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第二十六話 ルウドの選択
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しおりを挟むお城に帰ると城門付近にハリスがいた。
「…どこ行っていたんだルウド?」
「うん?ちょっと街へ。何してるんだハリス?」
「門番」
「―――――は?」
「最近誰にも構って貰えないし、お姫様達には邪険にされるし、仕事は多いし、散々だよ。ついてない。何か面白い事ないかなあとこっそり街にでも繰り出してみようかと考えてたところなんだ。そうだ、お前もどうだ?今晩あたり。優しいお姉さんがたに慰めて貰おう」
「……いや私はいいから。皇子は執務に戻っているのだろう?そんなに仕事があるのか?私は結構暇だから手伝ってもいいが?」
「ルウドは優しいな。手伝いは大丈夫だが、今皇子はとある婦女子の事で頭がいっぱいで仕事どころではないようだ。仕事には出ているが手が動いていない」
「そうなんだ。大変だな…」
「事が事だけに誰も手を出せないし、見守るほかないんだ」
「そうだなあ…」
ルウドはふととある森を思い浮かべたがすぐに拒絶した。
あそこは駄目だ。けして入ってはいけない。
「ハリス、優しいお姉さんではないが飲むなら付き合うぞ?愚痴を聞くくらいしかできないが」
「そうか、有難うルウド、頼むよ」
ルウドは沈んだ門番のハリスと別れて庭園の方へ向かう。
庭園では誰かが歌っていた。
「…‥ミザリー様…」
相変わらずテンションの高い姫様である。
「あらルウド、ごきげんよう」
「はあ、ご機嫌麗しく…‥一体何を?」
「ほほほ、インパクトよ、インパクト!皆にこの私を見て貰うにはそれが必要不可欠じゃないの?」
「ハハハ、そうですね…」
強烈過ぎて皆が目をそらしてしまうのだが、そんな事は言えない。
ルウドは更に先へ進み魔術師の塔に入る。
「ゾフィー殿、居られますか?」
「はい居ますよー。開いていますからどうぞー」
中の客部屋にはゾフィーがいた。彼しかいない。
「ティア様がいると思ったのですが?」
「自室ではないですか?調べ物の書物を沢山持って行きましたから」
「調べ物ですか。嫌に静かだと思ったら」
「いいではないですか?お客様もいる事ですし」
「そうですね、姫が暴れていたら皇子がゆっくりリリアナ様と話せない。
……今リリアナ様はどうされているので?」
「さあ?そこまでは…。皇子がお相手をされているのかと?」
「皇子は執務中では?」
「……」
「…‥ちょっと捜してみます。ところでここにこの国の歴史書とかありますか?読んでみようと思いまして」
「歴史書ですか?歴史関連の本ならありますが国の歴史書なら書庫にあると思いますよ?」
「分かりました、行ってみますね。…ところでロヴェリナ様は来られたりしますか?」
「時折」
「そうですか…‥」
ルウドは肩を落とす。
最近彼女は現れない。何故だろう?やはり聞かれたくない事があるからか?
だけどそれが自分に関連することなら聞かずにはいられない。
リリアナ嬢はアリシア姫の部屋で見つかった。
リリアナが暇を持て余していたのでアリシア姫が部屋に誘ったのだ。
「…‥皆して本ばかり。リリアナ様まで」
「まあティアも調べ物ね?静かだと思ったのよ。それにしてもお兄様はしょうがないわね。もうお昼なのだから食事にでも散歩にでも誘えばいいのに」
「お城のご案内とかもまだでしょう?パラレウス様…」
「ルウド、言って来てよ。リリアナがとても退屈していると」
「…‥いってきます」
「言うだけじゃダメよ、引っ張ってこないと」
ルウドは慌てて皇子のいる執務室へ行く。
「皇子、何されているのです?」
「何って仕事に決まっているじゃないか」
「手、動いてませんよね?」
「そそそそそ、そんな事はない!」
「リリアナ様が退屈されてます。食事に誘って散歩にでも出かけたらいかがですか?」
「えっ…‥?」
「アリシア様の部屋で読書中ですが、外へ散歩に誘われた方が喜びますよ?読書向きの方ではないのですから」
「あ、そうだね、そうか…。あの、ティアは?」
「お部屋で調べ物に夢中ですよ」
「そうなんだ…」
「皇子」
「何だ…‥?」
「せっかくの機会なのですからもっと積極的にリリアナ様とお話しして下さい。ただのお客さまで終わってしまいますよ?」
「…‥わ、分かっているよ…‥ただどうしていいか分からなくて…」
「とりあえず何でもいいから彼女と接することです。逃げてどうするのです」
「…‥わかったよ、行くから。もう言わないでくれ」
ルウドは皇子に付き添い、アリシア姫の部屋に入る皇子を見送った。
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