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恋堕ちデート調教
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「はあ、涼しい。やっぱり暑かったな」
ダンスフロアから近いラブホテルだ。男同士でも当然のように入れた部屋は、ベッドとソファが余裕をもって配置されている広い空間だった。
タクシーを使ってくれたからどうにか移動できた。部屋に入るまでのたった数分で早速息を切らしている宮路は、それでも入室してすぐベッドに腰掛けるニコに戸惑う。
「…あ、あの」
「ん?」
「す、スマホは…?」
普段はアングルを確かめながら設置しているスマホを、ニコは無防備に投げ出していた。見慣れない様子に思わず尋ねてしまう。
ニコはきょとんと問い返した。
「え? 撮られたい?」
「い、いえ…」
カメラのレンズに煽られることは多いが、それはニコが興奮していると感じるからだ。ニコにその気がない今撮影されたいとは思わない。
言われたから手が伸びたとばかりに何気なくスマホを取ったニコは、いかにも思いつきの様子で言う。
「そうだ。たまには鑑賞会しようか」
「か、鑑賞会…?」
招かれるままニコの傍らによたよた近づいた瞬間、大きなテレビ画面がふと点灯した。スマートフォンと接続しているという表示が大きく現れる。
ニコのスマホ操作に合わせ、やがて画面に見覚えのある姿が映った。
「こ、これ、は…っ♡」
宮路は思わずニコの肩にしがみついた。骨ばった肌を確認する前に優しい手が重ねられる。
画面にはいかにも作り物といった犬耳をつけ、膝立ちしている宮路がうつっていた。ニコが一度タップするだけでその動画は流れ始める。
『わ、わう、っ、う♡わん、っ♡わ、ん、ん…っ♡』
『ちゃんと鳴けて賢いね、宮路くん。そのまま尻尾を振って』
『う、ぅ、うう…っ』
『振って』
無感情な声に繰り返され、画面の宮路は涙を浮かべながら俯いた。腹に力を入れたのか、膝の間で床を掃くように揺れたのはふさふさとした尾だ。今入っているアナルビーズの湾曲には、こういう飾りがつけられるようになっている。
「あ、ぁ…♡ニコさ…こ、これ、前の…♡」
「うん。かわいいと思わない? ほら座って。一緒に見よう」
ニコはそう言いながら宮路の背中に手を伸ばした。招き寄せる手に宮路は恐る恐るとベッドに座る。柔らかい寝具の上なのでこれまでほどの刺激はなかった。
「ぅ、っ、…っ♡…っはあ…♡ち、ちんぽ、少し、っ気持ち悪い…♡♡」
「あとでザーメンもチェックしようね。…尚くん。ほら」
示され宮路はテレビへ目を戻した。
ニコはこのときベッドの縁で足を組み、いかにも機嫌よさそうにしていたはずだ。実際、動画に入った声は上機嫌だ。
『いい子だね。ほら、取っておいで』
『う、ぅ、うぅ~…っ♡ニコさん、ぅう~…ッ♡う、動けない、っ♡無理、無理…っ♡お腹、つらい、は、は…っ♡』
『犬の鳴き声は?』
『わ、わ…ん…♡んっんっ♡わんっ♡わんっ♡わ、ぅ、うう~っ♡』
小声で鳴きつつ、宮路は膝立ちで移動し始めた。四つん這いになり画面外に顔を突き出すと、あるものを咥えてカメラを振り返る。
それはディルドだ。赤黒く勃起した形のそれは見ているこちらが赤面するほど生々しく、横咥えにする画面の宮路も恥ずかしそうに目を伏せている。
それでもニコに近寄れば全裸の宮路が大写しになる。乳首にはめられた透明な器具もはっきり映った。
「このとき吸引器してから、ここももっと敏感になっちゃったね」
「ひっ♡あ、ぁ…♡」
ラブホテルだ。ニコの手は当たり前のようにシャツの中に入ってきた。まだ自慰の余韻が残る乳首を陰茎のように指先でしごかれ、宮路はニコのスラックスを握り締める。
「はあ、涼しい。やっぱり暑かったな」
ダンスフロアから近いラブホテルだ。男同士でも当然のように入れた部屋は、ベッドとソファが余裕をもって配置されている広い空間だった。
タクシーを使ってくれたからどうにか移動できた。部屋に入るまでのたった数分で早速息を切らしている宮路は、それでも入室してすぐベッドに腰掛けるニコに戸惑う。
「…あ、あの」
「ん?」
「す、スマホは…?」
普段はアングルを確かめながら設置しているスマホを、ニコは無防備に投げ出していた。見慣れない様子に思わず尋ねてしまう。
ニコはきょとんと問い返した。
「え? 撮られたい?」
「い、いえ…」
カメラのレンズに煽られることは多いが、それはニコが興奮していると感じるからだ。ニコにその気がない今撮影されたいとは思わない。
言われたから手が伸びたとばかりに何気なくスマホを取ったニコは、いかにも思いつきの様子で言う。
「そうだ。たまには鑑賞会しようか」
「か、鑑賞会…?」
招かれるままニコの傍らによたよた近づいた瞬間、大きなテレビ画面がふと点灯した。スマートフォンと接続しているという表示が大きく現れる。
ニコのスマホ操作に合わせ、やがて画面に見覚えのある姿が映った。
「こ、これ、は…っ♡」
宮路は思わずニコの肩にしがみついた。骨ばった肌を確認する前に優しい手が重ねられる。
画面にはいかにも作り物といった犬耳をつけ、膝立ちしている宮路がうつっていた。ニコが一度タップするだけでその動画は流れ始める。
『わ、わう、っ、う♡わん、っ♡わ、ん、ん…っ♡』
『ちゃんと鳴けて賢いね、宮路くん。そのまま尻尾を振って』
『う、ぅ、うう…っ』
『振って』
無感情な声に繰り返され、画面の宮路は涙を浮かべながら俯いた。腹に力を入れたのか、膝の間で床を掃くように揺れたのはふさふさとした尾だ。今入っているアナルビーズの湾曲には、こういう飾りがつけられるようになっている。
「あ、ぁ…♡ニコさ…こ、これ、前の…♡」
「うん。かわいいと思わない? ほら座って。一緒に見よう」
ニコはそう言いながら宮路の背中に手を伸ばした。招き寄せる手に宮路は恐る恐るとベッドに座る。柔らかい寝具の上なのでこれまでほどの刺激はなかった。
「ぅ、っ、…っ♡…っはあ…♡ち、ちんぽ、少し、っ気持ち悪い…♡♡」
「あとでザーメンもチェックしようね。…尚くん。ほら」
示され宮路はテレビへ目を戻した。
ニコはこのときベッドの縁で足を組み、いかにも機嫌よさそうにしていたはずだ。実際、動画に入った声は上機嫌だ。
『いい子だね。ほら、取っておいで』
『う、ぅ、うぅ~…っ♡ニコさん、ぅう~…ッ♡う、動けない、っ♡無理、無理…っ♡お腹、つらい、は、は…っ♡』
『犬の鳴き声は?』
『わ、わ…ん…♡んっんっ♡わんっ♡わんっ♡わ、ぅ、うう~っ♡』
小声で鳴きつつ、宮路は膝立ちで移動し始めた。四つん這いになり画面外に顔を突き出すと、あるものを咥えてカメラを振り返る。
それはディルドだ。赤黒く勃起した形のそれは見ているこちらが赤面するほど生々しく、横咥えにする画面の宮路も恥ずかしそうに目を伏せている。
それでもニコに近寄れば全裸の宮路が大写しになる。乳首にはめられた透明な器具もはっきり映った。
「このとき吸引器してから、ここももっと敏感になっちゃったね」
「ひっ♡あ、ぁ…♡」
ラブホテルだ。ニコの手は当たり前のようにシャツの中に入ってきた。まだ自慰の余韻が残る乳首を陰茎のように指先でしごかれ、宮路はニコのスラックスを握り締める。
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