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15話
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店も順調に開店し、初日から大賑わいで、満員御礼の垂れ幕が俺の心の中で大漁旗の如く振られて、その後も連日満員で忙しく充実した日々を送っていた
その日も仕込みを朝から自分の倉庫でしていると、大声で怒鳴る楓の声が聴こえてきた。
何事かと倉庫から出ると、殴られたであろう楓の頬と、ぶち倒されて転がって喚いてる一樹がリビングに居た。
喧嘩にしても随分派手にやったらしく、部屋がぐちゃぐちゃで割れたコップとか砕けちったペアグラスとか……
え……グラス?
俺が昔、奥さんと初めて暮らした日に買い揃えたペアの酒飲み用グラスで、寿司屋の修行で深夜遅く疲れて帰ってきても、何時も待っていてくれた。
二人で安い酒を晩酌で飲み合っていたグラスだった。
貧乏すぎて買ったものは、これだけだ。
妻が亡くなってから辛くて、ペアグラスを使えなくなり、それでも捨てれないし、見た目は綺麗だったので飾って置いた物だ。
子供等には言ってなかったが……まさかイタズラもするまいと思っていた。
それが散乱していた……壁に叩きつけられた様に砕けちっていた
膝がガクガク震えて、まともに立っていられなかった「パパ? 」と楓の声が聴こえた気がしたが頭には入らなかった
砕かれたガラス片を手で拾い集めて指先から血が滴って落ちても痛みなど感じることも無くすべて拾い集め…そのまま、無言でmy倉庫に消えた
倉庫に入ると神棚があり、其処に妻の遺影を置いていた。その棚に破片を小山にして置いて
そのまま泣き崩れてしまった。地味に思い入れが深かったらしい
どれくらい其処に居たのだろうか……泣き疲れて寝ていたらしい……子供かよ……と、呟き一人で苦笑いした。いつの間にか手にあった傷は血は止まって居たが店には出れない感じがした。
「何やってんだ俺……」はぁぁと溜め息が漏れて
神棚に新しく酒を入れ替え、血を洗い流した。
このmy倉庫、仕込みを始めた頃から水場が出来た(理由は謎)台所も出来て大変使いやすい。
異空間と思ったが、どうも違うらしいと猫ニャン(魔法使いギルドの猫又の渾名)はいう
俺だけのオリジナルらしい、なぜそれが出来たのかは謎だそうだ。やり過ぎた経緯はあるが、ここ迄変なのは珍しいとニャニャニャニャ笑っていた。
チートというなら、この倉庫がチートだろうな。
冷凍、冷蔵庫に海みたいな生け簀もあるし、広さはもう分からない。
一度生きたままの角兎を入れたら草原が出来た。兎が育ちやすい草原になり、勝手に餌も生えたので、人を襲うことが無くなった。
店に出す兎はこの兎を使ってる。狩りで取る兎肉は半分ギルドに収めてるが換金率は低い。が、常用肉なので頻繁に依頼が出てるだけだ。
主に経験値としか最近は見ていなかった。
不思議倉庫を出ると誰もいなかった。部屋はそのままゴチャゴチャだったので掃除した。(かたせや!)時計を見ると昼が過ぎていた……あれ?
喧嘩したのは昨日か?たしか日曜だった筈……
じゃあ今日、月曜日か……そりゃ誰もいねーよ! ほぼまる一日倉庫にいた事になる。
どんだけショックだったの俺……と頭を掻いたら、ピリッと指先に痛みが走り血が滲んだ。
これだめだ、今日から暫く休業だな……。
紙に怪我のため暫く休業と書いて、店の前に貼りだそうと外に出ると猫ニャンが並んでた。
いや、まぁ確かにもう直ぐ営業でしたけどね?まだ1時間もあるよ?開店時間まで……
日本酒に嵌ったらしくよく飲んでくれる常連さん。有り難いが少し自重した方が良さげだ……腹が前より出てる気がするし。まぁ、言わないけど。
「こんにちは猫ニャン早いね」と微笑むと
「にぁ! ご主人こんにちニャ !待ちきれニャくてニャ!ニャラばせて貰ってるニャ! 」
相変わらず【ニャ】語尾は治らないのな。治す気もなくなったかな?
「すまんが、暫く休む事になったんだ怪我しちまってな? 」と、痛々しい指先を見せた
「ニャッニャンだってーーっ!?」うわっ!そこまで落ち込むのか‼絶望にうちひしがられて黒猫が白く染まるとは……どんな構造なんだ⁉
「冗談はさておきニャッ! ご主人! 忘れたかニャ? 此処が異世界だって事を! 」
後ろの背景に波がドドーンっと跳ねるような感じがする様に人差し指を立てて左右に振る猫ニャン
「指先全部出すニャン! 」というので、10本出すと「ヒール! 」と、唱えた(其処はニャ言葉じゃないんだな)すると、キラキラエフェクトが出て指先を包むと消えた頃には治ってた。
「おおーっ!凄え!猫ニャンすげぇな!」と大絶賛した
「これで休み無くなったニャン? 」と満面の笑みだ!「ああっ!やるは! 」「まだ営業時間じゃねーが入って一杯やりなよ! 御礼を兼ねて奢るぜ?営業時間までな」と、ニッカリ笑って誘った
「ふおぉっ‼ マジにゃ⁉ 呑むニャ! やったニャ! 」と、尻尾を立てて店へと入れた。
そのまま、閉店まで居た猫ニャンは「今度ギルド来るニャ!さっきの回復教えるからニャ! 」と言ってフラフラしながら帰ってった
暖簾を仕舞って店を閉めて、軽く掃除してから、押し入れを開ける
リビングに行くと楓だけ座ってた。
「まだ起きてたのか? 」と声を掛けると
改まって質問してきた。グラスの事を
まぁ隠すもんでも無いのでバカルディ出しがてら湯呑みを出して、お茶を淹れてやり渡すと、俺も湯呑みにバカルディ注いで対面に座り、グラスの思い出を語って聞かせた。
チビチビやりながら呑んでた酒が無くなる頃
机を見ると濡れていて、あれ?零したか?と、思ったら目から涙が溢れてた。まだ泣きたらなかったらしい……はははと笑い
所詮物だから壊れるもんだから、気にするなとは言ったが……楓は号泣してえづきながら謝ってた。壊したのは一樹だったが……
そーいえば一樹は?と、聴くと
明日からGWらしく俺が倉庫にいる間に狩りに行って、そのまま他のPTに入ったそうだ。
ん?つまり、俺達のPTからは抜けたって事か?
その日も仕込みを朝から自分の倉庫でしていると、大声で怒鳴る楓の声が聴こえてきた。
何事かと倉庫から出ると、殴られたであろう楓の頬と、ぶち倒されて転がって喚いてる一樹がリビングに居た。
喧嘩にしても随分派手にやったらしく、部屋がぐちゃぐちゃで割れたコップとか砕けちったペアグラスとか……
え……グラス?
俺が昔、奥さんと初めて暮らした日に買い揃えたペアの酒飲み用グラスで、寿司屋の修行で深夜遅く疲れて帰ってきても、何時も待っていてくれた。
二人で安い酒を晩酌で飲み合っていたグラスだった。
貧乏すぎて買ったものは、これだけだ。
妻が亡くなってから辛くて、ペアグラスを使えなくなり、それでも捨てれないし、見た目は綺麗だったので飾って置いた物だ。
子供等には言ってなかったが……まさかイタズラもするまいと思っていた。
それが散乱していた……壁に叩きつけられた様に砕けちっていた
膝がガクガク震えて、まともに立っていられなかった「パパ? 」と楓の声が聴こえた気がしたが頭には入らなかった
砕かれたガラス片を手で拾い集めて指先から血が滴って落ちても痛みなど感じることも無くすべて拾い集め…そのまま、無言でmy倉庫に消えた
倉庫に入ると神棚があり、其処に妻の遺影を置いていた。その棚に破片を小山にして置いて
そのまま泣き崩れてしまった。地味に思い入れが深かったらしい
どれくらい其処に居たのだろうか……泣き疲れて寝ていたらしい……子供かよ……と、呟き一人で苦笑いした。いつの間にか手にあった傷は血は止まって居たが店には出れない感じがした。
「何やってんだ俺……」はぁぁと溜め息が漏れて
神棚に新しく酒を入れ替え、血を洗い流した。
このmy倉庫、仕込みを始めた頃から水場が出来た(理由は謎)台所も出来て大変使いやすい。
異空間と思ったが、どうも違うらしいと猫ニャン(魔法使いギルドの猫又の渾名)はいう
俺だけのオリジナルらしい、なぜそれが出来たのかは謎だそうだ。やり過ぎた経緯はあるが、ここ迄変なのは珍しいとニャニャニャニャ笑っていた。
チートというなら、この倉庫がチートだろうな。
冷凍、冷蔵庫に海みたいな生け簀もあるし、広さはもう分からない。
一度生きたままの角兎を入れたら草原が出来た。兎が育ちやすい草原になり、勝手に餌も生えたので、人を襲うことが無くなった。
店に出す兎はこの兎を使ってる。狩りで取る兎肉は半分ギルドに収めてるが換金率は低い。が、常用肉なので頻繁に依頼が出てるだけだ。
主に経験値としか最近は見ていなかった。
不思議倉庫を出ると誰もいなかった。部屋はそのままゴチャゴチャだったので掃除した。(かたせや!)時計を見ると昼が過ぎていた……あれ?
喧嘩したのは昨日か?たしか日曜だった筈……
じゃあ今日、月曜日か……そりゃ誰もいねーよ! ほぼまる一日倉庫にいた事になる。
どんだけショックだったの俺……と頭を掻いたら、ピリッと指先に痛みが走り血が滲んだ。
これだめだ、今日から暫く休業だな……。
紙に怪我のため暫く休業と書いて、店の前に貼りだそうと外に出ると猫ニャンが並んでた。
いや、まぁ確かにもう直ぐ営業でしたけどね?まだ1時間もあるよ?開店時間まで……
日本酒に嵌ったらしくよく飲んでくれる常連さん。有り難いが少し自重した方が良さげだ……腹が前より出てる気がするし。まぁ、言わないけど。
「こんにちは猫ニャン早いね」と微笑むと
「にぁ! ご主人こんにちニャ !待ちきれニャくてニャ!ニャラばせて貰ってるニャ! 」
相変わらず【ニャ】語尾は治らないのな。治す気もなくなったかな?
「すまんが、暫く休む事になったんだ怪我しちまってな? 」と、痛々しい指先を見せた
「ニャッニャンだってーーっ!?」うわっ!そこまで落ち込むのか‼絶望にうちひしがられて黒猫が白く染まるとは……どんな構造なんだ⁉
「冗談はさておきニャッ! ご主人! 忘れたかニャ? 此処が異世界だって事を! 」
後ろの背景に波がドドーンっと跳ねるような感じがする様に人差し指を立てて左右に振る猫ニャン
「指先全部出すニャン! 」というので、10本出すと「ヒール! 」と、唱えた(其処はニャ言葉じゃないんだな)すると、キラキラエフェクトが出て指先を包むと消えた頃には治ってた。
「おおーっ!凄え!猫ニャンすげぇな!」と大絶賛した
「これで休み無くなったニャン? 」と満面の笑みだ!「ああっ!やるは! 」「まだ営業時間じゃねーが入って一杯やりなよ! 御礼を兼ねて奢るぜ?営業時間までな」と、ニッカリ笑って誘った
「ふおぉっ‼ マジにゃ⁉ 呑むニャ! やったニャ! 」と、尻尾を立てて店へと入れた。
そのまま、閉店まで居た猫ニャンは「今度ギルド来るニャ!さっきの回復教えるからニャ! 」と言ってフラフラしながら帰ってった
暖簾を仕舞って店を閉めて、軽く掃除してから、押し入れを開ける
リビングに行くと楓だけ座ってた。
「まだ起きてたのか? 」と声を掛けると
改まって質問してきた。グラスの事を
まぁ隠すもんでも無いのでバカルディ出しがてら湯呑みを出して、お茶を淹れてやり渡すと、俺も湯呑みにバカルディ注いで対面に座り、グラスの思い出を語って聞かせた。
チビチビやりながら呑んでた酒が無くなる頃
机を見ると濡れていて、あれ?零したか?と、思ったら目から涙が溢れてた。まだ泣きたらなかったらしい……はははと笑い
所詮物だから壊れるもんだから、気にするなとは言ったが……楓は号泣してえづきながら謝ってた。壊したのは一樹だったが……
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