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「エナはまだ翼がはえていないのね、ねぇ空をとんだことはあるの?」
無邪気にこちらを探ってくるのは、ルドヴィークの妹ちゃんその2。くるくるツインテが可愛い幼女シェリル姫。
「リルったら、あの絵は画家の想像なのよ。羽がないのはそういうことでしょ」
ふふんと推理を披露するのは妹ちゃんその1クリスティナ姫。紅茶に砂糖を大量に投下した甘党ガールだ。
「神様が私をこちらへ寄こす際に、人の姿を与えたのです。それまでの自分がどんな姿だったのか、空を飛べたのか…あまり記憶がないのですわ。天の話を広めないようにでしょうね、きっと」
なんちゃって。
勝手に設定盛ってもいいんだけど、その場で考えたノリが後世にまで伝わったら大変だもんね。
「色々聞いてみたい気持ちは分かるけれど、エナは昨日この地に来たばかりよ?リグリス国の姫として、この国の事を教えてあげたらどうかしら」
私が聞いて欲しくなさそうなのを察したマルツェラ王妃がやんわり提案する。
シェリルが名産の果物の話をすれば、クリスティナがそれを使った名物料理の話をしてくれた。そしてその料理というのは今目の前にある絶品スイーツだそうな。
「甘みと酸味のバランスが最高で、香りもいいですわね。すごく美味しいですわ」
大粒の葡萄のような見た目で、味は苺っぽい。その謎の果物が蜂蜜で煮られて硬めのケーキの上にアイスと共に飾られている。そこまでインスタ映えはしないけど、味だけで行列ができる店になれるだろう味だ。
さてこのお茶会、話を伝えるや否や準備もまだできていないのに飛び出してきた姫様方のおかげで突貫なのである。ルドヴィークはまだ薔薇に火を灯せていないのか、ケーキを食べ終わっても姿を見せない。
そう、本来見せたかった火の灯る薔薇園がまだ完成していないので、お部屋でお茶会をしている最中なのよ。
「もうひとついかが?」
ぽっちゃりクリスティナからの甘いお誘い。
「是非いただきます。…その前に、ルドヴィークの様子を見てきますね」
アイスが溶けるギリギリまで粘りゆっくり食べてあげたのに、今だ姿を見せないルドヴィーク。一応ここからここまでって指示してきたんだけど、ほんの一角だけだ。そんなに時間かからないはずなんだけどな?
部屋を出て、メイドさんに案内されながら外に出る。広い家だけど、この道は覚えましたよっと。
薔薇園に近づくと、声が聞こえる。キャンプファイヤーってね。まだやってるのか。
「遅いですよルドヴィーク」
声をかけると、悲しそうに振り返られた。ごめんて。
「赤い薔薇にしか魔法がかからないのです」
「え、私にはこれもそれも赤に見えるんですけど」
燃えているのは、真っ赤な薔薇が10輪ほど。燃えていないのは、日の当たり具合で少しオレンジっぽかったりピンクがかっていたり。でもそれは気にして見れば、ってだけで余裕で赤色と判断していいレベルだと思う。神経質すぎるわ。
「これは赤い薔薇です。私が言うのですから間違いありませんわ!貴方は赤い物に火を付けれる。私を信じて、もう一度やってごらんなさい」
「はい」
神妙に頷き、薔薇に目を向ける。
「キャンプファイヤー!」
ぱっと花が開くように、ぽっと火がともっていく。ここまで、と指定した範囲を超えて、もう一つ奥の薔薇にも火が灯る。白とピンクの薔薇は燃えるそぶりはないけれど、"赤い薔薇に火を付ける"はマスターしたっぽいから上場かな。
「うわっ!?」
傍で見ていたマルクが、悲鳴を上げる。そりゃびっくりするよね、ルドヴィークの赤いマントが燃えているんだもの。
「ちょっと、どういうことなんですの」
「…」
「考え込んでいるのは、思考を整理しているからですの?」
「いえ、エナの話し方が変わったなと思いまして…妹たちの影響ですか」
ごっほんごほん。あら私こんな感じじゃなかったかしらぁ。おほほほほ。
うっかり私の考えたお嬢様言葉になってたわ、だってお嬢様と一緒だったからしょうがないよね!
「いえいえいえいえいえ、それで?何だか魔法の範囲が広がってるみたいだけど」
「おそらくエナ様が"赤い物"とおっしゃったので、薔薇に限らず赤色に効果が移ったのではないでしょうか」
「素直何だか捻くれてるんだか分かんないなぁ。まぁ今日の所はこれでいいんじゃない?妹ちゃん達待ってくれてるし、お茶しよ。食べたらここに連れてこればいいし」
「ええ、そうしましょう」
「あのー、マントの火は消してからの方がよろしいかと。皆様驚かれます」
マルクはとめたけど、一目で魔法が使えるようになったと分かっていいと思うから、私の一存で燃える王子のまま登場することにした。
結果。
「お兄様!?」
「ルーク!!!」
「キャーーー!」
あの、ほんのいたずら心だったんです…驚かせてゴミンガ。
無邪気にこちらを探ってくるのは、ルドヴィークの妹ちゃんその2。くるくるツインテが可愛い幼女シェリル姫。
「リルったら、あの絵は画家の想像なのよ。羽がないのはそういうことでしょ」
ふふんと推理を披露するのは妹ちゃんその1クリスティナ姫。紅茶に砂糖を大量に投下した甘党ガールだ。
「神様が私をこちらへ寄こす際に、人の姿を与えたのです。それまでの自分がどんな姿だったのか、空を飛べたのか…あまり記憶がないのですわ。天の話を広めないようにでしょうね、きっと」
なんちゃって。
勝手に設定盛ってもいいんだけど、その場で考えたノリが後世にまで伝わったら大変だもんね。
「色々聞いてみたい気持ちは分かるけれど、エナは昨日この地に来たばかりよ?リグリス国の姫として、この国の事を教えてあげたらどうかしら」
私が聞いて欲しくなさそうなのを察したマルツェラ王妃がやんわり提案する。
シェリルが名産の果物の話をすれば、クリスティナがそれを使った名物料理の話をしてくれた。そしてその料理というのは今目の前にある絶品スイーツだそうな。
「甘みと酸味のバランスが最高で、香りもいいですわね。すごく美味しいですわ」
大粒の葡萄のような見た目で、味は苺っぽい。その謎の果物が蜂蜜で煮られて硬めのケーキの上にアイスと共に飾られている。そこまでインスタ映えはしないけど、味だけで行列ができる店になれるだろう味だ。
さてこのお茶会、話を伝えるや否や準備もまだできていないのに飛び出してきた姫様方のおかげで突貫なのである。ルドヴィークはまだ薔薇に火を灯せていないのか、ケーキを食べ終わっても姿を見せない。
そう、本来見せたかった火の灯る薔薇園がまだ完成していないので、お部屋でお茶会をしている最中なのよ。
「もうひとついかが?」
ぽっちゃりクリスティナからの甘いお誘い。
「是非いただきます。…その前に、ルドヴィークの様子を見てきますね」
アイスが溶けるギリギリまで粘りゆっくり食べてあげたのに、今だ姿を見せないルドヴィーク。一応ここからここまでって指示してきたんだけど、ほんの一角だけだ。そんなに時間かからないはずなんだけどな?
部屋を出て、メイドさんに案内されながら外に出る。広い家だけど、この道は覚えましたよっと。
薔薇園に近づくと、声が聞こえる。キャンプファイヤーってね。まだやってるのか。
「遅いですよルドヴィーク」
声をかけると、悲しそうに振り返られた。ごめんて。
「赤い薔薇にしか魔法がかからないのです」
「え、私にはこれもそれも赤に見えるんですけど」
燃えているのは、真っ赤な薔薇が10輪ほど。燃えていないのは、日の当たり具合で少しオレンジっぽかったりピンクがかっていたり。でもそれは気にして見れば、ってだけで余裕で赤色と判断していいレベルだと思う。神経質すぎるわ。
「これは赤い薔薇です。私が言うのですから間違いありませんわ!貴方は赤い物に火を付けれる。私を信じて、もう一度やってごらんなさい」
「はい」
神妙に頷き、薔薇に目を向ける。
「キャンプファイヤー!」
ぱっと花が開くように、ぽっと火がともっていく。ここまで、と指定した範囲を超えて、もう一つ奥の薔薇にも火が灯る。白とピンクの薔薇は燃えるそぶりはないけれど、"赤い薔薇に火を付ける"はマスターしたっぽいから上場かな。
「うわっ!?」
傍で見ていたマルクが、悲鳴を上げる。そりゃびっくりするよね、ルドヴィークの赤いマントが燃えているんだもの。
「ちょっと、どういうことなんですの」
「…」
「考え込んでいるのは、思考を整理しているからですの?」
「いえ、エナの話し方が変わったなと思いまして…妹たちの影響ですか」
ごっほんごほん。あら私こんな感じじゃなかったかしらぁ。おほほほほ。
うっかり私の考えたお嬢様言葉になってたわ、だってお嬢様と一緒だったからしょうがないよね!
「いえいえいえいえいえ、それで?何だか魔法の範囲が広がってるみたいだけど」
「おそらくエナ様が"赤い物"とおっしゃったので、薔薇に限らず赤色に効果が移ったのではないでしょうか」
「素直何だか捻くれてるんだか分かんないなぁ。まぁ今日の所はこれでいいんじゃない?妹ちゃん達待ってくれてるし、お茶しよ。食べたらここに連れてこればいいし」
「ええ、そうしましょう」
「あのー、マントの火は消してからの方がよろしいかと。皆様驚かれます」
マルクはとめたけど、一目で魔法が使えるようになったと分かっていいと思うから、私の一存で燃える王子のまま登場することにした。
結果。
「お兄様!?」
「ルーク!!!」
「キャーーー!」
あの、ほんのいたずら心だったんです…驚かせてゴミンガ。
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