消滅集落見付けて住んでたら異世界に行けた件

あるちゃいる

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学校を作ろう⑥

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 海岸線に付くと一隻のボロボロの船が浜に打ち上げられていました。船底こそ穴は空いていませんでしたが、側面やマストなどはボロボロで、今にも朽ち落ちてしまいそうなほど傷んでました。旗印には肉球に魚の骨の交差……まさしくそれは、小太郎の船でした。

 「なんだかボロボロだなぁ……この船で間違いねーの?村長」
「うんー。肉球に魚の骨の交差て、これだろ?」
「なんか見る影ねーけど……幽霊船なら納得する」

外でワイワイ話していたからか、中から何かが出てきた、それは一匹の翅妖精……翅妖怪?骸骨に翅妖精の翅が付いてるような……

「ば……ばおゔざばあぁぁあっ!ぎでぐれだんでずね!ばおゔざばぁぁぁあっ!」

 と、村長に飛び付いてきた骨翅妖精名前はスケさん。小太郎が船を降りた途端、ウンディーヌまで次々と船を降りてしまい、スッカリ一人に成った船は各海賊の憂さ晴らし船になり、連日ボコボコにされ遂に浜に打ち上げられ半ば放置されていたっと泣きながら村長に訴えた

 その翅妖精の頭を撫でながら、可哀想になあと呟いてるのは内田だった。村長何とかしてと、二人の目で訴える。

 「……ったく!仕方ねぇなぁ!」
そう言いながらも嬉しそうな村長を称える二人の妖精

 「スケルトン召喚!」20人のスケルトンを呼び出して、頭にバンダナを巻かせると剣やナイフを装備させて、船に乗せた!

 骸骨翅妖精のスケさんを船長だとスケルトン達に言い含め、統率力を上げるためにスケさんはスケルトンのスケだと言うことにした。

 「奪われた海を取り戻すぞ!!」
「「おおおっーーー!!」」
手に手にカトラスやらナイフやらを持って叫ぶパイレーツスケルトン。

 東の浜辺に打ち捨てられた肉球はいつの間にか、霧森のシンボルの世界樹を背景に肉球と骸骨が重なって溶け込んだような旗に変わり、船首と船尾にあった像も心なしか元気に見えた!

 そして!二ヶ月が過ぎた!(おじさんの時間の進み具合は早いのです!)

北はツルッパゲ骸骨に鮭の骨とカトラスが交差された海賊旗

南は霧森を背景に肉球と骸骨が溶け込んだ透かし彫旗

 この海を再び2つに割って今此処に集結!
相手の船に威嚇の砲弾を浴びせれば
此方も相手の船に目掛けて、骸骨魚雷をぶっ放し
沈めるという、小競り合いが始まっていた。

 その後方では各国の海軍が集まり、お互いで手を組んでこの海賊達を一網打尽にすべく包囲網を広げている最中だった。

 「おい村長!いくら何でも2ヶ月は遊びすぎだ!ソロソロ本業に戻るべきだろう?」
「何言ってんの?今から頂上決戦だよ?白ひげは居ないけど!海軍まで来てるんだよ?楽しまないでいつ楽しむの!?」

 すっかり村長は自分の仕事を忘れて海軍vs北の海賊vsスケさん海賊団の三つ巴戦を楽しむ方向へシフトしていた。

 スケ(ルトン翅妖精)さん率いる海賊団と顧問の様に君臨する魔王が船首に立ち、拡声器で叫ぶ
「一番強いやつかこの海を制す!!それで文句はねーなっ!?」

 すると、各船から大歓声があがりこの海域の大気を揺らした

 海賊も海軍も手に手にソードカトラスやナイフを掲げ打ち鳴らす音が海域に海鳴りの様に響き渡り、決戦を今か今かと待ち侘びていた

 北の海賊船長マーベラス・ド・カイザー
海軍大将常勝のパイレーツキラーサキカベ
そして、南の海賊船長スケさんの視線が中央の鯨に注がれた瞬間!

 潮を吹いた!
ブッシャァァアッ!!海戦の合図である!
法螺貝が鳴り響き各船から掛け声や怒号が弾け飛ぶ
今此処に、第一回頂上決戦が幕を上げた!

 初砲弾は海軍大将の船からの一発だった!
主砲から飛び出した鉄球は真紅に姿を変え、大気を震わす程の発射音と共に飛び出し、北の大海賊側近ハイエナカルブーの船側面にぶち当たり、黒煙を上げさせた!

 透かさず燃える炎を消すべくカルブーが口から水をぶっ放し火を消すと、仕返しとばかりにスケさんの船へ氷の塊を撃ち込む!

 それを村長が腕一本で弾き返して、王国海軍の船に当てると、真ん中から水飛沫があがり一撃で沈める!開始僅か数秒の出来事で有る!

 「何してくれてんだー!魔王!コンニャロー!」と、切れた海軍大将サキカベが怒鳴り、側砲3門から鉛球を連射すると、魔王の船の手前で海流に落とされ水の壁を形成!そこに、魔王の放った冷気で固めると即席の氷の城壁の様に魔王の船を護る壁に変わった!

 「クソ魔王が!貴様は海賊じゃねーだろう!引っ込んでろや!!」
北の海賊マーベラス・ド・カイザーが唸り主砲を魔王に撃ち込んだ!が、その主砲は魔王の蹴りで打ち返され後方の海軍船にぶち当たり!白煙を上げさせた!
「フハハハハハハハハハハッ!!」と、いう大気を震わすほどの笑い声と共に空に浮かび上がった魔王は中央まで飛んでいくと右手と左手に赤黒いマグマ弾を作ると四方八方に飛ばし始めた!

 海軍大将サキカベも北の海賊マーベラスもこの攻撃には肝を冷やし防御しか出来ずに仲間の船を幾つも失う事になった!
「「クソ魔王!海までお前は奪うつもりか!?」」と叫んだ瞬間!

 魔王が唐突に誰かに殴られ海底までぶち倒された!海が裂けたかと思う様な水飛沫があがり!
雨の様に各船に海の雫が降り注ぐ中、マーベラスとサキカベも魔王を殴り飛ばした物を見た!

 見た瞬間身体から冷や汗が流れ、大気すらも震えてしまう程の殺気を身体に纏い、さっきまで魔王が居た空間に浮かぶその物を視界に収めた瞬間!

 恐怖から意識が一瞬で刈り取られた
二人の怪物が意識を失う直前に聞いた言葉は

「コージ!!迷惑かけちゃ駄目って言ったでしょ!?反省しなさい!!」

という、シノの声だった。


 


 

 
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