった返していた。
人の波をかき分けて俺達はミリアさんのところに行く。
「ミリアさん、なんで今日はこんなに人がいるんですか?」
「あっ!レオさん!待っていましたよ!」
ミリアさんはそう言うが俺はまだ状況が分からないので説明をお願いする。
「実は緊急依頼が張り出されたんです」
「「緊急依頼!?」」
緊急依頼とは読んで字のごとく緊急の依頼でランクの制限が無い。
しかしその殆どが強力なモンスターで実質Aランク以上だ。
「どんなモンスターなんですか?」
「まだ分かりませんがそろそろギルマスから説明があると思います」
アイリスが聞くがミリアさんは分からないようだ。
緊迫した空気の中、階段からギルマスが降りてきて説明を始める。
「今回の緊急依頼の内容はたった一体モンスターを討伐することだ。モンスターの名前はニードルタンク。そいつはもうすでに南の森付近の町でかなりの被害を出している。一刻も早くそいつを討伐する必要がある。」
モンスターの名前をいった瞬間冒険者達がざわめき出した。
ニードルタンクはヤマアラシとアルマジロの特徴を合わせ持ったモンスターで針は鋼鉄以上の硬度を持ち飛ばすことができる。
さらに名前の由来となった丸くなる事による回転しながらの移動・攻撃は針がスパイクの役目を果たし速度が速く小回りが利くためかなり強力だ。
飛ばした針は直ぐに生えてくるため針が無くなる事もない。
冒険者なら討伐するのにAランク以上は必要だ。
「この緊急依頼の報酬は国からの依頼のため白金貨10枚となっている。俺からの説明はここまでだ。この依頼が無事に達成される事を願っているぞ」
そう言ってギルマスは階段を上っていく。
これを聞いた冒険者達は誰一人としてこの依頼を受けようとしない。
それも当然だ。
みんな死にたくないからだろう。
そんな事を考えているとアイリスが話しかけてきた。
「ねえレオ。どうするの?」
「正直迷ってる。アイリスは?」
「私は……正直受けたいと思ってる。町に被害が出てるって話だからなんとかしたい」
「そっか……なら受けるか」
「えっ!?なんで?」
「俺はパーティーリーダーだからメンバーの意思は出来るだけ尊重したいんだ」
「レオの意思は?」
「メンバーの意思を尊重するっていうのが俺の意思だよ」
「そっか。ありがとう私の我儘に付き合ってくれて」
「気にするな。仲間だろう?」
そう言って俺はミリアさんに緊急依頼の手続きをお願いする。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。死ぬつもりは無いんで」
「…わかりました。……はい、これで手続きは完了しました。気をつけてください」
「はい、わかりました。じゃあ行ってきます」
そうして俺とアイリスは南の森に転移した。
あの時のオーガの依頼が終わった後アイリスは何処の宿に泊まればいいか俺に訊いてきたので俺が泊まっている“安寧の宿り木亭”を紹介したらそこに即決した。
というわけで俺たちは今同じテーブルで朝食を食べている。
朝食はパンとシチューだ。
朝食を持ってきたミムさんに笑顔で感謝の言葉を言ったらアイリスが不満そうな顔をしていた。
なんでだろう?
朝食を食べ終えた後俺達は冒険者ギルドに向かった。
ギルドに着くと中は人がごった返していた。
人の波をかき分けて俺達はミリアさんのところに行く。
「ミリアさん、なんで今日はこんなに人がいるんですか?」
「あっ!レオさん!待っていましたよ!」
ミリアさんはそう言うが俺はまだ状況が分からないので説明をお願いする。
「実は緊急依頼が張り出されたんです」
「「緊急依頼!?」」
緊急依頼とは読んで字のごとく緊急の依頼でランクの制限が無い。
しかしその殆どが強力なモンスターで実質Aランク以上だ。
「どんなモンスターなんですか?」
「まだ分かりませんがそろそろギルマスから説明があると思います」
アイリスが聞くがミリアさんは分からないようだ。
緊迫した空気の中、階段からギルマスが降りてきて説明を始める。
「今回の緊急依頼の内容はたった一体モンスターを討伐することだ。モンスターの名前はニードルタンク。そいつはもうすでに南の森付近の町でかなりの被害を出している。一刻も早くそいつを討伐する必要がある。」
モンスターの名前をいった瞬間冒険者達がざわめき出した。
ニードルタンクはヤマアラシとアルマジロの特徴を合わせ持ったモンスターで針は鋼鉄以上の硬度を持ち飛ばすことができる。
さらに名前の由来となった丸くなる事による回転しながらの移動・攻撃は針がスパイクの役目を果たし速度が速く小回りが利くためかなり強力だ。
飛ばした針は直ぐに生えてくるため針が無くなる事もない。
冒険者なら討伐するのにAランク以上は必要だ。
「この緊急依頼の報酬は国からの依頼のため白金貨10枚となっている。俺からの説明はここまでだ。この依頼が無事に達成される事を願っているぞ」
そう言ってギルマスは階段を上っていく。
これを聞いた冒険者達は誰一人としてこの依頼を受けようとしない。
それも当然だ。
みんな死にたくないからだろう。
そんな事を考えているとアイリスが話しかけてきた。
「ねえレオ。どうするの?」
「正直迷ってる。アイリスは?」
「私は……正直受けたいと思ってる。町に被害が出てるって話だからなんとかしたい」
「そっか……なら受けるか」
「えっ!?なんで?」
「俺はパーティーリーダーだからメンバーの意思は出来るだけ尊重したいんだ」
「レオの意思は?」
「メンバーの意思を尊重するっていうのが俺の意思だよ」
「そっか。ありがとう私の我儘に付き合ってくれて」
「気にするな。仲間だろう?」
そう言って俺はミリアさんに緊急依頼の手続きをお願いする。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。死ぬつもりは無いんで」
「…わかりました。……はい、これで手続きは完了しました。気をつけてください」
「はい、わかりました。じゃあ行ってきます」
そうして俺とアイリスは南の森に転移した。
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