▶︎【R18】天塚桃李〜四人の龍王様の嫁になりました〜

mimimi456/都古

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第四十話 火を司る神という男2

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来たか。

可哀想に桃李。
お前を最初に俺の物に出来たのは良い気分だった。
白の花嫁衣装を剥き、その瞳その髪が朱に染まるのを見た時、俺はこの躰が溶けるほどの悦びを味わった。

可哀想だな桃李。
俺はあの日から腹に巣食う我欲を押し込めて耐えた。
弟の元から帰ってきたお前の身体は良く出来上がっていたな。

甘く鳴き、蜜を溢し俺を呼ぶ。

弟が一年掛けて仕込んだお前の身体は、苛立つ程に俺を激らせた。


たったの一年だ。
俺達とっては目を瞑り開く、その程度の刻。
順繰りに巡る桃妃を待つ四年間ですら、こんなに待ち遠しいと思った事は無かった。

何故こんなにも、お前が欲しいと思うのか分からない。
お前はそもそも、今までのお前とは何かが違う。

何故か、今のお前だけが俺をジリジリと火で炙り壁へ焼き付ける様な気分にさせる。

俺だけじゃない。弟達も考えている。
何故今代の桃妃、天塚桃李は天帝に手を伸ばすのか。

俺達は、お前が何をしようとしているのか見当も付かない。


「桃李…、」


穢れに触れたこの身体は臓腑が焼けるようだ、四肢が引きちぎれた様に痛む。
それでも神気を放出し焼かなければ俺の国が焼ける。

この部屋の灼熱の神気、お前には酷く熱いだろう
穢れを払う為だ。
俺もだ。
熱くて痛く仕方ないがこれが俺達四龍の務めだ。


床を這い、俺を呼んだ桃妃を抱き上げる。

「桃李、」

この痛みも今はお前が居るなら構わない。

他の者は近付く事も出来ないこの穢れの中を、お前は駆け上がって来た。
それでこそ俺達の至宝だ。
美しいなお前は。

腕の中に収めるだけで、坂捲く狂気が薄れていく。
ぐったりとした身体へ鼻先を押し付けた。
ほんの少しでいい、お前の香りをくれ桃李

「んッ、」

小さな声と共にぶわっと広がる、俺の求めた香り。
これだ。お前の桃の香りがする

「ふっ」

まだ足りない

だが、これで漸く制御が効く。 


桃李が居るならこんなもの造作も無い。
指先ひとつで漏れ出るだけだった神気を、不死鳥の形へと変える。

「行け」

炎の姿をした鳥はしぶとく蔓延っていた穢れのモヤへ飛び込み、鎮火した。

部屋をかなり焦がしたらしい
また建て直す必要が有るな

手順通りであれば、管理の者へ隔離させ結界を張り三日三晩火を放つが。

面倒だ

種火を分けてやるよりこのまま派手に火を放つ方が楽だ。
今、やれば夜には焼け落ちるだろう。

「桃李、」

いいか、と聞けば小さく瞬いた。

互いに唾液の少ない舌を吸い、擦れ合わせる。

「ぁ…、ん、」

水分は焼けたか。
本来なら龍の唾液は桃李にとって媚薬になる筈だが、これでは足りないか。

「と、れぃ...、」

それでも必死で吸い付いて来る桃李の唾液には、仙桃の力は宿っている。
美味いな、桃の味がする

少しだが、濡れた音を立てて唇を離す

「は…っ、」

桃李の甘い息の音がした。
臓腑の痛みは幾らか薄れ、引きちぎれそうな四肢の痛みは疼くだけになった。

「虎徹、いるか」

「ガゥ」

「悪いが桃李を乗せてくれ。」

「ゥウ」

「何だ。あぁ、そうか。」


この白銀の虎は俺も乗れと言う。
そうだな。
今の桃李がお前にしがみつくのは難しい。

「頼む、虎徹。」

「ガウッ!」


弟より素直だな。
桃李に似たのか。

「あれもこれだけおとなしければ…ッ、そっちは窓だぞ!?」


最強の盾を持つ白銀の虎は、高い塔の最上階から窓を突き破り飛び降りた、

「ヒッ、」

腕の中で桃李の悲鳴がしたが、俺もしがみつくだけだった。
虎徹は造作も無く地面へと着地した。
軽やかにストン、と。

「流石だ、虎徹」


お前は間違いなく弟の気質を継いでいる。

「無事か、桃李」

しっかり抱き締めていたが、腕の中の桃李は涙を浮かべていた。


「し、し、ぬかと思った…っ、!」

「しっかり言い付けておいた方が良いな。」


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