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第三章 カーナ王国の混迷
教会対策と神人ジューアの下賜品
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さてそれで、一同の中で一番若いアイシャが飲み物を入れ直して情報交換することにした。
立場的にはトオンが動くほうが良いのだが、彼は飯マズのバッドステータス持ちなので不用意に飲食物に触らせるのは危険だった。
カーナ王国は紅茶よりコーヒー文化の国だ。コーヒーポットにお代わり分も見越してたっぷりのコーヒーを入れて、砂糖やミルク、コーヒー用のスパイスなどを用意する。
スパイスはナッツ系のフレーバーを加えて濃厚にしたものや、シナモンやクローブ、チリ少々を加えたものをコーヒーやココアに入れたものは世代や階級を問わず人気がある。カルダモンを挽いたパウダーも華やかな香味が人気だ。
「ビクトリノ様が直接こちらにお越しになるとは思いませんでした。滞在は一時的なものでしょうか?」
「いんや、最低でも数年単位だ。お前さんの決意を聞いたら俺も居てもたってもいられなくなっちまって」
アイシャが邪悪な魔力対応の専門家になると決意したことを聞いて、自分も関わりたいと思ったとビクトリノが言う。
普段は豪快に笑うことの多い彼がキリッと精悍な顔を引き締めていた。
「カズンが追ってる虚無ほどじゃねえが、俺が聖者に目覚めたきっかけのひとつは人間の邪気だ。ここらで本腰入れて向き合おうと思ってな」
そんな彼、聖者ビクトリノは破邪という、邪悪を浄化するスキルの使い手だった。ビクトリノは悪人調伏に特化した聖者なのだ。
十ヶ月前、王都地下の古代生物から逆流した穢れに汚染されたアルター国王を破邪スキルで救い、死後まで続く堕落から救済している。
「神殿を誘致するにも一朝一夕にとはいかねえ。時間がかかるが、まあ一緒にやっていこうや」
「はい!」
頼もしい助っ人だ。何より聖者ビクトリノはアイシャが聖者として王都に連れて来られて以来の付き合いで、聖なる者の先輩でもある。
彼は人々の声をよく聞くタイプの聖者で人付き合いを好むので、その分だけアイシャの負担を分かち合ってもらえるだろう。
「仮設置でいいから、早めに祭壇を作ってちょうだい。カーナがこの国に来たがっていたから」
砂糖もミルクも抜きのブラックコーヒーを飲んでいた神人ジューアが何気ない口調で命令してきた。
「ジューア様。それは、……この国を早くカーナ姫に返せということでしょうか?」
トオンが恐る恐る確認した。
そうだ、カーナ姫の意向次第ではこの国は共和制への移行どころではなくなってしまう。
「そういう細かい話は後でいいわ」
「神人は基本、神殿のある国にしか来ねえからな。話し合いの土壌作りのためにまず神殿の設置が急務なわけさ」
しかしカーナ王国自体が吹けば飛ぶような小国で、その王都も他国と比べると規模が小さい。
今の王都に、新しく神殿を建てられるほどの敷地の空きはなかった。
トオンが古書店のほうから王都の地図を持ってきた。古書店フロアのレジ奥の壁に貼ってあるものでサイズが大きく路地まで見やすい物だ。
「地図を見た感じ、やっぱ現王都教会をそのまま接収するのが楽だろうな」
「では、教会を廃止して神殿に転換すると?」
その話は以前、アイシャとルシウスがとてもわるい顔になって話し合っていた。
神殿の土地がなければ今ある教会を使えば良いじゃない、と。
「アイシャの聖女投稿事件はあまりにも外聞が悪すぎた。永遠の国の教会本部も、カーナ王国支部は廃止すべきの意見でまとまった」
だがこれまで五百年に渡ってカーナ王国を影から支配してきた組織だ。そう簡単にはいかないのではないか?
「そこで俺の出番なわけ。教会の大司祭から、神殿の神官にジョブチェンジよ」
「「ビクトリノ様が神官に!?」」
これにはアイシャとトオンは声を合わせて驚いた。
「正確には、教会本部に籍を残しつつ、カーナ王国に神殿設置して機能させるまでの期間限定神官な」
永遠の国の教会本部から、聖者ビクトリノはカーナ王国に教会を置換する形で神殿を設置し機能させよとの命を受けて今回やってきた。
元々彼は全土に顔も名も知られた著名な聖者だ。カーナ王国の教会にも定期的に顔を見せていた。
その彼がわざわざ神官になってまでカーナ王国のために動くとなれば、様々な分野に波紋が広がるだろう。
国民感情は良い方向に刺激されるだろうし、他国のカーナ王国を見る視線も多少は緩和されるはずだ。
「聖者ビクトリノがカーナ王国のために教会大司祭から、神殿の神官になる、か。円環大陸が揺れそうだな」
ルシウスが顎に指を当ててしみじみ呟いた。
「……カーナ王国から教会組織は完全撤退させるわ。そもそもこの土地は教会より神殿のほうが相性が良いと思うもの」
「教会が持ってる福祉機能はそのまま新設置する神殿が引き継ぐ。さあて、これから忙しくなるぜ!」
明日からさっそくビクトリノは教会に赴いて、本部の決定を王都教会の関係者たちに伝えに行くという。
アイシャたちは明日はダンジョン町に行って経験値上げする予定だったが取り止めて、ビクトリノに同行を決めた。
「じゃあ明日の午前中にルシウスさんのおうちに迎えに行きますね」
神人ジューアは弟ルシウスの屋敷で厄介になるそうで、ルシウスと一緒に帰るそうだ。
ビクトリノもカーナ王国での滞在中は同じ聖者のルシウスの屋敷に宿泊する。下手に宰相や元貴族たちの家に宿泊すると余計な権力争いに巻き込まれかねないためだ。
レストラン・サルモーネ襲撃事件に前後してルシウスが自分の屋敷を得たのはタイミングが良かったようだ。
帰り際、神人ジューアがアイシャに木の細長い箱を授けてきた。
開けてみろと言われて蓋を開けると、中には万年筆が一本入っている。
「お前は新聞投稿の聖女なのでしょ? 今後は文具を己の象徴になさい」
「これ、魔導具ですか?」
渡された万年筆は透明な魔法樹脂と木材を組み合わせて作られている。
女性のアイシャの手に馴染むよう細身で、繊細なデザインだった。キャップのクリップなど金具部分には薄い金色の金属が使われている。希少金属の合金のようだ。
「木材は槐で魔除け効果があるから今のお前の役に立つはずよ。魔導具として私が幾つか機能を付与してある。自分の魔力を流して使い方を探してごらん」
それと、と神人ジューアがアイシャの手の中の万年筆を指差した。
「私がこの国に来たのは、お前に相応しい象徴を見極め、作るためでもあった。その万年筆はお前が永遠の国に入るための通行証代わり。この国が落ち着いたら一度、永遠の国に来るといいわ。ハイヒューマンたちは皆、お前に会うのを楽しみにしてるの」
ルシウスとジューア姉弟、聖者ビクトリノの三人を見送ったアイシャは、下賜された万年筆に視線を落とした。
「すごいもの貰っちゃったね。アイシャ」
「ええ。……私がいつか、永遠の国に……」
現状、人間で永遠の国に入れるものは特別な称号を下賜された者や、聖なる魔力を持つ者の中でも業績の大きな者、そして永遠の国の関係者から認められた者に限られている。
アイシャはそのうちの一人、神人ジューアに認められたことになる。
「近いうちに新聞社の記者たちに取材してもらおう。まあでもその前に、教会だね」
レイ王子たちの件も含め、既に新聞社側では頃合いを見計らってアイシャに取材に来る予定を立てているはずだ。
この世界では新聞は比較的公正なメディアで、権力や特定の団体に属すことがない中立の組織だ。今のアイシャや共和制実現会議のような立場から〝お願い〟は可能だが、聞き入れるかどうかは新聞者側に決定権がある。
まずは明日、教会に最後通牒を突きつけに行く。
※オネエチャンがおとなしい聖女投稿。「夢見の女王」でやらかしたのと同一人物なのに……
立場的にはトオンが動くほうが良いのだが、彼は飯マズのバッドステータス持ちなので不用意に飲食物に触らせるのは危険だった。
カーナ王国は紅茶よりコーヒー文化の国だ。コーヒーポットにお代わり分も見越してたっぷりのコーヒーを入れて、砂糖やミルク、コーヒー用のスパイスなどを用意する。
スパイスはナッツ系のフレーバーを加えて濃厚にしたものや、シナモンやクローブ、チリ少々を加えたものをコーヒーやココアに入れたものは世代や階級を問わず人気がある。カルダモンを挽いたパウダーも華やかな香味が人気だ。
「ビクトリノ様が直接こちらにお越しになるとは思いませんでした。滞在は一時的なものでしょうか?」
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アイシャが邪悪な魔力対応の専門家になると決意したことを聞いて、自分も関わりたいと思ったとビクトリノが言う。
普段は豪快に笑うことの多い彼がキリッと精悍な顔を引き締めていた。
「カズンが追ってる虚無ほどじゃねえが、俺が聖者に目覚めたきっかけのひとつは人間の邪気だ。ここらで本腰入れて向き合おうと思ってな」
そんな彼、聖者ビクトリノは破邪という、邪悪を浄化するスキルの使い手だった。ビクトリノは悪人調伏に特化した聖者なのだ。
十ヶ月前、王都地下の古代生物から逆流した穢れに汚染されたアルター国王を破邪スキルで救い、死後まで続く堕落から救済している。
「神殿を誘致するにも一朝一夕にとはいかねえ。時間がかかるが、まあ一緒にやっていこうや」
「はい!」
頼もしい助っ人だ。何より聖者ビクトリノはアイシャが聖者として王都に連れて来られて以来の付き合いで、聖なる者の先輩でもある。
彼は人々の声をよく聞くタイプの聖者で人付き合いを好むので、その分だけアイシャの負担を分かち合ってもらえるだろう。
「仮設置でいいから、早めに祭壇を作ってちょうだい。カーナがこの国に来たがっていたから」
砂糖もミルクも抜きのブラックコーヒーを飲んでいた神人ジューアが何気ない口調で命令してきた。
「ジューア様。それは、……この国を早くカーナ姫に返せということでしょうか?」
トオンが恐る恐る確認した。
そうだ、カーナ姫の意向次第ではこの国は共和制への移行どころではなくなってしまう。
「そういう細かい話は後でいいわ」
「神人は基本、神殿のある国にしか来ねえからな。話し合いの土壌作りのためにまず神殿の設置が急務なわけさ」
しかしカーナ王国自体が吹けば飛ぶような小国で、その王都も他国と比べると規模が小さい。
今の王都に、新しく神殿を建てられるほどの敷地の空きはなかった。
トオンが古書店のほうから王都の地図を持ってきた。古書店フロアのレジ奥の壁に貼ってあるものでサイズが大きく路地まで見やすい物だ。
「地図を見た感じ、やっぱ現王都教会をそのまま接収するのが楽だろうな」
「では、教会を廃止して神殿に転換すると?」
その話は以前、アイシャとルシウスがとてもわるい顔になって話し合っていた。
神殿の土地がなければ今ある教会を使えば良いじゃない、と。
「アイシャの聖女投稿事件はあまりにも外聞が悪すぎた。永遠の国の教会本部も、カーナ王国支部は廃止すべきの意見でまとまった」
だがこれまで五百年に渡ってカーナ王国を影から支配してきた組織だ。そう簡単にはいかないのではないか?
「そこで俺の出番なわけ。教会の大司祭から、神殿の神官にジョブチェンジよ」
「「ビクトリノ様が神官に!?」」
これにはアイシャとトオンは声を合わせて驚いた。
「正確には、教会本部に籍を残しつつ、カーナ王国に神殿設置して機能させるまでの期間限定神官な」
永遠の国の教会本部から、聖者ビクトリノはカーナ王国に教会を置換する形で神殿を設置し機能させよとの命を受けて今回やってきた。
元々彼は全土に顔も名も知られた著名な聖者だ。カーナ王国の教会にも定期的に顔を見せていた。
その彼がわざわざ神官になってまでカーナ王国のために動くとなれば、様々な分野に波紋が広がるだろう。
国民感情は良い方向に刺激されるだろうし、他国のカーナ王国を見る視線も多少は緩和されるはずだ。
「聖者ビクトリノがカーナ王国のために教会大司祭から、神殿の神官になる、か。円環大陸が揺れそうだな」
ルシウスが顎に指を当ててしみじみ呟いた。
「……カーナ王国から教会組織は完全撤退させるわ。そもそもこの土地は教会より神殿のほうが相性が良いと思うもの」
「教会が持ってる福祉機能はそのまま新設置する神殿が引き継ぐ。さあて、これから忙しくなるぜ!」
明日からさっそくビクトリノは教会に赴いて、本部の決定を王都教会の関係者たちに伝えに行くという。
アイシャたちは明日はダンジョン町に行って経験値上げする予定だったが取り止めて、ビクトリノに同行を決めた。
「じゃあ明日の午前中にルシウスさんのおうちに迎えに行きますね」
神人ジューアは弟ルシウスの屋敷で厄介になるそうで、ルシウスと一緒に帰るそうだ。
ビクトリノもカーナ王国での滞在中は同じ聖者のルシウスの屋敷に宿泊する。下手に宰相や元貴族たちの家に宿泊すると余計な権力争いに巻き込まれかねないためだ。
レストラン・サルモーネ襲撃事件に前後してルシウスが自分の屋敷を得たのはタイミングが良かったようだ。
帰り際、神人ジューアがアイシャに木の細長い箱を授けてきた。
開けてみろと言われて蓋を開けると、中には万年筆が一本入っている。
「お前は新聞投稿の聖女なのでしょ? 今後は文具を己の象徴になさい」
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それと、と神人ジューアがアイシャの手の中の万年筆を指差した。
「私がこの国に来たのは、お前に相応しい象徴を見極め、作るためでもあった。その万年筆はお前が永遠の国に入るための通行証代わり。この国が落ち着いたら一度、永遠の国に来るといいわ。ハイヒューマンたちは皆、お前に会うのを楽しみにしてるの」
ルシウスとジューア姉弟、聖者ビクトリノの三人を見送ったアイシャは、下賜された万年筆に視線を落とした。
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アイシャはそのうちの一人、神人ジューアに認められたことになる。
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