36 / 59
ヤグーワイズとマリー
しおりを挟む
ヤグーワイズさんの後ろを歩いて行くと、見える景色は
草原が一面に広がっていた。
緑一面の草原、と鳥の鳴き声
檻や柵がしているけれど、小動物たちや力が弱い生き物の為にもなっている。
「ここから少し歩いて、これから宿舎の中に…」案内しますの言葉を言い終わる前にヤグーワイズさんの身体が後ろを振り返る。
確かに、動物の匂いがする。
もう何年も動物園に行ってないもんなぁと思ってしまった。
これがプルースト効果と言うものです。香水のあの人が話題になりましたね。と
実況風に頭の中で考える。
その時、草原の奥から恐竜の映画にあるような車に乗って
「ハァーーイ」と言いながらこちらに向かってくる
女性がいた。
「マリー」
ヤグーワイズさんが、マリーと名前を呟いた女性は、とても綺麗な人である。
頭にサングラスをかけて、燃えるような赤髪に翡翠色の瞳
車からストッと降りる様は、本当に映画のようなワンシーン。
それなのに、ヤグーワイズさんと同じツナギを着て長靴を履いてるのに腰の太ベルトと暑いのかジッパーが下がっていて中の黒色のタンクトップがチラリと見えている。
「はー!もうヤになっちゃうわ」と、言いながらこちらに向かってきてようやく「マリー!」と呼ぶヤグーワイズさんの焦った声に気付く。
「もォー何よ?」と、ヤグーワイズさんの方向から目線は私達に変わる。
マリーさんはピン!と野生のカンで何かに気づいたようで、ヤグーワイズさんの声を無視して
「どォーもォーアタシ、ヤグーワイズの妻と竜の宿舎の主任権獣医をしてまーす
宜しくね、お嬢サマ♪」とにっこり笑っている赤い唇が
妖艶さを醸し出していた。
そんなマリーさんに
「はい、私は櫻井奏と言います
よろしくお願いします」そう答えた。
マリーさんの後ろで焦っているヤグーワイズさんの様子が中々面白い。
「それでお嬢サマ、どーしてここに来たの?」
「!」
この質問の意図、ヤグーワイズさんは後ろで頭を抱えているし、アネッタやアレックスも表情は見えないけどきっと呆れているのだろう。
そっとため息を吐き出しているのが分かった。
「あー、違う違う」とマリーさんが手をぷらぷらさせながら
「アタシが聞いた意味って……ふーん……」
マリーさんのカンが働いたのだろう。
頭の回転は早いが、ただ言葉が足りない時のやっぱりそう言う意図だった。と確信していた。
どうしてってゲームの中に招待されました、なんて
そんなバカバカしい事言うわけにもいかないけど、
そう言う背景を知っているわけじゃなくて
きっと普通の女の子が、一般的の女の子が殿下の花嫁候補生になるのかと言う意味だと思う。
目の前のマリーさんは、腰に手を当てて私の答えを待っている。
私はニコッと笑い
「どうして、って私は私の信念があってやって参りましたの」
「アンタの信念ね、…」
マリーさんの翡翠色の瞳が私を捉える。
そう、私の目的としてゲームの中だけど、ゲームをクリアするまで「どうせ仕事を休んでる今がチャンス!私のしたいように私の出来る事を楽しみたい」だ。
その為の目標となる「殿下の花嫁候補生や試練」は
ただの指針に過ぎない。
それが私の気持ちで誰にも譲る事の出来ない心だ。
「このお答えでは、納得できないでしょうけれど、私の気持ち、信じる道、決めた心を曲げるわけにはいきません」
しっかりと私もマリーさんの瞳を捉える。
「ふーん」とニヤリと笑うマリーさん。
「まあ、アタシまどろっこしいのキライだからイヤだけど、
アンタの信念があってやって来たって事だけは
認めてあげる」とニッと笑いかけたマリーさん
後ろでヤグーワイズさんが「????」の顔になっていた。
私と目が合うとハッとなり
「マリー!もう君は口を閉ざしなさい!」
「なぁーにー?ヤグーワイズ、今ここでキスするの?」と
するっとマリーさんの腕がヤグーワイズさんの首元に絡まないで、その手をヤグーワイズさんがしっかりと握っていた。
「そう言う意味ではなくて」とゴホンと咳払いするヤグーワイズさんに
「大丈夫です」
「ね♪お嬢サマ」
私にマリーさんはウィンクして私はマリーさんに笑顔で答える。
ますます「???」の顔になったヤグーワイズさんだが、
次第に思考がクリアになったのだろう。
「では、案内の続きを…」とヤグーワイズさんの言葉に
「待って!ヤグーワイズ!竜の様子が少し変なのよ」
「竜騎士達は今誰も居ないのかい?」
「出払っているみたいなの、残っているのは数人とローレンスくらいしか」
「そうか、」
「櫻井様、宿舎の案内はまた後日に変更のお願いをします
それから……」
ドシンドシンドシンドシンと地響きが鳴った。
「まさか…」と焦るヤグーワイズに目配せで頷いているマリー。
草原が一面に広がっていた。
緑一面の草原、と鳥の鳴き声
檻や柵がしているけれど、小動物たちや力が弱い生き物の為にもなっている。
「ここから少し歩いて、これから宿舎の中に…」案内しますの言葉を言い終わる前にヤグーワイズさんの身体が後ろを振り返る。
確かに、動物の匂いがする。
もう何年も動物園に行ってないもんなぁと思ってしまった。
これがプルースト効果と言うものです。香水のあの人が話題になりましたね。と
実況風に頭の中で考える。
その時、草原の奥から恐竜の映画にあるような車に乗って
「ハァーーイ」と言いながらこちらに向かってくる
女性がいた。
「マリー」
ヤグーワイズさんが、マリーと名前を呟いた女性は、とても綺麗な人である。
頭にサングラスをかけて、燃えるような赤髪に翡翠色の瞳
車からストッと降りる様は、本当に映画のようなワンシーン。
それなのに、ヤグーワイズさんと同じツナギを着て長靴を履いてるのに腰の太ベルトと暑いのかジッパーが下がっていて中の黒色のタンクトップがチラリと見えている。
「はー!もうヤになっちゃうわ」と、言いながらこちらに向かってきてようやく「マリー!」と呼ぶヤグーワイズさんの焦った声に気付く。
「もォー何よ?」と、ヤグーワイズさんの方向から目線は私達に変わる。
マリーさんはピン!と野生のカンで何かに気づいたようで、ヤグーワイズさんの声を無視して
「どォーもォーアタシ、ヤグーワイズの妻と竜の宿舎の主任権獣医をしてまーす
宜しくね、お嬢サマ♪」とにっこり笑っている赤い唇が
妖艶さを醸し出していた。
そんなマリーさんに
「はい、私は櫻井奏と言います
よろしくお願いします」そう答えた。
マリーさんの後ろで焦っているヤグーワイズさんの様子が中々面白い。
「それでお嬢サマ、どーしてここに来たの?」
「!」
この質問の意図、ヤグーワイズさんは後ろで頭を抱えているし、アネッタやアレックスも表情は見えないけどきっと呆れているのだろう。
そっとため息を吐き出しているのが分かった。
「あー、違う違う」とマリーさんが手をぷらぷらさせながら
「アタシが聞いた意味って……ふーん……」
マリーさんのカンが働いたのだろう。
頭の回転は早いが、ただ言葉が足りない時のやっぱりそう言う意図だった。と確信していた。
どうしてってゲームの中に招待されました、なんて
そんなバカバカしい事言うわけにもいかないけど、
そう言う背景を知っているわけじゃなくて
きっと普通の女の子が、一般的の女の子が殿下の花嫁候補生になるのかと言う意味だと思う。
目の前のマリーさんは、腰に手を当てて私の答えを待っている。
私はニコッと笑い
「どうして、って私は私の信念があってやって参りましたの」
「アンタの信念ね、…」
マリーさんの翡翠色の瞳が私を捉える。
そう、私の目的としてゲームの中だけど、ゲームをクリアするまで「どうせ仕事を休んでる今がチャンス!私のしたいように私の出来る事を楽しみたい」だ。
その為の目標となる「殿下の花嫁候補生や試練」は
ただの指針に過ぎない。
それが私の気持ちで誰にも譲る事の出来ない心だ。
「このお答えでは、納得できないでしょうけれど、私の気持ち、信じる道、決めた心を曲げるわけにはいきません」
しっかりと私もマリーさんの瞳を捉える。
「ふーん」とニヤリと笑うマリーさん。
「まあ、アタシまどろっこしいのキライだからイヤだけど、
アンタの信念があってやって来たって事だけは
認めてあげる」とニッと笑いかけたマリーさん
後ろでヤグーワイズさんが「????」の顔になっていた。
私と目が合うとハッとなり
「マリー!もう君は口を閉ざしなさい!」
「なぁーにー?ヤグーワイズ、今ここでキスするの?」と
するっとマリーさんの腕がヤグーワイズさんの首元に絡まないで、その手をヤグーワイズさんがしっかりと握っていた。
「そう言う意味ではなくて」とゴホンと咳払いするヤグーワイズさんに
「大丈夫です」
「ね♪お嬢サマ」
私にマリーさんはウィンクして私はマリーさんに笑顔で答える。
ますます「???」の顔になったヤグーワイズさんだが、
次第に思考がクリアになったのだろう。
「では、案内の続きを…」とヤグーワイズさんの言葉に
「待って!ヤグーワイズ!竜の様子が少し変なのよ」
「竜騎士達は今誰も居ないのかい?」
「出払っているみたいなの、残っているのは数人とローレンスくらいしか」
「そうか、」
「櫻井様、宿舎の案内はまた後日に変更のお願いをします
それから……」
ドシンドシンドシンドシンと地響きが鳴った。
「まさか…」と焦るヤグーワイズに目配せで頷いているマリー。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる