消滅集落見付けて住んでたら異世界に行けた件

あるちゃいる

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48話

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 私は山田マリア、フリーライターをしてる。2人の子の母だ。最近何かと話題の麹村を題材にして記事を書いてる

 そんな時、大学の先輩の話が出てきた。それが高塚先輩だった、大学時代から豊富な話題を持つ先輩だった、大学のコンテストで賞を取ったのに「え?大賞?私参加してないから」と断ったり。(てか、私の大学エントリーしてない人選ぶとか頭おかしいの?)

何故かどっかの芸能事務所が書類審査を見ただけで、勧誘に来て「え?私は応募してないので……」って、追い返したり(誰かの推薦らしいけど、流石に怖い)

大学教授に口説かれたが断って自殺未遂騒ぎになったり……

【何かの教授が高塚先輩に惚れて、年甲斐もなく口説いたが、無碍なく断られ、研究所の屋上に立ち
「高塚くんが僕と付き合ってくれないなら、ここから飛び降りる!」と、喚いていたら
その後ろを偶々歩いていた高塚先輩が「躊躇なく飛べ! 」と、冷たく言って去って
泣き喚きながら飛び降りたって話や(その後消防署のマットの上に落ちて無事だった)】

 とにかく話題の中心には必ず高塚先輩が居た
そんな高塚先輩が大学卒業と同時に結婚し、旦那の仕事を手伝いながら会社を設立して、助手をしていると小耳に挟んだ。そして、噂の麹村の中心に先輩がいる事も突き止めた

 あの先輩が中心で広めてる麹村に興味が更に湧いた私、どんな村なのか気になって、アポを取ったらあっさり承諾されたので、この田舎町の駅前で待ち合わせをしている所だ。

 そして待ってる最中……私の前に馬車が止まった。いや、比喩とかそんなんじゃなくて。本当に馬が引く馬車なのだ。御者台にはどう見ても10代後半くらいの少年が、アルコールの香りがコチラまで届く様な物をグラスでチビチビ呑みながらドライフルーツみたいな物を食べていた。

飲酒運転にならないのだろうか……
「あのぉ……」と我慢出来なくて声を掛けると
「はい? 何でしょう? 」と声も若々しい少年が応えたなので、叱ることにした。

「君! 駄目じゃないか! 未成年だろ? お酒なんて呑んで良い年じゃないだろ! それに其処で呑んだら飲酒運転に成るだろ? 分かってるのか? 」と、指を突きつけ怒った

 すると少年はグラスを傾けながら免許を出して来た、その免許書を受け取り見てみたら……

田辺浩二73年5月28日と誕生日の場所に書いてあった……「は? 」写真を見てもこの少年だった……「え? 55歳? 」どう見ても高校生なその少年……「魔王? 」としか言えなかった。

~少し時を遡るさかのぼる

たちくんに御者を任せ、蜂くんにバカルディの蜂蜜酒ミード割りを作って貰いながら山道を下る……「呑まなきゃやってらんねぇ……」と、ぶつくさ言いながらドライフルーツを齧る

 結局代わりの人間を見付けることが出来ずに、送迎行ってくるねーと、ウンディーネに告げてから村を出た。姉と一度電話で話し駅前のロータリーで待ち合わせをした。

 因みに達くん専用御者台があり、俺が座ってる席の前側、馬の背中が見える位置の後側に全天候型小部屋を設置し、其処を御者台にした。

 なので、俺が座ってる御者台は座席扱いに成っている。(許可は取った。ウンディーネがようで達くん用の免許が発行された。詳しくは知らん)

 バカルディの蜂蜜酒割りは、何気に度数は高い物のスッキリ爽やか仕様でカプカプ呑めるし、蜂くん特性蜂蜜酒なので、悪酔いも無い。飲んで数刻すれば酔も消える(浄化)ので、水みたいなものだ。

最近の俺のお気に入りだった。これがドライフルーツと相性が抜群で無茶苦茶お薦めだ。他にチョコレートとも合うが、俺はドライフルーツ推し。

 チビチビやりながら駅に付くとロータリーに入って馬車を止めた。姉は時間にルーズなので、決められた時間+1時間を予定として組みその辺りに着くように達くんに支持して置いた。あとは勝手に着て馬車に積んだら(姉)聖人さんに届ければ依頼達成である。(クエスト扱い)

 チビチビ呑みながら次は何を呑もうかと考えていたら声を掛けられた

返事を返したら怒られた……(なぜ?)
歳はいくつだと言うので最近更新した免許証を見せてやったら「……魔王?」といわれ、何故バレたのか分からなかったが一応警戒だけした。

 俺が警戒体制に入った事を感じとった達くんと蜂くんも臨戦態勢になり、何時でもその子の首を狩れる位置に着いた

 殺気は消して何事も無いようにその人を見る
普通の主婦だった、姉より少し下で俺よりは上そうな女性を見る。今、威圧すればさわ巫女みこに気付かれる恐れもあったので、なるべく普通の振りをした

 「……なんで分かったの?」そう聴くと
「何が? 」と聞き返された
「俺が魔王だと、何故わかったの? 」そう答えると「え? 自覚あんの? 」とだけ答え、肩を震わせて笑っているようだ……(何だこの人……)俺は更に警戒を強めていると

 「あんたら何してんの? 」と後ろから聞き慣れた声がしたので、見るとアレが立っていた。

 「随分早かったな? 」目の前の人から目を逸らさずに聴いた

 「そう?何時もこんなもんよ? 」と、白々しくいう。(嘘を付け……学生時代、家族旅行で1日遅れて来たことは忘れない。永遠と待たされて、マックで夜を明かした)

 「で? マリア? 久し振り。あんたら知り合いだったの? 」と、訳の分からない事を話しだした。

 「汚姉様のお知り合いですか? なる程……」
(なら俺が魔王と知っていてもオカシクないか)
納得したので警戒をといた。すると、蜂くんと達くんもホッとして職務に戻っていった。

 「20年?30年ぶりかしらね?会ったの」と、爆弾を投下した姉はとっとと、馬車へと乗り込んだ。

 また警戒しだした、俺に気付かずに「先輩待ってくださいよぅ」とか、言いながら馬車に乗り混んだ後輩さん。

 仕方ないと達くんに、出してー。と告げて俺も馬車に乗る。ゆっくり動き出した馬車に俺も乗っている事に気付いたマリアさんは

 「な、なんで君も乗ってる⁉御者しなくていいの⁉ 」と、焦り出したので、最初から俺は御者ではない事を告げた。それに安心したのか俺がさっきから呑んでる酒に興味があったらしく、「君何飲んでるの?」と聞いてきたので

 「バカルディ蜂蜜酒割り、呑むなら作るけど?(蜂くんが)」と、聞いてみたら二人とも呑むという……

 「蜂くん宜しくねー」と伝えて御者台付近の椅子に座る。

 「蜂くん? 」 と、2人の頭にハテナが浮かんでたので、壁に指を指した。二人が振り向くと壁に作ったバーカウンターから拳大の全体的に丸い蜜蜂が出て来て、グラスに入ったバカルディ割を二つ置いた所だった。

 それを見た二人は動くのを止め魅入っていた。
よほど可愛かったのだろう。うん、わかるぞ。実際可愛いんだよ。

 「あんた……暫く見ない内に人外に拍車掛かったわね……」そう、言って溜息を吐きながらグラスを取り呑んだら……「なにこれ!美味っ!すご!」とか大絶賛。

未だにあっけに取られてたマリアさんも動き出したが、グラスを取らずに姉に話しかけていた
「せ、先輩? この人何なんですか? ていうか、その巨大な蜂はなに?」

少し震えながら質問していた

 姉は「そいつが麹村の村長で人外の弟よ? 」

「人外は余計だろ、クソ姉貴」と言ったら
ボコボコにされた。 そんな姉に蜂くんが地味に引いていた
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