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23話
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死罪相当の罪。
そう宣言した貴族院の続く判決は、聴衆の意見が大きく割れるものとなった。
「被告ルーベルには、三十年の強制徴兵義務を課す」
「また、被告リナリア・テルムには子が産まれるまでの収容。その後はその力を国家の管理下に置く事を課す。平時は禁固刑にて自由を禁ずる」
高まった国民感情は納得しない、査問会を聴取していた者からは死罪を望む声が上がった。
しかし貴族院の裁定は下った。
もはや決定は覆らず、国家を揺るがす此度の騒動への査問会は閉会となった。
「すまないな。ナディア嬢。君の願う結果には判決は沿わなかったかもしれない」
査問会を終えた後、ドルメン公爵が私を呼び出す。
そして用意された室内にて、言葉を続けた。
「我ら貴族も、死罪を求める声が大きいのは承知している。その声に押されて国王陛下の死罪は即時行われる予定だ」
「……」
「しかし、知っての通りに隣国との交渉の場にこぎつけたはいいが……それで戦争が終わる訳ではない。長い戦争による遺恨は強く残り、小競り合いは頻発するだろう」
「そうですね。そう甘くは無いと分かっております」
「我が国が疲弊している事実は変わらない。これからも戦時下が続くのならば、貴族院としては実益性を考慮した判断をルーベル達にとった」
もちろん分かっている。
あんな行為をしたルーベルだけど、彼が英雄として称されていた戦果は紛れもない事実。
その力には大きな有益性がある。
加えてリナリア姫も力が弱いと言われていたけれど、あの査問会で見せた力は私と同等かもしれない。
それが限定的でないのなら、有益性は言うまでもない。
貴族院としては二人を死罪とするより、罪人として酷使する方が得策だと判断したのだろう。
「この判決は軽く見えるかもしれないが、実際には非情だ。私達は二人の罪人を利用して、国のために使い潰す気でいる。それが貴族院として国の立て直しの最善だからだ」
「……判断の理由については、理解はしております」
「だが君が多くの兵の危機を退き、隣国との交渉の機会を作った立役者として……私は最大の謝意を込めて配慮もしたいと思っている」
「何が言いたいのですか」
「もし我らの判決に不服があるならば、私が異議申し立てて死罪にすると約束する。君が望むのなら従おう」
私が二人を死罪としたいか、そう問いかけているのだろう。
でも私の答えは変わらない。
「以前に伝えた通りに私の目的は復讐ではありません。自らの正当性を示し、自身の生活を取り戻す事です」
「……そうであったな」
「私の正当性を認め、彼らを裁く判決をしてくださったのなら、私は貴族院の判決に異論ありません」
「有難い。そう言ってくれるなら、我が国としては助かる」
ドルメン公爵は安堵しつつ、私へと呟きを続ける。
「せめて礼替わりに、君が望む平穏な生活を取り戻す事には尽力しよう」
「出来るのですか?」
「良くも悪くも、君は民や貴族から同情と支持を得ている。その影響力を貴族は純粋に恐れていてな。君が望むなら貴族も下手に手を出せないだろう」
「しかし、この力を利用したいと願う人は多いはずです……」
「リナリアの力に一定の利用価値があれば、ナディア嬢の力に頼る前に彼女の力を行使する予定だ。もしそれが可能なら、君の平穏は約束されよう」
彼らの力を利用して、使い潰す。
それは非情かもしれない判断だと、今なら少し感じる。
彼らにとっての今後は、もはや国家の道具となるのだから。
その判決は私には、もはや手の届かぬ領域……文句など言うつもりはない。
「ドルメン公爵、多くのご配慮をありがとうございます。貴方や皆様のおかげで、こうして王都に帰ってこれました」
「いや、私も君には多くを学ばせてもらった。これからは……君の平穏と、民のために改めて襟を正して生きていくよ。それが私の責務だからな」
礼と共に出て行く私に、ドルメン公爵は軍で行う敬礼を行った。
最大の敬意が込められた仕草を背に受けながら部屋を出れば……セトアさんが待ってくれていた。
「ナディア、君のパン屋で常連客の皆が待っている。帰ろう……君の居場所へ」
「セトアさん、ありがとうございます。帰りましょう」
「手を……」
「っ、はい。ありがとうございます」
セトアさんがエスコートして、王都へと出て行く。
待ち行く人々は査問会で私の顔を知る者が多いのだろう、労いや同情の声が届く。
暫くは人目につくのが恥ずかしい日々になりそうだと、苦笑しつつセトアさんに続いた。
「ナディア……迂回しないか?」
ふと、セトアさんが大通りで立ち止まる。
どうしてかと思えば、王城の方から歩いてくる集団が見えた。
あの集団は……ルーベルやリナリア姫が、戦地近くの拘留場に送らようとしているのだ。
セトアさんは私に見せないように配慮してくれたのだろう。
でも……
「いいんです。見届けます」
「辛くは無いか?」
「大丈夫です。セトアさんもいてくれますから」
かつての夫が、また死線に近い戦地へと送られていく。
その送り出しを……結婚時と今、二回も経験する事に少しだけ胸が痛む。
ルーベルとリナリア姫が手錠をかけられて、大通りを歩かされる。
見せしめ、国民感情を治めるための処置だが……二人の悲惨さがより際立った。
「なにが英雄だ! ふざけた事をしやがって!」
「私達の血税で不義だなんて、国の恥さらしよ!」
「出て行け! 二度と顔を見せるな!」
かつては英雄、聖女と称された二人の落差。
これが犯した罪への罰であり、それに対しての罵詈雑言は止まらない。
投げられる石がルーベルの肌を裂き、リナリアにかけられた砂が真っ赤な髪を穢す。
二人の人生のこれからの悲惨さが、嫌でも伝わる。
「っ!! ナディア……」
歩いていたルーベルが顔を上げて、私と目線を合わせる。
大きく見開いた瞳は苦悶の表情となり、申し訳なさを感じているように目線を逸らす。
何も期待してはいない、ただ彼の最後を見届けるのは私の役目だとも感じていた。
だからなにも言葉は期待していなかったのに……
「すまなかった」
ルーベルが私の前を通り過ぎる間際、罵声浴びる中で呟いたのだ。
私を見て、彼の言葉が続いた。
「こんな言葉、もう君は要らないと思う。だけど……せめて伝えさせてほしい」
「……」
「感謝している。俺なんかと結婚して、支えてくれて……」
「っ!!」
『––––感謝している。ナディア、必ずまた、この言葉を伝えるために戻ってくるから』
かつて、そう言って出征した彼を思い出す。
あの時に約束していた言葉を送り、最後に彼が示した謝意。
なにも期待してないし、もう彼に対する感情は捨てたはずなのに……
こみ上げる気持ちが今になって胸を貫く。
どうして、今なの。
「ずっと……そう言ってくれるのを、待ってたんだよ。ルーベル」
奮い立たせていた気持ちが、強くあろうとした精神が崩れていく。
我慢していた感情が、瞳を潤ませた。
「……何も返せず、すまなかった」
去っていく彼が最後に果たした、ただの口約束。
三年の月日を経て、ようやく彼から聞けた言葉は……遅すぎた。
本当に、遅すぎる。
遅すぎるよ……ルーベル。
「わ。わたしは……わたしはずっと……貴方におかえりと、言いたかったの」
溢れ出る涙が止まらない。
蓋をしていた悲しみが今になって、とめどなく頬を伝う。
支えていた彼からの感謝、それだけを待ち続けた。
戦地に向かった彼の無事を祈り、ずっと不安の中で過ごして……支え、愛し続けていた過去を思い出して涙が止まらない。
「三年間も待っていたんだよ私……ずっと、ずっと」
「ナディア……」
セトアさんが抱きしめてくれて、私の涙を隠してくれる。
その優しさに感謝しながら、思い出した悲しみをとめどなく流し続ける。
「さよなら……ルーベル」
私がかつて愛した、大好きだった人。
貴方を憎んでいる……だけど、待ち続けた私の感情はそう簡単に折り合いは付けられない。
戦争で離れた日々は、私から全てを奪った……悲惨な事しか残っていない。
けれど私は約束を果たしてもらったから。
もう未練はない。
貴方の傍から離れて、私は生きていく。
これからも、この先も。
そう宣言した貴族院の続く判決は、聴衆の意見が大きく割れるものとなった。
「被告ルーベルには、三十年の強制徴兵義務を課す」
「また、被告リナリア・テルムには子が産まれるまでの収容。その後はその力を国家の管理下に置く事を課す。平時は禁固刑にて自由を禁ずる」
高まった国民感情は納得しない、査問会を聴取していた者からは死罪を望む声が上がった。
しかし貴族院の裁定は下った。
もはや決定は覆らず、国家を揺るがす此度の騒動への査問会は閉会となった。
「すまないな。ナディア嬢。君の願う結果には判決は沿わなかったかもしれない」
査問会を終えた後、ドルメン公爵が私を呼び出す。
そして用意された室内にて、言葉を続けた。
「我ら貴族も、死罪を求める声が大きいのは承知している。その声に押されて国王陛下の死罪は即時行われる予定だ」
「……」
「しかし、知っての通りに隣国との交渉の場にこぎつけたはいいが……それで戦争が終わる訳ではない。長い戦争による遺恨は強く残り、小競り合いは頻発するだろう」
「そうですね。そう甘くは無いと分かっております」
「我が国が疲弊している事実は変わらない。これからも戦時下が続くのならば、貴族院としては実益性を考慮した判断をルーベル達にとった」
もちろん分かっている。
あんな行為をしたルーベルだけど、彼が英雄として称されていた戦果は紛れもない事実。
その力には大きな有益性がある。
加えてリナリア姫も力が弱いと言われていたけれど、あの査問会で見せた力は私と同等かもしれない。
それが限定的でないのなら、有益性は言うまでもない。
貴族院としては二人を死罪とするより、罪人として酷使する方が得策だと判断したのだろう。
「この判決は軽く見えるかもしれないが、実際には非情だ。私達は二人の罪人を利用して、国のために使い潰す気でいる。それが貴族院として国の立て直しの最善だからだ」
「……判断の理由については、理解はしております」
「だが君が多くの兵の危機を退き、隣国との交渉の機会を作った立役者として……私は最大の謝意を込めて配慮もしたいと思っている」
「何が言いたいのですか」
「もし我らの判決に不服があるならば、私が異議申し立てて死罪にすると約束する。君が望むのなら従おう」
私が二人を死罪としたいか、そう問いかけているのだろう。
でも私の答えは変わらない。
「以前に伝えた通りに私の目的は復讐ではありません。自らの正当性を示し、自身の生活を取り戻す事です」
「……そうであったな」
「私の正当性を認め、彼らを裁く判決をしてくださったのなら、私は貴族院の判決に異論ありません」
「有難い。そう言ってくれるなら、我が国としては助かる」
ドルメン公爵は安堵しつつ、私へと呟きを続ける。
「せめて礼替わりに、君が望む平穏な生活を取り戻す事には尽力しよう」
「出来るのですか?」
「良くも悪くも、君は民や貴族から同情と支持を得ている。その影響力を貴族は純粋に恐れていてな。君が望むなら貴族も下手に手を出せないだろう」
「しかし、この力を利用したいと願う人は多いはずです……」
「リナリアの力に一定の利用価値があれば、ナディア嬢の力に頼る前に彼女の力を行使する予定だ。もしそれが可能なら、君の平穏は約束されよう」
彼らの力を利用して、使い潰す。
それは非情かもしれない判断だと、今なら少し感じる。
彼らにとっての今後は、もはや国家の道具となるのだから。
その判決は私には、もはや手の届かぬ領域……文句など言うつもりはない。
「ドルメン公爵、多くのご配慮をありがとうございます。貴方や皆様のおかげで、こうして王都に帰ってこれました」
「いや、私も君には多くを学ばせてもらった。これからは……君の平穏と、民のために改めて襟を正して生きていくよ。それが私の責務だからな」
礼と共に出て行く私に、ドルメン公爵は軍で行う敬礼を行った。
最大の敬意が込められた仕草を背に受けながら部屋を出れば……セトアさんが待ってくれていた。
「ナディア、君のパン屋で常連客の皆が待っている。帰ろう……君の居場所へ」
「セトアさん、ありがとうございます。帰りましょう」
「手を……」
「っ、はい。ありがとうございます」
セトアさんがエスコートして、王都へと出て行く。
待ち行く人々は査問会で私の顔を知る者が多いのだろう、労いや同情の声が届く。
暫くは人目につくのが恥ずかしい日々になりそうだと、苦笑しつつセトアさんに続いた。
「ナディア……迂回しないか?」
ふと、セトアさんが大通りで立ち止まる。
どうしてかと思えば、王城の方から歩いてくる集団が見えた。
あの集団は……ルーベルやリナリア姫が、戦地近くの拘留場に送らようとしているのだ。
セトアさんは私に見せないように配慮してくれたのだろう。
でも……
「いいんです。見届けます」
「辛くは無いか?」
「大丈夫です。セトアさんもいてくれますから」
かつての夫が、また死線に近い戦地へと送られていく。
その送り出しを……結婚時と今、二回も経験する事に少しだけ胸が痛む。
ルーベルとリナリア姫が手錠をかけられて、大通りを歩かされる。
見せしめ、国民感情を治めるための処置だが……二人の悲惨さがより際立った。
「なにが英雄だ! ふざけた事をしやがって!」
「私達の血税で不義だなんて、国の恥さらしよ!」
「出て行け! 二度と顔を見せるな!」
かつては英雄、聖女と称された二人の落差。
これが犯した罪への罰であり、それに対しての罵詈雑言は止まらない。
投げられる石がルーベルの肌を裂き、リナリアにかけられた砂が真っ赤な髪を穢す。
二人の人生のこれからの悲惨さが、嫌でも伝わる。
「っ!! ナディア……」
歩いていたルーベルが顔を上げて、私と目線を合わせる。
大きく見開いた瞳は苦悶の表情となり、申し訳なさを感じているように目線を逸らす。
何も期待してはいない、ただ彼の最後を見届けるのは私の役目だとも感じていた。
だからなにも言葉は期待していなかったのに……
「すまなかった」
ルーベルが私の前を通り過ぎる間際、罵声浴びる中で呟いたのだ。
私を見て、彼の言葉が続いた。
「こんな言葉、もう君は要らないと思う。だけど……せめて伝えさせてほしい」
「……」
「感謝している。俺なんかと結婚して、支えてくれて……」
「っ!!」
『––––感謝している。ナディア、必ずまた、この言葉を伝えるために戻ってくるから』
かつて、そう言って出征した彼を思い出す。
あの時に約束していた言葉を送り、最後に彼が示した謝意。
なにも期待してないし、もう彼に対する感情は捨てたはずなのに……
こみ上げる気持ちが今になって胸を貫く。
どうして、今なの。
「ずっと……そう言ってくれるのを、待ってたんだよ。ルーベル」
奮い立たせていた気持ちが、強くあろうとした精神が崩れていく。
我慢していた感情が、瞳を潤ませた。
「……何も返せず、すまなかった」
去っていく彼が最後に果たした、ただの口約束。
三年の月日を経て、ようやく彼から聞けた言葉は……遅すぎた。
本当に、遅すぎる。
遅すぎるよ……ルーベル。
「わ。わたしは……わたしはずっと……貴方におかえりと、言いたかったの」
溢れ出る涙が止まらない。
蓋をしていた悲しみが今になって、とめどなく頬を伝う。
支えていた彼からの感謝、それだけを待ち続けた。
戦地に向かった彼の無事を祈り、ずっと不安の中で過ごして……支え、愛し続けていた過去を思い出して涙が止まらない。
「三年間も待っていたんだよ私……ずっと、ずっと」
「ナディア……」
セトアさんが抱きしめてくれて、私の涙を隠してくれる。
その優しさに感謝しながら、思い出した悲しみをとめどなく流し続ける。
「さよなら……ルーベル」
私がかつて愛した、大好きだった人。
貴方を憎んでいる……だけど、待ち続けた私の感情はそう簡単に折り合いは付けられない。
戦争で離れた日々は、私から全てを奪った……悲惨な事しか残っていない。
けれど私は約束を果たしてもらったから。
もう未練はない。
貴方の傍から離れて、私は生きていく。
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