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二話

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 「ハジメ! 帰ろうぜ」
そう俺が声を掛けたのは今現在の「彼氏」である。内海始うちうみはじめ

 そう呼ぶと満面の笑みでニカっと笑い「今行く」と、返ってくる
そのまま、連だって下駄箱に行くと
「カオルくんバイバーイ!」と、前に俺を振ったやつに挨拶された

 「あーうん。」
扱いが素っ気ないって?そりゃね、振られた相手に愛想よく出来る程できちゃいないよ。

 「カオル大丈夫か?」そうやって始は俺を気遣いに来る。「ああ、大丈夫」
そうやってしばし見つめ合うと、周りから「キャーキャー」騒ぎ出し、さっきの様な振った奴が絡んでくる。何なんだろーな。

 「あ、カオル今日は俺んち寄るだろ?」そう言って先を歩く

 試験勉強をやろうって話をしていたからだ。「うん」手こそ繋いでいなかったが俺達は寄り添う様に歩いてる

 ソレを見掛けては「きゃー」と騒ぐのは辞めてほしい。段々嫌悪感しか沸かなくなっている自分がいる。

 「カオル?」(はっ!)とする事が増えた。始は眉間を触って擦りと「また皺よってるよ? 」と、ビルとビルの間に連れてかれて抱き寄せられると

 「大丈夫?」と、聞いてくる
「ああ…すまない」
「君が謝る事じゃないだろう?」
そう言いながら頬にチュッとされる
「さぁ行こう? 」
「あ、ああ……」俺の顔が真っ赤に染まってから歩き出し

路地裏から出るまで手を繋いで歩いた

 肩と肩が当たるように歩きながら
他愛ない話を交わして、電車に乗る
始は何時も俺を座らせる。そして、隣が空いたらスッと座って膝と膝がくっつく

 最初は何とも思ってなかったが
最近は妙にドキドキしてしまう。やがて、始めの家がある駅に着いたので降りて、始の家へと向かって歩く

 その時も必ず肩と肩をぶつけながら歩いた。それが何か可笑しくて「フフ」と笑うと「何だよ」と始めも笑いながら肩をぶつけて来る

 「ははは」「ふふふ」と笑いながら戯れながら歩いていると

 始が借りてるアパートに着いた
「お邪魔しまーす」と、あがると
「今お茶淹れるから適当に座ってて」っと返ってきたのでベッドに腰掛けて上着を脱いだ

 ホヘーっと部屋を見渡して案外綺麗にしてるんだな……と、拍子抜け

暫くすると、お盆に紅茶を淹れて持ってきた。「ん? 何だよ何もねーよ?」と、ベッドの下を確認してた俺に言う
 「はは、いやちょっと気になってさ」
「エロ本は最近買わなくなったな、カオルと付き合うようになってから」
「そ、そうかよ……」そう言って、俯いてしまった

 そのまま顔を上げると始の、顔が側にあった俺の顔を覗き混んでた「わっ」とびっくりして後ろに倒れてしまった

 スッと横に座って手を重ねられた
俺はもうドキドキしすぎてヤバかった
「紅茶……冷めるよ?」それだけ言って俺から離れやがった

 俺のドキドキ返せよ!っとは、叫べずに悶々としながら紅茶を飲んだ

 


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