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繰り返していたのは……③ルークside
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その日、文官がもたらした一報に僕は言葉が出なかった。
「それは本当か? ヴィオラが各地を巡り、傷病者を癒しているだと?」
「はい、すでにカトレア公爵領、ムルガ公爵領。他にもいくつかの領地にて癒しの魔力を行使なされていると情報が……」
「……」
「民の支持は急激に上がっております。く、加えて……」
「……まだ何かあるというのか」
文官の複雑そうな表情、何かを言いたげに唇を噛む様子に思わず問いかける。
すると彼は、息をのみながら答えた。
「ムルガ公爵様を始め、幾人かの貴族がヴィオラ様の廃妃となった罪について……虚偽の報告をした可能性があると、騎士団から報告が上がっております」
「なっ……!」
「すでに、首謀者達の身柄は抑えられており。邸宅の捜索にて偽装された調査書等の証拠品も幾つか出ていると……」
文官からの報告に、もはや言葉は出ない。
ヴィオラは無実を主張し、いつか証明してみせると豪語していた。
言葉通りになっている現状に、改めて彼女の異質さ……そして聡明さに感嘆さえ漏れてしまう。
「陛下、すでに文官達や騎士団より正式に抗議文が届いております。此度の陛下の判断には……相応の責任が生じると……」
「……」
僕に責任などあるはずがない。
そう言い返す事など出来るはずも無かった。
ヴィオラが不在となってから、激務となった政務作業に僕自身でさえ眠る事が出来ていない。
情けないことに、彼女が居ない状況で王として不甲斐ない結果しか残せていないのだ。
「陛下、王家は正式に謝罪を表明するべきです」
「……」
「どうか、賢明な判断を願います」
ここまで外堀を埋められてしまえば、もはや疑いようもない。
ヴィオラは無罪であったのは事実だ。
そして僕は彼女の罪を再調査もせず断罪してしまった……これはまさに王家の失態に他ならない。
悔しい……僕は王家を揺るがす失態を、自らの手で犯したのだ。
「陛下、どうか……」
「少し、考えさせてくれ」
「陛下!」
「僕にだって分かる。ヴィオラは無罪だ……それでも、リアが証言したんだ。僕は最後まで彼女を信じたい……せめて、彼女に真実を聞く時間をくれ」
リアは自ら、ヴィオラから危害を受けたと主張した。
僕はせめて最後までリアを信用してあげたい。
私情を挟んでいるのは承知の上だが、それでも最後まで諦めたくはない。
「……席を外す」
「陛下、お待ちしております。考えが変われば、戻ってきてください」
「分かっている」
玉座の間から席を外し、僕はリアの寝室へと向かう。
真実を知るためだ。
僕はリアを信じたい、でも……以前に見つけた書置きの事も知らねばならぬ気がした。
伝えようとしている何か、真実を知らなくてはならない。
僕がこのままリアを信じたままで良いのか、最後の判断をするために彼女の部屋へ入る。
「……リアは、居るか」
リアの寝室に居た数人の使用人達が頭を下げて答えた。
「リア様は現在……日課の診療を受けておられます。お身体もだいぶ良くなってきたようです」
「そうか、君たちは外してくれ」
「え……ですが私達はこれから寝室のお掃除に」
「外せ」
僕の言葉に使用人達は戸惑いながらも、寝室を出て行く。
皆が居なくなったのを確認し、以前の書置きを広げた。
ーーーー
記憶通りなら、二百七回目。
魔力を込めて残すのに、幾度もやり直している。
そしてこれだけ巻き戻っているという事は、やはり失敗しているのだろう。
だからこそ、また追加でこれを残す。
大臣の執務机と、リアの寝室に置かれた書棚の下を見ろ、ルーク
ーーーー
リアの寝室、書棚の下を見ろとの指示。
彼女が王宮入りする前からこの部屋に置かれた書棚は、彼女が読まないような本ばかり。
書棚を倒すと、やはりそこには……見覚えのある紙が落ちていた。
「……」
これを見れば、また何かが分かる。
それが恐ろしくもありながら、見なくてはならないという想いも強くあって紙に触れる。
込められた魔力が露散して、文面が現れた。
ーーーー
七百九十七回目。
まだ、やり戻しは続いている。
それでも、魔力を込めたこの書置きまで辿れば変わるかもしれない。
だから以前に書いた手紙通りに、これを残す。
リアの寝台下に置かれたトランクを開け。
壊してでも、開け。
必ず、必ずだ。
彼女達を救うために。
ーーーー
これは、なんだ。
寝台下のトランクとは……確かリアの唯一の私物のはずだ。
「……」
淑女の私物を見るなど、あってはならない。
たとえそれが、愛している女性であっても……男性として当然のこと。
しかし、僕は真相を知るために寝台下のトランクを引きずり出す。
「鍵はかかっているが、トランク自体は安く脆い物。鍵を外すのではなく、壊せば……」
それをしてしまえば、リアからの信頼を失ってしまうかもしれない。
だが、僕は真実を知るため判断を下す。
「っ!!」
トランクを高く持ち上げて、石床に叩きつける。
何度も、何度も……繰り返してようやく、ボロリと剥がれた革から、中身が見えた。
「ハンカチに、手袋……ただの私物だ。なにもない」
ほっと胸をなで下ろす。
なにもなかった、やはり隠された真実などリアにはないんだ。
やはり彼女は嘘など吐いていない、なにも僕に隠してなんていない。
そう思った矢先……内部に異質な物が見えた。
「本……か?」
それは、ハンカチや手袋に隠されるように収納されていた。
小さく手帳サイズだが、厚みのある本。
その題名を見て……目を見開く。
「……これは」
『感情と記憶・魔法大典』
本の題名には、明らかに異質な魔法の名が記載されている。
感情と記憶の魔法なんて、禁忌に近いもので……そんな禁書のような物をどうしてリアが?
「……」
震える指で、本の続きを開いていく。
小難しい文字や、魔法に関する詳細な内容には……リアが記載したと思わしき走り書き、メモなどが残されている。
そして……ある一文が目に入った。
ー人を取り入る際は、意識不明の際に魔法をかけるー
ー己に対する感情、他者への想いに関する記憶の混濁などを引き起こす事は本書を理解すれば可能となるー
「意識不明……馬車の、横転事故」
なにかが繋がっていく気がする。
僕とリアが会う事が大臣達に仕組まれ、馬車の横転事故が起こったと以前の書置きから疑いがあった。
その際に僕は……意識不明になっていた。
そして救ってくれたリアと出会ってから、僕の心境は大きく変わって彼女の隣を求めた。
心から彼女を愛して、それ以外に……考えられないほど。
『陛下……変わられましたね。昔の貴方はヴィオラ様に相応しい方だったのに』
以前の騎士団長の言葉が頭に繰り返される。
違う、違う。
これは僕の意志で、僕が考えて……判断していた事。
だけどこの異様な愛情が、もしも意図的に作られていたなら。
「僕は……取り返しのつかぬことを、しているのか」
いくら考えても分かるはずもない。
ここはリアに、直接……この本についてを聞くしかない。
そう思い、部屋を出て使用人を呼び出す。
「すまない、リアを呼んでほしい。急用ができた」
「そ……それが」
「どうした。直ぐに呼んでくれ」
「リア様はヴィオラ様を説得するため、王宮を出て行かれました。つい先ほど……」
「な……は?」
「ルーク陛下には、信じて待って欲しいと。彼女から伝言も預かっております」
まさか……うそだ。
リア、君には聞きたい事が山ほどあるのに……ここにいないのか?
なによりも、君がヴィオラの元へ向かうだと?
それは考えうる限りで最悪な行動だと、僕でも理解できるぞ。
「直ぐに呼び戻せ! 騎士団に連絡して早急に、今すぐにだ!」
これ以上、事態を悪化などできない。
僕はもう分かっている。
もうこれ以上……ヴィオラへと敵対する行為を避けるべきだ。
だからこそ、僕はリアを連れ戻す指示を伝えた。
でも……もう、遅かった。
「それは本当か? ヴィオラが各地を巡り、傷病者を癒しているだと?」
「はい、すでにカトレア公爵領、ムルガ公爵領。他にもいくつかの領地にて癒しの魔力を行使なされていると情報が……」
「……」
「民の支持は急激に上がっております。く、加えて……」
「……まだ何かあるというのか」
文官の複雑そうな表情、何かを言いたげに唇を噛む様子に思わず問いかける。
すると彼は、息をのみながら答えた。
「ムルガ公爵様を始め、幾人かの貴族がヴィオラ様の廃妃となった罪について……虚偽の報告をした可能性があると、騎士団から報告が上がっております」
「なっ……!」
「すでに、首謀者達の身柄は抑えられており。邸宅の捜索にて偽装された調査書等の証拠品も幾つか出ていると……」
文官からの報告に、もはや言葉は出ない。
ヴィオラは無実を主張し、いつか証明してみせると豪語していた。
言葉通りになっている現状に、改めて彼女の異質さ……そして聡明さに感嘆さえ漏れてしまう。
「陛下、すでに文官達や騎士団より正式に抗議文が届いております。此度の陛下の判断には……相応の責任が生じると……」
「……」
僕に責任などあるはずがない。
そう言い返す事など出来るはずも無かった。
ヴィオラが不在となってから、激務となった政務作業に僕自身でさえ眠る事が出来ていない。
情けないことに、彼女が居ない状況で王として不甲斐ない結果しか残せていないのだ。
「陛下、王家は正式に謝罪を表明するべきです」
「……」
「どうか、賢明な判断を願います」
ここまで外堀を埋められてしまえば、もはや疑いようもない。
ヴィオラは無罪であったのは事実だ。
そして僕は彼女の罪を再調査もせず断罪してしまった……これはまさに王家の失態に他ならない。
悔しい……僕は王家を揺るがす失態を、自らの手で犯したのだ。
「陛下、どうか……」
「少し、考えさせてくれ」
「陛下!」
「僕にだって分かる。ヴィオラは無罪だ……それでも、リアが証言したんだ。僕は最後まで彼女を信じたい……せめて、彼女に真実を聞く時間をくれ」
リアは自ら、ヴィオラから危害を受けたと主張した。
僕はせめて最後までリアを信用してあげたい。
私情を挟んでいるのは承知の上だが、それでも最後まで諦めたくはない。
「……席を外す」
「陛下、お待ちしております。考えが変われば、戻ってきてください」
「分かっている」
玉座の間から席を外し、僕はリアの寝室へと向かう。
真実を知るためだ。
僕はリアを信じたい、でも……以前に見つけた書置きの事も知らねばならぬ気がした。
伝えようとしている何か、真実を知らなくてはならない。
僕がこのままリアを信じたままで良いのか、最後の判断をするために彼女の部屋へ入る。
「……リアは、居るか」
リアの寝室に居た数人の使用人達が頭を下げて答えた。
「リア様は現在……日課の診療を受けておられます。お身体もだいぶ良くなってきたようです」
「そうか、君たちは外してくれ」
「え……ですが私達はこれから寝室のお掃除に」
「外せ」
僕の言葉に使用人達は戸惑いながらも、寝室を出て行く。
皆が居なくなったのを確認し、以前の書置きを広げた。
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記憶通りなら、二百七回目。
魔力を込めて残すのに、幾度もやり直している。
そしてこれだけ巻き戻っているという事は、やはり失敗しているのだろう。
だからこそ、また追加でこれを残す。
大臣の執務机と、リアの寝室に置かれた書棚の下を見ろ、ルーク
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リアの寝室、書棚の下を見ろとの指示。
彼女が王宮入りする前からこの部屋に置かれた書棚は、彼女が読まないような本ばかり。
書棚を倒すと、やはりそこには……見覚えのある紙が落ちていた。
「……」
これを見れば、また何かが分かる。
それが恐ろしくもありながら、見なくてはならないという想いも強くあって紙に触れる。
込められた魔力が露散して、文面が現れた。
ーーーー
七百九十七回目。
まだ、やり戻しは続いている。
それでも、魔力を込めたこの書置きまで辿れば変わるかもしれない。
だから以前に書いた手紙通りに、これを残す。
リアの寝台下に置かれたトランクを開け。
壊してでも、開け。
必ず、必ずだ。
彼女達を救うために。
ーーーー
これは、なんだ。
寝台下のトランクとは……確かリアの唯一の私物のはずだ。
「……」
淑女の私物を見るなど、あってはならない。
たとえそれが、愛している女性であっても……男性として当然のこと。
しかし、僕は真相を知るために寝台下のトランクを引きずり出す。
「鍵はかかっているが、トランク自体は安く脆い物。鍵を外すのではなく、壊せば……」
それをしてしまえば、リアからの信頼を失ってしまうかもしれない。
だが、僕は真実を知るため判断を下す。
「っ!!」
トランクを高く持ち上げて、石床に叩きつける。
何度も、何度も……繰り返してようやく、ボロリと剥がれた革から、中身が見えた。
「ハンカチに、手袋……ただの私物だ。なにもない」
ほっと胸をなで下ろす。
なにもなかった、やはり隠された真実などリアにはないんだ。
やはり彼女は嘘など吐いていない、なにも僕に隠してなんていない。
そう思った矢先……内部に異質な物が見えた。
「本……か?」
それは、ハンカチや手袋に隠されるように収納されていた。
小さく手帳サイズだが、厚みのある本。
その題名を見て……目を見開く。
「……これは」
『感情と記憶・魔法大典』
本の題名には、明らかに異質な魔法の名が記載されている。
感情と記憶の魔法なんて、禁忌に近いもので……そんな禁書のような物をどうしてリアが?
「……」
震える指で、本の続きを開いていく。
小難しい文字や、魔法に関する詳細な内容には……リアが記載したと思わしき走り書き、メモなどが残されている。
そして……ある一文が目に入った。
ー人を取り入る際は、意識不明の際に魔法をかけるー
ー己に対する感情、他者への想いに関する記憶の混濁などを引き起こす事は本書を理解すれば可能となるー
「意識不明……馬車の、横転事故」
なにかが繋がっていく気がする。
僕とリアが会う事が大臣達に仕組まれ、馬車の横転事故が起こったと以前の書置きから疑いがあった。
その際に僕は……意識不明になっていた。
そして救ってくれたリアと出会ってから、僕の心境は大きく変わって彼女の隣を求めた。
心から彼女を愛して、それ以外に……考えられないほど。
『陛下……変わられましたね。昔の貴方はヴィオラ様に相応しい方だったのに』
以前の騎士団長の言葉が頭に繰り返される。
違う、違う。
これは僕の意志で、僕が考えて……判断していた事。
だけどこの異様な愛情が、もしも意図的に作られていたなら。
「僕は……取り返しのつかぬことを、しているのか」
いくら考えても分かるはずもない。
ここはリアに、直接……この本についてを聞くしかない。
そう思い、部屋を出て使用人を呼び出す。
「すまない、リアを呼んでほしい。急用ができた」
「そ……それが」
「どうした。直ぐに呼んでくれ」
「リア様はヴィオラ様を説得するため、王宮を出て行かれました。つい先ほど……」
「な……は?」
「ルーク陛下には、信じて待って欲しいと。彼女から伝言も預かっております」
まさか……うそだ。
リア、君には聞きたい事が山ほどあるのに……ここにいないのか?
なによりも、君がヴィオラの元へ向かうだと?
それは考えうる限りで最悪な行動だと、僕でも理解できるぞ。
「直ぐに呼び戻せ! 騎士団に連絡して早急に、今すぐにだ!」
これ以上、事態を悪化などできない。
僕はもう分かっている。
もうこれ以上……ヴィオラへと敵対する行為を避けるべきだ。
だからこそ、僕はリアを連れ戻す指示を伝えた。
でも……もう、遅かった。
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