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第1章
強敵
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南の森に転移して俺達は異変に気付く。
静かだ。
それにモンスターの気配が殆どない。
それはつまりもうニードルタンクの縄張りに入っているということだ。
その事を加味して俺達は慎重にニードルタンクを探す。
探し始めてから1時間。
俺達はターゲットを見つけた。
でかい、馬車の3倍以上はありそうだ。
背中に生えている針に関してはかなり太い。
おそらくあれに腹を貫かれたら治せないかもしれない。
そう思ってしまうぐらい太い。
だがもう後戻りは出来ない。
俺達は作戦を立て始める。
「いつものやり方では危険だな」
「そうだね。近接戦は避けた方がいいかも」
「じゃ俺は前衛をやって攻撃は魔法メインでいくか」
「そうだね。それが無難かな」
「よし、始めるか」
そう言って俺は“鑑定の魔眼”を発動する。
ニードルタンク
HP A
MP E
力 A
防御 S
魔力 E
敏捷 A
モンスターの鑑定結果は人とは違い数値化できず表記が違う。
その代わりに6段階評価となっている。
ステータスの項目の4つが A以上の時点でこいつはかなり強い。
俺はそれを確認した後刀を抜刀し特性の敏捷大上昇を発動する。
この状態になると俺の敏捷は1.5倍になり1500を超える。
そして最後に“鷹の魔眼”を上空から発動する。
互いの準備が完了したのを確認し俺は前衛の仕事をするために突っ込む。
それに直ぐに気づいたニードルタンクは俺に針を飛ばしてくる。
俺はそれを強化した敏捷で全て刀で弾くがある事に気付く。
一本一本の威力が見かけによらず高く、手が痺れる。
おそらく竜鱗でも防げないだろう。
俺はそれに気づいた後直ぐに腕に竜鱗を発動し腕力を上げる。
奴は針が防がれたのを気に食わなかったのか怒ったように威嚇し回転攻撃に移行する。
俺は横に移動しながら土系魔法の“ロックバレット”を放つ。
しかし効果は殆どなく回転の勢いは衰えない。
俺はそれを追いかけられているかのように避ける。
そこをアイリスがニードルタンクの右横に“ロックキャノン”を撃ち込む事によって奴を転倒させる。
転倒させられたニードルタンクは怒りアイリスの方に向かって回転する。
だが俺はそれを闇系魔法の“ダークウィップ”を発動し針に引っ掛けアイリスに行かせない様にする。
“ダークウィップ”は触れたものの体力を吸収できるのでこういう時は便利だ。
一瞬引っ張られそうになるが無魔法の身体強化を発動してなんとか踏ん張る。
その間にアイリスが火系魔法の“ガトリングボム”を撃ち込み続ける。
ニードルタンクはこの状況を打開するため逆回転をし俺の方に向かってくる。
俺は横に飛ぶ様にしてそれを躱す。
勝てる。
ここまでの流れから俺はそう判断し呼吸を整える。
だがニードルタンクの次の行動によってそんな考えは打ち消される。
ニードルタンクは前の針、つまり上半身の針を全て前に向ける。
まるで俺達を狙う様に。
(何をするつもりだ?)
そう思った瞬間俺達に向けられた針が全て高速で放たれる。
(やばい!!)
この針の範囲にはアイリスも入っている。
針の威力的に魔法じゃ防げないかもしれない。
俺はそう思いアイリスの方へ全力で走る。
アイリスのもとについた後俺は守る様にしてアイリスを抱え針の範囲外へと回避する。
間一髪。
無事回避する事に成功した。
俺はそう思った。
だが
「レオ!!体に穴が!!」
「え?」
そう言われて俺は自分の腹を見ると左の脇腹がなくなった様に穴が開いていている事に気付いた。
「がはっ」
俺はその場で崩れる様に倒れ血を吐く。
しかしそんな事御構い無しにニードルタンクは回転して突っ込んでくる。
俺はなんとかアイリスごと転移して回避するが今の状態だとダメージがでかく遠くに転移できない。
攻撃を外したニードルタンクがこっちを振り向いて顔を向けた瞬間を狙い最後の力を振り絞って光系魔法“フラッシュ”を放ち奴の視界を奪う。
それで怯んでいる隙にアイリスが俺を近くの木の陰に引きずってに運ぶ。
「レオしっかりして!!」
アイリスはそう言って俺の傷を抑えながら光系魔法の“ハイヒール”で傷を治そうとするが俺の恐暴竜の治癒力と合わせても傷は塞がらない。
(これは助からないな)
経験した事があるので俺はそう思う。
一度死んでこの世界に転生したこの命も結局は死ぬ運命だったのだろうか。
だとしたら仕方ないのかもしれない。
けど
アイリスにこの気持ちを伝えたい。
伝えないで死にたくない。
初めて会った時から。
ずっと思っていたこの気持ちを。
そう思い俺はまだ治療をしているアイリスに向かって口を開く。
「アイ…リス……」
「喋らないで!!傷が開く!!」
「俺さ……君のこ…とが……」
「喋らないでって言ってるでしょ!!」
「好き…なんだ」
「えっ」
俺の言葉にアイリスは驚いているが時間があまりないので俺はしゃべり続ける。
「最期…の言葉……になっちゃ……うけど…君との時……間はとても…すばら…しい……ものだった」
「待って!!最期なんて言わないで!!」
「父さ…んと……母さん……にありがと……うって…よろしく…頼む」
「その言葉は自分で伝えなさいよ!!レオ!!ねえ!!しっかりして!!」
俺は朦朧とする意識の中で最期の時を待つかの様に瞼を閉じた。
静かだ。
それにモンスターの気配が殆どない。
それはつまりもうニードルタンクの縄張りに入っているということだ。
その事を加味して俺達は慎重にニードルタンクを探す。
探し始めてから1時間。
俺達はターゲットを見つけた。
でかい、馬車の3倍以上はありそうだ。
背中に生えている針に関してはかなり太い。
おそらくあれに腹を貫かれたら治せないかもしれない。
そう思ってしまうぐらい太い。
だがもう後戻りは出来ない。
俺達は作戦を立て始める。
「いつものやり方では危険だな」
「そうだね。近接戦は避けた方がいいかも」
「じゃ俺は前衛をやって攻撃は魔法メインでいくか」
「そうだね。それが無難かな」
「よし、始めるか」
そう言って俺は“鑑定の魔眼”を発動する。
ニードルタンク
HP A
MP E
力 A
防御 S
魔力 E
敏捷 A
モンスターの鑑定結果は人とは違い数値化できず表記が違う。
その代わりに6段階評価となっている。
ステータスの項目の4つが A以上の時点でこいつはかなり強い。
俺はそれを確認した後刀を抜刀し特性の敏捷大上昇を発動する。
この状態になると俺の敏捷は1.5倍になり1500を超える。
そして最後に“鷹の魔眼”を上空から発動する。
互いの準備が完了したのを確認し俺は前衛の仕事をするために突っ込む。
それに直ぐに気づいたニードルタンクは俺に針を飛ばしてくる。
俺はそれを強化した敏捷で全て刀で弾くがある事に気付く。
一本一本の威力が見かけによらず高く、手が痺れる。
おそらく竜鱗でも防げないだろう。
俺はそれに気づいた後直ぐに腕に竜鱗を発動し腕力を上げる。
奴は針が防がれたのを気に食わなかったのか怒ったように威嚇し回転攻撃に移行する。
俺は横に移動しながら土系魔法の“ロックバレット”を放つ。
しかし効果は殆どなく回転の勢いは衰えない。
俺はそれを追いかけられているかのように避ける。
そこをアイリスがニードルタンクの右横に“ロックキャノン”を撃ち込む事によって奴を転倒させる。
転倒させられたニードルタンクは怒りアイリスの方に向かって回転する。
だが俺はそれを闇系魔法の“ダークウィップ”を発動し針に引っ掛けアイリスに行かせない様にする。
“ダークウィップ”は触れたものの体力を吸収できるのでこういう時は便利だ。
一瞬引っ張られそうになるが無魔法の身体強化を発動してなんとか踏ん張る。
その間にアイリスが火系魔法の“ガトリングボム”を撃ち込み続ける。
ニードルタンクはこの状況を打開するため逆回転をし俺の方に向かってくる。
俺は横に飛ぶ様にしてそれを躱す。
勝てる。
ここまでの流れから俺はそう判断し呼吸を整える。
だがニードルタンクの次の行動によってそんな考えは打ち消される。
ニードルタンクは前の針、つまり上半身の針を全て前に向ける。
まるで俺達を狙う様に。
(何をするつもりだ?)
そう思った瞬間俺達に向けられた針が全て高速で放たれる。
(やばい!!)
この針の範囲にはアイリスも入っている。
針の威力的に魔法じゃ防げないかもしれない。
俺はそう思いアイリスの方へ全力で走る。
アイリスのもとについた後俺は守る様にしてアイリスを抱え針の範囲外へと回避する。
間一髪。
無事回避する事に成功した。
俺はそう思った。
だが
「レオ!!体に穴が!!」
「え?」
そう言われて俺は自分の腹を見ると左の脇腹がなくなった様に穴が開いていている事に気付いた。
「がはっ」
俺はその場で崩れる様に倒れ血を吐く。
しかしそんな事御構い無しにニードルタンクは回転して突っ込んでくる。
俺はなんとかアイリスごと転移して回避するが今の状態だとダメージがでかく遠くに転移できない。
攻撃を外したニードルタンクがこっちを振り向いて顔を向けた瞬間を狙い最後の力を振り絞って光系魔法“フラッシュ”を放ち奴の視界を奪う。
それで怯んでいる隙にアイリスが俺を近くの木の陰に引きずってに運ぶ。
「レオしっかりして!!」
アイリスはそう言って俺の傷を抑えながら光系魔法の“ハイヒール”で傷を治そうとするが俺の恐暴竜の治癒力と合わせても傷は塞がらない。
(これは助からないな)
経験した事があるので俺はそう思う。
一度死んでこの世界に転生したこの命も結局は死ぬ運命だったのだろうか。
だとしたら仕方ないのかもしれない。
けど
アイリスにこの気持ちを伝えたい。
伝えないで死にたくない。
初めて会った時から。
ずっと思っていたこの気持ちを。
そう思い俺はまだ治療をしているアイリスに向かって口を開く。
「アイ…リス……」
「喋らないで!!傷が開く!!」
「俺さ……君のこ…とが……」
「喋らないでって言ってるでしょ!!」
「好き…なんだ」
「えっ」
俺の言葉にアイリスは驚いているが時間があまりないので俺はしゃべり続ける。
「最期…の言葉……になっちゃ……うけど…君との時……間はとても…すばら…しい……ものだった」
「待って!!最期なんて言わないで!!」
「父さ…んと……母さん……にありがと……うって…よろしく…頼む」
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