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寄り添う肩②
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その日の放課後、ホームルームの時間を使って桜花祭の出し物を皆で考えることになったのだが……候補が上がり過ぎて派閥抗争が勃発した。
タピオカ、たこ焼き、はし巻き、お好み焼き、ジェラート、手作りアクセサリーと様々な主張が飛び交うが、その中でも壮絶な争いを繰り広げる二つの派閥に吸収されていった。
「このクラスの女子レベルは高い! よって、美少女がその手で握るおにぎり屋だ! おにぎりのクオリティは勿論高めるが、何よりも美少女が握るという箔をつけることでコンビニの三倍の値段は付けられる。下手したらば五倍までは行けると踏んでいる。更に有料で一緒に写メを取れるようにしたら利益増大だ。というか、去年はそれが最大の売上だった! 男は馬鹿な生き物だからな絶対に行ける!」
そう物申すのは祐一君率いる詐欺紛いおにぎり屋だ。男子の大多数を味方につけ、殆どの女子全員を敵に回している。一部の女子は「利益は確かに……」と若干揺れ動いている子がいた。
もう一つの派閥は、
「私は断然、たい焼き屋だよ。材料費のコスパはおにぎりより安いから無茶な金額設定をしなくとも利益が上げられる。レシピは老舗たい焼き屋『金魚亭』さんから教えて貰った秘蔵のレシピがあるから味の保証付き。勿論、看板に名前を出してもいいって許可を貰ってる。これで詐欺みたいな行為しなくたって集客は間違いない!」
私、来栖川美影が率いる老舗の伝統の味で勝負をするたい焼き屋だ。
祐一君の反撃が間髪入れずに始まった。
「詐欺とは酷い! メイド喫茶とかでは当たり前のメニューだぞ!?」
そーだそーだ、と男子共が合の手を入れてくる。
「それに、莫大な利益を上げれば自分たちに還元されるんだぞ? 去年、俺と同じクラスだった奴は知ってるはずだ。最終クラス資金を分配して一人頭三十万円弱が懐にはいったのを!?」
その言葉に対し、「え、マジで?」「流石にあり得ないっしょ!?」「いやいや、マジだぞ」「オレ、それでバイク買ったし」と言った声が上がる。
これはマズイ流れになった。
この学校特有の制度で、年度初めに各クラスに百万円の資金が与えられる。それがクラス資金。その使い方は自由だ。本当に自由。クラスでの食事代に使ってよし、教室の設備を買っても良しだ。そして年間何度も行われる行事の出店資金もこの中から出してもいい。勿論、返金の必要もない。
そしてこのクラス資金には学生達を商売の鬼にする制度が設けられている。
分配制度。年度末の最終決算時に元金を学校に返還することで、余剰分の金額をクラス内で自由に分配することが出来る制度だ。祐一君が一人頭三十万と言ったことから、1クラス約30人で計算すると昨年度の祐一君のクラスは資金を約1000万まで膨れ上がらせたことになる。
付加価値による商品価格の高騰は実際にも行われている手口なので違法ではないし、ウチの会社だって抱き合わせ商法に似たそういった行為もする。
でも、それは盤石な地盤と後ろ盾があるから出来る無茶な手法であって、学校の出し物でやるのはブラックに近いグレーな詐欺行為だと思う。実際に祐一君のクラスへのクレームは多かったと噂を聞いた。と言っても購入者からではなく、それも見ていた側からの『不快』という感情的なクレームらしいけど。
汚い話だが、お金と言うのは人の心を動かす最も単純な起爆剤だ。
事実、祐一君の一言で心を動かされた女子も多数存在している模様。
「利益なら私のクラスだって800万は出したんだからね。分配は23万くらいだったけど……それでも詐欺紛いじゃない真っ当なお金だよ!」
「真っ当ねぇ」
祐一君が含みのある台詞を吐いて、一つ咳払いをした。
「ブラック来栖川」
ぎくり……あー、えっと、何のことかなぁ、あはは。
「お前の所のクラス、確かに利益は出てたよな。でも、本当に真っ当だったか? クラスメイトにトラウマを植え付けるレベルの過重労働が行われていたと噂で聞いたぞ? 幾ら人件費がタダだからって扱き使うのはどうだろうな」
労働環境の改善を要求する! とクラスメイトの何人かが抗議の声を投げて来た。
耳が痛い。
自分の裁量で考えると経営者だから24時間仕事という感覚だし、労働時間という概念がよく分からない。秘書ちゃんにもよく現場の事を考えた仕事配分を心掛けるようにと注意もされていて自分の最大の課題となっている。
しかし、そこへの対応は既に考えている。
「労働環境の改善は約束します! 仕事の配分や調整は私の信頼できる人に力を借りようと思っているので大船に乗って下さい」
秘書ちゃんに手伝って貰えないか打診してみよう。無理なら経理か営業辺りの暇そうにしている人を捕まえてこよう。
ついでにもう一押し、
「そして何よりも、一緒に写真を撮るくらいならたい焼き屋でも出来る!」
「……確かに」
祐一君が掌を拳で叩いた。
私は勝った!
―――
――
―
夜。当たり前のように一緒に帰って来た来栖川と仏頂面のすみれ義姉さんを交えて夕食を摂りつつ家族会議は始まった。
すみれ義姉さんが仏頂面なのは俺と来栖川が放課後に生徒指導室に行かなかったからだ。
ご機嫌取りを兼ねて本日のメニューはすみれ義姉さんの大好物である合いびき肉とおからのハンバーグにしてみた結果……、
「あなた達ね。私の好物を用意したからって呼び出しをバックれた件がチャラになるとか思ってる訳無いわよね?」
火に油を注いだだけでした。
俺と来栖川はダイニングテーブルを挟んですみれ義姉さんの前に並んで座る。
すみれ義姉さんの前には三つのハンバーグ、俺たちの前には水の入ったコップが一つづつ。
罪人に食事は許されない。
「さて、私の呼び出しを無視した理由について弁明くらいは聞いてあげます。同時に同じ答えを言えたら少し考えてあげます」
すみれ義姉さんが指を3本立て、3、2、1ーー
「「忘れてました」」
潔し。
ハンバーグを半分だけ貰った!
2人で一個の半分だけ!
ケチ義姉っ!
「ちょっと、そっちの方が大きくない!?」
「男の子は沢山食べる生き物なんだよ!」
「そんなのどーでもいいから!? レディーファースト!」
「レディなんて何処にいるんだよ。ウチにはケチ義姉と野良猫しかいねぇしーーがぁぁ、あだだだだだぁぁぁ」
すみれ義姉さんのアイアンクローが俺の頭蓋骨を軋ませる。
「ケチ義姉とは誰のことかなぁ?」
すみれ義姉さんは体育会系です。中高大と空手部で全国大会にも出場した経験もあります。
「来栖川さん、祐一は食欲なさそうだから1人で食べて良いみたいよ」
「やったー!? さっきちょっと味見しただけだけど、このハンバーグめっちゃ美味しいんですよね!」
「ふざけんなぁ!? 俺の分残せぇぇあがあっぁぁぁ。割れる割れる、マジ割れるからぁーーーーーー」
その夜、俺に残されたのは色合いに添えたパセリが二つ。
すみれ義姉さんがお風呂に入っている間におにぎりを作って胃袋を満たした俺は、一欠片も食べることが出来なかった夕食の後片付けをする事にした。
「来栖川はいつまでいる気だ?」
ジャージ姿でソファに寝そべりタブレットPCで何かに没頭している来栖川の背中に声を掛けた。
「当分はお世話に成りますー」
和樹さんとの関係がはっきりするまでずっと居座りそうで怖い。
しかし、俺も和樹さんとの関係を聞かれても新製品のテスターくらいしかない。確かに大企業の社長が一介の学生と直接会って近況を聞いて来たりするのは変と言われると変ではあるが。
心辺りが他に無いんだから仕方ない。
明日にでも和樹さんに経緯だけでも伝えておくか。
「お父さんに私がここに居る事教えたら、ありもしない噂を流しまくるからね?」
お前は人の心を読む程度の能力を持っているのか?
まあ、いざとなったらすみれ義姉さんが何かするだろう。
すみれ義姉さんと入れ替わりに来栖川がお風呂へ行った。
「覗いてもいいんだよ?」
なんて挑発をして行ったが、そんな事をしたら俺がすみれ義姉さんに締め殺されるので大人しくしておく。
ソファに座ってテレビを見ていたら、すみれ義姉さんが缶ビール片手に俺の隣に座った。
「ねえ、祐一」
「ん?」
「あの子、タダの家出だと思う?」
「絶対に違う」
「だよねぇー」
「何か聞いてない?」
「特に何も」
俺と和樹さんとの関係について問われたが、イコール家出の理由って事にはならないんじゃないかと思う。それだけなら家出なんてしなくても学校なり放課後なりに呼び出せばいいだけの話だ。
それがここに来た理由かもしれないが、家出の理由は別にある気がする。
来栖川が風呂から上がって選手交代。
湯船や風呂場、脱衣所がいつもよりいい匂いがした。
めちゃくちゃ意識しないようにした。
でもやっぱり、めっちゃいい匂いがしました、まる。だって、年頃の男の子だし! 来栖川は素行はどうあれファッション雑誌に出ても不思議じゃ無いレベルの美少女ですから、意識するなっていう方が無理難題だから!
風呂から上がった後、脱衣所でしばらくクールダウン。
春先とは言え、風呂上りは暑いな。
脱衣所のドアノブの手を掛けた所で手を止めた。
「あー、どうしよう」
左腕にある大きな丸い傷痕。一見、銃創にも思えるそれは、あの事故の時、左前腕に鉄棒が刺さっていた痕だ。
それによる後遺症はないものの、周囲から見ていて気分の良い物ではないから普段は長袖を着てやり過ごしている。家にいる時は、気のする人がいないので風呂上りはとかは半袖のTシャツで過ごすのだが……今日は来栖川がいるんだった。
「まあ、いっか」
来栖川なら気にしないだろう。
「あれ、すみれ義姉さんは?」
「明日早いから寝るって」
「まあ、どうせギリギリまで寝るんだろうけど……なに?」
じぃー、と来栖川が俺の腕を見てくる。やっぱ、隠しといた方が良かったか。
「あー、これは」
「祐一君、銃で撃たれたことあるの!?」
などと目を輝かせて奇想天外な事を宣う来栖川さんでした。
「あの事故の時に鉄の棒が刺さったんだよ」
「うわぁ、痛そう。どんな感じだったの!」
「どんな感じって……」
一年昏睡状態だったから知らん! 起きた時にはもうこの状態でした。
今更、そんな重い話はしたくない。
「あの時、気失ってたから、どんな痛みだとかは分からん」
「そっか……祐一君も私と同じなんだ」
「同じ?」
「私もさ。あの事故には巻き込まれたんだ」
「マジで?」
来栖川も被害者だったという事実よりも、この話が転がされる事に驚き。
この街の人間はあの事件の話をするのが極端に嫌う。誰もが意識的に話題に出す事さえ避けているくらいだ。
年に一度の慰霊日以外は。
「あの時は事故が起きた場所の近くにいて、トラックが事故を起こした直後からの記憶がないんだよね。気付いた時には病院のベッドの上」
俺もよく似た感じだ。トラックが交差点に突っ込んで来たあとの記憶がない。気付いたら一年後だった。
「でも、多分……誰かに助けられたんだ」
多分?
来栖川がジャージのファスナーを少し下ろし、シャツを引っ張って首元から右肩を露出させた。
ブラ紐がない。という事は、やはり女子は寝る時ノーブラなのか!
「ノーブラだけど、そこじゃないから」
睨まれた。
来栖川の肩、ちょうど三角筋がある辺りに手の形をした痣がくっきりと残っていた。
「半日くらい意識を失ってただけで怪我は殆ど無かったんだけどね。でも、右肩に掴まれてたみたいな痣が残ってた。痣の付き方からして、こう私に覆い被さって守るような感じ。お父さんや主治医の先生に聞いても誰が助けてくれたのか、その人が死んでるのか生きているのか、それ以前にそんな人が存在していたのかも分からない。あの時はどこの病院もどこの現場も混乱してたから仕方ないよね」
服装を正しながら来栖川が不思議そうな顔でこっちを見上げてくる。
「祐一君ってさ。この話しても顔色変えないんだね」
「そういうお前もな。嫌じゃないのか?」
「むしろ逆かな」
「逆って……悪趣味だな」
「違う違う。それは誤解。好きって訳じゃないよ。ただ……誰も教えてくれないから知りたいんだ。お父さんも先生も分からない、知らないの一点張り、他の人だってあの事故の事は思い出したくない」
今まで溜め込んで来たモノを掃き出すように来栖川は淡々を言葉を並べていく。
「でも、私は……知りたい。肩の痣のこと。誰が助けてくれたのか、そうじゃないのか。もし、誰かが助けてくれたのなら、その人は生きているのか。生きてるならお礼を言いたい。助けてくれてありがとうって」
来栖川は昔の俺だ。
1年の昏睡状態から目を覚ました時、1ヶ月くらい誰もが1年間もの時間が経っている事を教えてくれなかった。聞いてもはぐらかされるばかり。やりどころのない不安や鬱憤が凄く溜まった。
でも、ふらっと現れた英二さんが全部教えてくれて……みんなが俺の身体や心への負担を考えてやっていてくれた事を知った。
それでも手術をしても杖なしでの生活は難しいだろうって医者から言われた時は生きる希望を失いかけた。
すみれ義姉さんを始め、沢山の人に支えてくれたから、足の手術も辛いリハビリも必死になって頑張れた。
今の俺があるのは何があっても支えてくれた皆んながいてくれたからだ。
けれど、事故の全てを知らされている訳ではない。恐らく、俺の知らない事実もあると思う。でも、俺はそれでもいい。今の俺はそれで納得出来ているから。
来栖川にはそれが無い。
知りたいことがあるのに誰も教えてくれない。
誰かが支えてくれる以前にそうならないようにされている。
納得出来ない状態のまま放置されている。
「変だよね。いきなりこんな話されても困るよね」
来栖川が空元気で笑う。
今まで誰にも聞いて貰えなかったんだな。
「気にするな、来栖川。俺が何でも聞いてやるよ。気が済むまでな」
自然と俺は来栖川の頭を撫でていた。何となく、そうするのが1番な気がした。
俺が救われたようにどうにか救ってやりたい。
「今度、和樹さんに聞いて見るよ」
ーーー
ーー
ー
祐1)
こんばんわ。
和樹さん、相談したい事があるんですが、近い内に時間作れないですか?
出来る限り早いと嬉しい!
かずぴょん)
君から相談なんて珍しいね?
身体に不調とか??
今、開発が立て込んでて中々余裕が無くってね。
来週くらいなら少しなら時間作れると思うけどそれでいい?
急用なら明日にでも調整するけど?
祐1)
いえ、めっちゃ急ぎって訳じゃないんで来週で大丈夫です。
かずぴょん)
オッケー
それじゃあ、来週の水曜日いつもの時間にいつもの場所で。
祐1)
承知!
ありがとうございます!
ーーー
ーー
ー
みかにゃん)
祐一君、さっきはごめん。変な話しちゃって。
でも、ありがと。初めて話ちゃんと聞いて貰えて嬉しかったよ。
祐1)
何度も言ったが気にするな。
俺はあの事故のこと、そんな気にしてないから、普通に話してくれていいぞ。
和樹さんと来週会う事になった。
みかにゃん)
仕事はやっ!?
私のラインとかメールは既読スルーとか適当な返事だけ返してくる癖に!?
許すまじ父(怒りマーク
ところで、
アルバイトはお探しではありませんか?
来栖川エレクトロニクスでは仕事の早い人材をいつでも募集しております。
誰にでも出来る軽作業!
時給は能力により要相談!
週間シフト制!
1日1時間でもOK!
週休二日以上お約束!
各種保険、福利厚生充実!!
部署の垣根を超えて社員同士は仲が良く、アットホームば職場です!!!!
祐1)
いきなり、ちょっと怖いっす!
今は間に合ってるので!
つーか、お前にそんな権限ねぇだろ……
みかにゃん)
あはは、じょーだんだよ。
でも、これでも社長令嬢ですから。口利きくらいしてあげられると思うしバイトしたかったら言ってね♪
祐1)
もしもの時は宜しく!
みかにゃん)
うん!
そいじゃ、おやすみぃ
ーーー
ーー
ー
来栖川和樹=かずぴょん。
来栖川美影=みかにゃん。
間違いなく親子だわ。
タピオカ、たこ焼き、はし巻き、お好み焼き、ジェラート、手作りアクセサリーと様々な主張が飛び交うが、その中でも壮絶な争いを繰り広げる二つの派閥に吸収されていった。
「このクラスの女子レベルは高い! よって、美少女がその手で握るおにぎり屋だ! おにぎりのクオリティは勿論高めるが、何よりも美少女が握るという箔をつけることでコンビニの三倍の値段は付けられる。下手したらば五倍までは行けると踏んでいる。更に有料で一緒に写メを取れるようにしたら利益増大だ。というか、去年はそれが最大の売上だった! 男は馬鹿な生き物だからな絶対に行ける!」
そう物申すのは祐一君率いる詐欺紛いおにぎり屋だ。男子の大多数を味方につけ、殆どの女子全員を敵に回している。一部の女子は「利益は確かに……」と若干揺れ動いている子がいた。
もう一つの派閥は、
「私は断然、たい焼き屋だよ。材料費のコスパはおにぎりより安いから無茶な金額設定をしなくとも利益が上げられる。レシピは老舗たい焼き屋『金魚亭』さんから教えて貰った秘蔵のレシピがあるから味の保証付き。勿論、看板に名前を出してもいいって許可を貰ってる。これで詐欺みたいな行為しなくたって集客は間違いない!」
私、来栖川美影が率いる老舗の伝統の味で勝負をするたい焼き屋だ。
祐一君の反撃が間髪入れずに始まった。
「詐欺とは酷い! メイド喫茶とかでは当たり前のメニューだぞ!?」
そーだそーだ、と男子共が合の手を入れてくる。
「それに、莫大な利益を上げれば自分たちに還元されるんだぞ? 去年、俺と同じクラスだった奴は知ってるはずだ。最終クラス資金を分配して一人頭三十万円弱が懐にはいったのを!?」
その言葉に対し、「え、マジで?」「流石にあり得ないっしょ!?」「いやいや、マジだぞ」「オレ、それでバイク買ったし」と言った声が上がる。
これはマズイ流れになった。
この学校特有の制度で、年度初めに各クラスに百万円の資金が与えられる。それがクラス資金。その使い方は自由だ。本当に自由。クラスでの食事代に使ってよし、教室の設備を買っても良しだ。そして年間何度も行われる行事の出店資金もこの中から出してもいい。勿論、返金の必要もない。
そしてこのクラス資金には学生達を商売の鬼にする制度が設けられている。
分配制度。年度末の最終決算時に元金を学校に返還することで、余剰分の金額をクラス内で自由に分配することが出来る制度だ。祐一君が一人頭三十万と言ったことから、1クラス約30人で計算すると昨年度の祐一君のクラスは資金を約1000万まで膨れ上がらせたことになる。
付加価値による商品価格の高騰は実際にも行われている手口なので違法ではないし、ウチの会社だって抱き合わせ商法に似たそういった行為もする。
でも、それは盤石な地盤と後ろ盾があるから出来る無茶な手法であって、学校の出し物でやるのはブラックに近いグレーな詐欺行為だと思う。実際に祐一君のクラスへのクレームは多かったと噂を聞いた。と言っても購入者からではなく、それも見ていた側からの『不快』という感情的なクレームらしいけど。
汚い話だが、お金と言うのは人の心を動かす最も単純な起爆剤だ。
事実、祐一君の一言で心を動かされた女子も多数存在している模様。
「利益なら私のクラスだって800万は出したんだからね。分配は23万くらいだったけど……それでも詐欺紛いじゃない真っ当なお金だよ!」
「真っ当ねぇ」
祐一君が含みのある台詞を吐いて、一つ咳払いをした。
「ブラック来栖川」
ぎくり……あー、えっと、何のことかなぁ、あはは。
「お前の所のクラス、確かに利益は出てたよな。でも、本当に真っ当だったか? クラスメイトにトラウマを植え付けるレベルの過重労働が行われていたと噂で聞いたぞ? 幾ら人件費がタダだからって扱き使うのはどうだろうな」
労働環境の改善を要求する! とクラスメイトの何人かが抗議の声を投げて来た。
耳が痛い。
自分の裁量で考えると経営者だから24時間仕事という感覚だし、労働時間という概念がよく分からない。秘書ちゃんにもよく現場の事を考えた仕事配分を心掛けるようにと注意もされていて自分の最大の課題となっている。
しかし、そこへの対応は既に考えている。
「労働環境の改善は約束します! 仕事の配分や調整は私の信頼できる人に力を借りようと思っているので大船に乗って下さい」
秘書ちゃんに手伝って貰えないか打診してみよう。無理なら経理か営業辺りの暇そうにしている人を捕まえてこよう。
ついでにもう一押し、
「そして何よりも、一緒に写真を撮るくらいならたい焼き屋でも出来る!」
「……確かに」
祐一君が掌を拳で叩いた。
私は勝った!
―――
――
―
夜。当たり前のように一緒に帰って来た来栖川と仏頂面のすみれ義姉さんを交えて夕食を摂りつつ家族会議は始まった。
すみれ義姉さんが仏頂面なのは俺と来栖川が放課後に生徒指導室に行かなかったからだ。
ご機嫌取りを兼ねて本日のメニューはすみれ義姉さんの大好物である合いびき肉とおからのハンバーグにしてみた結果……、
「あなた達ね。私の好物を用意したからって呼び出しをバックれた件がチャラになるとか思ってる訳無いわよね?」
火に油を注いだだけでした。
俺と来栖川はダイニングテーブルを挟んですみれ義姉さんの前に並んで座る。
すみれ義姉さんの前には三つのハンバーグ、俺たちの前には水の入ったコップが一つづつ。
罪人に食事は許されない。
「さて、私の呼び出しを無視した理由について弁明くらいは聞いてあげます。同時に同じ答えを言えたら少し考えてあげます」
すみれ義姉さんが指を3本立て、3、2、1ーー
「「忘れてました」」
潔し。
ハンバーグを半分だけ貰った!
2人で一個の半分だけ!
ケチ義姉っ!
「ちょっと、そっちの方が大きくない!?」
「男の子は沢山食べる生き物なんだよ!」
「そんなのどーでもいいから!? レディーファースト!」
「レディなんて何処にいるんだよ。ウチにはケチ義姉と野良猫しかいねぇしーーがぁぁ、あだだだだだぁぁぁ」
すみれ義姉さんのアイアンクローが俺の頭蓋骨を軋ませる。
「ケチ義姉とは誰のことかなぁ?」
すみれ義姉さんは体育会系です。中高大と空手部で全国大会にも出場した経験もあります。
「来栖川さん、祐一は食欲なさそうだから1人で食べて良いみたいよ」
「やったー!? さっきちょっと味見しただけだけど、このハンバーグめっちゃ美味しいんですよね!」
「ふざけんなぁ!? 俺の分残せぇぇあがあっぁぁぁ。割れる割れる、マジ割れるからぁーーーーーー」
その夜、俺に残されたのは色合いに添えたパセリが二つ。
すみれ義姉さんがお風呂に入っている間におにぎりを作って胃袋を満たした俺は、一欠片も食べることが出来なかった夕食の後片付けをする事にした。
「来栖川はいつまでいる気だ?」
ジャージ姿でソファに寝そべりタブレットPCで何かに没頭している来栖川の背中に声を掛けた。
「当分はお世話に成りますー」
和樹さんとの関係がはっきりするまでずっと居座りそうで怖い。
しかし、俺も和樹さんとの関係を聞かれても新製品のテスターくらいしかない。確かに大企業の社長が一介の学生と直接会って近況を聞いて来たりするのは変と言われると変ではあるが。
心辺りが他に無いんだから仕方ない。
明日にでも和樹さんに経緯だけでも伝えておくか。
「お父さんに私がここに居る事教えたら、ありもしない噂を流しまくるからね?」
お前は人の心を読む程度の能力を持っているのか?
まあ、いざとなったらすみれ義姉さんが何かするだろう。
すみれ義姉さんと入れ替わりに来栖川がお風呂へ行った。
「覗いてもいいんだよ?」
なんて挑発をして行ったが、そんな事をしたら俺がすみれ義姉さんに締め殺されるので大人しくしておく。
ソファに座ってテレビを見ていたら、すみれ義姉さんが缶ビール片手に俺の隣に座った。
「ねえ、祐一」
「ん?」
「あの子、タダの家出だと思う?」
「絶対に違う」
「だよねぇー」
「何か聞いてない?」
「特に何も」
俺と和樹さんとの関係について問われたが、イコール家出の理由って事にはならないんじゃないかと思う。それだけなら家出なんてしなくても学校なり放課後なりに呼び出せばいいだけの話だ。
それがここに来た理由かもしれないが、家出の理由は別にある気がする。
来栖川が風呂から上がって選手交代。
湯船や風呂場、脱衣所がいつもよりいい匂いがした。
めちゃくちゃ意識しないようにした。
でもやっぱり、めっちゃいい匂いがしました、まる。だって、年頃の男の子だし! 来栖川は素行はどうあれファッション雑誌に出ても不思議じゃ無いレベルの美少女ですから、意識するなっていう方が無理難題だから!
風呂から上がった後、脱衣所でしばらくクールダウン。
春先とは言え、風呂上りは暑いな。
脱衣所のドアノブの手を掛けた所で手を止めた。
「あー、どうしよう」
左腕にある大きな丸い傷痕。一見、銃創にも思えるそれは、あの事故の時、左前腕に鉄棒が刺さっていた痕だ。
それによる後遺症はないものの、周囲から見ていて気分の良い物ではないから普段は長袖を着てやり過ごしている。家にいる時は、気のする人がいないので風呂上りはとかは半袖のTシャツで過ごすのだが……今日は来栖川がいるんだった。
「まあ、いっか」
来栖川なら気にしないだろう。
「あれ、すみれ義姉さんは?」
「明日早いから寝るって」
「まあ、どうせギリギリまで寝るんだろうけど……なに?」
じぃー、と来栖川が俺の腕を見てくる。やっぱ、隠しといた方が良かったか。
「あー、これは」
「祐一君、銃で撃たれたことあるの!?」
などと目を輝かせて奇想天外な事を宣う来栖川さんでした。
「あの事故の時に鉄の棒が刺さったんだよ」
「うわぁ、痛そう。どんな感じだったの!」
「どんな感じって……」
一年昏睡状態だったから知らん! 起きた時にはもうこの状態でした。
今更、そんな重い話はしたくない。
「あの時、気失ってたから、どんな痛みだとかは分からん」
「そっか……祐一君も私と同じなんだ」
「同じ?」
「私もさ。あの事故には巻き込まれたんだ」
「マジで?」
来栖川も被害者だったという事実よりも、この話が転がされる事に驚き。
この街の人間はあの事件の話をするのが極端に嫌う。誰もが意識的に話題に出す事さえ避けているくらいだ。
年に一度の慰霊日以外は。
「あの時は事故が起きた場所の近くにいて、トラックが事故を起こした直後からの記憶がないんだよね。気付いた時には病院のベッドの上」
俺もよく似た感じだ。トラックが交差点に突っ込んで来たあとの記憶がない。気付いたら一年後だった。
「でも、多分……誰かに助けられたんだ」
多分?
来栖川がジャージのファスナーを少し下ろし、シャツを引っ張って首元から右肩を露出させた。
ブラ紐がない。という事は、やはり女子は寝る時ノーブラなのか!
「ノーブラだけど、そこじゃないから」
睨まれた。
来栖川の肩、ちょうど三角筋がある辺りに手の形をした痣がくっきりと残っていた。
「半日くらい意識を失ってただけで怪我は殆ど無かったんだけどね。でも、右肩に掴まれてたみたいな痣が残ってた。痣の付き方からして、こう私に覆い被さって守るような感じ。お父さんや主治医の先生に聞いても誰が助けてくれたのか、その人が死んでるのか生きているのか、それ以前にそんな人が存在していたのかも分からない。あの時はどこの病院もどこの現場も混乱してたから仕方ないよね」
服装を正しながら来栖川が不思議そうな顔でこっちを見上げてくる。
「祐一君ってさ。この話しても顔色変えないんだね」
「そういうお前もな。嫌じゃないのか?」
「むしろ逆かな」
「逆って……悪趣味だな」
「違う違う。それは誤解。好きって訳じゃないよ。ただ……誰も教えてくれないから知りたいんだ。お父さんも先生も分からない、知らないの一点張り、他の人だってあの事故の事は思い出したくない」
今まで溜め込んで来たモノを掃き出すように来栖川は淡々を言葉を並べていく。
「でも、私は……知りたい。肩の痣のこと。誰が助けてくれたのか、そうじゃないのか。もし、誰かが助けてくれたのなら、その人は生きているのか。生きてるならお礼を言いたい。助けてくれてありがとうって」
来栖川は昔の俺だ。
1年の昏睡状態から目を覚ました時、1ヶ月くらい誰もが1年間もの時間が経っている事を教えてくれなかった。聞いてもはぐらかされるばかり。やりどころのない不安や鬱憤が凄く溜まった。
でも、ふらっと現れた英二さんが全部教えてくれて……みんなが俺の身体や心への負担を考えてやっていてくれた事を知った。
それでも手術をしても杖なしでの生活は難しいだろうって医者から言われた時は生きる希望を失いかけた。
すみれ義姉さんを始め、沢山の人に支えてくれたから、足の手術も辛いリハビリも必死になって頑張れた。
今の俺があるのは何があっても支えてくれた皆んながいてくれたからだ。
けれど、事故の全てを知らされている訳ではない。恐らく、俺の知らない事実もあると思う。でも、俺はそれでもいい。今の俺はそれで納得出来ているから。
来栖川にはそれが無い。
知りたいことがあるのに誰も教えてくれない。
誰かが支えてくれる以前にそうならないようにされている。
納得出来ない状態のまま放置されている。
「変だよね。いきなりこんな話されても困るよね」
来栖川が空元気で笑う。
今まで誰にも聞いて貰えなかったんだな。
「気にするな、来栖川。俺が何でも聞いてやるよ。気が済むまでな」
自然と俺は来栖川の頭を撫でていた。何となく、そうするのが1番な気がした。
俺が救われたようにどうにか救ってやりたい。
「今度、和樹さんに聞いて見るよ」
ーーー
ーー
ー
祐1)
こんばんわ。
和樹さん、相談したい事があるんですが、近い内に時間作れないですか?
出来る限り早いと嬉しい!
かずぴょん)
君から相談なんて珍しいね?
身体に不調とか??
今、開発が立て込んでて中々余裕が無くってね。
来週くらいなら少しなら時間作れると思うけどそれでいい?
急用なら明日にでも調整するけど?
祐1)
いえ、めっちゃ急ぎって訳じゃないんで来週で大丈夫です。
かずぴょん)
オッケー
それじゃあ、来週の水曜日いつもの時間にいつもの場所で。
祐1)
承知!
ありがとうございます!
ーーー
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みかにゃん)
祐一君、さっきはごめん。変な話しちゃって。
でも、ありがと。初めて話ちゃんと聞いて貰えて嬉しかったよ。
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何度も言ったが気にするな。
俺はあの事故のこと、そんな気にしてないから、普通に話してくれていいぞ。
和樹さんと来週会う事になった。
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みかにゃん)
あはは、じょーだんだよ。
でも、これでも社長令嬢ですから。口利きくらいしてあげられると思うしバイトしたかったら言ってね♪
祐1)
もしもの時は宜しく!
みかにゃん)
うん!
そいじゃ、おやすみぃ
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来栖川和樹=かずぴょん。
来栖川美影=みかにゃん。
間違いなく親子だわ。
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