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13話
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貴族達に手紙が届けられた
それは、ソフィアとシュルクの婚約を知らせる手紙
さらには結婚式の日程までもが記されており
結婚式は早く執り行われる予定だった
クラリス男爵家の当主
ワイアット・クラリスが異例の速さで結婚式の準備を進めていた
これはキュベレイ公爵家へ、ソフィアの結婚相手はすでに決まったと答える事になり
さらには他貴族達の後ろ盾も加わる
キュベレイ公爵家が下手に手出しできなくするため
(まぁ、そんなところだな…)
サイレス王子は自室で寛ぎながら受け取った手紙を見つめる
使用人が用意した紅茶はすでに冷えてしまった
それほど長い時間、ソフィアの結婚を知らせる手紙を見ていたのだろう
(我ながら…熱い愛だな…)
サイレスは苦笑しながら
冷えた紅茶を一気に飲み干した
そして、手紙に書かれた結婚式の日程をよく確認する
自由に出席可能だと書かれていた
他貴族達に見せるためだろう
サイレスはニヤリと笑い
使用人に声をかける
「この手紙の日程、この結婚式に参加する予定をしてくれ」
「クラリス家の結婚式ですか?サイレス王子にお知り合いはいるのですか?」
使用人に率直な疑問、当たり前の反応だろう
公爵家に出かける事はあるが、一貴族でしかない
クラリス男爵家の結婚式に、知り合いもいないなら参加する必要などない
「すこし、気になる者がいてな…」
「なるほど、分かりました…その日のためのお召し物も用意いたしますね」
「あぁ、頼む」
サイレスは窓から外を見つめ
収まらない笑いをこらえるように口を抑える
(ようやく家族になれるんだ…嬉しいな………)
不適に微笑むサイレスは結婚式を待ち望むのであった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「くそ!!!!」
「ひっ!」
キュベレイ公爵家、ディランはガラス製のコップを投げる
粉々に砕け、大きな音が鳴り響き
使用人が怯えたように声を上げた
ディランは届いた手紙を握りしめ
怒りのあまり、物を次々と壊していく
ディランに届いた手紙は他貴族達と同じく結婚を知らせる手紙だが
意図的に届く日が遅れていた
その結果ディランが根回しする前に他貴族達がソフィアとシュルクの結婚を祝う土壌が整ってしまった
「くそぉ!!すべてはお前のせいだ!!くそ!!」
ディランは椅子に縛った息子であるデイモンドを殴りつける
血が床に飛び散るが、デイモンドは動かずにうなだれていた
もう抵抗する気力も失う程に、両親からの虐待は続いた
狂気的なその様子にキュベレイ公爵家の使用人達は何人も辞めていった
残ったのは少ない使用人
妻であるレイチェルは現実が受け入れられず、廃人のように笑っている
さらに、デイモンドがロミエに貢いでいた額はかなりものであり
経済的にも余裕はなくなっていた
「デイモンド…」
「………………」
「デイモンド、聞こえているか?お前に最後のチャンスをやろう」
ディランは乱雑にデイモンドの髪を掴み引き上げ目を合わせる
息子である彼は傷だらけだ、だがディランは無表情に話す
「結婚式の日、どんな手を使ってでもソフィアを取り戻すぞ……ソフィアがシュルクと結婚すれば清き血を持つ子供を産むことはできない………………いいか?」
「……父様は狂ってる…」
ゴッ!!
ディランの拳がデイモンドの顔へ放たれる
鼻から真っ赤な血を流す息子に再度語りかける
「いいな?必ず……取り戻すぞ………………どんな手を使ってでもだ」
デイモンドは目の前の父の姿を見る
もはや、そこにいるのは怪物だ
何かを信じる狂信的な化物
(殺される……父に………………どうせ殺されるなら……)
デイモンドはこくりと頷いた
「さすが、私の息子だ」
何度も言われた言葉
だが、ようやく分かった
その言葉に愛なんてなかった
機械的なその声
ーもう少し考えて、人の話を聞くべきですー
(お前の言う通りだったよ……俺は…)
それは、ソフィアとシュルクの婚約を知らせる手紙
さらには結婚式の日程までもが記されており
結婚式は早く執り行われる予定だった
クラリス男爵家の当主
ワイアット・クラリスが異例の速さで結婚式の準備を進めていた
これはキュベレイ公爵家へ、ソフィアの結婚相手はすでに決まったと答える事になり
さらには他貴族達の後ろ盾も加わる
キュベレイ公爵家が下手に手出しできなくするため
(まぁ、そんなところだな…)
サイレス王子は自室で寛ぎながら受け取った手紙を見つめる
使用人が用意した紅茶はすでに冷えてしまった
それほど長い時間、ソフィアの結婚を知らせる手紙を見ていたのだろう
(我ながら…熱い愛だな…)
サイレスは苦笑しながら
冷えた紅茶を一気に飲み干した
そして、手紙に書かれた結婚式の日程をよく確認する
自由に出席可能だと書かれていた
他貴族達に見せるためだろう
サイレスはニヤリと笑い
使用人に声をかける
「この手紙の日程、この結婚式に参加する予定をしてくれ」
「クラリス家の結婚式ですか?サイレス王子にお知り合いはいるのですか?」
使用人に率直な疑問、当たり前の反応だろう
公爵家に出かける事はあるが、一貴族でしかない
クラリス男爵家の結婚式に、知り合いもいないなら参加する必要などない
「すこし、気になる者がいてな…」
「なるほど、分かりました…その日のためのお召し物も用意いたしますね」
「あぁ、頼む」
サイレスは窓から外を見つめ
収まらない笑いをこらえるように口を抑える
(ようやく家族になれるんだ…嬉しいな………)
不適に微笑むサイレスは結婚式を待ち望むのであった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「くそ!!!!」
「ひっ!」
キュベレイ公爵家、ディランはガラス製のコップを投げる
粉々に砕け、大きな音が鳴り響き
使用人が怯えたように声を上げた
ディランは届いた手紙を握りしめ
怒りのあまり、物を次々と壊していく
ディランに届いた手紙は他貴族達と同じく結婚を知らせる手紙だが
意図的に届く日が遅れていた
その結果ディランが根回しする前に他貴族達がソフィアとシュルクの結婚を祝う土壌が整ってしまった
「くそぉ!!すべてはお前のせいだ!!くそ!!」
ディランは椅子に縛った息子であるデイモンドを殴りつける
血が床に飛び散るが、デイモンドは動かずにうなだれていた
もう抵抗する気力も失う程に、両親からの虐待は続いた
狂気的なその様子にキュベレイ公爵家の使用人達は何人も辞めていった
残ったのは少ない使用人
妻であるレイチェルは現実が受け入れられず、廃人のように笑っている
さらに、デイモンドがロミエに貢いでいた額はかなりものであり
経済的にも余裕はなくなっていた
「デイモンド…」
「………………」
「デイモンド、聞こえているか?お前に最後のチャンスをやろう」
ディランは乱雑にデイモンドの髪を掴み引き上げ目を合わせる
息子である彼は傷だらけだ、だがディランは無表情に話す
「結婚式の日、どんな手を使ってでもソフィアを取り戻すぞ……ソフィアがシュルクと結婚すれば清き血を持つ子供を産むことはできない………………いいか?」
「……父様は狂ってる…」
ゴッ!!
ディランの拳がデイモンドの顔へ放たれる
鼻から真っ赤な血を流す息子に再度語りかける
「いいな?必ず……取り戻すぞ………………どんな手を使ってでもだ」
デイモンドは目の前の父の姿を見る
もはや、そこにいるのは怪物だ
何かを信じる狂信的な化物
(殺される……父に………………どうせ殺されるなら……)
デイモンドはこくりと頷いた
「さすが、私の息子だ」
何度も言われた言葉
だが、ようやく分かった
その言葉に愛なんてなかった
機械的なその声
ーもう少し考えて、人の話を聞くべきですー
(お前の言う通りだったよ……俺は…)
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