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第二十五話 姫の心と秋晴れの空
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しおりを挟むハリスが皇子の執務室へ戻るとティア姫が待っていた。
「で、一体何だったのお姉さまは?」
「さあ、何だったのでしょうねえ」
「なによ?何も聞き出せなかった訳?何の為に行ったのよ?」
「す、すいません」
「役に立たない優男ねえ」
「そんなティア様…‥。ですがきっとミザリー様は明日には普通に元気にお戻りになるかと。余り心配される必要はないと思いますよ?」
「……心配なんかしてないわよ?あのお姉さまに限って何を心配することがあると言うの?どうでもいいわよ!」
ティア姫はドアをバンと閉めて部屋を出て行った。
肩を落してドアを見るハリスに部屋にいたルウドが哀れな視線を投げて御苦労さまと声掛けた。
「――――やっと着いたか…」
彼は急ぐ旅ではなかったので馬はあったが走らせずにゆっくり進んだ。
それでも王都までの距離はそれほど遠くではなかったので彼が去った三日後くらいには街に辿り着いた。
しかし今は夜。まず街に入れないし、面会は明日になる。
彼は門の脇の道に腰を下ろし、門が開くのを待つことにする。
「さてどうしようかなあ…」
彼は暖を取る為に石と枯れ木を集めて火を起こす。
考えているのは目先の事ではなく明日からの予定だ。
「どう説得するべきか…‥」
今持っている幸せを認知している人間に、もっと大切な事があるからそこから離れろと言ったところで聞く筈もなく理解もしてくれないだろう。
彼は炎を見つめてぼんやり物思いにふける。
夜明けまではまだ数刻時間があった。
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