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妖槍の小太郎異世界海賊記③
しおりを挟む海を渡った先の大陸は信仰国と言うことで商人の神様を祀る国だそうだ。神の名はゼニガ・メーン
ゼニガ信仰が強い国らしく、何でも金で解決する国らしい。物を壊したら幾ら、喧嘩した幾ら、殴った殴られたで幾らとか、結構殺伐とした国らしい。
酷い話にこんなのがあった
新しく店を開くのに領主から金を借りた
結構繁盛して、直ぐに返す金は溜まったが御礼をしていないってんで、領主に御礼をしにいった序でに金も返しに行ったらしい。
領主にお礼を言ったら「言葉だけじゃなくお礼金を出すのが仕来りだ」
そういうと、返しに来た金を奪い取り、それを礼金にした。 そして、では早速貸した金を返せってんで店主に言い寄ったら既に金は無し。 しかたねーなと店を差し押さえて、奪い取ったなんて話もある位で……
勿論店主は叩き出されたが、それを恨んで視察に来た領主を襲って殺し、金を払ってお咎め無しってんだから恐れ入る。
結局その店は誰の手に渡ったんだか謎な話だが。そんな無茶苦茶な話がそこらに転がってるんだから全く嫌な国に来ちまったと後悔してるところでさ。
勿論山賊、強盗、海賊、野盗と捕まえて衛兵に差し出せば金になりやすぜ? 逃げるのに金を払うのは奴等ですからね。
気にせず襲われたら撃退しちゃって構わないそうで、顔さえ分かれば良いので首から上を切り飛ばしてる所でございやす。
ええもうね、行き成り数人で囲まれたと思ったら金と服脱いで置いて行けと猫又に言うんですから
世の中随分と切羽詰まってるんでしょうな。
で、旅の仲間みたいな人等と話をした時に聞いた話を実践してる所です。 顔さえ分ればって奴ですね。猫ジャンプからの回転斬りで、面白いように首が飛んで行きやしたよ。 それを袋に詰めて一山いくらになるか、一品幾らになるかは分かりやせんけどね? 街に着いてからのお楽しみってんで取り敢えず街に向かいやした。
行く街道、行く街道。カーブに見晴らしの悪い場所から、出るわ出るわの野盗、強盗、山賊とまぁどんだけ治安の悪い国何でしょうね? 流石にこれ以上首は重いからってんで、首に縄括って後ろ手に縛って連れていきやした。 ハーメルンの笛吹で笛を吹いてネズミと子供を連れ去るあれね。 そんな感じてしたよ。 連れてるのは犯罪者で吹いてるの口笛でしたがね?
「ゾロゾロと引き連れてる先頭がケットシーっていうね。 嘘みたいな本当の話、これは嘘じゃないよ? 本当だよ? つい一昨日の話だから新鮮だよ?」っと、瓦板みたいのが版画に剃ったニュースを一枚銅貨五枚で売ってやしたよ。
全く変な国に来ちまったもんですよ、因みに一品の者のオンパレードで金貨1280枚銀貨7枚に成りやした。いや儲かりましたわ~。
なので、1000枚で売ってた船買ってその大陸を出やした。 何でも、動力は勝手に動く魔導船だが、動力が謎で少し怖いってんで売りに出したらしいんですがね? 動力部開けたら石炭妖精が自転車漕いでたんでさ。 それじゃ頼むと一言言って、舵だけ握って船の旅に戻りやした。
しかしあれですね。 船の旅ってのも殺伐としていたようで、海賊、空賊出るわ出るわで、撃退した数89隻、気が付きゃ立派な海賊扱いってんだからもう。 本当になんて世界に来ちまったんだ? って話しですよ。
因みに買った魔導船はキャラック船で、猫又一匹と翅妖精しか乗ってませんがね?
左右に二砲づつと先頭に一砲付いた海賊船で、クルーが居ないと言ったら妖精仲間を引き連れてスケさんが何処からか連れてきやして、今じゃ船員として働いていやすよ。 キャプテン小太郎って名前まで付けられて……旗印は肉球に魚の骨が交差してありやす。 まあ、暫くはこの海で遊ばせて貰いやすよ。
◆
「面舵いっぱーい!」
「「ヨーソロー!」」
ギギギ……
っと、今日も元気な妖精達の声が聴こえる、ここキャプテン小太郎の船上では、海に住むというウンディーヌ(【ネ】じゃないよ【ヌ】だよ)達が、舵を動かす。 ピンクの肉球に魚の骨が交差した海賊旗が、海風にはためいた。船首に飾られるのは海の女神テティスを象った裸婦像だ。ちょっと本人から苦情来ないの?って、思うだろうな普通なら。
ウンディーヌ達が船員になったのを記念して、本人から贈られた物だから大丈夫。
船尾の小屋にも旦那のペーレウスの上半身裸の木彫りの像がある。それも一緒に贈られたから大丈夫。 旦那が怒って沈めに来る事もない。
船首と船尾に弾も当たらない、壊されたくないからと、ひ○りマント機能が付いてるらしい。
戦闘時は船首と船尾には近付くなとお触れも出した。弾を避ける船首、尾の流れ弾に当たらないためだ。なので、戦闘時は横側を相手に見せながらの攻撃に成ってる。『敵だ!横向け!』が、暗黙の了解だ。
海上では完全に海賊達の無法地帯になっていたこの国。既に住み分けがされていた所へ小太郎の船が入り、一気に住み分けが変わった形だった。
4つの勢力のうち、2つがその月に相次いで潰れて小太郎の傘下に下った。音も無く近付かれて、一斉掃射されるのだ、誰も敵わなかった。海賊王に一番近い男と巷では酒の肴にされる程有名になっていた。
小太郎の乗る船の的は同族。海賊専門の海賊だった為、一般船には何もしなかったお陰で平和な航海が出来るようになり、経済は鰻の滝登りからのポールダンスだという。
意味がわからないだと? 鰻が滝登りをしたあと、下る時にポールダンスしながら下りてくるくらいの経済効果と言うことだ。まだ分からないだと?
残念そっからは有料だ。
まぁそんなことより、これに怒り心頭なのが、今まで一番近いと噂せれていた……
キャプテン︰アメー・リカだ。「俺は認めない!俺が負けるなど絶対認めない!」と息巻いた。
まるで、負けを認めなければ勝てるとでも思ってるどっかの大統領のようだった。
完膚無き敗北をさせられても認めないと駄々を捏ねれば何とかなると、同盟海賊に争う資金を寄越せと言ってきた、その一部は生活費に充てるとも言った。その言葉に、諸海賊からの信頼がどんどん下がってくアメー・リカを尻目に株が上がる小太郎
遂に自滅してアメー・リカは海賊界から消えたが
今度は盗賊になると、息巻いてるそうだ。
倒れてもただじゃ起きないアメーに舌を巻いた諸海賊だったそうな。
だが、ここで突然海賊小太郎は引退を表明
海賊船はキャプテンスケさんが後継者となり、引き継いでいくそうだ。
キャプテンスケさんに見送られながら、また違う大陸に降り立った小太郎は呟いた
「あっしの物語も此処らで終焉ですぜ、旦那そろそろ、別の人に着いて行ってくだせぇ」
そう言って去っていった
私は、船と馬車と乗り継いで村へと帰ると
次は誰にしようか頭を悩ませるのだった
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