23 / 30
19話
しおりを挟む
「ムルガ公爵は捕らえられ、君の元父と同じ牢獄に送られた」
「ゼインお父様、報告ありがとうございます」
「ズカスも同様、全ての罪が明るみになった訳ではないが……分かっている余罪だけでも十分な重罪となる見込みだ」
カトレア公爵邸の執務室。
捕らえていたムルガ公、そしてズカスの末路を聞いてヴィオラは表情を変えずに頷く。
予想通り、順調過ぎる展開にこれといって感情が動く事は無い。
「腐敗した貴族達も順に捕らえられている。直に片付くはずだ」
「お父様や、騎士団長のリエン様のおかげですね」
「いや、功績は君のものが一番大きい。民からの支持を得たのは見事なもので……混乱もなく、事は収まりがつきそうだ」
伝え終えたゼインは、落ち着いた表情で報告書を置く。
そして、問いかけた。
「いま、貴族は一丸となって襟を正すために動いている。そこでヴィオラ……君が貴族院の代表となってくれないか」
「……」
「王国の再編に、きっと君の力は必要だ」
「有難い申し出ではありますが、ルーク陛下やリアへの処罰など……残された課題も多い。どうかその後に答えを述べる機会を頂けますか?」
「もちろんだ。協力できる事はなんでも言ってくれ」
ヴィオラにとって、貴族院の代表とは決して悪い話ではない。
しかしながら……以前にハースに問われたように、安息の生活も考えて答えを留める。
なにか、別の道があるかもしれないと考えてしまうのだ。
「……ふぅ」
執務室を出て、ヴィオラは一息吐く。
あと少しで千回も繰り返した運命に、終止符を打てる。
その嬉しさと、その後に下すべき決断に揺らぎが生じて戸惑っていた時。
「ヴィオラ様、よろしいでしょうか」
「っ!! ハース」
ハースがどこか嬉しげにヴィオラへと近づく。
そして、自信満々な笑みで彼女へと呟いた。
「時間逆行の魔法について、原理が分かってきました」
「え……?」
「ヴィオラ様に蓄積された魔力を研究し、色々と試行錯誤して……と細かくて難しい話は置いておいて。分かった事を話しましょうか」
ハースは驚くべき速さで、時間逆行の魔法について原理を解析していた。
それは自身の魔力などのヒントがあったおかげだが、その速さにヴィオラは感嘆の声を漏らす。
彼女へと、彼は意気揚々と伝えてくれた。
「結論として原理では時間逆行を魔法で行うのは可能と思われます。ただ……幾つかの条件が必要です」
「条件?」
いわく、時間逆行の魔法には多大な魔力が必要となる。
それこそ、宮廷魔法士のハースが修行してやっと得られる程の膨大な魔力だ。
加えて魔法にて時間を戻した場合、恐らく記憶を継げるのは……魔法を施した一人のみということらしい。
「なので、恐らく……一度目の人生でヴィオラ様の死後。誰かが時間逆行の魔法を施した可能性が高いです」
「でも、それはおかしいわ。なら私が記憶を継いでいるのは……どういうこと?」
「正直……分かりません。なにかヴィオラ様だけが時間逆行の際に、違う何かがあった……他の人とは違うなにか、つまりは魔法の原理に抗う異常があったと思われます」
肝心な部分はまだ不明だが、これだけでも分かったのはハースの知力あってこそだ。
称賛が止まらぬ進捗ともいえる。
「流石よ、ハース……ここまで分かれば今は十分。どこかに時間逆行の魔法を起こった人物がいるのは確実なのね」
「まだ不明な事ばかりですが、これからも調べていきますね」
頼もしい言葉に、頷きで返していた時。
難しい話を崩すような、明るい声が聞こえ出す。
「おねさま……いま、だいじょぶ?」
ふと、ルカがヴィオラの隣にきて……服のすそを掴んでいた。
そして、潤んだ瞳で彼女を見上げる。
「さいきん、いっしょいれなくて……さびしい」
「ルカ。ごめんね……少し忙しくて」
「きょうもあそべない? るかね、おねさまといっしょいたい。だめ?」
ヴィオラの予定では、今日は時間も空いている。
少しやるべき事はあるが……そう、雑務だ。
弟の頼みを断ってするような急務でもないため、彼女は頷いて応える。
「じゃあ、ルカの好きなことしようか。お姉様がいっぱい遊んであげる」
「ほんと? ……やた」
そう言って、ルカはヴィオラに抱きつく。
嬉しそうに笑って、呟くのだ。
「おねさま……だいすき」
その言葉が聞けただけで、ヴィオラにとっては今日をルカに捧げるのは苦ではなかった。
◇◇◇
そんな訳で、カトレア公爵邸の庭園にてヴィオラ達は時間を過ごす。
ルカの希望で花畑に来たのだ。
鬼ごっこや、かくれんぼなど遊び尽くして……かなりの時間を遊んだ。
「おねさま、これみて」
「どうしたの」
「あのね、あのね……おはなのおかんむりつくったの、かぶって」
「……ありがとう」
「えへへ、おねさま、かわいね」
ルカとの時間だけは、ヴィオラにとって癒しだ。
うんざりするような運命であったが、荒んだ心が洗われる感覚。
全てが終わって、重荷もなくこんな日々が続いてほしいと彼女は本心で思う。
でも……そうしてばかりもいられない運命だと、彼女は知っていた。
「ルカ……ちょっとお水呑んでこようか。いっぱい遊んで汗もかいたからね」
「おねさまもいっしょいこ?」
「ふふ、お姉様はルカにとびきりのお花の指輪を作ってあげたいから残っているわ。楽しみにしてお水を飲んできて」
「ほんと? うん……すぐのんでくるね」
「ゆっくりでいいよ」
嬉しそうにルカが屋敷に入っていくのを確認して、ヴィオラは立ち上がる。
そして、表情を一転。
冷たい表情に代わり、彼女は屋敷への出入口である門へと歩き出す。
近づいてくるある気配に気付いて、対峙するために……
「お止まりください。ここからは許可なく立ち入っては……」
「これはルークの王命もあってきているの。通してちょうだい」
公爵邸の庭先にて聞こえた、女性の声。
制止する私兵の声を振り切って歩くその女性を見て、ヴィオラはやはり来たのかと……ため息を吐く。
「なぜ……ここに来ているの」
ヴィオラの問いかけは、この場に呼んでもいないのにやって来ていたリアへと向けられる。
「ヴィオラさん! あぁ……会えてよかった」
「リア、どうしてここに」
「貴方を止めるためよ、ヴィオラさん。もう手段は選んでいられないの」
「……なにがいいたいの」
「私の幸せは……絶対に奪われたくない。だから今から言う、私の命令を聞いて。お願いだから」
意味深な言葉を発したリアに、ヴィオラは表情を変えずに応対する。
だが、そんなヴィオラの目の前に……突然、切っ先が迫った。
鈍く光る刃を握っているのは、見覚えのある人物……ケインズだ。
「実はね、牢からケインズを連れ出してきたの。今度こそ貴方を止めるため」
かつて、王宮にて襲い掛かってきたケインズ。
彼がリアの横に立ち、剣を抜いて突きつけていたのだ。
そして彼は、ヴィオラへと憎悪のこもった瞳を向ける。
「ヴィオラ嬢。貴方のせいで俺は家を追い出されて、一族の恥となった。騎士団からも追放されて全てを奪われた……だがもう不覚は二度も取る気は無い! 油断せず全力で相手する」
「……」
「ここで俺はリア様に頂いた役目を全うして、その功績にて護衛騎士に返り咲く」
「……」
「いいか、今からリア様の言う事を聞け。これは命令だ……もう俺は以前のように刃を止める理性は残っていないぞ?」
ケインズは剣を揺らして、リアを見つめる。
彼女はその行為を嬉しそうに頬笑みながら呟いた。
「いい? 抵抗しないでね。でないと……貴方の命は」
リアが言葉を吐いた、瞬間だった。
ヴィオラは無表情のまま、少しだけ前に歩んだ。
「––––っ!?」
そして……瞬きの瞬間、ケインズがおかしな声をあげて地面に倒れ伏す。
ヴィオラが放った見えぬ速度での拳に顎を揺らされて……リアが連れてきた頼みの綱はあっけなく敗れた。
「あ……え……? な、なんで」
「面倒な戦いなんて、もう私の予定にないの。余計なの連れてこないで」
「……あ……え?」
「さて実は貴方が来てくれて助かったわ。手間が省けたもの」
微笑むヴィオラは、ゆっくりとリアに歩み寄る。
そして、彼女を見下して呟いた。
「今から貴方を連れてルークの前に連れて行きましょうか。色々とこれで直ぐに終われそうだわ。ご苦労様ね」
リアの勝機、脅しの算段は容易く崩れ去り。
ヴィオラの呟きに呑まれて、ただ身体を震わせるしかできなかった。
「ゼインお父様、報告ありがとうございます」
「ズカスも同様、全ての罪が明るみになった訳ではないが……分かっている余罪だけでも十分な重罪となる見込みだ」
カトレア公爵邸の執務室。
捕らえていたムルガ公、そしてズカスの末路を聞いてヴィオラは表情を変えずに頷く。
予想通り、順調過ぎる展開にこれといって感情が動く事は無い。
「腐敗した貴族達も順に捕らえられている。直に片付くはずだ」
「お父様や、騎士団長のリエン様のおかげですね」
「いや、功績は君のものが一番大きい。民からの支持を得たのは見事なもので……混乱もなく、事は収まりがつきそうだ」
伝え終えたゼインは、落ち着いた表情で報告書を置く。
そして、問いかけた。
「いま、貴族は一丸となって襟を正すために動いている。そこでヴィオラ……君が貴族院の代表となってくれないか」
「……」
「王国の再編に、きっと君の力は必要だ」
「有難い申し出ではありますが、ルーク陛下やリアへの処罰など……残された課題も多い。どうかその後に答えを述べる機会を頂けますか?」
「もちろんだ。協力できる事はなんでも言ってくれ」
ヴィオラにとって、貴族院の代表とは決して悪い話ではない。
しかしながら……以前にハースに問われたように、安息の生活も考えて答えを留める。
なにか、別の道があるかもしれないと考えてしまうのだ。
「……ふぅ」
執務室を出て、ヴィオラは一息吐く。
あと少しで千回も繰り返した運命に、終止符を打てる。
その嬉しさと、その後に下すべき決断に揺らぎが生じて戸惑っていた時。
「ヴィオラ様、よろしいでしょうか」
「っ!! ハース」
ハースがどこか嬉しげにヴィオラへと近づく。
そして、自信満々な笑みで彼女へと呟いた。
「時間逆行の魔法について、原理が分かってきました」
「え……?」
「ヴィオラ様に蓄積された魔力を研究し、色々と試行錯誤して……と細かくて難しい話は置いておいて。分かった事を話しましょうか」
ハースは驚くべき速さで、時間逆行の魔法について原理を解析していた。
それは自身の魔力などのヒントがあったおかげだが、その速さにヴィオラは感嘆の声を漏らす。
彼女へと、彼は意気揚々と伝えてくれた。
「結論として原理では時間逆行を魔法で行うのは可能と思われます。ただ……幾つかの条件が必要です」
「条件?」
いわく、時間逆行の魔法には多大な魔力が必要となる。
それこそ、宮廷魔法士のハースが修行してやっと得られる程の膨大な魔力だ。
加えて魔法にて時間を戻した場合、恐らく記憶を継げるのは……魔法を施した一人のみということらしい。
「なので、恐らく……一度目の人生でヴィオラ様の死後。誰かが時間逆行の魔法を施した可能性が高いです」
「でも、それはおかしいわ。なら私が記憶を継いでいるのは……どういうこと?」
「正直……分かりません。なにかヴィオラ様だけが時間逆行の際に、違う何かがあった……他の人とは違うなにか、つまりは魔法の原理に抗う異常があったと思われます」
肝心な部分はまだ不明だが、これだけでも分かったのはハースの知力あってこそだ。
称賛が止まらぬ進捗ともいえる。
「流石よ、ハース……ここまで分かれば今は十分。どこかに時間逆行の魔法を起こった人物がいるのは確実なのね」
「まだ不明な事ばかりですが、これからも調べていきますね」
頼もしい言葉に、頷きで返していた時。
難しい話を崩すような、明るい声が聞こえ出す。
「おねさま……いま、だいじょぶ?」
ふと、ルカがヴィオラの隣にきて……服のすそを掴んでいた。
そして、潤んだ瞳で彼女を見上げる。
「さいきん、いっしょいれなくて……さびしい」
「ルカ。ごめんね……少し忙しくて」
「きょうもあそべない? るかね、おねさまといっしょいたい。だめ?」
ヴィオラの予定では、今日は時間も空いている。
少しやるべき事はあるが……そう、雑務だ。
弟の頼みを断ってするような急務でもないため、彼女は頷いて応える。
「じゃあ、ルカの好きなことしようか。お姉様がいっぱい遊んであげる」
「ほんと? ……やた」
そう言って、ルカはヴィオラに抱きつく。
嬉しそうに笑って、呟くのだ。
「おねさま……だいすき」
その言葉が聞けただけで、ヴィオラにとっては今日をルカに捧げるのは苦ではなかった。
◇◇◇
そんな訳で、カトレア公爵邸の庭園にてヴィオラ達は時間を過ごす。
ルカの希望で花畑に来たのだ。
鬼ごっこや、かくれんぼなど遊び尽くして……かなりの時間を遊んだ。
「おねさま、これみて」
「どうしたの」
「あのね、あのね……おはなのおかんむりつくったの、かぶって」
「……ありがとう」
「えへへ、おねさま、かわいね」
ルカとの時間だけは、ヴィオラにとって癒しだ。
うんざりするような運命であったが、荒んだ心が洗われる感覚。
全てが終わって、重荷もなくこんな日々が続いてほしいと彼女は本心で思う。
でも……そうしてばかりもいられない運命だと、彼女は知っていた。
「ルカ……ちょっとお水呑んでこようか。いっぱい遊んで汗もかいたからね」
「おねさまもいっしょいこ?」
「ふふ、お姉様はルカにとびきりのお花の指輪を作ってあげたいから残っているわ。楽しみにしてお水を飲んできて」
「ほんと? うん……すぐのんでくるね」
「ゆっくりでいいよ」
嬉しそうにルカが屋敷に入っていくのを確認して、ヴィオラは立ち上がる。
そして、表情を一転。
冷たい表情に代わり、彼女は屋敷への出入口である門へと歩き出す。
近づいてくるある気配に気付いて、対峙するために……
「お止まりください。ここからは許可なく立ち入っては……」
「これはルークの王命もあってきているの。通してちょうだい」
公爵邸の庭先にて聞こえた、女性の声。
制止する私兵の声を振り切って歩くその女性を見て、ヴィオラはやはり来たのかと……ため息を吐く。
「なぜ……ここに来ているの」
ヴィオラの問いかけは、この場に呼んでもいないのにやって来ていたリアへと向けられる。
「ヴィオラさん! あぁ……会えてよかった」
「リア、どうしてここに」
「貴方を止めるためよ、ヴィオラさん。もう手段は選んでいられないの」
「……なにがいいたいの」
「私の幸せは……絶対に奪われたくない。だから今から言う、私の命令を聞いて。お願いだから」
意味深な言葉を発したリアに、ヴィオラは表情を変えずに応対する。
だが、そんなヴィオラの目の前に……突然、切っ先が迫った。
鈍く光る刃を握っているのは、見覚えのある人物……ケインズだ。
「実はね、牢からケインズを連れ出してきたの。今度こそ貴方を止めるため」
かつて、王宮にて襲い掛かってきたケインズ。
彼がリアの横に立ち、剣を抜いて突きつけていたのだ。
そして彼は、ヴィオラへと憎悪のこもった瞳を向ける。
「ヴィオラ嬢。貴方のせいで俺は家を追い出されて、一族の恥となった。騎士団からも追放されて全てを奪われた……だがもう不覚は二度も取る気は無い! 油断せず全力で相手する」
「……」
「ここで俺はリア様に頂いた役目を全うして、その功績にて護衛騎士に返り咲く」
「……」
「いいか、今からリア様の言う事を聞け。これは命令だ……もう俺は以前のように刃を止める理性は残っていないぞ?」
ケインズは剣を揺らして、リアを見つめる。
彼女はその行為を嬉しそうに頬笑みながら呟いた。
「いい? 抵抗しないでね。でないと……貴方の命は」
リアが言葉を吐いた、瞬間だった。
ヴィオラは無表情のまま、少しだけ前に歩んだ。
「––––っ!?」
そして……瞬きの瞬間、ケインズがおかしな声をあげて地面に倒れ伏す。
ヴィオラが放った見えぬ速度での拳に顎を揺らされて……リアが連れてきた頼みの綱はあっけなく敗れた。
「あ……え……? な、なんで」
「面倒な戦いなんて、もう私の予定にないの。余計なの連れてこないで」
「……あ……え?」
「さて実は貴方が来てくれて助かったわ。手間が省けたもの」
微笑むヴィオラは、ゆっくりとリアに歩み寄る。
そして、彼女を見下して呟いた。
「今から貴方を連れてルークの前に連れて行きましょうか。色々とこれで直ぐに終われそうだわ。ご苦労様ね」
リアの勝機、脅しの算段は容易く崩れ去り。
ヴィオラの呟きに呑まれて、ただ身体を震わせるしかできなかった。
4,365
あなたにおすすめの小説
あなたの幸せを、心からお祈りしています
たくわん
恋愛
「平民の娘ごときが、騎士の妻になれると思ったのか」
宮廷音楽家の娘リディアは、愛を誓い合った騎士エドゥアルトから、一方的に婚約破棄を告げられる。理由は「身分違い」。彼が選んだのは、爵位と持参金を持つ貴族令嬢だった。
傷ついた心を抱えながらも、リディアは決意する。
「音楽の道で、誰にも見下されない存在になってみせる」
革新的な合奏曲の創作、宮廷初の「音楽会」の開催、そして若き隣国王子との出会い——。
才能と努力だけを武器に、リディアは宮廷音楽界の頂点へと駆け上がっていく。
一方、妻の浪費と実家の圧力に苦しむエドゥアルトは、次第に転落の道を辿り始める。そして彼は気づくのだ。自分が何を失ったのかを。
冷遇する婚約者に、冷たさをそのままお返しします。
ねむたん
恋愛
貴族の娘、ミーシャは婚約者ヴィクターの冷酷な仕打ちによって自信と感情を失い、無感情な仮面を被ることで自分を守るようになった。エステラ家の屋敷と庭園の中で静かに過ごす彼女の心には、怒りも悲しみも埋もれたまま、何も感じない日々が続いていた。
事なかれ主義の両親の影響で、エステラ家の警備はガバガバですw
【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。
五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」
婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。
愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー?
それって最高じゃないですか。
ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。
この作品は
「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。
どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。
【完結】高嶺の花がいなくなった日。
紺
恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。
清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。
婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。
※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。
(完結)婚約を破棄すると言われましても、そもそも貴方の家は先日お取り潰しになっていましたよね?
にがりの少なかった豆腐
恋愛
同じ学園に通う婚約者に婚約破棄を言い渡される
しかし、その相手は既に貴族ではなくなっていた。それに学園に居る事自体おかしいはずなのに
とっくに婚約は破棄されているのに、それに気づいていないのかしら?
※この作品は、旧題:婚約破棄? いえ、そもそも貴方の家は先日お取り潰しになっていますよ? を加筆修正した作品となります。
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
さよなら初恋。私をふったあなたが、後悔するまで
ミカン♬
恋愛
2025.10.11ホットランキング1位になりました。夢のようでとても嬉しいです!
読んでくださって、本当にありがとうございました😊
前世の記憶を持つオーレリアは可愛いものが大好き。
婚約者(内定)のメルキオは子供の頃結婚を約束した相手。彼は可愛い男の子でオーレリアの初恋の人だった。
一方メルキオの初恋の相手はオーレリアの従姉妹であるティオラ。ずっとオーレリアを悩ませる種だったのだが1年前に侯爵家の令息と婚約を果たし、オーレリアは安心していたのだが……
ティオラは婚約を解消されて、再びオーレリア達の仲に割り込んできた。
★補足:ティオラは王都の学園に通うため、祖父が預かっている孫。養子ではありません。
★補足:全ての嫡出子が爵位を受け継ぎ、次男でも爵位を名乗れる、緩い世界です。
2万字程度。なろう様にも投稿しています。
オーレリア・マイケント 伯爵令嬢(ヒロイン)
レイン・ダーナン 男爵令嬢(親友)
ティオラ (ヒロインの従姉妹)
メルキオ・サーカズ 伯爵令息(ヒロインの恋人)
マーキス・ガルシオ 侯爵令息(ティオラの元婚約者)
ジークス・ガルシオ 侯爵令息(マーキスの兄)
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる