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妖槍の小太郎異世界海賊記①
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あっしは今迷っていた。左に行けば帝国、右に行けばダンボル村。このダンボルという名前がどうしても抗えない響きをしていて、左に行きながら右に曲がるという器用な事をしていた。
それを見たスケさんは、「旅を始めたばかりなら、回り道しても良いのでは?」
目からウロコと、抗うのを止めたあっしは素直に右に曲がってダンボル村を目指しやす。
街道の周りは松の木の様な木がちらほら生えているだけで、他は短めの下草が生えてるだけの道で、とても見晴らしの良い通りでした
あっしは鼻をひくひくしながら空気の匂いを嗅ぐと、「潮の香りがしやすね?海でも近いんでやすかね」
そう言うと、潮の香りを運んで来た方向へと首を向けやす、順調な街道で安全な道も行くのも旅ですが、どうせなら思う場所を思う通りに歩いてみよう!そう思ったあっしは、潮の香りを求めて方向を変え、路無き道を歩み始めやした。
暫くゆくと、峠があったので登っていくと海岸線に出やした。そこから周りを見渡すと、とても気持ちの良い風が吹いてきやした。
こっち側を選んだかいがあったと、軽やかな足取りで砂浜へと向かうと、透明で透き通る様な海面と岩場が見えてきたので、向かいました。そこには海の幸のタコやら貝やら蟹やら海老やらが沢山おりやしたので、見える範囲ですべて回収しました。
どうせならと、砂浜に簡易竈を誂え火を付けると、網を乗っけてそこに先程拾った海の幸を乗っけて浜焼きを始めやした。ぽんっと日本酒を開けてぐい呑に注ぐと、まずは焼ける前に潮の香りを肴に一献傾けやす。
一人で呑むのも寂しいからと、スケさんを誘って、お猪口に注ぎコンッと盃で乾杯してから一口。
美味いですねぇ……。沢山持たせてくれた魔王さんに感謝ですな。
その後焼けた貝やら海老やらを解して、スケさんと分け合って食べてはぐい呑みを傾け、お昼のひと時を楽しみやした。
昼も食べたので海岸線を横に見ながら浜辺を歩きやす。ザザーンザザーッと波音をBGMに歩く旅路というのも、楽しいものです。昔若かりし頃に旅の美空で聴いた長唄なんてのも、歌っちゃったりしやしてね?
そもそも船の始まりは 唐土皇帝に仕へし 貨狄といへる臣下あり
秋吹く風に庭の池へ 散り浮く柳の一と葉の上に 蜘蛛の乗りてささがにの 糸引きはへし姿より
匠み出だせし船とかや
船の始まりは中国の何とかって人が作ったのが始まりで、池に落ちた葉の上に蜘蛛が乗って糸を伸ばしてくっつけて、その糸を引いて葉の船を動かしていたのを見てひらめいたそうだ。
皇帝が新しい船を作った時に必ず歌って聴かせた詩だった……て言うようなのを唄った長唄でさ
まぁ何が言いたいのかと申しやすと、昔の人は凄かったんだなぁって話でやして……感謝を忘れるなって事なんじゃないですかね?
多分、いやあっしは学は無いんで何とも言えないんでやすがね?
まぁ忘れておくんなせぇ
だいぶ海岸線を歩いていくと、古ぼけた板をくっつけた様な簡素な柵が見えてきたんでさ
で、その先からは村になってたんですが、打ち捨てられた村だったようで、人っ子一人おりやせんでした
村は特に争ったとかっていう跡はなく、綺麗なもんでした。まぁ、そこら辺朽ちてカサカサになってやすけどね。
その村を抜けると山になってやして、磯があったんですが、流石に波が高くってですね……あっし猫なんで、カナヅチなんでさ。船でもありゃあ乗るんですがね?
仕方なく山側を歩いていくとまた海岸線に戻る場所まででやしたんで歩いていきやした。
どうやら其処がダンボルの村だったみたいです
村の入り口には兵も誰も居らず、常に誰でもウェルカム状態でした。悪いやつか入って来ても大丈夫っていう自信の現れですかね?
あっしはギルドを探したんですが、ありやせんでした。そのまま、港へと向かうと船が停泊してたんでさ。実はあっし船を間近で見るのは初めてでして、漁船は何度かあったんですがこの様な大きな遊覧船?みたいなのは、遠目でしか見た事なかたんですよ。
そしたら、つい燥いじゃいましてね?勝手に中を覗いては少年の様にキラキラした目で色々見て回ってたんですよ。船が動いてる事も知らずにね。
あ~楽しかった!と帰ろうとしたら陸地が無かったんで……
「ん?何だこの猫どっから出てきたんだ?まぁいっか、チチチこっちゃコーイ?腹減ってネーが?おいちゃん達コレから飯だからよ?一緒に食わねが?」
ボサボサ頭で少し汚れた船頭服だが、優しそうな目をした兄さんが、唖然と立ち尽くすあっしに声を掛けてくださったんです。
「あっしですかい?よろしいので?」
少し涙目になったあっしを少し驚きながら見たあと
「こいつは珍しいケットシーかい?まぁ、この船に乗っちまったのは仕方ねーやな、飯にするからオメェ様も来るといいよ!」
その男の好意でご相伴に預からせて貰うことにした、小太郎はその男のあとを付いて行って、食堂付近に来た時でした。
「おう、何だそのケットシー。ドルヌの知り合いかい?」
「あ!船長、さっきの街から乗っちまった様なんで、飯でもと思ってよぅ」
「相変わらずアンタは優しいねぇ、全く海賊としてやっていけるか心配になるよ……」
「って事だよ。ケットシーの兄さん。ここは海賊の船であたしゃこの船の船長で……
海賊︰闇付き喰鬼畏ったぁあたしの事だよ!」
それを見たスケさんは、「旅を始めたばかりなら、回り道しても良いのでは?」
目からウロコと、抗うのを止めたあっしは素直に右に曲がってダンボル村を目指しやす。
街道の周りは松の木の様な木がちらほら生えているだけで、他は短めの下草が生えてるだけの道で、とても見晴らしの良い通りでした
あっしは鼻をひくひくしながら空気の匂いを嗅ぐと、「潮の香りがしやすね?海でも近いんでやすかね」
そう言うと、潮の香りを運んで来た方向へと首を向けやす、順調な街道で安全な道も行くのも旅ですが、どうせなら思う場所を思う通りに歩いてみよう!そう思ったあっしは、潮の香りを求めて方向を変え、路無き道を歩み始めやした。
暫くゆくと、峠があったので登っていくと海岸線に出やした。そこから周りを見渡すと、とても気持ちの良い風が吹いてきやした。
こっち側を選んだかいがあったと、軽やかな足取りで砂浜へと向かうと、透明で透き通る様な海面と岩場が見えてきたので、向かいました。そこには海の幸のタコやら貝やら蟹やら海老やらが沢山おりやしたので、見える範囲ですべて回収しました。
どうせならと、砂浜に簡易竈を誂え火を付けると、網を乗っけてそこに先程拾った海の幸を乗っけて浜焼きを始めやした。ぽんっと日本酒を開けてぐい呑に注ぐと、まずは焼ける前に潮の香りを肴に一献傾けやす。
一人で呑むのも寂しいからと、スケさんを誘って、お猪口に注ぎコンッと盃で乾杯してから一口。
美味いですねぇ……。沢山持たせてくれた魔王さんに感謝ですな。
その後焼けた貝やら海老やらを解して、スケさんと分け合って食べてはぐい呑みを傾け、お昼のひと時を楽しみやした。
昼も食べたので海岸線を横に見ながら浜辺を歩きやす。ザザーンザザーッと波音をBGMに歩く旅路というのも、楽しいものです。昔若かりし頃に旅の美空で聴いた長唄なんてのも、歌っちゃったりしやしてね?
そもそも船の始まりは 唐土皇帝に仕へし 貨狄といへる臣下あり
秋吹く風に庭の池へ 散り浮く柳の一と葉の上に 蜘蛛の乗りてささがにの 糸引きはへし姿より
匠み出だせし船とかや
船の始まりは中国の何とかって人が作ったのが始まりで、池に落ちた葉の上に蜘蛛が乗って糸を伸ばしてくっつけて、その糸を引いて葉の船を動かしていたのを見てひらめいたそうだ。
皇帝が新しい船を作った時に必ず歌って聴かせた詩だった……て言うようなのを唄った長唄でさ
まぁ何が言いたいのかと申しやすと、昔の人は凄かったんだなぁって話でやして……感謝を忘れるなって事なんじゃないですかね?
多分、いやあっしは学は無いんで何とも言えないんでやすがね?
まぁ忘れておくんなせぇ
だいぶ海岸線を歩いていくと、古ぼけた板をくっつけた様な簡素な柵が見えてきたんでさ
で、その先からは村になってたんですが、打ち捨てられた村だったようで、人っ子一人おりやせんでした
村は特に争ったとかっていう跡はなく、綺麗なもんでした。まぁ、そこら辺朽ちてカサカサになってやすけどね。
その村を抜けると山になってやして、磯があったんですが、流石に波が高くってですね……あっし猫なんで、カナヅチなんでさ。船でもありゃあ乗るんですがね?
仕方なく山側を歩いていくとまた海岸線に戻る場所まででやしたんで歩いていきやした。
どうやら其処がダンボルの村だったみたいです
村の入り口には兵も誰も居らず、常に誰でもウェルカム状態でした。悪いやつか入って来ても大丈夫っていう自信の現れですかね?
あっしはギルドを探したんですが、ありやせんでした。そのまま、港へと向かうと船が停泊してたんでさ。実はあっし船を間近で見るのは初めてでして、漁船は何度かあったんですがこの様な大きな遊覧船?みたいなのは、遠目でしか見た事なかたんですよ。
そしたら、つい燥いじゃいましてね?勝手に中を覗いては少年の様にキラキラした目で色々見て回ってたんですよ。船が動いてる事も知らずにね。
あ~楽しかった!と帰ろうとしたら陸地が無かったんで……
「ん?何だこの猫どっから出てきたんだ?まぁいっか、チチチこっちゃコーイ?腹減ってネーが?おいちゃん達コレから飯だからよ?一緒に食わねが?」
ボサボサ頭で少し汚れた船頭服だが、優しそうな目をした兄さんが、唖然と立ち尽くすあっしに声を掛けてくださったんです。
「あっしですかい?よろしいので?」
少し涙目になったあっしを少し驚きながら見たあと
「こいつは珍しいケットシーかい?まぁ、この船に乗っちまったのは仕方ねーやな、飯にするからオメェ様も来るといいよ!」
その男の好意でご相伴に預からせて貰うことにした、小太郎はその男のあとを付いて行って、食堂付近に来た時でした。
「おう、何だそのケットシー。ドルヌの知り合いかい?」
「あ!船長、さっきの街から乗っちまった様なんで、飯でもと思ってよぅ」
「相変わらずアンタは優しいねぇ、全く海賊としてやっていけるか心配になるよ……」
「って事だよ。ケットシーの兄さん。ここは海賊の船であたしゃこの船の船長で……
海賊︰闇付き喰鬼畏ったぁあたしの事だよ!」
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