パステル

ちょこ

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第1章:始まり

6話

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「・・・」

病室に花園さん達が来てくれた。
花園さんが心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
花園さんと目が合う、花園さんが俺から目線を逸らす。

陽葵
「大丈夫?氷鷹君」


「うん。大丈夫だよ」

ガラガラと病室の扉が開かれる。
病室の扉の前には水野君が立っていた。

涼真
「皆んなを代表して来た」


「え?あ、うん。ありがとう」

涼真
「あそこの店のお菓子と、水と…
そんなもんかな」


「どうして…くれたんだ?」

涼真
「いやぁ?普通に虹崎に言われたから…
だけど。要らなかったか?」


「いや。ありがとう。普通に嬉しい」

涼真
「じゃあ、元気になったら…また、学校で一緒に授業も訓練も頑張ろうぜ」

ニカッと歯を見せて笑った。
水野君は病室から出て行った。

陽葵
「じゃあ。私も行くね。もう、夜ご飯の時間だし」


「うん」

陽葵
「えーっと…その…氷鷹君。
元気になってね」

ニコッ


「ありがとう。花園さんが見舞いに来てくれて嬉しかった」

陽葵
「ふふ、それは、良かった」

私は彼の病室を後にした。
彼が元気になるように心から願っている。

叔母
「湊君、大丈夫?」


「だ、大丈夫です」

叔母
「もう、夜ご飯の時間なのね…
ごめんなさいね。遅れちゃって…」


「うん、大丈夫だよ」

叔母
「そう…」

叔母
「湊君、気をしっかり持って。
きっと…貴方なら大丈夫だから」


「え?あ、うん!」

叔母さんは早々に病室に来たと思ったら
早々に病室を後にした。
忙しい人だなって思った。

叔母
(湊君…)

ナレーション)
病院に入院している主人公の元に不穏な影が近付いている

???
「ここに氷河様の遠い子孫が居られるのですね」

???
「浮優、静かに」

浮優
「すみません。高揚感が高まってしまいました」

???
「まぁ、仕方ないわよね」

浮優
「鉄那さんも高揚感が高まったりは」

鉄那
「まぁまぁって感じかしら」

浮優
「・・・」

鉄那
「どうしたの?」

???
「黒い闇から月が照らして、それが形となり…僕になる」

浮優
「月影…」

月影
「おや?"月影さん"と呼ぶように教えた筈だが?」

鉄那
「月影さん、ご機嫌よう」

月影
「鉄那さん、こんにちは」

鉄那
「月影さんはどうして此処に?」

月影
「氷鷹湊君と少しお喋りしてきたんだ」

浮優
「あの、氷河様の子孫の?」

月影
「そうだよ」

浮優
「・・・」

鉄那
「どうしたの?浮優」

浮優
「いいえ、何も無いです」

鉄那
「そう?」

いつも通りの浮優とは違っているような気がした。
やっぱり、月影に"恐怖"をしている事が関係していると思った。

月影
「氷鷹湊は氷河と変わらない見た目だった。多分、浮優が、また…忠誠を誓うだろう」

浮優
「氷河様と瓜二つって事なの?」

月影
「あぁ、そうだね」

氷河と氷鷹湊はどちらも同じ顔をしている。瓜二つという言葉がピッタリな2人だった。
氷鷹家の人間を今日この時まで探していた。
氷河は氷鷹湊の心の中に入る事が出来るだろう。



                続く
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