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はじまり。
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コンッ
「いっ」
それは、始業式の終わった後、教室でHRまでの時間を新しいクラスメイトとおしゃべりで潰していた時のこと。
軽い衝突音と、小さな声。
それだけだったのに、教室中の視線がドアに向けられた。
正確には、ドアの向こうで頭をおさえる彼に。
一瞬の静けさの後、大爆笑。
クラス替え後のどこか張りつめていた空気が、ほわりと消え去る。
頭を押さえたままキョトンと私達を見ていた彼が、恥ずかしそうに顔を赤くして。
次いでそれを誤魔化すように知り合いに突進していく姿を見て、教室中の笑いが止まらなかった。
不思議な人だと思った。
明るくて楽しい人だと思っていたら、どこか人見知り。
笑っていたと思ったら、なぜか寂しそうに窓の外に目を向けていたり。
子供みたいにふざけて怪我をして、担任に怒られていたり。
いろんな面がありすぎて、目が離せない。
……彼……新谷 圭が私の中で“気になる人”に変わるまで、そんなに時間はかからなかった――
「いっ」
それは、始業式の終わった後、教室でHRまでの時間を新しいクラスメイトとおしゃべりで潰していた時のこと。
軽い衝突音と、小さな声。
それだけだったのに、教室中の視線がドアに向けられた。
正確には、ドアの向こうで頭をおさえる彼に。
一瞬の静けさの後、大爆笑。
クラス替え後のどこか張りつめていた空気が、ほわりと消え去る。
頭を押さえたままキョトンと私達を見ていた彼が、恥ずかしそうに顔を赤くして。
次いでそれを誤魔化すように知り合いに突進していく姿を見て、教室中の笑いが止まらなかった。
不思議な人だと思った。
明るくて楽しい人だと思っていたら、どこか人見知り。
笑っていたと思ったら、なぜか寂しそうに窓の外に目を向けていたり。
子供みたいにふざけて怪我をして、担任に怒られていたり。
いろんな面がありすぎて、目が離せない。
……彼……新谷 圭が私の中で“気になる人”に変わるまで、そんなに時間はかからなかった――
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