304 / 385
15章 祈り(前)
2話 光り、輝く
しおりを挟む
「カイル! 大丈夫か! しっかりしろ、おい!!」
「カイル……!」
ようやく助け上げたけれど、カイルはこちらの呼びかけに応えない。激しく咳き込み荒い呼吸を繰り返すばかり。
短剣が突き刺さった足首から血が流れ、水鏡をじわじわと赤く染め上げていく。
着ている服はいつもとちがって随分と粗雑だ。グレンさんが「捕らえられてすぐに魔法を封じる素材の囚人服に着替えさせられた」と言っていたから、きっとそれだろう。
彼が捕らえられてから10日――その間、食事はあまり満足に与えられなかったのだろうか? 心なしかやつれているように見える……。
「カイル! カイル!!」
「ゲホッ、ゲホッ……! に……にい……ちゃん……? ゲホッ」
「そうだ、オレだよ! おい、一体何が……」
ジャミルの言葉の途中で、カイルがバッと顔を上げた。
「兄ちゃん! 兄ちゃん! ……兄ちゃん……っ!!」
「うわっ!?」
ジャミルの顔を見るやいなや、タックルするような勢いでカイルがジャミルの腰元辺りに抱きつく。
兄弟はそのまま水の中にベシャッと倒れ込んだ。
「ぎゃっ! つ、冷てえ~~……っ!! なんだよオイ、一体どうし――」
「ごめん兄ちゃん……っ、ごめん、ごめん……ごめんよおっ……! うわあああ……っ」
「…………」
兄に縋り付き、錯乱したようにひたすら「ごめん」と泣き叫ぶカイル。
そのただならぬ様子にジャミルは目を見開いたまま固まっていたけど、少しの間のあと、なだめるように弟の頭をそっと撫でた。
「……泣くなよ。ええと……うん。……よく分かんねえけど、生きててよかった。……お帰り」
「…………っ」
ヒックヒックとしゃくり上げながら、カイルは無言で何度もうなずく。
――ああ、なんだか5年前のやり直しをしているみたいだ……。
「…………とりあえず、ここを出よう。傷は教会で治してもらって、詳しい話はまた落ち着いてから――」
「……傷……」
カイルがグレンさんの言葉を反芻してからまたバッと顔を上げ、辺りを見回す。
「カイル? どうしたの……」
「……待ってくれ、俺の……傷なんかどうでもいい、それより――」
「グレン。……あそこに、人が」
「え……?」
ルカがグレンさんの服の裾を引っ張り、険しい顔で遠くを指さす。
水鏡の祭壇に続く道を挟んで向こう側――壁にもたれかかるようにして、人が倒れている。
「……セルジュッ!!」
「!?」
カイルの叫びに全員が目を剥く。
どうやら倒れているのは聖銀騎士団長のセルジュ様らしい――遠目からでは、彼がどういう状態なのか分からない。
ただ彼の周辺の水が深紅に染まっているのだけがはっきりと見てとれる……。
◇
「セルジュ! セルジュ!!」
「セ……セルジュ様!! しっかりしてください! 一体どうなさったの……!?」
神殿内が広すぎるため、転移魔法で倒れているセルジュ様の元に飛んだ。
(…………!)
血の匂いが鼻を突く。お腹に短剣が突き刺さっている上、頭でも打ったのか額から血が幾筋も流れている。
口元も血まみれだ。両手のひらには彼のものと思われる血がべっとりとついて……まさか、自分で刺したのだろうか? どうして……。
「セルジュ! セルジュ!! しっかり……死んじゃ駄目だ……!」
「………………」
カイルが泣きながらセルジュ様に呼びかける。
どうやら彼はセルジュ様がこうなった原因を知っているようだ。
――返事はないけれど、辛うじて息がある。早くどうにかしないと……。
「ベルナデッタ!!」
「え……」
「頼む! 俺は……俺の傷はどうでもいい……! 今すぐセルジュを助けてくれ!!」
「……あ……、あ……の、あの……」
(……カイル、ベル……)
カイルの懇願に、ベルが目に涙を溜めて唇を震わせる。
この状況――ベルの力を知っている人間なら、当然そう言うだろう。
だけど……。
「……カイル……ダメなんだ。ベルは今、魔法が使えない……」
「え……」
ジャミルの言葉に、カイルはまるで自分が死の宣告をされたかのように目を見開く。
「そ、そんな……、なんで……」
「ごめんなさい……あ、あたし、あたし……ごめん、なさい……」
「うそだ……こんな、こと……」
「……カイル……どの……」
「!!」
セルジュ様がうっすらと目を開け、ガタガタと震えながら言葉を発する。
「……セ、セルジュ……」
「……この、空気……。時代は……、元の、流れに……戻った……のですね……」
「……ああそうだ。みんな、あんたのおかげだ……あんたがいなかったら、こうはならなかった……!」
「…………、よ、か……った。……はぁ、はぁ……」
「……もう喋るなセルジュ……大丈夫だ、すぐどっかの教会に運んで治療してもらうから!」
「……ジャミル、ルカ。転移魔法で出るぞ」
「あ、ああ……」
グレンさんが会話の流れを切り、ジャミルとルカに呼びかける。
「どこか教会……そうだな、ポルト市街だ。そこに飛ぼう」
「……いいえ、……駄目です……」
「!」
「私はもう……助からない。こ、こんな……私を、教会になど、連れて、行けば……あ、あなたがたに、謂れのない、罪が……」
「馬鹿なこと言うな!! そんな心配いいんだよ――」
「き……聞いて……下さい。イ、イリアス……は、生きている。……もうじき、彼も、ここに、戻る……はず。だ、だが……ゲホッ、ゲホッ……!!」
「セルジュ……!」
セルジュ様は激しく咳き込み、その都度口から血が噴き出る。
まだ何か言おうとしているけど咳のせいで何も喋ることができず、咳が治まっても口からはゼーゼーヒューヒューという音しか発することができない。
……死んでしまう。
この状況は一体何なのだろう?
誰ひとり何も把握できず、ただ目の前の人の命が失われるところを黙って見ているしかできない。
そんなこと、あっていいはずが……。
(……?)
ふと、背後から"パシャ……"という水音が聞こえた気がして、わたしは後ろを振り向いた。
「え……?」
そこにいたのは、薄手の白いローブを身にまとった青銀色の髪の美しい女性。
目をこすったり何度もまばたきしてみても、消えない。
幻じゃない。確かにそこに……。
「だ、だれ……」
思わず、そうつぶやいてしまった――みんな、わたしのその言葉で一斉に振り向く。
『誰』だなんて、何を言ってるんだろう。
この"月天の間"がどういう所か、誰が眠っている所なのか、ミランダ教徒なら誰だって知っている。
――聖女様だ。
眠っているはずの聖女様が目覚め、わたし達の前に姿を現した。
わたし達の心にずっと語りかけていたのは、間違いなく彼女だ。でも、どうして……。
「リ……、リタ……」
「………………」
カイルに名前を呼ばれ、聖女様は悲しげに微笑む。
――不思議だ。今彼女の名前を聞いたのに全く記憶に残らず一瞬でかき消えてしまう。
「カイル、セルジュ……ごめんなさい。みんな、わたくしのせいね……」
聖女様は静かにまぶたを閉じ、両手を身体の前で組み合わせた。
その手に光が集まり、やがて光は杖の形を取る。
大きな星の輝きを象った、白銀の杖――あれはきっと聖女様だけが持つことを許される、光の紋章の武具のひとつ。
"光輝の杖"と呼ばれているものだ……。
「光よ……」
杖を天に掲げ聖女様が祈ると、杖にはめ込まれている白い宝玉がパアッと輝く。
光がゆらめく水や壁面の魔石にいくつも反射して、神殿中が青や白に輝く――。
「きゃっ……!」
床面を満たす水が揺れ、聖女様を中心にさざ波が円状にいくつも起こって広がる。
カイルとセルジュ様の血で赤く染まっていた水が浄化されるように色を失う。
それと同時に光がカイルとセルジュ様を包み、2人の傷がみるみるうちに癒えていく。
セルジュ様の身体に突き刺さっていた剣が自然に抜けて水面に落ちる。あんなに青白かった顔も、元の命ある色に……。
術の発動が終わると周囲に光の粒子がふわふわと舞いあがる。
粒子が聖女様の長い青銀の髪に触れると、星のようにきらきらと輝いて消えた。
「…………」
目から涙があふれる。
――すごい。まるで、女神様みたいだ……。
だけど、安心したのも束の間。
光が治まったあと聖女様が目を開き、厳しい表情である一点を睨み付けた。
「……来ます」
「!?」
直後、水鏡から「ドバァ」という落下音が響く。
「ひっ……!」
わたしはとっさにグレンさんの後ろに隠れた。
……身体が勝手に震える。落ちてきたものの、正体は……。
「…………イリアス」
グレンさんがわたしをさらに背の後ろに隠しながら、唸るようにそうつぶやく。
セルジュ様の「彼もすぐに戻る」という言葉の通り、イリアスが"どこか"から戻ってきた。
グレンさんとルカがそれぞれ紋章を光らせ警戒態勢を取る――しかし彼は水鏡の水深が浅いところまで這ったあと、その場に座り込んで動かなくなってしまった。
体力も魔力も残されていないのか、両手のひらを見つめたまま荒い呼吸を繰り返すのみ。
やがて……。
「神様、どうして」
……掠れた声で、それだけぽつりとつぶやいた。
「カイル……!」
ようやく助け上げたけれど、カイルはこちらの呼びかけに応えない。激しく咳き込み荒い呼吸を繰り返すばかり。
短剣が突き刺さった足首から血が流れ、水鏡をじわじわと赤く染め上げていく。
着ている服はいつもとちがって随分と粗雑だ。グレンさんが「捕らえられてすぐに魔法を封じる素材の囚人服に着替えさせられた」と言っていたから、きっとそれだろう。
彼が捕らえられてから10日――その間、食事はあまり満足に与えられなかったのだろうか? 心なしかやつれているように見える……。
「カイル! カイル!!」
「ゲホッ、ゲホッ……! に……にい……ちゃん……? ゲホッ」
「そうだ、オレだよ! おい、一体何が……」
ジャミルの言葉の途中で、カイルがバッと顔を上げた。
「兄ちゃん! 兄ちゃん! ……兄ちゃん……っ!!」
「うわっ!?」
ジャミルの顔を見るやいなや、タックルするような勢いでカイルがジャミルの腰元辺りに抱きつく。
兄弟はそのまま水の中にベシャッと倒れ込んだ。
「ぎゃっ! つ、冷てえ~~……っ!! なんだよオイ、一体どうし――」
「ごめん兄ちゃん……っ、ごめん、ごめん……ごめんよおっ……! うわあああ……っ」
「…………」
兄に縋り付き、錯乱したようにひたすら「ごめん」と泣き叫ぶカイル。
そのただならぬ様子にジャミルは目を見開いたまま固まっていたけど、少しの間のあと、なだめるように弟の頭をそっと撫でた。
「……泣くなよ。ええと……うん。……よく分かんねえけど、生きててよかった。……お帰り」
「…………っ」
ヒックヒックとしゃくり上げながら、カイルは無言で何度もうなずく。
――ああ、なんだか5年前のやり直しをしているみたいだ……。
「…………とりあえず、ここを出よう。傷は教会で治してもらって、詳しい話はまた落ち着いてから――」
「……傷……」
カイルがグレンさんの言葉を反芻してからまたバッと顔を上げ、辺りを見回す。
「カイル? どうしたの……」
「……待ってくれ、俺の……傷なんかどうでもいい、それより――」
「グレン。……あそこに、人が」
「え……?」
ルカがグレンさんの服の裾を引っ張り、険しい顔で遠くを指さす。
水鏡の祭壇に続く道を挟んで向こう側――壁にもたれかかるようにして、人が倒れている。
「……セルジュッ!!」
「!?」
カイルの叫びに全員が目を剥く。
どうやら倒れているのは聖銀騎士団長のセルジュ様らしい――遠目からでは、彼がどういう状態なのか分からない。
ただ彼の周辺の水が深紅に染まっているのだけがはっきりと見てとれる……。
◇
「セルジュ! セルジュ!!」
「セ……セルジュ様!! しっかりしてください! 一体どうなさったの……!?」
神殿内が広すぎるため、転移魔法で倒れているセルジュ様の元に飛んだ。
(…………!)
血の匂いが鼻を突く。お腹に短剣が突き刺さっている上、頭でも打ったのか額から血が幾筋も流れている。
口元も血まみれだ。両手のひらには彼のものと思われる血がべっとりとついて……まさか、自分で刺したのだろうか? どうして……。
「セルジュ! セルジュ!! しっかり……死んじゃ駄目だ……!」
「………………」
カイルが泣きながらセルジュ様に呼びかける。
どうやら彼はセルジュ様がこうなった原因を知っているようだ。
――返事はないけれど、辛うじて息がある。早くどうにかしないと……。
「ベルナデッタ!!」
「え……」
「頼む! 俺は……俺の傷はどうでもいい……! 今すぐセルジュを助けてくれ!!」
「……あ……、あ……の、あの……」
(……カイル、ベル……)
カイルの懇願に、ベルが目に涙を溜めて唇を震わせる。
この状況――ベルの力を知っている人間なら、当然そう言うだろう。
だけど……。
「……カイル……ダメなんだ。ベルは今、魔法が使えない……」
「え……」
ジャミルの言葉に、カイルはまるで自分が死の宣告をされたかのように目を見開く。
「そ、そんな……、なんで……」
「ごめんなさい……あ、あたし、あたし……ごめん、なさい……」
「うそだ……こんな、こと……」
「……カイル……どの……」
「!!」
セルジュ様がうっすらと目を開け、ガタガタと震えながら言葉を発する。
「……セ、セルジュ……」
「……この、空気……。時代は……、元の、流れに……戻った……のですね……」
「……ああそうだ。みんな、あんたのおかげだ……あんたがいなかったら、こうはならなかった……!」
「…………、よ、か……った。……はぁ、はぁ……」
「……もう喋るなセルジュ……大丈夫だ、すぐどっかの教会に運んで治療してもらうから!」
「……ジャミル、ルカ。転移魔法で出るぞ」
「あ、ああ……」
グレンさんが会話の流れを切り、ジャミルとルカに呼びかける。
「どこか教会……そうだな、ポルト市街だ。そこに飛ぼう」
「……いいえ、……駄目です……」
「!」
「私はもう……助からない。こ、こんな……私を、教会になど、連れて、行けば……あ、あなたがたに、謂れのない、罪が……」
「馬鹿なこと言うな!! そんな心配いいんだよ――」
「き……聞いて……下さい。イ、イリアス……は、生きている。……もうじき、彼も、ここに、戻る……はず。だ、だが……ゲホッ、ゲホッ……!!」
「セルジュ……!」
セルジュ様は激しく咳き込み、その都度口から血が噴き出る。
まだ何か言おうとしているけど咳のせいで何も喋ることができず、咳が治まっても口からはゼーゼーヒューヒューという音しか発することができない。
……死んでしまう。
この状況は一体何なのだろう?
誰ひとり何も把握できず、ただ目の前の人の命が失われるところを黙って見ているしかできない。
そんなこと、あっていいはずが……。
(……?)
ふと、背後から"パシャ……"という水音が聞こえた気がして、わたしは後ろを振り向いた。
「え……?」
そこにいたのは、薄手の白いローブを身にまとった青銀色の髪の美しい女性。
目をこすったり何度もまばたきしてみても、消えない。
幻じゃない。確かにそこに……。
「だ、だれ……」
思わず、そうつぶやいてしまった――みんな、わたしのその言葉で一斉に振り向く。
『誰』だなんて、何を言ってるんだろう。
この"月天の間"がどういう所か、誰が眠っている所なのか、ミランダ教徒なら誰だって知っている。
――聖女様だ。
眠っているはずの聖女様が目覚め、わたし達の前に姿を現した。
わたし達の心にずっと語りかけていたのは、間違いなく彼女だ。でも、どうして……。
「リ……、リタ……」
「………………」
カイルに名前を呼ばれ、聖女様は悲しげに微笑む。
――不思議だ。今彼女の名前を聞いたのに全く記憶に残らず一瞬でかき消えてしまう。
「カイル、セルジュ……ごめんなさい。みんな、わたくしのせいね……」
聖女様は静かにまぶたを閉じ、両手を身体の前で組み合わせた。
その手に光が集まり、やがて光は杖の形を取る。
大きな星の輝きを象った、白銀の杖――あれはきっと聖女様だけが持つことを許される、光の紋章の武具のひとつ。
"光輝の杖"と呼ばれているものだ……。
「光よ……」
杖を天に掲げ聖女様が祈ると、杖にはめ込まれている白い宝玉がパアッと輝く。
光がゆらめく水や壁面の魔石にいくつも反射して、神殿中が青や白に輝く――。
「きゃっ……!」
床面を満たす水が揺れ、聖女様を中心にさざ波が円状にいくつも起こって広がる。
カイルとセルジュ様の血で赤く染まっていた水が浄化されるように色を失う。
それと同時に光がカイルとセルジュ様を包み、2人の傷がみるみるうちに癒えていく。
セルジュ様の身体に突き刺さっていた剣が自然に抜けて水面に落ちる。あんなに青白かった顔も、元の命ある色に……。
術の発動が終わると周囲に光の粒子がふわふわと舞いあがる。
粒子が聖女様の長い青銀の髪に触れると、星のようにきらきらと輝いて消えた。
「…………」
目から涙があふれる。
――すごい。まるで、女神様みたいだ……。
だけど、安心したのも束の間。
光が治まったあと聖女様が目を開き、厳しい表情である一点を睨み付けた。
「……来ます」
「!?」
直後、水鏡から「ドバァ」という落下音が響く。
「ひっ……!」
わたしはとっさにグレンさんの後ろに隠れた。
……身体が勝手に震える。落ちてきたものの、正体は……。
「…………イリアス」
グレンさんがわたしをさらに背の後ろに隠しながら、唸るようにそうつぶやく。
セルジュ様の「彼もすぐに戻る」という言葉の通り、イリアスが"どこか"から戻ってきた。
グレンさんとルカがそれぞれ紋章を光らせ警戒態勢を取る――しかし彼は水鏡の水深が浅いところまで這ったあと、その場に座り込んで動かなくなってしまった。
体力も魔力も残されていないのか、両手のひらを見つめたまま荒い呼吸を繰り返すのみ。
やがて……。
「神様、どうして」
……掠れた声で、それだけぽつりとつぶやいた。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
仕事で疲れて会えないと、恋人に距離を置かれましたが、彼の上司に溺愛されているので幸せです!
ぽんちゃん
恋愛
――仕事で疲れて会えない。
十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。
記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。
そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる