God's Will！

神天地編

第21神話(前書き) 実験体

「ど、どこへ行くの！？」

「まぁ、いいから着いてきてみろ。」

　先程いた部屋から出て廊下を早く歩く。横を見ると均等に木製の扉が置いてあるのが見えた。マケと同じような奴等がこの先で作業をしているのだろうか…
　そして暫くすると右に階段が現れ、そこで直角に曲がる。
　そのまま階段を勢いよく駆け下り、一階に到着した。
　降りたその先に見えたのは透明なガラス製の大きなドアが2つ設置されている。その手前には少し段差のある広いスペースがありこのドアの置いてある位置や靴置き場を見るにここが施設の玄関なのだろう。
　ここからは先程いざこざのあったグラウンドも目に入ったが、また男が急に左に切り返すことで一瞬で視界を置いてけぼりにした。そしてまた廊下を歩き出す。
　前方を向くと何やら右側にマケの居たような木の扉ではなく、鉄？のような金属で作られており、厳重に閉じられている。しかも扉の上には「1111、2343、5600」といった番号が割り振られている。
　
「……？」

　この感じ……まさかとは思うが…

「よし、着いた！」

　そんなことを考えているとまたこの男は急に立ち止まる。

「わぁっ！」

　そのまま勢いづいた私の体が目的の場所から通り過ぎる。

「おっとっと。」

　軌道を修正させようと、男は勢いよく引き寄せ、

「よっとっと。」

「…大丈夫か？」

「う、うん。」

　私は転ばずにすんだ。
　それを見て男はフゥと一息吐くと、姿勢をまっすぐにして扉の前に佇む。そしてポケットから何やらカード？のようなものを取り出した。
　カードをドアの横にあるスキャナーにかざす。すると『ガチャ』という扉が開いた音が聞こえた。

「さ、入った入った。」

　そう言われるがまま私は男に背中を押され、部屋へと足を運ばせる。