30 / 59
Episode 30. アンデッド退治
しおりを挟む
「ピュアリファイ!!」
ワカクサが浄化魔法を唱える。
多くのアンデッドが光となって消えていった。
「すごい!!全くダメージを与えてない魔物まで...」
マリーはレベル10の浄化魔法の威力に目を見張る。
「低レベルのアンデッドならダメージを与える必要すらありません。もちろん、高レベルの魔物になるほど、浄化は難しくなりますが、それでも4分の1まで体力を減らせば大抵、浄化できます」
ワカクサがいつものように淡々とした表情で説明してくれる。
「よっと!」
<スバン!!>
ローズの一撃でスケルトンがバラバラになる。
しかし、バラバラになった骨が元通りにくっつき、元に戻ってしまった。
「そんなにダメージを与えてはいけませんわ!!ワカクサが浄化してくれますから、軽くでいいのです!」
スカーレットがそう言いながら、ゾンビを軽く撫で斬った。
「グワ~~~!!」
斬られたゾンビが襲いかかってくるが、
「ピュアリファイ!!」
ワカクサの魔法でゾンビが消え失せる。
「難しいわね!これでも手を抜いてるんだけど...」
ローズはちょうどいい手加減に苦労していた。
「ここはわたくしたちに任せて、奥の屋敷跡を見てきてくださる?」
スカーレットがそんなローズを見て言う。
「悪いわね!やっぱりついてきてもらって正解だったわ!!...マリー!行きましょう!!」
「うん!!」
ローズがマリーを伴って集落の奥へと走る。
「もし、強力なアンデッドがいたら無理をしてはいけませんわよ!!わたくしたちもすぐに向かいますから、それまで攻撃は控えてくださいましね!!」
スカーレットがローズの背中に向かって叫ぶと、
「分かってるわ!!あたしにはアンデッド退治は向いてないみたい!!頼りにしてるわよ!!」
ローズは走りながら振り返り、にっこり笑って去っていった。
「手を抜いてあれですか...全く、上には上がいますわね...」
スカーレットはそう言って、寂しそうな顔をした。
「お嬢様にはお嬢様の良さがあります。私は分かっていますのでお気を落とさずに...」
その様子を見たワカクサが元気づける。
「分かってますわ!!雑魚アンデッドはさっさと倒して、あの子たちを追いかけますわよ!!」
「はい!お任せください!!...ピュアリファイ!!」
スカーレットとワカクサはみるみるうちにアンデッドを片付けていった。
☆彡彡彡
「何もいないみたいだね!」
トロルロードの屋敷だった場所に入ったマリーたちはがらんどうになった空間を見つめていた。
「・・・」
しかし、ローズはトロルロードの死体があったはずの場所を見つめている。
「どうしたの?」
マリーが聞くと、
「おかしいわ!あれから1週間くらいしか経っていないのにもう骨だけになってるなんて...」
ローズの言葉にマリーが見ると、そこには骨しか残っていなかった。
しかも、トロルロードの骨にしては骨格がおかしな気がする。
「確かにおかしいね!でも何の変哲もない骨だよ!!」
マリーが近づいて手に取ろうとする。
「ダメ!!不用意に近づいちゃ!!」
ローズが叫ぶ。
「えっ?!」
思わず後ろを振り返ったマリーの後ろで骨が動き出し、形を作り出した。
<カチャ!カチャ!カチャ!>
「危ない!!」
ローズがマリーに飛びつき、抱きしめるとそのまま横っ飛びで骨から距離を取った。
<ズシ~~~~ン!!>
ちょうどマリーがいた場所で、重い何かで踏みつけたような音がする。
<ズザザ~~~~!!>
ローズがマリーを庇いながら、背中で着地する。
勢いでしばらく滑っていく音が響いた。
「大丈夫?!ローズちゃん!!」
マリーが心配するが、
「あたしなら大丈夫よ!!さすが魔法の防具ね!これくらいじゃ怪我もしないわ!!」
ローズは安心させるようににっこり笑う。しかし、
「あっ!!」
ローズが思わず声を上げる。マリーがローズのドレスを捲り上げ、背中を確かめたのだ。
「ホントだ!怪我してない!!良かった!!」
マリーが一安心する。
「あの...もういいかしら...」
ローズが真っ赤になりながら恥ずかしそうな声で聞いてきた。
マリーが気づくと、ドレスを後ろから高く捲り上げ、下着が丸見えになっていた。
「ゴ、ゴ、ゴメン!!」
マリーが顔を赤くしながら慌ててドレスを戻す。
「気にしてないわよ!マリーはあたしが心配で見てくれたのよね?」
ローズがまだ赤いままの顔で聞くと、
「も、も、もちろんだよ!!し、下着を見ちゃったのは不可抗力で...」
マリーはしどろもどろになってしまう。
「ふふ。あたしはマリーが心配で全部、見ちゃったものね!そのくらいいいわよ!」
ローズがその様子を可愛く思い、ついトロルロードを倒した後のことを話してしまう。すると、
「あっ!!」
マリーはその時のことを思い出して、真っ赤になってしまった。
その時、
<ズシ~~~~ン!!>
また、何かが踏みつける音。
しかし、ローズはマリーを抱きかかえると、サッと避ける。今度は余裕があったようで慌てた様子はない。
「その話は後よ!!コイツは...」
ローズが踏みつけてきた骨の塊に目を向ける。マリーも同時にそれを見つめていた。
「ドラゴスケルトン...」
ローズが巨大な魔物の名前を呼ぶ。
その魔物は骨だけでできているが、紛うことなきドラゴンの形をしていた。
「ドラゴスケルトン...これが...」
マリーが怯えた顔で魔物を見つめる。
それもそのはず、ドラゴスケルトンは本物のドラゴンと同じだけの身体能力を持つ。
ブレスは吐けないが、その代わり、体が骨だけで出来ている為、防御力が非常に高い。
特に斬撃や刺突には強い耐性があった。
「まさか、アンデッドの最上位種に出会うとはね...」
ローズもさすがに焦っているのか、額に汗が流れている。
「ど、どうするの?私の魔法じゃ...」
マリーがローズに聞くが、
「一旦、撤退よ!!スカーレットたちと合流しましょ!」
「うん!!」
ローズの言葉にマリーは同意し、二人で出口に走った。しかし、
<バキバキバキ!!>
出口が崩壊する。
ドラゴスケルトンがその長い尻尾で出入口を破壊したのだ。
「くっ!!逃がさない気ね!!そこまでいうならやってやろうじゃない!!」
ローズは逆に闘志に火がついたようだった。
ドラゴスケルトン目がけてジャンプすると、重い一撃を食らわす。
<バキ~~~~~ン!!>
「くっ!!」
思わず、ローズの顔が歪む。
骨が硬くて思うようにダメージを与えられないようだった。
「仕方ないわね!!スカーレットたちが来るまで凌ぐわよ!!」
そう言うと、ローズはマリーに攻撃が行かないように、積極的に斬りかかっていくのだった。
☆彡彡彡
<バキバキバキ!!>
目の前でトロルロードの屋敷の入口が崩壊する。
「くっ!!中で何が起こっていますの?!これはただ事ではありませんことよ!!」
スカーレットがその様子を見ながら叫んでいた。
「これはかなり強力なアンデッドがローズさんたちと交戦しているようですね。真っ先に思い浮かぶのは...ドラゴスケルトン!」
ワカクサが答える。
「ドラゴスケルトン?!バカみたいに硬い上に、斬撃に耐性がある。しかも驚くほどの体力を持っている...レベル1の浄化魔法で浄化できるまで体力を削るのは...」
「ええ。いくらローズさんでも難しいかと...」
スカーレットの言葉をワカクサが引き取った。
「とにかく助太刀しますわよ!!入口をこじ開けて...」
スカーレットが崩れた入口に向けて剣を振り上げた時、
「!!対魔法障壁!」
何かに気づいたワカクサが防御魔法を唱える。その瞬間、
「ファイアウォール!!」
<ゴォォ~~~~~!!>
無機質な声と共に、辺りを火炎が覆い尽くした。
「まさか!!」
スカーレットが振り向くとそこにいたのは...スケルトン系の魔法使いの最上位種・リッチだった。
ワカクサが浄化魔法を唱える。
多くのアンデッドが光となって消えていった。
「すごい!!全くダメージを与えてない魔物まで...」
マリーはレベル10の浄化魔法の威力に目を見張る。
「低レベルのアンデッドならダメージを与える必要すらありません。もちろん、高レベルの魔物になるほど、浄化は難しくなりますが、それでも4分の1まで体力を減らせば大抵、浄化できます」
ワカクサがいつものように淡々とした表情で説明してくれる。
「よっと!」
<スバン!!>
ローズの一撃でスケルトンがバラバラになる。
しかし、バラバラになった骨が元通りにくっつき、元に戻ってしまった。
「そんなにダメージを与えてはいけませんわ!!ワカクサが浄化してくれますから、軽くでいいのです!」
スカーレットがそう言いながら、ゾンビを軽く撫で斬った。
「グワ~~~!!」
斬られたゾンビが襲いかかってくるが、
「ピュアリファイ!!」
ワカクサの魔法でゾンビが消え失せる。
「難しいわね!これでも手を抜いてるんだけど...」
ローズはちょうどいい手加減に苦労していた。
「ここはわたくしたちに任せて、奥の屋敷跡を見てきてくださる?」
スカーレットがそんなローズを見て言う。
「悪いわね!やっぱりついてきてもらって正解だったわ!!...マリー!行きましょう!!」
「うん!!」
ローズがマリーを伴って集落の奥へと走る。
「もし、強力なアンデッドがいたら無理をしてはいけませんわよ!!わたくしたちもすぐに向かいますから、それまで攻撃は控えてくださいましね!!」
スカーレットがローズの背中に向かって叫ぶと、
「分かってるわ!!あたしにはアンデッド退治は向いてないみたい!!頼りにしてるわよ!!」
ローズは走りながら振り返り、にっこり笑って去っていった。
「手を抜いてあれですか...全く、上には上がいますわね...」
スカーレットはそう言って、寂しそうな顔をした。
「お嬢様にはお嬢様の良さがあります。私は分かっていますのでお気を落とさずに...」
その様子を見たワカクサが元気づける。
「分かってますわ!!雑魚アンデッドはさっさと倒して、あの子たちを追いかけますわよ!!」
「はい!お任せください!!...ピュアリファイ!!」
スカーレットとワカクサはみるみるうちにアンデッドを片付けていった。
☆彡彡彡
「何もいないみたいだね!」
トロルロードの屋敷だった場所に入ったマリーたちはがらんどうになった空間を見つめていた。
「・・・」
しかし、ローズはトロルロードの死体があったはずの場所を見つめている。
「どうしたの?」
マリーが聞くと、
「おかしいわ!あれから1週間くらいしか経っていないのにもう骨だけになってるなんて...」
ローズの言葉にマリーが見ると、そこには骨しか残っていなかった。
しかも、トロルロードの骨にしては骨格がおかしな気がする。
「確かにおかしいね!でも何の変哲もない骨だよ!!」
マリーが近づいて手に取ろうとする。
「ダメ!!不用意に近づいちゃ!!」
ローズが叫ぶ。
「えっ?!」
思わず後ろを振り返ったマリーの後ろで骨が動き出し、形を作り出した。
<カチャ!カチャ!カチャ!>
「危ない!!」
ローズがマリーに飛びつき、抱きしめるとそのまま横っ飛びで骨から距離を取った。
<ズシ~~~~ン!!>
ちょうどマリーがいた場所で、重い何かで踏みつけたような音がする。
<ズザザ~~~~!!>
ローズがマリーを庇いながら、背中で着地する。
勢いでしばらく滑っていく音が響いた。
「大丈夫?!ローズちゃん!!」
マリーが心配するが、
「あたしなら大丈夫よ!!さすが魔法の防具ね!これくらいじゃ怪我もしないわ!!」
ローズは安心させるようににっこり笑う。しかし、
「あっ!!」
ローズが思わず声を上げる。マリーがローズのドレスを捲り上げ、背中を確かめたのだ。
「ホントだ!怪我してない!!良かった!!」
マリーが一安心する。
「あの...もういいかしら...」
ローズが真っ赤になりながら恥ずかしそうな声で聞いてきた。
マリーが気づくと、ドレスを後ろから高く捲り上げ、下着が丸見えになっていた。
「ゴ、ゴ、ゴメン!!」
マリーが顔を赤くしながら慌ててドレスを戻す。
「気にしてないわよ!マリーはあたしが心配で見てくれたのよね?」
ローズがまだ赤いままの顔で聞くと、
「も、も、もちろんだよ!!し、下着を見ちゃったのは不可抗力で...」
マリーはしどろもどろになってしまう。
「ふふ。あたしはマリーが心配で全部、見ちゃったものね!そのくらいいいわよ!」
ローズがその様子を可愛く思い、ついトロルロードを倒した後のことを話してしまう。すると、
「あっ!!」
マリーはその時のことを思い出して、真っ赤になってしまった。
その時、
<ズシ~~~~ン!!>
また、何かが踏みつける音。
しかし、ローズはマリーを抱きかかえると、サッと避ける。今度は余裕があったようで慌てた様子はない。
「その話は後よ!!コイツは...」
ローズが踏みつけてきた骨の塊に目を向ける。マリーも同時にそれを見つめていた。
「ドラゴスケルトン...」
ローズが巨大な魔物の名前を呼ぶ。
その魔物は骨だけでできているが、紛うことなきドラゴンの形をしていた。
「ドラゴスケルトン...これが...」
マリーが怯えた顔で魔物を見つめる。
それもそのはず、ドラゴスケルトンは本物のドラゴンと同じだけの身体能力を持つ。
ブレスは吐けないが、その代わり、体が骨だけで出来ている為、防御力が非常に高い。
特に斬撃や刺突には強い耐性があった。
「まさか、アンデッドの最上位種に出会うとはね...」
ローズもさすがに焦っているのか、額に汗が流れている。
「ど、どうするの?私の魔法じゃ...」
マリーがローズに聞くが、
「一旦、撤退よ!!スカーレットたちと合流しましょ!」
「うん!!」
ローズの言葉にマリーは同意し、二人で出口に走った。しかし、
<バキバキバキ!!>
出口が崩壊する。
ドラゴスケルトンがその長い尻尾で出入口を破壊したのだ。
「くっ!!逃がさない気ね!!そこまでいうならやってやろうじゃない!!」
ローズは逆に闘志に火がついたようだった。
ドラゴスケルトン目がけてジャンプすると、重い一撃を食らわす。
<バキ~~~~~ン!!>
「くっ!!」
思わず、ローズの顔が歪む。
骨が硬くて思うようにダメージを与えられないようだった。
「仕方ないわね!!スカーレットたちが来るまで凌ぐわよ!!」
そう言うと、ローズはマリーに攻撃が行かないように、積極的に斬りかかっていくのだった。
☆彡彡彡
<バキバキバキ!!>
目の前でトロルロードの屋敷の入口が崩壊する。
「くっ!!中で何が起こっていますの?!これはただ事ではありませんことよ!!」
スカーレットがその様子を見ながら叫んでいた。
「これはかなり強力なアンデッドがローズさんたちと交戦しているようですね。真っ先に思い浮かぶのは...ドラゴスケルトン!」
ワカクサが答える。
「ドラゴスケルトン?!バカみたいに硬い上に、斬撃に耐性がある。しかも驚くほどの体力を持っている...レベル1の浄化魔法で浄化できるまで体力を削るのは...」
「ええ。いくらローズさんでも難しいかと...」
スカーレットの言葉をワカクサが引き取った。
「とにかく助太刀しますわよ!!入口をこじ開けて...」
スカーレットが崩れた入口に向けて剣を振り上げた時、
「!!対魔法障壁!」
何かに気づいたワカクサが防御魔法を唱える。その瞬間、
「ファイアウォール!!」
<ゴォォ~~~~~!!>
無機質な声と共に、辺りを火炎が覆い尽くした。
「まさか!!」
スカーレットが振り向くとそこにいたのは...スケルトン系の魔法使いの最上位種・リッチだった。
0
あなたにおすすめの小説
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる