【完結】婚約破棄された私が惨めだと笑われている?馬鹿にされているのは本当に私ですか?

なか

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14話

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「父様、どうですか!」

嬉しそうに純白のドレスを身につけたソフィアは父であるワイアットの前で
子供のようにはしゃいでいる
ドレスを見せるように回り、ワイアットの言葉を待っていた

「ぐ……ふぐ…」

「父様!?なんで泣いてるの!?」

「う、嬉しいんだ…ソフィアがこうして笑って…シュルクと幸せになれる事が……ずっと夢見ていたことが現実になったんだ」

「父様………………ありがとう、私ね……父様も大好きだよ」

「あぁ……あぁ……父さんもお前が大好きだ…幸せにな」

「もう、まるで居なくなるみたいに……」

「………………さぁ、ソフィア…式がはじまるよ、準備しようか」

「うん!」

ソフィアとワイアットが腕を組み
歩き出す

式場へ

シュルクの待つ場所へと



「なぁ、ソフィア…」

「どうしたの?父様」

「この式が終わっても…父さんを……父と呼んでくれるか?」

「もう!何言ってるの?結婚前に不安になってるんでしょ?」

「ははは、そうかもな…さぁこの先だ」


ソフィア達は扉の前に立つ
この先にはすでに大勢の貴族達が結婚を祝うために出席して待っている
そして、新郎であるシュルクも


「いこうか、ソフィア」

「うん、父様」


扉が開き
ワイアットとソフィアは前に進む
大勢の貴族達が祝福の声をかける
その中にはアレキシスも微笑み見守っていた

笑顔と、祝いの言葉に包まれながら前に進む
その先には緊張した様子のシュルクが待っていた
だが、ソフィアと目を合わせると
互いに微笑み合う

「さぁ、シュルクの元に」

「はい」

ソフィアはワイアットと組んでいた腕を離し
前に進んでいく

その姿に父親として
ようやく娘を幸せにできたことが
ワイアットは嬉しく、また涙を浮かべてしまった

「おめでとう…ソフィア…」

ソフィアとシュルク
寄り添い微笑み合う2人に
ワイアットが祝福の声をかけた








瞬間
声が響いた




「皆様!!本日は式に来てくださりありがとうございます!!」


その声には誰もが振り向いた
来ると思っていなかった人物が、そこにはいた

キュベレイ公爵家の当主、ディラン・キュベレイが笑いながら会場に入ってくる
その後ろには妻であるレイチェル

そして、顔に血の染みた包帯を巻いたデイモンドがよろよろと続いた

「なんだあれは…」「デイモンドか?」
「傷だらけだぞ」

貴族達は動揺している中
アレキシス公爵だけが立ち上がり
ディランを睨む

「ディラン殿、今は式の途中です…何用ですか?」

「何用?アレキシス殿はなにを言っているのですか?この式は我が息子のデイモンドとソフィアの結婚ではありませんか!」


「は?」

その返答にアレキシスは理解が出来なかった

「何を言っているのですか」

「だから、ソフィアと結婚をするのはデイモンドだといっているだろう?」

「ふざけないでください!ディラン殿!!」

ワイアットは激昂してディランへと詰め寄る
娘の晴れ舞台を壊すような振る舞いに我慢ができずにディランへ掴みかかるが


「ふざけてなどいない!!」


ディランは懐からナイフを取り出し
ワイアットの首元に当てる
冷たい刃がひたりとワイアットの首筋に当たった


「おい、うそだろ」「何をしてる!」


他貴族達が怒りながら立ち上がり
止めにかかるが

「邪魔しないで!!!」


ディランの妻であるレイチェルが同じく刃物を振り回し
近づくことができない

「父様!!」「ワイアット様!!」

シュルクとソフィアが駆けだすが、その前に包帯を巻いたデイモンドが立ちはだかる
その瞳はうつろで、ぼんやりと2人を見つめていた


「デイモンド様…そこをどいてください」

「ソフィア…できない…おれは」

「どいて!お父様が!!」

叫んだソフィア
シュルクは拳を握り、デイモンドへと駆け出したが


「止まれぇ!!この場にいる者が動けばワイアットを殺す!!」

ディランの声が響き
皆の動きが止まる

「気が狂ったか…ディラン…」

「ワイアット
こんな手を使いたくなかったよ、お前が賢明な判断をしていればな…」

「ぐ……ふざけるな…」

「ふざけてなどいないさ…デイモンド…ソフィアを連れてこい」

ディランの声に
デイモンドは頷き前に進む


「ディラン殿、どうする気ですかな?こんな事をしてタダで済むはずがない…爵位も剝奪される…今すぐ止めるんだ」

アレキシスの言葉にディランは笑い出す

「ははは!!もはや爵位など関係ないソフィアを連れて逃げ…どこか遠い地で子供でも孕ませるのだ!清き貴族の純血さえ産めば…キュベレイ家は滅びないさ!」

「ふざけるな…」


狂っている
アレキシスの予想以上に
目の前の男は狂っている
もっと早く手を打てばと…後悔をしたがそんな事は考えている暇はない

なにか手はないかとアレキシスが考えるが、デイモンドはゆっくりとソフィアへと歩み寄る



「ソフィア…後ろに」

シュルクがデイモンドの前に立つ
お互いの視線が交差し、動きを止める

「デイモンド殿…あなたは本当にこんな事を望んでいるのか?」

「………………」

シュルクの言葉にデイモンドは黙っていた


「早くしろ、デイモンド」

「逃げなさい!ソフィア…私の事はいい!!」

「うるさい、ワイアット!!黙っていろ!純血を保つ事もできない愚図が!」



ディランが叫んだ時
もう1人の人物が、式場へやって来た






「いや、ディラン公爵……もう貴族の純血は絶えるさ」

アレキシスが顔を上げる
その場にいないと思っていた人物が会場にやってきたのだ


「サイレス………王子……」

「なにやら物騒な事をしているね」

サイレス王子はこの状況を気にする様子もなく
ディラン達の前へと進んでいく

「サイレス王子……一体どういうことですか?純血が保てない?ふざけた事を……ワイアットは純血の令嬢との間に子を持ちました…それがソフィアのはず」

「もう、話してもいいだろう?ワイアット……これまでよくぞ隠してくれた」

「サイレス王子………………」

サイレスの言葉に、ワイアットは何かを諦めたように頷いた


「な、何を隠していたのだ……」

「ソフィアは純血ではないさ………………いやそれよりも………………」




サイレスは笑顔のまま
淡々と言葉を続けた


「ワイアット・クラリス男爵の娘でもないのだから」








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