意地悪姫の反乱

相葉サトリ

文字の大きさ
67 / 200
第十一話 姉の条件

6

しおりを挟む


「エルフィー、ティアをエリックに任してきてホントに良かったかしら?ルウドは女性に囲まれてて困っていたし、まさか手遅れなんてことに」

「そんなまさか、いきなり手を出したりはしないだろう?」

「そうかしら、何かすごく手を出しそうだけど。不安だわ」

「まあ何とかするだろうルウドさんが。護衛なんだから」

 エルフィードは身体の下にいる愛しい姫の顔に口づける。

「そう、護衛なのよね、所詮」

「うん?」

「害がなければ放置されるわ。恋人になれないならエリックさんを止める権利はないもの」

「……それって拙くないかい?」

「……拙いわよね」

 エルフィードはアリシアを抱き寄せ、深く口づける。

「ルウド、すぐ傍にいてどこまで耐えられるかしら?」

「……君、それって…‥酷くない?」

「平気よ、たぶん、ルウドだし」

「……‥」

 分からない。何が平気なのだろう?
 アリシアは平然としているがエルフィードは気になって仕方ない。
 長い口づけの後、エルフィードは顔をあげ、アリシアを見る。

「なに?そんなに気になるの?あの人そんなに信用できないの?」

「……その方面においては、信用なんて危険な事、とても私には出来ないよ」

「ルウドが居るから……」

「手遅れになったら困る。やっぱり、ほってはおけないよ」

 エルフィードは上着を羽織り、ベットから降りる。

「エルフィー……」

「もともと私がまいた種だからね。大ごとになったら困る。君はここで待っていて。すぐ戻るから」

 エルフィードは部屋を出ていく。
 置いていかれたアリシアは深い溜息を吐いた。








 ニヤけた笑みを浮かべるエリックと二人きり。
 ティアは大変困っていた。
 パーティへ行くのだからと言われ、武器になりそうなものはすべて置いて来てしまった。
 ルウドが居るのだから大丈夫だと信じていたのにそのルウドが傍にいない。
 女達に囲まれてへらへら笑っていたルウドを恨んだ。
 コーヒーを出したエリックはそのままティアの横に座る。

「……な、何ですか…・?」

 ティアの顔をじっと見つめてふっと笑う。

「ねえティア様、貴方は運命の赤い糸を信じる?」

「――――――は?……な、何かしら?」

「どんなに離れていても運命という柵によって手繰り寄せられる糸だよ?」

「……さあ、分からないわ……?」

 熱い視線をティアに送るエリックは切なげに息を漏らす。

「私はここにきて貴方に出会い、運命を感じたよ。このまま別れてしまうなど余りに惜しい。貴方とは離れられない縁を結びたい」

「……え……?」

 エリックは姫の手を取り、手の甲に口づける。

「君が欲しい。この部屋に来たのだから貴女も嫌というわけではないのだろう?」

「な、何を言って…・?」

 ティアはじりじりと後ずさり、ついには立ち上がる。

「わわわわ私、そんなつもりもないし、縁なんて感じない。貴方とはお付き合い出来ないわ。失礼、もう帰らせていただくわ」

「ダメだよ、逃がさない」

 エリックはティアの腕を引きよせ、自分の胸の中に閉じ込める。

「ちょっと!離してよ!嫌よ!」

 エリックはティアを抱き上げ持ち運ぶ。

「そんな勿体ない、君をすぐにその気にさせてあげるよ。ベットの上で」

 ティアは真っ青になって暴れ出す。

「は、離してよ!そんなの許さないわ!触らないで!降ろしてよ!」

「観念しなよ。辛いのは最初だけさ。君はすぐに私の手管に喜びを感じるようになるよ」

 ティアはベットに降ろされ、エリックに上から覆いかぶさられる。

「いや―――――――っ!ルウド!ルウド!ルウド助けて!ルウド――――!」

「ルウド?ああ護衛の騎士か?ただの護衛がここまで踏み込んでは来ないよ?」

「いやあああああっ!ルウド――――!」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生令嬢はやんちゃする

ナギ
恋愛
【完結しました!】 猫を助けてぐしゃっといって。 そして私はどこぞのファンタジー世界の令嬢でした。 木登り落下事件から蘇えった前世の記憶。 でも私は私、まいぺぇす。 2017年5月18日 完結しました。 わぁいながい! お付き合いいただきありがとうございました! でもまだちょっとばかり、与太話でおまけを書くと思います。 いえ、やっぱりちょっとじゃないかもしれない。 【感謝】 感想ありがとうございます! 楽しんでいただけてたんだなぁとほっこり。 完結後に頂いた感想は、全部ネタバリ有りにさせていただいてます。 与太話、中身なくて、楽しい。 最近息子ちゃんをいじってます。 息子ちゃん編は、まとめてちゃんと書くことにしました。 が、大まかな、美味しいとこどりの流れはこちらにひとまず。 ひとくぎりがつくまでは。

迎えに行ったら、すでに君は行方知れずになっていた

月山 歩
恋愛
孤児院で育った二人は彼が貴族の息子であることから、引き取られ離れ離れになる。好きだから、一緒に住むために準備を整え、迎えに行くと、少女はもういなくなっていた。事故に合い、行方知れずに。そして、時をかけて二人は再び巡り会う。

崖っぷち令嬢の生き残り術

甘寧
恋愛
「婚約破棄ですか…構いませんよ?子種だけ頂けたらね」 主人公であるリディアは両親亡き後、子爵家当主としてある日、いわく付きの土地を引き継いだ。 その土地に住まう精霊、レウルェに契約という名の呪いをかけられ、三年の内に子供を成さねばならなくなった。 ある満月の夜、契約印の力で発情状態のリディアの前に、不審な男が飛び込んできた。背に腹はかえられないと、リディアは目の前の男に縋りついた。 知らぬ男と一夜を共にしたが、反省はしても後悔はない。 清々しい気持ちで朝を迎えたリディアだったが……契約印が消えてない!? 困惑するリディア。更に困惑する事態が訪れて……

助けた騎士団になつかれました。

藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。 しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。 一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。 ☆本編完結しました。ありがとうございました!☆ 番外編①~2020.03.11 終了

死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。

藤原遊
恋愛
「死ぬはずだった運命なんて、冒険者たちが全力で覆してくれる!」 街を守るために「死ぬ役目」を覚悟した私。 だけど、未来をやり直す彼らに溺愛されて、手放してくれません――!? 街を守り「死ぬ役目」に転生したスフィア。 彼女が覚悟を決めたその時――冒険者たちが全力で守り抜くと誓った! 未来を変えるため、スフィアを何度でも守る彼らの執着は止まらない!? 「君が笑っているだけでいい。それが、俺たちのすべてだ。」 運命に抗う冒険者たちが織り成す、異世界溺愛ファンタジー!

お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。 五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。 ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。 年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。 慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。 二人の恋の行方は……

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】え?今になって婚約破棄ですか?私は構いませんが大丈夫ですか?

ゆうぎり
恋愛
カリンは幼少期からの婚約者オリバーに学園で婚約破棄されました。 卒業3か月前の事です。 卒業後すぐの結婚予定で、既に招待状も出し終わり済みです。 もちろんその場で受け入れましたよ。一向に構いません。 カリンはずっと婚約解消を願っていましたから。 でも大丈夫ですか? 婚約破棄したのなら既に他人。迷惑だけはかけないで下さいね。 ※ゆるゆる設定です ※軽い感じで読み流して下さい

処理中です...