25 / 44
20話
しおりを挟む
「怒らぬのですか? 本来であれば公爵家令嬢として……妃の座にしがみつくべきなのに」
妃に戻る気は無い。
私の意志をあっさりと受け入れた父に、思わず問いかける。
「怒りか…………数か月前までであれば、何がなんでも妃にしがみつく事を説いていたかもしれんな。それが公爵家の繁栄にも繋がるからだ」
小さな呟きと共に、父は立ち上がる。
応接室の窓際へと歩いて、外を見ながら言葉を続けた。
「だが、お前に任せたこのリエン地方の報告を聞き、実際に訪れてみれば。妃に戻れなど言えんさ」
「父の期待に応える成果となっておりましたか?」
「そうだな。ゴミもなく、人の排泄物すらない街。お前が言っていた衛生観念を変えるという言葉通りに、街を変えている様子に驚かされた」
「……」
「加えて水の生産による一定の利益を出すなど、僅か数か月の成果とは考えつかぬ事だ。私こそ参考に話を聞きたい統治といえる」
賞賛の言葉をくれた父は、こちらに振り返る。
その頬には久しく見ていなかった笑みが刻まれており、先ほどの認める瞳が私を見つめる。
「よくやった。父として誇りに思う」
「……ありがとうございます。お父様」
「クドス国王が今後、万が一にもお前を求めるような事があれば……シモンズ公爵家として守ると誓う」
「っ!!」
「娘であり、このリエン地方領主代理でもあるお前を、愚かな王になど二度とくれてやるものか」
私の頭に手を乗せて、褒めるように撫でてくる父。
子供の頃に数度しか経験のなかった行為に、妙な気恥ずかしさを感じる。
大人になって褒められるのは嬉しいけど、恥ずかしいものだ。
「はは、すっかり大きくなった。前に撫でた時は、こんなに小さかったのに」
そう言って父は指の間に空間を作る。
父が作った豆程のサイズに、思わず笑ってしまう。
「ふふ、なんですか。そんなに小さくありませんよ」
「これほど小さく見えていたのが、すっかり大きくなりおって」
父とのこんな砕けた会話など、いつ振りだろうか。
妃という責務を抱えていた頃に比べれば、やはり今の方が幸せだ。
「して、次のリエン地方の展望はなにを考えている。聞いてもいいか?」
「もちろんです、お父様。次は石鹸を隣国へと売り出す予定です」
「なに?」
「すでに隣国王太子のジーニアス殿下とも商談を終えています」
「な…………ま、まてまて。なにを、どこまで進んでいるだって!?」
父の表情が明らかに驚愕している。
まぁ、僅か数か月の間にここまで進んでいるなんて誰も想像できないだろう。
たまたまジーニアス様が来たおかげでもあるけど。
「お父様、説明した通りの事です。今後もリエン地方は大きく発展させます」
「な……」
「石鹸だけではありません。人の排泄物を肥料に変え、作物の収穫量にも改善をかけます。領民の衛生観念が整う事に加えて、税収が安定してくれば医者も迎えて病気などにも備えるのです」
父の瞳はいまや大きく見開かれて、驚きで言葉を失っている。
そんな父に、さらに私は言葉を続けていく。
「妃に戻らぬ事を決めたのは、決して私情のみではありません……このリエン地方にて評価を得る下地が整っているからこそ、戻る必要がないのです」
「ラツィア……お前は、どこまで見越している」
「清潔に暮らせるその日を夢見て、前に突き進んでいるだけです」
そう言った直後、応接室の扉をノックする音が響く。
誰かと思えば、弟のレルクの声が聞こえた。
「姉さん、入ってもいい?」
「ええ、お父様も来ているから是非入って、レルク」
「うん!」
レルクは応接室へとやってきて、久しぶりに会った父へと少し緊張しながら挨拶を交わす。
そして要件を尋ねようと視線を向ければ、彼は聞かずとも話してくれた。
「姉さんが呼んでいた人達が来たみたいだよ。今は屋敷の外で待ってくれてる」
「もう来て下さったのですね。お父様……少し屋敷の外に一緒に出ませんか?」
「あ、あぁ。しかし誰が……?」
「ふふ、このリエン地方を共に発展させる協力者達が来てくれたんです」
「父様、姉さんはすごいよ。ぼくね……いっしょにいれてすごくよかった」
レルクが私を褒めてくれる言葉を聞きながら、屋敷の外へと出れば彼らは待ってくれていた。
私を見て……王城に務めていた『元』文官達は跪く。
「皆様、来て下さったのですね」
「ラツィア様、再び貴方にお会いできた事にまず感謝を……そして、貴方と再び共に歩む機会を授けてくださった事に感謝いたします!」
「おおげさよ、皆の協力があって……ここからリエン地方を発展させていければ嬉しいのだから」
「我らも妃であった貴方に何度も救ってもらっていた御恩を返すためにも、貴方の治世を共に歩ませてください」
十人は超えるという元文官達が、私の呼びかけに応えて来てくれた。
このリエン地方を発展させるための協力者として、これ以上はないだろう。
「ラツィア……これは?」
父が再び驚きながら尋ねるので、笑って答える。
「お父様、王城に務める文官達にも協力を得られる手筈も整えておりました」
「な……」
「充分過ぎる人手、これからの展望も揃った今。また妃になんて戻れるはずがありません」
私は元文官の皆の視線を受けながら、鼓舞するように声を張り上げる。
「ここから一気に進めましょう! このリエン地方から……我が国を綺麗にしていくわ!」
「「「ははっ!!!!」」」
さぁ、もう準備は整い。
後は走り続けるのみだ……
クドスとイェシカは、状況を聞いているだけでもかなり追い込まれている。
はっきりいって絶望的だ。
私がこれ以上の躍進をとげていけば、あの二人への貴族家の風当たりは酷いものとなるだろう。
でもね。
こっちはそんな二人を気にして止まってあげる気は毛頭無い。
「清潔で自由な生活を手に入れるためにも、まだまだ走り続けるわよ」
私はこの国の衛生観念を変える、そのためにはもう止まれない。
父は集まった皆を見つめた後、私へと振り向いた。
「……ラツィア、お前がここまで先を見据えて、動いていたとはな」
父は私の決意を聞いて、嬉しそうに頷く。
かつて私へと賭けてリエン地方を任せてくれた父に、期待に応える事は出来たようだ。
微笑んだ父。
その笑みが見れた事が、娘としては嬉しく思う。
「私は引き続き、王妃候補のイェシカについて調査を進めておく。お前を王妃に薦める公爵家の声も止めておこう。私の娘を二度も王家にやる気はない」
「ありがとうございます。お父様」
「では公爵家の執務もあるため、今日は帰らせてもらおう」
「お父様。また来られた際には、より良い成果をお見せいたしますね」
「楽しみにしているぞ。ラツィア」
父は背を向けて、自らが乗ってきた馬車へと歩き出す。
また別れる事に少しの寂しさを感じる中で見送っていた時。
なんと父が振り向いた。
なにか、別れの言葉をくれるのだろうか……
「それと、また……石鹸をもらえるか。前に貰ったのが尽きてな」
「ふふ、分かりました。お父様」
どうやら、しっかり石鹸で身体を洗う事にハマってしまったようだ。
今日も会った時からいい匂いしていたから分かっていたけれど。
これもいい兆しだ。
妃に戻る気は無い。
私の意志をあっさりと受け入れた父に、思わず問いかける。
「怒りか…………数か月前までであれば、何がなんでも妃にしがみつく事を説いていたかもしれんな。それが公爵家の繁栄にも繋がるからだ」
小さな呟きと共に、父は立ち上がる。
応接室の窓際へと歩いて、外を見ながら言葉を続けた。
「だが、お前に任せたこのリエン地方の報告を聞き、実際に訪れてみれば。妃に戻れなど言えんさ」
「父の期待に応える成果となっておりましたか?」
「そうだな。ゴミもなく、人の排泄物すらない街。お前が言っていた衛生観念を変えるという言葉通りに、街を変えている様子に驚かされた」
「……」
「加えて水の生産による一定の利益を出すなど、僅か数か月の成果とは考えつかぬ事だ。私こそ参考に話を聞きたい統治といえる」
賞賛の言葉をくれた父は、こちらに振り返る。
その頬には久しく見ていなかった笑みが刻まれており、先ほどの認める瞳が私を見つめる。
「よくやった。父として誇りに思う」
「……ありがとうございます。お父様」
「クドス国王が今後、万が一にもお前を求めるような事があれば……シモンズ公爵家として守ると誓う」
「っ!!」
「娘であり、このリエン地方領主代理でもあるお前を、愚かな王になど二度とくれてやるものか」
私の頭に手を乗せて、褒めるように撫でてくる父。
子供の頃に数度しか経験のなかった行為に、妙な気恥ずかしさを感じる。
大人になって褒められるのは嬉しいけど、恥ずかしいものだ。
「はは、すっかり大きくなった。前に撫でた時は、こんなに小さかったのに」
そう言って父は指の間に空間を作る。
父が作った豆程のサイズに、思わず笑ってしまう。
「ふふ、なんですか。そんなに小さくありませんよ」
「これほど小さく見えていたのが、すっかり大きくなりおって」
父とのこんな砕けた会話など、いつ振りだろうか。
妃という責務を抱えていた頃に比べれば、やはり今の方が幸せだ。
「して、次のリエン地方の展望はなにを考えている。聞いてもいいか?」
「もちろんです、お父様。次は石鹸を隣国へと売り出す予定です」
「なに?」
「すでに隣国王太子のジーニアス殿下とも商談を終えています」
「な…………ま、まてまて。なにを、どこまで進んでいるだって!?」
父の表情が明らかに驚愕している。
まぁ、僅か数か月の間にここまで進んでいるなんて誰も想像できないだろう。
たまたまジーニアス様が来たおかげでもあるけど。
「お父様、説明した通りの事です。今後もリエン地方は大きく発展させます」
「な……」
「石鹸だけではありません。人の排泄物を肥料に変え、作物の収穫量にも改善をかけます。領民の衛生観念が整う事に加えて、税収が安定してくれば医者も迎えて病気などにも備えるのです」
父の瞳はいまや大きく見開かれて、驚きで言葉を失っている。
そんな父に、さらに私は言葉を続けていく。
「妃に戻らぬ事を決めたのは、決して私情のみではありません……このリエン地方にて評価を得る下地が整っているからこそ、戻る必要がないのです」
「ラツィア……お前は、どこまで見越している」
「清潔に暮らせるその日を夢見て、前に突き進んでいるだけです」
そう言った直後、応接室の扉をノックする音が響く。
誰かと思えば、弟のレルクの声が聞こえた。
「姉さん、入ってもいい?」
「ええ、お父様も来ているから是非入って、レルク」
「うん!」
レルクは応接室へとやってきて、久しぶりに会った父へと少し緊張しながら挨拶を交わす。
そして要件を尋ねようと視線を向ければ、彼は聞かずとも話してくれた。
「姉さんが呼んでいた人達が来たみたいだよ。今は屋敷の外で待ってくれてる」
「もう来て下さったのですね。お父様……少し屋敷の外に一緒に出ませんか?」
「あ、あぁ。しかし誰が……?」
「ふふ、このリエン地方を共に発展させる協力者達が来てくれたんです」
「父様、姉さんはすごいよ。ぼくね……いっしょにいれてすごくよかった」
レルクが私を褒めてくれる言葉を聞きながら、屋敷の外へと出れば彼らは待ってくれていた。
私を見て……王城に務めていた『元』文官達は跪く。
「皆様、来て下さったのですね」
「ラツィア様、再び貴方にお会いできた事にまず感謝を……そして、貴方と再び共に歩む機会を授けてくださった事に感謝いたします!」
「おおげさよ、皆の協力があって……ここからリエン地方を発展させていければ嬉しいのだから」
「我らも妃であった貴方に何度も救ってもらっていた御恩を返すためにも、貴方の治世を共に歩ませてください」
十人は超えるという元文官達が、私の呼びかけに応えて来てくれた。
このリエン地方を発展させるための協力者として、これ以上はないだろう。
「ラツィア……これは?」
父が再び驚きながら尋ねるので、笑って答える。
「お父様、王城に務める文官達にも協力を得られる手筈も整えておりました」
「な……」
「充分過ぎる人手、これからの展望も揃った今。また妃になんて戻れるはずがありません」
私は元文官の皆の視線を受けながら、鼓舞するように声を張り上げる。
「ここから一気に進めましょう! このリエン地方から……我が国を綺麗にしていくわ!」
「「「ははっ!!!!」」」
さぁ、もう準備は整い。
後は走り続けるのみだ……
クドスとイェシカは、状況を聞いているだけでもかなり追い込まれている。
はっきりいって絶望的だ。
私がこれ以上の躍進をとげていけば、あの二人への貴族家の風当たりは酷いものとなるだろう。
でもね。
こっちはそんな二人を気にして止まってあげる気は毛頭無い。
「清潔で自由な生活を手に入れるためにも、まだまだ走り続けるわよ」
私はこの国の衛生観念を変える、そのためにはもう止まれない。
父は集まった皆を見つめた後、私へと振り向いた。
「……ラツィア、お前がここまで先を見据えて、動いていたとはな」
父は私の決意を聞いて、嬉しそうに頷く。
かつて私へと賭けてリエン地方を任せてくれた父に、期待に応える事は出来たようだ。
微笑んだ父。
その笑みが見れた事が、娘としては嬉しく思う。
「私は引き続き、王妃候補のイェシカについて調査を進めておく。お前を王妃に薦める公爵家の声も止めておこう。私の娘を二度も王家にやる気はない」
「ありがとうございます。お父様」
「では公爵家の執務もあるため、今日は帰らせてもらおう」
「お父様。また来られた際には、より良い成果をお見せいたしますね」
「楽しみにしているぞ。ラツィア」
父は背を向けて、自らが乗ってきた馬車へと歩き出す。
また別れる事に少しの寂しさを感じる中で見送っていた時。
なんと父が振り向いた。
なにか、別れの言葉をくれるのだろうか……
「それと、また……石鹸をもらえるか。前に貰ったのが尽きてな」
「ふふ、分かりました。お父様」
どうやら、しっかり石鹸で身体を洗う事にハマってしまったようだ。
今日も会った時からいい匂いしていたから分かっていたけれど。
これもいい兆しだ。
2,602
あなたにおすすめの小説
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる